1/35 ホビーボス ドイツ LWS水陸両用トラクター

「北アフリカ戦線へ上陸するドイツ兵士たち・・・」
2008.10 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★☆
第2次大戦中に登場したドイツの水陸両用牽引車です。
LWSのLandは陸、Wasserは水、Schlepperは牽引車の意味です。ボートにキャタピラを取り付けたような非常にユニークな車輌で、乗員は3名、キャビンには20名の兵士を収容できました。 1939年から1940年の間に21両が生産されたと言われ、イギリス本土上陸作戦用に準備されたものの、作戦中止により東部戦線や北アフリカ戦線で運用されました。

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製作過程

模型各誌で取り上げられていたこの車輌は、トラックものと水面ジオラマが好きな私には見逃すことが出来ない魅力的なモデルです。まさに水陸両用モビルスーツ " ズゴック " といったところでしょう。 同時期にブロンコモデルズからも発売されていますが、ホビーボスではこの魅力的な車輌を船体とキャビンのスライド型による一体成形で組み立て易く、かつ3,500円ほど安く購入することができます。
海外キットは2作目ですが、操縦席やワイヤーリール等の車体内部再現、軟質樹脂製ベルト式キャタピラにエッチングパーツなど充実のキットです。
1.イメージ
LWS
  1. 全長およそ25cm、全幅10cmの迫力のビックサイズ。箱絵のイメージのまま、海上から北アフリカに上陸するシーンにしたいと思います。
  2. タミヤのようにフィギュアやアクセサリーがないため、以前製作したタミヤ Pkw.K1キューベルワーゲン82型(アフリカ仕様)"ロンメル野戦指揮"や手持ちのアクセサリーを活用してカスタマイズしたいと思います。
  3. ジオラマベースは前からストックしておいたタミヤ「情景水面フィルム」を活用したいと思います。
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2.塗装~下地塗装&基本色&筆塗り~
LWS
  1. 車輌の大きさのわりに273点という部品点数はストレスも少なく、簡単に組み上がりました。
  2. 組み立てと同時に今回のカスタマイズの目玉の1つ、麻縄製のバンパーを作っておきます。箱絵や模型誌では綿糸で細い縄を表現しているものが多いようですが、ここはやや太目の麻紐で海上の荒々しさを表現したいと思います。
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3.塗装&組み立て~下地塗装&基本色&筆塗り~
LWS
  1. 下地塗装としてサーフェイサーを吹きます。
  2. 操縦室内部はペンキらしくレーシングホワイトで缶スプレー。マスキングして車輌の基本色はダークイエローで缶スプレーします。
  3. 車輪やスクリュー、装備品などを筆塗りします。
  4. 乾いたら、1部後回しにしていた組み立てを完成させます。
  5. ここで用意しておいた麻縄製バンパーを木工用ボンドでしっかり接着します。
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4.塗装~ウエザリング その1~
LWS
  1. エナメルカラーのフラットブラック+フラットブラウンをジャブジャブに薄め、スミ入れとウォッシングを意識しながら筆塗りします。
  2. 「Mr.スーパークリアーつや消し」でてかりを消すとスミ入れもしっくりなじみます。
  3. ここでキャタピラとエッチングパーツのエンジンルーバーメッシュを接着します。
  4. ネットでの作例を参考に水あかとチッピングを意識しながら筆塗りします。今回は海上ジオラマの赤錆をイメージしてみました。
  5. フラットアルミで軽くドライブラシを行います。
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5.塗装~デカール&ウエザリング その2~
LWS
  1. 少なめのデカールをマークソフターを使って貼りますが、今回はストックしていたものがサイズ的に適していたので流用しました。
  2. 車輌上部をタミヤ「ウェザリングマスターセット」で砂や埃を表現し、車輌下部は " 液体ゴム(クリア) " でウエット感を表現します。
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6.ジオラマベース1
LWS
  1. ベースはタミヤ「スチレンボード5mm厚」。
  2. マスキングをしながら、海面部分はベースサイドを中心にブルーで缶スプレー、砂浜近くの海面はグラデーションを意識して缶スプレーします。
  3. 砂浜部分はダークイエローで缶スプレーした後、木工用ボンドを霧吹いて、壁用補修材やパステル(黄土色・茶色・白色)を茶こしで蒔きます。
  4. 砂や土の質感をシーナリーバラストで表現。
  5. 海面はタミヤ「情景水面フィルム」を使用。塗装済みの透明粘着フィルムはイベント限定商品で既に入手困難なのが残念です。
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7.ジオラマベース2
LWS
  1. 石や岩は光栄堂のレイアウトストーンを木工用ボンドで接着します。
  2. 今回のジオラマの目玉であるさざ波と水しぶきは石粘土「Premier」を練りこみ、スプーンで形作ります。「Premier」は本当に造形し易い粘土です。
  3. さらに「液体ゴム(クリア)+モーリン社製のスノーパウダー(市街地の雪)+フラットホワイト」を調合して、ディテールアップします。
  4. 細部をクリヤーブルーで微調整します。
  5. 水しぶきの境目は手芸用わたでぼかしを入れます。
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8.ディテールアップ
LWS
  • フィギュア3体・・・タミヤへ部品請求で「Pkw.K1キューベルワーゲン82型(アフリカ仕様)」から入手し、エポキシパテで一部補修。
  • キャビン内部・・・機関銃や装備品の他に地図や水筒など生活感を表現。
  • アンテナは延ばしランナーで、ドイツ海軍旗はパソコンで作成し、金属線にボタン糸で結びます。
  • 錨の他にも、大型ペンチや斧を外付け。甲板には水があふれるバケツも・・。
  • 麻紐製のバンパーと綿糸でロープを製作。タミヤ「陸上自衛隊 軽装甲機動車」から部品請求したタイヤをロープで結び付けます。
  • かもめをタミヤ「動物セット」から加工。
  • 液体ゴム(クリア)を車体下部にすり込みます。
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9.仕上がり
LWS
  1. 河合商会社製のディスプレイケースのべースにジオラマベースをスチのりで接着。
  2. 車輌をジオラマベースに置きます。
  3. フィギュア・アクセサリーを 適所に配置します。
  4. 水しぶき(手芸用わた)をピンセットでなるべく薄く引き延ばします。
  5. 背景パネルは青空をイメージしたものを選び、写真屋でプリントしたもの(W4つ切り)を使用。
  6. 河合商会社製のディスプレイケースのふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
高価な海外キットということで購入に多少の迷いはありましたが、パーツの整合性・完成後のシルエット共に申し分なし ! 欲を言えば、フィギュアとアクセサリーが付属していれば・・・と言った程度。実車自体が少量生産で知名度も戦果も乏しく、タミヤでは製品化が難しかったかもしれませんが、私にとっては待ち望んでいた水陸両用車です。 ただし、製作にあたっては1年半ぶりのAFVジオラマということで、過去の失敗や教訓を忘れていた事が悔やまれます。1つはウエザリングで、やや汚し過ぎだったかもしれません。
そして、2つめはジオラマベースで、粘土によるベースの反り上がりを忘れていました。早期にスチのりでベースに固定すべきでした。
過去にないくらい補修作業に時間を費やしてしまいましたが、良い点としては効率的な作業手順に、ジャンクパーツやストックアクセサリーの有効活用ができたと思います。ジオラマとしての車輌の躍動感はこれまでで最もうまく表現できたと思います。

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