1/35 ホビーボス アメリカ AAVP-7A1 追加装甲型

「海岸に上陸し、戦闘体制に入るアメリカ海兵隊・・・」
2009.10 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★☆
AAVP-7A1は、もともとはLVTP-7A1と呼ばれた車両で、1985年にAssult Amphibian Vehicle Personnel Model7A1と改称され、アメリカ海兵隊からの要求により水陸両用兵員輸送車の開発が始まりました。 イラク戦争でも海から遠く離れたバグダッドまで進撃していたアメリカ海兵隊のAAVP-7A1水陸両用強襲車。このキットはEAAKと呼ばれる強化装甲板を側面と上面に張り付け、152ミリ榴弾に対する弾片防護力を付与したものです。
操縦席、兵員室、銃塔のインテリアを含んだフル・ディテールキットで、キャタピラはホビーボスとしては初めてのインジェクション製の連結式です。

Photo Gallery


製作過程

以前から気になっていた水陸両用強襲車で、タミヤから「アメリカ強襲水陸両用車 AAVP7A1アップガンシードラゴン 」(スポット生産品)やホビーボスからも「AAVP-7A1 新砲塔搭載車」などが発売されていましたが、 装甲がないとどうもスッキリし過ぎる感があり、購入をためらう中、本キットの発売を模型誌で知り、即購入しました。
ジオラマ化にあたっては以前製作したドイツ LWS水陸両用トラクターに近い場面設定で、箱絵を参考に装備品やフィギュアの別途購入を考えて製作していきます。 エッチングパーツ・連結組み立て式履帯・クリアーパーツなど高価なキットにふさわしい内容で、長期戦覚悟で取り組む必要があります。
今回は ①車内組み立て、塗装後に装甲を取り付ける ②マスキングテープを活用した筆塗り迷彩塗装への挑戦 ③連結組み立て式履帯の初挑戦 ④装備品・フィギュア・クリアーパーツに独自のディテールアップを施す  ⑤ベースと背景パネルで現場の雰囲気を表現する をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
AAVP-7A1
  1. 以前製作したドイツ LWS水陸両用トラクターとは少し場面を変えて、海から上陸した後の様子を表現したいと思います。なぜならば、リアゲートをオープンにして、車内を見せたいからです。
  2. 部品点数はそれなりですが、車内を塗装まで完成させて、装甲を取付け、また塗装・・・、初めての連結組み立て式履帯・・・時間と忍耐が必要です。
  3. モールドもしっかりした、いいキットなのですが、フィギュアが付属しません。そこで、箱絵ともピッタリのイメージのタミヤ「アメリカ現用歩兵・アクセサリーパーツセット」を購入しました。
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2.組み立て1
AAVP-7A1
  1. 組み立ては比較的サクサク進みますが、エッチングパーツはもちろん、瞬間接着剤を多用するところが多かったです。
  2. 車両上部はできるところまで、車両下部、ロードホイール、車内の機器まで組み立てたら、いったん組み立ては中断です。ここまでは、パーツのフィット感は良好です。
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3.塗装1
AAVP-7A1
  1. 車内の基本色はネットで実車の画像を参考にタミヤスプレー灰緑色(日本海軍)を選択します。
  2. 各機器や配管、シートを筆塗りします。
  3. デカールを貼り付けます。
  4. 薄めたフラットブラウン+フラットブラックでスミ入れします。
  5. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  6. 水筒や機銃、ジェリカン、タミヤ「連合軍車輛アクセサリーセット」からコンバットレーション用カートンなど、ストックしておいた装備品を取付け。
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4.組み立て2 + 塗装2
AAVP-7A1
  1. 基本色はガンダムカラースプレー Gグリーン1にします。先にハッチ周辺のみサーフェイサー(グレー)を吹き、Gグリーン1を吹きます。
  2. クリアパーツをクリアーレッドとブルーに塗装し、ハッチ内側に接着します。
  3. 車両上部を接着。一部がうまくフィットせず、エポキシパテで埋めて、ペーパーを施しましたが、細かい補正は迷彩塗装でも行なうこととします。(装甲は未処理)
  4. 塗装した車内とハッチ周辺をマスキングしてサーフェイサー吹き、前後のライトをマスキング。
  5. まずはロードホイールなど車両下部を中心に装甲の内側をGグリーン1でスプレーします。
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5.組み立て3 + 塗装3~迷彩塗装~
AAVP-7A1
  1. ロードホイールをフラットブラックで筆塗りし、車両下部を薄めたフラットブラウン+フラットブラックでウォッシングします。(装甲接着後は塗装できないため)
  2. 連結組み立て式キャタピラを製作。下地にシルバーリーフでスプレーして、ガンメタルで筆塗り。
  3. キャタピラロードホイールに接着します。
  4. 装甲を接着し、車両下部をマスキングします。
  5. 車両の迷彩塗装は一番薄い色、薄い茶色から塗装。「タミヤスプレー タン(USAF)」を使用。
  6. その上に塗装参考図を元にマスキングテープをかたどり、貼ります。
  7. Gグリーン1を車両全体に吹きます。
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6.塗装4~デカール+ウォッシング+ウエザリング~
AAVP-7A1
  1. 最後に塗装参考図を元にフラットブラックで最後の迷彩を筆で描きます。この時にエポキシパテや接着剤の浮きをぼかすラインを意識します。
  2. マスキングしておいた前後のライトを筆塗り。
  3. マークソフターを使ってデカールを貼ります。
  4. クラックを避けるため、フラットブラウン+フラットブラックを油絵の具用薄め液「ペトロール」で薄めてウォッシングを行います。
  5. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  6. フラットアルミで軽くドライブラシを行います。
  7. 黄土色のパステルで車体下部を軽く砂ぼこりっぽくします。
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7.フィギュア
AAVP-7A1
  1. 車体や銃にフィットできるようにフィギュアの手足を固定し、接着します。
  2. サーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
  3. 一番薄い茶色から、タミヤスプレー タン(USAF)でスプレーします。
  4. ライフジャケットを残し、フラットグリ-ンを筆塗りし、フラットブラックで筆塗り迷彩塗装。
  5. 皮膚の塗装は赤みを持たせて、筆塗りします。
  6. 銃や水筒などアクセサリーを取り付けます。
  7. ⑦薄めたフラットブラウンで髪の毛の生え際や服の影、しわを付けていきます。
  8. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
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8.アクセサリー
AAVP-7A1
  1. タミヤ「アメリカ現用歩兵・アクセサリーパーツセット」に付属する戦車砲弾木箱や弾薬ケース、アセチレンボンベ、ジェリカン、機関銃を組み立て、塗装、一部デカールを貼り付けます。
  2. ストックしておいたバック類にも前記同様の迷彩塗装を施します。
  3. それぞれを車体や車内に取り付けます。
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9.ディテールアップ
AAVP-7A1
  • クリアーパーツ・・・ハッチのブルーのクリアーパーツ裏に銀のジャンクシールを貼り付けます。明かりが差し込むと輝きが一層増します。
  • 装備品・・・綿糸でロープにし、ジャンクパーツでフロントに固定。車体固定用にスコップを改造。
  • 国旗・・・アメリカ国旗はパソコンで作成し、金属線で固定します。
  • アンテナ・・・ディスプレイケースの高さを調整し、延ばしランナーでアンテナを取付けます。
  • フィギュア・・・フィギュアの一部に真鍮線で作った双眼鏡のストラップやマイクを付けます。
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10.ベース
AAVP-7A1
  1. ベースにはタミヤの「スチレンボード5mm厚」を使用し、マスキング、木工用ボンドを霧吹き、壁用補修材を茶こしで蒔きます。
  2. 乾燥する前にキャタピラで走行跡を付けます。
  3. 地面を薄くライトサンドで缶スプレー。
  4. NOCH製のコルクロックを石粉粘土で固定し、木工用ボンドで接着します。
  5. 水辺の雑草として「ライケン」を植えます。
  6. 「レイアウトストーン」や「ガーデニング用小石」を地面に接着します。
  7. 薄く地面や岩に影として薄めたフラットブラウンで筆塗りします。
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11.仕上がり
AAVP-7A1
  1. フィギュア、装備品を車体に接着します。
  2. 河合商会社製のディスプレイケースのべースにジオラマベースを乗せます。車両を設置し、同時にリアゲートをオープン、付属の糸を接着剤で硬化させ、取り付けます。
  3. お約束の動物は戦場の安らぎの1コマとしてかもめをタミヤ「動物セット」から加工しました。
  4. 背景パネルは海辺をイメージし、空と海、砂浜の画像を選び、写真屋で拡大プリントしたもの(W4つ切り)を使用します。
  5. ふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
長期間に渡ってアイデアを思い浮かべながら少しずつ製作して完成した、久々に納得の作品です!
組み立て手順の工夫、マスキングテープを多用した筆塗り迷彩塗装、思い切ったガンダムカラースプレーの選択などこれまでの経験の集大成と言えるでしょう。もちろん、キット自体の素材の良さもありますが、フィギュアや装備品のディテールアップなど自分なりのこだわりも詰め込みました。
ベースは車両を浮き上がらせるためにシンプルな砂浜にしました。車両が大きく、ディスプレイケースに収めるという制約がなければ、もう少し凝ったジオラマができたかもしれません。
欲を言えば、ドイツ LWS水陸両用トラクターのように車両上部が外れて、車内が完全に見れるとよいのですが、以前から理想として描いていた水陸両用強襲車に出会えて大満足の作品となりました。

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