1/35 タミヤ U.S.ジープ・ウイリスMB

「ドイツの森を駈け抜けるアメリカ兵士たち・・・」
2008.12 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★★
ノルマンディ上陸作戦後、連合軍はドイツ国境に向けて快進撃を続けましたが、前線部隊に必要な弾薬や燃料、食料の補給が大きな問題となりました。そこでノルマンディの補給基地から最前線まで2.5トントラックをフルに動員しての輸送作戦「レッドボール急行」が1944年の夏から秋にかけて実施されました。  
今回は作戦中、レッドボール急行参加部隊としてU.S.ジープ・ウイリスMBでドイツの森を物資輸送するアメリカ兵士を描きました。U.S.ジープ・ウイリスMBはドイツ軍のキューベル・ワーゲンのような軍用小型車の必要性からバンダム、ウイリス、フォード社によって開発されたもので、短期間に奇跡とも言える自動車が生み出されたのです。   

Photo Gallery


製作過程

以前から作りたいと思ってたジープ、仕様違いの同じ車両を2台並べたい、橋を使ったジオラマにしたい。そんな思いが融合したのが、今回の作品です。
1号車(仮称)のタミヤ「U.S.ジープ・ウイリスMB」はオークションで仕入れた超レアなキットで、発売から20年は経過していると思われる絶版品です。カーゴとホロ付でどうしても手に入れたくなりました。 2号車(仮称)はその最新リニューアル版といったもので、微妙にディーテールや組み立て手順が違うところもなかなかおもしろいものでした。
1.イメージ
U.S.ジープ
  1. 舞台はミラージュホビー「ジオラマ木製橋」を使用。
  2. 2台のキットにはそれぞれフィギュアが付属していますが、追加のアメリカ兵としてこちらもオークションで仕入れた超レアなタミヤ「U.S.コンバットクルーセット」を活用します。
  3. カーゴと2台の後部座席にはタミヤの「連合軍車輛アクセサリーセット」を活用します。
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2.組み立て
U.S.ジープ
  1. 単一色で一気に組み立てられると思いきや、細かく塗装指示があり、出来るところまで組み立て、筆塗り後に組み上げることにします。
  2. 小さいキットに加えて、パーツのフィット感もいまいちで、なかなか苦労しました。
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3.塗装1~下地塗装&基本色&筆塗り~
U.S.ジープ
  1. 少しでも発色を良くするために下地塗装として白のサーフェイサーを吹きます。
  2. 車輌の基本色は説明書指示のオリーブドラブより明るいオリーブドラブ2で缶スプレーします。
  3. 細部を筆塗りします。
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4.塗装2~ウエザリング~
U.S.ジープ
  1. 今回は基本色が暗くなりがちなので、汚しは控えめに ! を強く意識します。ウォッシングはせず、エナメルカラーのオリーブグリーン+フラットブラウンを薄め、スミ入れのみに留めます。
  2. 「Mr.スーパークリアーつや消し」でてかりを消すとスミ入れもしっくりにじんで、落ち着きがもたらされます。
  3. 車輌下部をタミヤ「ウェザリングマスターセット」で砂や埃を表現します。
  4. フラットアルミで軽くドライブラシを行い、金属感を表現します。
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5.フィギュア&アクセサリー
U.S.ジープ
  1. フィギュアは車両の組み立てを待って仮組みをし、ポージングを決めてから接着します。サーフェイサーを吹き、筆塗り、スミ入れ、「Mr.スーパークリアーつや消し」でてかりを消します。仕上げにタミヤ「ウェザリングマスターセット」で落ち着かせます。
  2. 同様にミラージュホビー「ジオラマ木製橋」とタミヤ「連合軍車輛アクセサリーセット」もストック分も合わせて作りました。
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6.ベース1
U.S.ジープ
  1. 今回は高低差を使うため、ベースにはモーリン社の「模型用スタイロフォームSF-01とSF-21」を使用します。
  2. 橋に車両を載せて、レイアウトを考えます。
  3. ベース全体をいつものストーン調スプレーで吹き、乾燥を待ちます。
  4. 乾燥後、ベースサイドをマスキングをし、水で薄めた木工用ボンドを霧吹きで吹いて、壁用補修材を蒔きます。
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7.ベース2
U.S.ジープ
  1. パステル(黄土色・茶色・白色)を蒔きます。
  2. 石や岩は光栄堂のレイアウトストーンを接着。
  3. さらに川はクリアーブルーとクリアーグリーンで塗装し、砂利をシーナリーバラストや石で表現。
  4. タミヤ限定販売「海面プレートA」を接着。
  5. 雑草として「フォーリッジクラスター」「ライケン」「鳥の巣草(太・細)」「竹ぼうきの一部」を植えていきます。
  6. 仕上げに壁用補修材で地面を白っぽくして落ち着かせます。
  7. マスキングを剥がして仕上がりです。
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8.ディテールアップ
U.S.ジープ
  • フィギュア4体・・・1号車のフィギュアは運転に集中する兵士と銃を手にする兵士。2号車は肩ひじをつく運転手と左手を伸ばしたリラックスポーズの兵士。唯一無帽の頭部はタミヤ「ドイツ野戦炊事セット」から流用しました。
  • 1号車のカーゴにストックの装備品を流用。アンテナは延ばしランナー。2号車はM1919A4軽機関銃を取付け、通信機からも延ばしランナーアンテナを、2号車のフロントガラスはワイパー跡を。
  • 道標はミラージュホビー「ジオラマ木製橋」に付属するものと1/48のタミヤ「道標セット」で製作。
  • タミヤ「動物セット」から鳥とうさぎを、「トリケラトプス情景セット」からカエルと魚を取付。
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9.仕上がり
U.S.ジープ
  1. 河合商会社製のディスプレイケースのべースにジオラマベースを乗せます。
  2. 車輌を橋の上に置きます。
  3. 背景パネルは青空をイメージしたものを選び、写真屋で拡大プリントしたもの(W4つ切り)を使用します。
  4. ディスプレイケースのふたをしたら完成!

※2009年10月 ベースサイドに両面テープで木目調の画用紙を貼り付けました。
製作後記
これぞミリタリー !1/35スケールの中でも大型車両に走りがちですが、精密感あふれるジープには感動です。特にホロ付はお気に入りです。
さらに木々に動物、水面には魚、砂利といった情景要素が本作品には凝縮されています。多くのレアキットを購入し、コストと時間をかけただけありました。
久々にイメージ以上に仕上がりましたが、あえて言うなら背景が森と言うより海上っぽくなったことです。しかしこれは濃緑色一色から明るさを取り入れるために選択したのでやむなし。あとはジオラマベースをもう1cm下げてもよかったかもしれませんね。

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