1/144 バンダイ RX-78F00 ガンダム&ガンダムドック

「動け、ガンダム。」
2021.1 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★
U.C.0079、一年戦争時のア・バオア・クー激戦の中で失われたと言われる「RX-78-2 ガンダム」。
極東アジア地区の地球連邦軍関連施設「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」近郊でRX-78タイプと思われる大量のパーツが発見されました。これは地球圏において巨大なMSのパーツを秘密裏に輸送・保管するのに格好の地であった横浜が、西暦の時代から大型貨物のターミナル港であったためかもしれません。
様々な研究者、エンジニア、クリエイターたちが集結し、約2年の研究開発を経て再構成されたMSは「RX-78F00」と呼ばれ、横浜山下ふ頭において起動実験が始まりました。ちなみに型式番号のF00はフォーミュラ計画及びその計画を推進していたサナリィとの関連も噂されるものの、詳細は不明となっています。
「ガンダムGLOBAL CHALLENGE」は幅広くアイデアやプランを募集し、各界のプロフェッショナルが集結し、18mの実物大ガンダムを動かすという究極の夢の実現のためのプロジェクトです。そして、一般社団法人ガンダムGLOBAL CHALLENGEと株式会社Evolving Gが「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の一環として横浜市と連携し、2020年から「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」を期間限定でオープンしたのです。

Photo Gallery


製作過程

購入のきっかけはプレミアムバンダイからのメールに飛びついたわけですが、その時はG-ドックが今後のジオラマ作品に転用できればいいくらいの購入動機でした。「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」でも販売されるこのキットを注文後によく見ると型式「RX-78F00」?そして、気持ち悪いくらいの多数のモールドと奇異なカラーリング・・・そうかこれはファーストガンダムじゃないんだ・・・。
そして、2020年12月18日NHKBSプレミアムで放送された「生中継!ガンダム動く」を見て、これはできるだけ忠実に再現したいと決意しました。放送時既にキットは手元にありましたが、それまで「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の情報をほとんど収集していなかったため、完成イメージは特にありませんでしたが、放送を見て一気に製作意欲に火が付きました。

 
 

1.イメージ

機動戦士ガンダム

購入後、珍しく積みプラ状態になっていた本キットは「生中継!ガンダム動く」を見て、ようやく製作に取り掛かることになりました。

  1. 箱を開けてまず気になるのはHGブランドでもなく、RGを思わせるようなそのモールドです。G-ドックのパーツが多い分、ガンダム本体のパーツは少なく感じます。
  2. ガンダムはイロプラ漏れが多数あり、映像や画像を調べての追加塗装が必要です。
  3. 異様なモールドにクラック対策を施して、スミ入れを丁寧に行います。
  4. G-ドックの整備用通路に手すりなどを追加します。
  5. 会場の映像を参考にキットにない観覧デッキとバックヤードを自作します。
  6. PC作成したでラベルシールを活用します。

2.塗装

機動戦士ガンダム

今回のガンダムは組み立て前の塗装がポイントです。とにかく実機の「RX-78F00」の配色に対して、イロプラ漏れがあまりにも多いため、筆塗り箇所の検証に時間を要します。

  1. 基軸パーツをガンメタルで塗装します。
  2. 胸部の装甲をサーフェイサーで吹き、乾燥後筆塗りする箇所をマスキングし、レーシングブルーで塗装します。
  3. 胸部の一部→スカイブルー
  4. バルカン、顎下、胸部ダクト、スカートの一部→レモンイエロー+キャメルイエロー
  5. 腰部、足裏の一部→メタリックレッド
  6. 頭部、腕、スカート、足、ビームサーベルの一部→ロイヤルライトグレイ+ジャーマングレイ

3.組み立て

機動戦士ガンダム

製作前は変なカラーリングのガンダムだと思っていましたが、パーツを組み付けていくと、塗装中には感じなかったなかなかいい仕上がりに感動しました。
プロポーションもよく、モデラーの間ではキモイと言われるくびれたウエストも私は気に入りました。
パーツの合わせ目消しは腕のみで済みました。

4.ディテールアップ

機動戦士ガンダム

RG並みのクオリティーを持つこのキットはディテールアップの余地はほとんどありませんが、頭部のみ手を加えます。

  1. ブレードアンテナをシャープ化します。
  2. ツインアイは付属のシールは使用せず、クリアーパーツをフラットブラックで塗装して、手持ちのシャープなイメージのRGガンダムのホイルシールを貼り付けて輝きを増します。
  3. 前面のスカートは起動セレモニーのシーンを再現できるように分割します。

5.スミ入れ&コーティング

機動戦士ガンダム
  1. 上半身は「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行います。
  2. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」を「Mr.ウェザリングカラー 専用うすめ液」でややジャブジャブ気味に薄めて白いパーツにスミ入れを行います。
  3. 拭き取りは、綿棒と「ガイアノーツ G-06br フィニッシュマスター極細R」を併用、さらに「Mr.ウェザリングカラー 専用うすめ液」と大創の「オイルライター専用オイル」を併用して行います。クラックは発生しませんでした。
  4. 必要に応じてガンダムマーカーやシャーペンでスミ入れを補正します。
  5. 付属の数少ないマーキングシールを貼り付けます。
  6. 「Mr.スーパークリアー光沢」でコーティングします。今回は実機のイメージに合わせて光沢を選択しました。

6.ガンダムドックタワー1

機動戦士ガンダム

キットに付属しないガンダムドックタワーの観覧デッキとバックヤードを自作します。

  1. NHKBSプレミアム「生中継!ガンダム動く」の映像やネットの画像を参考に実物大の設計図を描きます。
  2. タミヤ1mm、3mm角棒、3mmH形棒、スチレンボード3mm厚で骨格を作ります。
  3. 台座は加工しやすいメラミンスポンジで作ります。
  4. 観覧デッキはサーフェイサー(ホワイト)を、バックヤードはジャーマングレイで塗装します。
  5. 観覧デッキにPCで作成した青いラベルシールを貼り付けます。

7.ガンダムドックタワー2

機動戦士ガンダム

観覧デッキの柵、エレベーター棟、スピーカー(?)を自作します。

  1. タミヤ1mm角棒を支柱にホームセンターで購入した網で観覧デッキの柵を作り、ジャーマングレイで塗装します。
  2. ホームセンターで購入したL字アングル(透明)を透明の壁や柵として両面テープで固定します。
  3. エレベーター棟とスピーカー(?)も加工しやすいメラミンスポンジを芯にして、PCで作成したラベルシールを貼り付けます。
    1F、5F、6Fエレベーターの入り口も画像として取り込み、貼り付けます。

8.G-ドック1

機動戦士ガンダム

G-ドックの整備用通路に手すりを追加します。
キットでは2つ整備用通路のパーツしか付属せず、実際のG-ドックからは大幅に省略されています。ここについては自作するにはあまりにも困難な構造のため、妥協を強いられました。

  1. ホームセンターで購入した網を整備用通路の足元に貼り付けます。
  2. 100円ショップで購入したカラーバスケットの網目を手すりに加工します。
  3. サーフェイサーを吹いた後、乾燥後オレンジで塗装します。
  4. 手すりを取り付けます。

9.G-ドック2

機動戦士ガンダム

G-ドックの映像を検証して、さらに細部のディテールアップを進めます。

  1. フレームと台座はジャーマングレイで、G-キャリアはマットブラックで塗装します。
  2. タミヤ1mm丸棒とジャンクパーツでアンテナと思われるパーツを自作し、サーフェイサー(ホワイト)を吹き、4か所に取り付けます。
  3. 天井部の棒状のパーツをタミヤ3mm角棒にオレンジで塗装して取り付けます。
  4. 起動セレモニーでもカウントダウンで目立った液晶パネルを"STANDBY"モードで製作します。画像を取り込み、スチレンボードに貼り付けて取り付けます。
  5. 台座の"GUNDAM-DOCK"の付属シールは実際のサイズと差があるために台座の両サイドや上部も含めてPCで製作したラベルシールに置き換えます。
  6. 支柱の白いシールが前面しかないため、後方の支柱もラベルシールで補完します。

10.ジオラマベース

機動戦士ガンダム
  1. 100円ショップで購入したスタンダードフレーム(24.2cm×27.2cm)をジオラマベースとします。
  2. スチレンボード3mm厚にサーフェイサーを吹き、乾燥後ジャーマングレイで塗装し、ジオラマベースに取り付けます。
  3. サイコガンダムのジオラマでも使用したEvemodel「Model Figures」をクリアーフィルムに接着して取り外し可能な状態で観客として配置します。
  4. ジョージアのCMで印象的な人差し指を掲げるシーンを再現するために、ビーム・ライフル用の手に、広げた手の指先を移植します。
  5. 実機にないビーム・ライフル、ビームサーベル、シールドは使用しないものとします。

11.仕上がり

機動戦士ガンダム
  1. スチのりや両面テープを駆使して、すべてのストラクチャーを組み上げます。
  2. 「RX-78F00 ガンダム」をG-キャリアに取り付けます。
  3. 「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」起動セレモニーで現れたパイロットをジャンクフィギュアで製作、塗装して配置することでMSの巨大さが強調されます。
  4. 最後にHOBBY BASEのモデルカバースクエア(特大)にジオラマベースを乗せます。ふたをしたら、いよいよ完成!

製作後記

いつ完成するのか終わりが見えないまま1ヶ月以上の長い製作期間を経てようやく完成しました。
HGやRGブランドに属さないこのガンダムはパーツ数が少ないものの、構造の簡易化による組み立てやすさと広い可動域を誇り、ガンプラ初心者にも安心のアイテムとなっています。しかしながら、その独特なカラーリングは追加塗装無しでは再現しきれないために実機の「RX-78F00 ガンダム」の配色やボックスアートなど多くの映像や画像の検証に長い時間を費やしました。
また、最も苦労した観覧デッキは設計図を描いて、ホームセンターで素材を探し、何度もパーツを作り直し、瞬間接着剤やスチのりと格闘しながら作業を進めました。
整備用通路の手すりなどキットの構造上完全再現が困難で妥協した点も多々あり、ストラクチャーの自作をしてると、スナップフィットに慣れた自分の工作スキルはまだまだだなと感じましたが、最終的にはPhotoshopによる画像加工によって、横浜みなとみらいの景色と同化した美しい画像に仕上げること出来ました。

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