1/144 バンダイ HG RB-79 ボール ツインセット

連邦兵「待て、新型は1機だけのようだ。あとはリック・ドムかザクしかいない。やるぞ!」
2023.3 製作&2022.3 ウェザリング追加
お気に入りランク:★★★☆☆  レア度:★★★★★

RB-79ボールは地球連邦軍が宇宙用作業ポッドを戦闘用宇宙ポッドに拡大設計した機体であり、一年戦争後期に大量に実戦投入された簡易型MSです。
その運用はソロモン海戦やア・バオア・クー攻略戦において、1機のジムをリーダーとして2機のボールが最小単位のユニットとして支援投入されました。しかしながら、実際にはMSレベルの運動性や機動性を発揮出来るわけでもなく、低コストで運用された背景においては兵士から「丸い棺桶(コフィン・ボール)」や「一つ目のマト(ワンアイズ・ターゲット)」と陰口を叩かれていたようです。
一方、劇中ではガンダムを始めとする地球連邦軍のMS部隊がア・バオア・クーへ取り付く際にはボールが露払いと援護を勤め、MS部隊が続々と上陸を果たし、その活躍は一年戦争終盤の情勢を左右し、地球連邦軍を勝利に導いたと言っても過言ではないでしょう

Photo Gallery


製作過程

ボールは”サンダーボルト版”以来2度目の製作となります。
このキットは街の模型店で偶然見つけたもので、最近のガンダムベース福岡の再販でも見かけないレアキットです。ア・バオア・クーでの戦場ジオラマを製作するにあたって、ジムとセットで欠かせないキットであり、購入に至りました。
パッケージアートと取扱説明書ではカラーリングが大きく異なります。ボール単体としてはパッケージアートの方がリアリティがあって格好いいのですが、他のMSとの共演も考慮して劇中に忠実な取扱説明書のカラーリングで仕上げたいと思います。

 

1.イメージ

ボール

予想はしていましたが、機体のど真ん中にガッツリとパーツの合わせ目が出来ます。
気になる成形色は劇中とほぼ同じ水色ですが、クリアーパーツがクリアーイエローになっているのはクリアーグリーンに塗り変える必要があります。

  1. 機体中心部、アーム根元部、180mm低反動砲、2連装キャノン砲にパーツの合わせ目消しを行います。
  2. 機体色は劇中に近い成形色を生かし、塗装は敢えて行わないことにします。
  3. コクピットハッチのクリアーパーツをクリアーグリーンに塗装します。
  4. スミ入れはクラック対策としてガンダムマーカーメインで行います。
  5. 2機目は2連装キャノン砲を取り付け、かつ最終的にはダメージ仕様にします。

2.組み立て1

ボール

パーツの合わせ目消しを行うため、ダボ処理から始めます。

  1. このキットはパーツの組み付けがかなり硬いです。
    パーツの合わせ目消しにあたってしっかりパーツがかみ合うよう、ダボを大胆にカットします。
  2. ポリキャップを先にジャーマングレーで塗装して本格的な組み立てに備えます。

3.パーツの合わせ目消し

ボール
  1. パーツの合わせ目消しの事前処理として、コクピットハッチとサイドのクリアーパーツを成形色のクリアーイエローからクリアグリーンに塗装しておきます。
  2. 機体本体のレッドとクリアグリーンの側面パーツを組み付けておきます。
  3. 機体本体、アーム各部、180mm低反動砲、2連装キャノン砲のパーツの合わせ目にたっぷりとタミヤセメントを塗り付けて4、5日硬化を待ちます。
    可能な限りクリップで挟み込んで硬化を待ちます。
  4. 硬化後、それぞれのパーツをフィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後に3M社のスポンジ研磨材で仕上げます。
  5. 機体本体の成形色を生かすためにパーツの合わせ目消しはここまでとしますが、塗装する180mm低反動砲、2連装キャノン砲は
    サーフェイーサー(濃いグレー)を吹き、必要に応じてサフと研磨を粘り強く繰り返します。
    なお、180mm低反動砲については構造上2段階のパーツの合わせ目消しが必要となります。

4.塗装

ボール

パッケージアートと取扱説明書の完成見本を見比べると機体色やバーニア、180mm低反動砲、2連装キャノン砲などカラーリングが異なります。劇中のカラーリングに合わせるためにパッケージアートは無視して、成形色を生かした仕上がりを目指します。
塗装は180mm低反動砲、2連装キャノン砲、台座をジャーマングレイで塗装します。

5.ディテールアップ

ボール

機体色は成形色を生かし、コクピット周辺をディテールアップします。

  1. 前述のとおりパーツの合わせ目消し前にコクピットハッチのクリアーパーツをクリアグリーンに塗装しておきました。
  2. コクピット周辺をマスキングして、コクピットをアルミシルバーで塗装して、クリアーパーツ越しに輝きを与えます。
  3. コクピット内にストックしておいた座位のパイロットフィギュアをフェイスシールドをクリアグリーンに、シートベルトをガンダムマーカースミいれ用<グレー>で塗装して接着します。
    (完成後劇中のパイロットのノーマルスーツはオレンジにブラックのライン、シートベルトはグリーンであることが判明しましたが、コクピットハッチは一旦組み付けると取り外し不可のために塗り直しを断念しました。)
  4. コクピットサイドの丸モールド、バーニア根元→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>

6.スミ入れ&コーティング

ボール

クラックを警戒して、ガンダムマーカーメインでスミ入れし、はみ出したら適宜溶剤で拭き取ります。
クリアパーツを除外もしくはマスキングして各パーツごとにGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」でコーティングします。

  • 180mm低反動砲、2連装キャノン砲はガンダムマーカースミいれ用<ブラック>でスミ入れします。
  • 機体の成形色を生かすパーツはガンダムマーカースミいれ用<グレー>でスミ入れします。
  • バーニア→Mr.ウェザリングカラー マルチブラックでスミ入れします。

7.組み立て&マーキング

ボール
  1. マスキングを剥がして、各部を組み立てます。
    180mm低反動砲、2連装キャノン砲をそれぞれ取り付けます。2連装キャノン砲の機体は最終的には派手なダメージを受けた仕様にする予定です。
  2. 2連装キャノン砲のセンサーにはホイルシールが付属しないため、新商品のバンダイ「カスタマイズマテリアル(3Dメタリックシール)」を活用します。
    メタリックレイヤーを挟みこんだ、立体感のあるグリーンのプラスチックシールをセンサーに貼り付けます。ホイルシールと比べるとずいぶんと厚みがあります。

8.仕上がり

ボール

すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!

なお、最終目標であるア・バオア・クーでの戦場ジオラマに配置するまでにはウエザリング仕様にし、2連装キャノン砲の機体はダメージ仕様にする予定です。

9.ウェザリング

ボール

最終目標であるア・バオア・クーでの戦場ジオラマに向けて量産型ザク、旧ザク、リックドム、量産型ゲルググ、ジムとともにウェザリング仕様に仕上げます。
地上戦ではないためにブラウン系の砂ぼこりを避け、デブリによる塗装のはがれを意識します。ジオン系MSとの差別化のためにウォッシングやウェザリングマスターの使用を控えたシンプルな汚しを施します。

  1. タミヤ「ウェザリングマスターセットB」でモールド、エッジ、砲身に沿って描きます。
  2. メラミンスポンジでグラデーションを意識しながら拭き取ります。
  3. 赤錆としてクリアーオレンジで描きます。
  4. エナメル塗料のクロームシルバーをスチールウールタワシに付けて金属のはがれを表現します。
  5. 同じエナメル塗料のクロームシルバーでドライブラシをエッジを中心に掛けます。
  6. 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

    ジオラマ作品「ア・バオア・クー」に配置します → 機動戦士ガンダム > 1/144 バンダイ HG MS-06 ザクⅡ を参照

製作後記

このキットは180mm低反動砲、2連装キャノン砲が選択式でそれぞれ2セットあるため、完成度の高い方を機体に取り付け、一方を予備パーツにすることが出来ます。シンプルな台座も付属していますが、ジオラマでは1機を飛行バージョン、もう1機を撃墜されるダメージ仕様バージョンにしたい思います。
ディテールアップとしてはコクピット内部をアルミシルバーでクリアーパーツ越しに明るく見えるようにし、クリアーパーツをクリアグリーンに塗り替えました。また、ストックしておいた座位のパイロットフィギュアを座らせるアイデアは製作中に思いついたアイデアで、コクピットハッチを開閉することなくパイロットが見えるキットは初めてではないでしょうか。しかし、塗装レシピを考証不足で誤った点は残念です。
劇中のカラーリングに合わせた仕上がりにするとおもちゃ感が強く出てしまいますので、満足度としては”サンダーボルト版”のボールの方がはるかに上になります。


2023.3 Galleyにジオラマ画像、製作過程に ”9.ウェザリング” を追加。

prev 前のページへ このページのトップへ次のページへnext