1/100 バンダイ MG MS-06J ザク Ver.2.0

「LOSTしたジオン兵を救出にやって来たザク」
2007.6 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★☆☆
初めてのマスターグレードへの挑戦 ! バンダイが " MS史に残る傑作 "と豪語するこのザクを作るきっかけは『U.C.HARD GRAPH 』シリーズのザクヘッドに刺激を受けたからです。しかし、『HCM-pro』『MS IN ACTION』のザクは共にスタイルがいまいち・・・。マスターグレードへの挑戦となったわけです。
このキットのセールスポイントである可動範囲を生かして、ザクのポーズは膝を着いた「かがみ」ポーズにし、舞台はアメリカの人気テレビシリーズ「LOST」の無人島をイメージし、墜落した戦闘機のパイロットを救出しに来たシーンにします。

Photo Gallery


製作過程

このキットのセールスポイントである可動範囲を生かして、ザクのポーズは膝を着いた「かがみ」ポーズにしたいと思います。 箱の写真や模型誌を見るとコクピットから降りるパイロットを手のひらに乗せるシーンが多いのですが、私は逆に地上にいる兵士を 手のひらに乗せて拾い上げるシーンにしたいと思います。 その前提として、舞台はアメリカの人気テレビシリーズ「LOST」の無人島をイメージし、墜落した戦闘機のパイロットを救出しに来たシーンにします。 今回は ①金属感の強い、傷ついたザク ②被弾し、墜落したドップファイター③多種多様な木々のある密林④モビルスーツの巨大さを強調させるアクセサリー効果 ⑤起伏をつけたべース をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
ザク
  1. 今回は模型誌「電撃ホビーマガジン」で紹介されていた岩田トシオ氏の製作手法に習って進めたいと思います。
  2. ザクはイロプラを生かしつつも、ウォッシングなどウエザリングにこだわっていきたいと思います。
  3. 墜落機はリアリィティーの高いダメージを表現したいと思います。
  4. ベースは生い茂った密林に設定環境を物語る仕掛けを作りたいと思います。
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2.塗装1~胴体&武器~
ザク
  1. 機体色はイロプラを生かすものの、胴体色は組み立てると塗装しづらいため、先に塗装します。
  2. 胴体・武器はファントムグレー。
  3. 胸部・ひざ・足の裏はセミグロスブラック。
  4. ランドセルはフィールドブルーで筆塗りします。
  5. 脚部のシリンダー部分にフラットアルミやゴールドを筆塗りします。
  6. ミサイル・ポッドの弾頭はレッドにします。
  7. 武器のヒート・ホークは数少ない明るい配色としてアニメと同じパープルーとイエローにします。
  8. 胴体部は先にフラットアルミでドライブラシ。
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3.組み立て1
ザク
  1. スナップフィットとはいえ、可動範囲を広げる仕掛けが多いため、組み立てにはなかなか時間を要します。組み立ててみると胴体部はほとんど隠れてしまいました。
  2. 頭部のモノアイは付属のデカールではなく、モノアイ基部はアルミホイルを貼り、モノアイ本体はクリアーレッドを塗装するとちょうどピンクのクリアーらしくなりました。
  3. 指はすべて切り離し、独立可動させます。
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4.組み立て2
ザク
  1. 早速「かがみ」ポーズをとって、シルエットを確認します。
  2. 同時に私のこだわりであるディスプレイケースの納まりもチェックします。
  3. ご覧のとおり、テカテカの機体色。このままだといかにもおもちゃです。これからウエザリングでどう変貌していくか楽しみです。
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5.塗装2~ウエザリング Mr.スーパークリアーつや消しその1~
ザク
  1. エナメル塗料の薄めたオリーブグリーンで腕や足にスミ入れをします。
  2. イロプラなので、てかりを消すためにここで「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。この手順の方がスミ入れがにじんでちょうどいいようで、ガンプラと「Mr.スーパークリアーつや消し」の相性は抜群で全体の質感はこのままでも充分です。
  3. 左肩の装甲の質感を他と変えてみます。ドロッとした接着剤を塗り、ハブラシで叩いてザラザラとした装甲にします。
  4. 焼いたきりやピンバイスで機体のダメージを表現します。
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6.塗装3~ウエザリング その2~
ザク
  1. 今回の塗装の目玉、ウォッシングです。溶剤でジャブジャブに薄めたエナメル塗料のフラットブラウンで洗うように塗ります。
  2. 全体が乾燥する前にテッシュペーパーで叩くように拭き取ります。
  3. 雨だれを意識して綿棒でも拭き取ります。画像を見ると本当にこれで大丈夫かと思ってしまいますよね。
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7.塗装4~ウエザリング その3~
ザク
  1. スチールウールで機体に擦り付けて、キズを付けていきます。
  2. アクリルガッシュのブラックとブラウンでチッピングを施します。
  3. ウォッシングの影響で全体に黄色っぽくなり過ぎのため、胸部をオリーブグリーンで筆塗りします。
  4. フラットホワイト+オリーブグリーンでドライブラシを施し、明るさを取り戻します。
  5. フラットアルミで軽くドライブラシを行い、金属感を表現します。
  6. タミヤ「ウェザリングマスターセット」で錆やスス、砂ぼこりを表現します。
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8.デカール
ザク
  1. このキットには2種類のデカールが付属します。1つはいわゆるシール、これは外枠が目立ちすぎ!そして、もう1つの保護シート付きのデカールは水を使わないのが災いして、柔軟性のない非常に扱いにくいものでした。
  2. そこで別途市販の「水転写式ガンダムデカール」をマークソフターを使って補強しました。
  3. シールドにはマクロスのバルキリーからドクロマークを持ってきました。
  4. 仕上げにタミヤ「ウェザリングマスターセット」で全体を落ち着かせます。
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9.アクセサリー
ザク
  1. 「EX MOEDL ドップファイター」を「電撃ホビーマガジン」の作例を参考に追加。
  2. 墜落のダメージ表現としてウィング2つをペンチで切断、被弾して機体を貫通した穴を焼いたきりで表現します。キャノピーもペンチで切断、デザインナイフでリアリティーを追求します。
  3. 塗装はAFVぽくオリーブドラブで、排気系はフラットアルミでスプレーします。
  4. ここでも「水転写式ガンダムデカール」をマークソフターを使って貼ります。
  5. タミヤ「ウェザリングマスターセット」で砂埃を被ったように表現します。
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10.ベ-ス1~レイアウト~
ザク
  1. 平面の舞台が続いていましたので、今回は起伏をつけるためにベースはスタイロフォームを選びました。
  2. ザクの着陸でめり込んだ地面、ドップファイターの墜落によってできた穴を彫刻刀で彫っていきます。
  3. 2つの機体をフィットさせ、ディスプレイケースの納まり具合を確認します。
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11.ベ-ス2~地面の表現~
ザク
  1. 今回はべース前面まで土の一部とする試みにチャレンジします。
  2. ベースの側面と裏面にストーン調スプレー。
  3. ベース周囲をマスキングします。
  4. 下地として、全体にダークイエローを吹きます。
  5. 木工用ボンドを塗って「石粉粘土」アーチスタフォルモの茶色を地面にすり込んでいきます。
  6. ハブラシで地面を叩き、荒れた地面を表現。
  7. 木工用ボンドを水で希釈し霧吹きで吹いた後、鉄道模型用の茶系のカラーパウダー数種類を地面に茶こしで振りかけます。
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12.ベ-ス3~密林~
ザク
  1. 光栄堂の「レイアウトストーン」とペ「ガーデニング用小石」を木工用ボンドで地面に接着します。
  2. 霧吹きを使用し、砂利として「シーナリーバラスト」、パステル(茶色・白色)を蒔き、仕上げます。
  3. 「フォーリッジクラスター」「ライケン」「鳥の巣草(太・細)」「竹ぼうきの一部」を植えます。
  4. 木工用ボンドの霧吹きを使用し、パステル(茶色)を使って巻き上げた土を木々にふりかけます。 
  5. 動物の骨として、タミヤ 「トリケラトプス情景セット」から恐竜の骨を持ってきました。
  6. 軽くダークイエローを吹いた手芸用のわたを砂埃として置きます。
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13.仕上がり
ザク
  1. ザクとドップファイターをベースに設置。
  2. アレンジしたジオン兵と被弾したドップファイターの一部、急遽追加したタミヤ「動物セット」から子豚をアレンジしたイノシシを置きました。
  3. ドップファイターの散乱したガラスをインテリアグッズのガラス細工で表現します。
  4. 最後にマスキングを剥がします。
  5. 河合商会社製のディスプレイケースに乗せます。
  6. 全体的に濃緑色が強いため、背景パネルは青空の写真を貼ります。
  7. ふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
『U.C.HARD GRAPH 』のザクヘッドに魅了される→マスターグレードの可動範囲に注目!製作を決意→べースは無人島→ジオン兵の改造→ドップファイターの追加→イノシシの追加
今回は製作していくうちに新たなアイデアが浮かび、ワクワクしながら進められました。特にウォッシングやストーリーテラーとなるアクセサリーのディテールアップなど、新たな発見もありました。
ただし、私のこだわりであるディスプレイケースへの収納を考えると、マスターグレードはジオラマには不向きと感じました。モビルスーツの模型としては作りごたえがあるのですが、フィギュアとの融合 という意味では1/35スケールの方が拡張性があると感じました。

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