1/144 バンダイ HG REVIVE MS-06F ザクⅡ

ジーン「手柄を立てちまえば。こっちのもんよ!」

2021.8 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★☆☆

2002年7月の旧キット発売から18年の時を経て2020年7月、ガンプラ40周年記念としてザクが最新技術によってリバイブ化されました。
このキットは頭部裏の操作リブを動かすことによってモノアイが可動するほか、前腕部が回転する可動域となっています。また、腰部は可動域も広げる軟質素材パーツとプラパーツの選択式になっており、定番のザク・マシンガン、ザク・バズーカ、ヒート・ホークの3種の武器は、腰部に懸架可能となっています。
MS-06S ザクⅡはMSの代名詞と呼ばれたMS-06F ザクⅡをエースパイロット用に改修された機体で、ルウム戦役でシャア専用ザク・アズナブル少佐によって5隻の戦艦を撃沈した機体です。今回はこのMS-06Sを逆にMS-06Fに改修するというチャレンジです。

Photo Gallery


製作過程

「1/144 バンダイ HG MS-06S シャア専用ザクⅡ」が今回製作のキットの正式名称です。
しかしながら、今回のコンテンツのタイトルは「1/144 HG REVIVE MS-06F ザクⅡ」としました。これはエフェクトパーツを活用したガンダムのやられキャラのMSとして量産型ザクを必要としたためです。
ところが、この時点では最新のザクはシャア専用のみの発売で、量産型ザクは2021年12月の発売予定となっていました。そこで本キットをシャア専用から量産型ザクへと改造するという、劇中の設定に逆流する作業に挑戦することにしました。

 
 

1.イメージ

ザク

前述のとおり、シャア専用ザクから量産型ザクへの改造点をイメージします。
大きなポイントはブレードアンテナとシールドの差し込み口を埋めることと機体色の変更ですが、これをパーツの合わせ目消しと並行して作業を進めていきます。

  1. 頭部アンテナの差し込み口とシールドの穴埋め。
  2. 武器類のパーツの合わせ目消し。
  3. 腕部と脚部のパーツの合わせ目消し。→今回後ハメ加工は見送ります。
  4. シャア専用から量産型に機体色を変更。
  5. Gallery1用の撮影が終わったら、エフェクトパーツ用に機体をダメージ加工。

2.組み立て1&パーツの合わせ目消し1

ザク
  1. パーツの合わせ目消しのためにザク・マシンガンとザク・バズーカにたっぷりとタミヤセメントを付けて、むぎゅとしたら4.5日に硬化を待ちます。
    フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  2. 頭部アンテナの差し込み口とシールドの穴にタミヤセメント (流し込みタイプ)を注いで、エポキシパテで埋めて、4.5日に硬化を待ちます。
    フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  3. その他のパーツも組み立てます。

3.塗装1

ザク

機体色を塗装する前に外部に装甲内部が露出するパーツは内側をフラットブラックで筆塗りしておきます。

  • 機体色→サーフェイサー(ホワイト)+ガンダムカラー MSグリーン
  • 胴体部→ガンダムカラー ディープグリーン
  • 頭部ダクト、基軸パーツ、ヒート・ホーク→ガンメタル
  • ヒート・ホークの刃先→シルバーリーフ
  • ザク・マシンガン、ザク・バズーカ→ジャーマングレイ
  • ランドセル→ネービーブルー
  • モノアイレール、肘・膝、各部装甲裏→フラットブラック

4.組み立て2&パーツの合わせ目消し2&塗装2

ザク
  1. 装甲裏のフラットブラックが乾燥したら、基軸パーツを組み付けます。
  2. 武器類や機体色を変更するパーツの合わせ目にたっぷりとタミヤセメントを付けて、むぎゅとしますが、脚部についてはさらにエポキシパテも盛りました。(やり過ぎか?)
    このキットはスパイクアーマーに合わせ目がなく、軽いパーティングラインのヤスリで済むのは利点です。
  3. 3日ほど硬化を待ち、フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. 今回は後ハメ加工を行わないために基軸パーツや装甲裏をマスキングしてから塗装します。
  5. 胴体部のパーツの合わせ目は段落ちモールドで対応します。
  6. サーフェイサー(ホワイト)を吹き、乾燥後起伏をチェックしてフィニッシングペーパーで研磨して、さらにサーフェイサーを吹いて補正します。
  7. 乾燥後、機体色はガンダムカラー MSグリーン、武器類はジャーマングレイを吹きます。
  8. 選択式の腰部は軟質素材パーツではなく、プラパーツを選択します。

5.スミ入れ&組み立て3

ザク
  1. クラック防止のために機体は「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行い、一部はシャーペンで補正し、「タミヤ アクリル塗料 溶剤」で拭き取りを行います。
  2. 武器類のスミ入れは「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」を使用し、拭き取りを大創の「オイルライター専用オイル」で行ったところ、まさかのクラックが発生しました。スコープや持ち手の崩壊が始まり、一部は修復不能になりました。過去の教訓が生かせませんでした。(涙)
  3. さらに最終のパーツを組み上げる途中、足首の基軸パーツと足裏パーツの接続の際に、苦労して仕上げてきた脚部装甲のパーツの合わせ目消し部分がパチンと折れました。修復は試みましたが・・・。(涙)
  4. GSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。
    この工程を終えると量産型ザクカラーとしてしっくりきた感じがします。
  5. この状態でGallery1用の写真を撮影してから、ジオラマ製作に取り掛かります。

6.ディテールアップ

ザク
  • モノアイ、ザク・マシンガン、ザク・バズーカのスコープはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリアーピンク裏に銀のホイルシールを貼ったものを付けます。
    モノアイは頭部装甲裏とモノアイレールの削り込みが必要です。
  • スパイクアーマーをシャープ化。
  • シールド裏→オリーブグリーン
  • ランドセルのリベット、武器類モールド、ランドセルバーニア内輪、足裏バーニア→ザクマーカーEX<シャインシルバー>
  • ランドセルバーニア外輪、足裏バーニア周辺→ガンメタル

7.仕上がり

ザク
  1. つや消しから除外しておいたモノアイを取り付けます。
  2. モノアイシールドとしてランナーが入っている透明の袋を切り取り、両面テープで頭部内側に貼り付けます。
    ちょっとしたひと手間の工夫ですが、素晴らしい!今後もこの手法を活用したいと思います。
  3. ディテールアップした頭部を組み付けます。
  4. すべてのパーツを組み上げ、武器を持たせたら、いよいよ完成!

8.ウエザリング&ダメージ

ザク

ここからはジオラマ用にウエザリングとダメージを加えます

  1. タミヤ「ウェザリングマスターセットB、C」で足元を中心にブラウンの汚しを、背面バーニア周辺にブラックのすすを加えます。
  2. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」を「Mr.ウェザリングカラー 専用うすめ液」で薄めて、足元やエッジを中心に筆や歯ブラシで叩いて汚します。
  3. 「ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>」でエッジを中心にドライブラシを掛けます。
  4. ガンダムのビーム・サーベルに切り裂かれるザクのエフェクトパーツとして「ROBOT魂 機動戦士ガンダム[SIDE MS]エフェクトパーツセット2 ver. A.N.I.M.E.」からクリアーピンクのサーベルエフェクトとクリアーイエローのライフルエフェクトパーツを加工します。
    まずは裂け目にマジックペンであたりを付けます。
  5. 彫刻刀をホットナイフとしてザクの肩からビームサーベルによる裂け目を入れます。
  6. 裂け目をザクマーカーEX<シャインシルバー>とクリヤーオレンジを筆塗りします。
  7. ガンダムと共演するジオラマに備えます。

製作後記

今回シャア専用ザクを塗り替えてまで量産型ザクを製作した理由は、ガンダムにビームサーベルで切り裂かれる”やられキャラMS”を必要としたからですが、思いのほかに手間のかかる作業になりました。頭部アンテナやシールドの穴埋め、パーツの合わせ目消しなど組み立ての前作業が多く、加えて機体色変更というこれまでのプラモ製作スキルが試されるような製作工程でした。
組み立て前半は二重関節を売りとしながらポロリのない安定したキットだと感じながら製作していましたが、組み立て後半ではかなり危険で、破損リスクの高いパーツ構成になっていると感じました。足首の組み付けでは、それまで長時間掛けて仕上げてきた脚部のパーツの合わせ目消し箇所をあっさり破損してしまいました。足首の接合部のほかに肘のパーツにもリスキーな組み付け箇所がありました。これらは可動力を重視したために組み立ての設計にしわ寄せが来ているのではないでしょうか。今回ジオラマ用のウエザリング仕様としたために、これらのパーツの破損も何とかリカバリーすることが出来ましたが、最新キットのザクでありながらも、一部ORIGIN版ザクからの流用と思われるパーツもあり、キットの完成度としてはORIGIN版ザクに軍配が上ると思います。
しかしながら、苦労した甲斐あって、完成してみるとウエザリング前のGallery1用の撮影も満足のいく画像に仕上がりましたし、ウエザリング後のジオラマ仕様の色味も目標通りのレベルで完成させることが出来ました。
カテゴリーの機動戦士ガンダム> から「HG RX-78-2 ガンダム」と「1/144 HG REVIVE MS-07B グフ」のそれぞれの製作過程も是非ご覧ください!

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