1/100 バンダイ MG MS-06R 高機動型ザク "サイコ・ザク" Ver.Ka (GUNDAM THUNDERBOLT版)ラストセッションVer.

ダリル「わかったよカーラ…きみに出会えたことが…僕の奇跡だ!!」

2017.10 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★★

フルアーマー・ガンダムと死闘を繰り広げたサイコ・ザク。廃コロニーの中での交戦でビルにもたれかかるシーンが再現できるキットです。
ラストシーンでダメージを負った損傷部位の頭部・左腕部・ランドセルのスラスター等の破損部分を新規造形で追加されています。フルアーマー・ガンダム同様ダメージ表現を収録した水転写式デカールも付属しています。塗装してしまうと関係ありませんが、機体色の赤やオレンジ、白いパーツもノーマル版より一段暗いものとなっています。
このキットはシュツルム・ファウストを発射しようとする劇中イメージを再現できるディスプレイが可能で、デブリパーツとともにジオラマ製作を誘う仕様となっています。

Photo Gallery


製作過程

お気に入りのサイコ・ザクはHGを含めて3作目の挑戦です。思い入れのあるMSだけに過去の経験を生かしてしっかりと構想を立てて、製作に臨みたいと思います。
ところが、取扱説明書のパーツリストを見て唖然としました。全パーツの半数近くが余剰パーツなのです。プレミアムバンダイでの受注品で、税込9,180円+送料の価格は追加パーツがあるとは言え、あまりにも暴利ではないでしょうか?これでは値引き後の市販のノーマル版を購入して、自力でダメージを付けれるレベルです。最近のバンダイのこういった商法はいずれ消費者から見放されることでしょう。
さて、気を取り直して構想を立てると、まず塗装はメタリック塗装による重量感とスラスターのゴールドで輝きを持たせたいと思いますし、最終決戦のあのシーンを再現するために、モノアイを中心とした頭部に一工夫加えたいと思います。そして、仕上げとして静止画に躍動感を持たせるようなエフェクトパーツを投入したいと思います。

1.イメージ
機動戦士ガンダムサンダーボルト

ボックスアートは偶然にもこれから製作しようとするシーンが描かれています。今回のポイントはモノアイ周辺のダメージ表現と久々のジオラマベースの挑戦です。

 
  1. 大量パーツをフィニッシングペーパーで磨きながら粘り強く組み立てを行う。
  2. 機体色をメタリック化する。
  3. スクレイピング技法によるウエザリング表現を行う。
  4. スラスターをMr.カラーのゴールドで塗装し、良いアクセントとする。
  5. ダメージデカールを有効活用して、モノアイ周辺に工夫を凝らす。
  6. ラストセッションを再現したリアルなジオラマベースを製作する。
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2.組み立て1
機動戦士ガンダムサンダーボルト

各パーツを切り離してデザインナイフで切り取り、ヤスリがけ、ウエットティシュで拭き取り、塗装に備えます。
ノーマル版とのパーツの違いやイロプラの違いを確認しながら、ディテールアップとしての追加塗装箇所を取扱説明書に記入していきます。
余剰パーツが多いとはいえ、かなりの労力を要す作業です。

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3.塗装
機動戦士ガンダムサンダーボルト

イロプラはオレンジ、濃紺、茶色パーツのみ生かし、それ以外は下地塗装としてのシルバーリーフを吹き、スクレイピング技法を適用します。

  • パイロットフィギュアを筆塗り
  • 機体装甲→メタリックレッド
  • サブアーム、動力パイプ、関節、各種武器、台座→ジャーマングレイ
  • 胸部→ネイビーブルー
  • 足の内部装甲、パイプ類、ヒートホークのパイプ→ガンメタル
  • 排気口、シリンダー、ヒートホークの刃先→シルバーリーフ
  • スラスター→Mr.カラー ゴールド
  • モノアイ周辺→フラットブラック
  • デブリパーツ→シルバーリーフ+フラットホワイト
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4.組み立て2
機動戦士ガンダムサンダーボルト

塗装が完了したら、再び組み立てに取り掛かります。ザク Ver.2.0の素性の良さを実感できる組み立て易いキットです。
難所であるフレームカバーの処理も過去の経験を生かし、適度な太さのドライバーやかなずちの柄に巻きつけることで、細かでリアルなしわが表現できました。しかし、足のフラームカバーは採寸ミスによって長さ不足となり、前作のジャンクパーツで補う形となってしましました。本作ではここだけの失敗が悔やまれます。

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5.ディテールアップ
機動戦士ガンダムサンダーボルト
  • 取扱説明書では頭部は通常Ver.とラストセッションVer.の選択式となっていますが、両方のいい所取りと自分自身のアイデアを盛り込みます。
    ラストセッションVer.を選択するとクリアーパーツのシールドが無くなるため、通常Ver.をベースに加工します。モノアイ基軸のパーツを削って「MG MS-07B-3 グフカスタム(重力戦線イメージカラーVer.)」で確保しておいたオレンジのモノアイを取り付けます。さらに焼いたキリでガンダムにビーム・サーベルで焼かれた頭部やモノアイ、クリアーパーツのシールドのダメージを表現し、デカールを有効活用します。

  • ラストセッションVer.の角はなぜか赤なので通常Ver.のオレンジを選択し、さらにシャープ化します。

  • 武器類のスコープはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリアーピンクをはめ込み、もしくはその裏にピンクのホイルシールを貼ります。
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6.スミ入れ
機動戦士ガンダムサンダーボルト

ガンダムマーカーのグレーは白いパーツに、ブラックは赤いパーツにスミ入れします。一部のモールドはシャーペンで立体感を付けます。
Mr.ウェザリングカラーでウォッシング気味にスミ入れすることも考えましたが、クラックを避けるために過度なダメージ表現は避けることにします。

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7.ダメージ・ウエザリング
機動戦士ガンダムサンダーボルト

デカールの貼り付けの前にダメージ表現を行い、各スラスターの取り付けはゴールドの輝きを保つために後回しにします。

  1. 下地に吹いておいたシルバーリーフを浮かび上がらせるために、粗めのフィニッシングペーパーやドライバーを使って傷つけたり、スチールウールでエッジを中心に擦って塗装の剥がれを表現します。
  2. フラットアルミやガンメタルでドライブラシを行い、金属の剥がれを表現します。
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8.デカール
機動戦士ガンダムサンダーボルト

ノーマル版と比べると明らかに点数が少ないデカールを機体に貼り付けます。 

  1. 付属のデカールを貼っていきます。
  2. 今回も白のラインデカールはくどい気がするため、排除します。
  3. 付属のデカールだけでは密度が低いためにノーマル版製作時の余りやジャンクデカールを流用して補足します。
  4. 各パーツごとに「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きますが、頭部のクリアーパーツはマスキングしておきます。残念ながらメタリックレッドがやや沈みますが、デカールのコーティングのためには止む負えません。
  5. 仕上げとして、頭部の被爆箇所や機体全身のドライブラシを追加塗装します。
  6. 後回しにしていたゴールドのスラスターを取り付けます。
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9.ジオラマベース1
機動戦士ガンダムサンダーボルト

久しぶりの本格的なジオラマ製作、サイズもMGということでイメージがなかなか浮かびませんでした。とりあえず、本編の画像を見て、100円ショップやホームセンターで素材を集めて、作りながら紙にイメージや寸法を書き込んで決めていくことにします。

  1. 奥のビルは、100円ショップで購入したコレクションボックスのふたにマスキングテープを巻きつけて窓ガラスとの段差を付けます。屋上の段差はスチレンボードやプラ版で追加します。さらにジャンクパーツで出入口を取り付けます。
  2. 手前の崩壊したビルは正六面体の発泡スチロールを切り崩して製作します。
  3. ビルの外郭や歩道、階段もスチレンボードで製作し、芝は鉄道模型用の芝シートを活用します。
  4. 仮組みをしたら、素材ごとにサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
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10.ジオラマベース2
機動戦士ガンダムサンダーボルト
  1. 奥のビルは屋上を焼いたキリでダメージ表現を付け、窓ガラスは内側からクリアーブルーのプラ板を貼り、外側のマスキングを剥がします。
  2. 手前の崩壊したビルの散乱したガラスはクリアーブルーのプラ板を配置し、崩壊したビルの内部はフラットブラックやガンメタルを吹きます。
  3. 道路はヘイズグレイを吹き、ジャンクデカールで白線を貼り付けます。手前の路面はスプーンでへこみを付けます。
  4. 建物やがれきに加え、鉄道模型のレイアウトストーンやシーナリーバラストをスチのりで接着します。
  5. 仕上げにホワイトやジャーマングレイを全体に吹いて埃っぽさを表現します。
  6. キット付属のデブリパーツを少し活用します。ジオラマベースをより引き締まったものにするためにニトリで購入したポスターフレーム(B4マットツキ)に乗せます。
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11.仕上がり
機動戦士ガンダムサンダーボルト
  1. フルアーマーガンダムが乗るアクションベースに、ジャーマングレイを軽く吹いた手芸用わたを巻きつけてアクションベースを隠します。
  2. ビームサーベルは「1/100 MG ZGMF-X13A プロヴィデンスガンダム」から大型ビームサーベルに差し替え、「ビルダーズパーツHD 1/144 MSエフェクト01 」をクリヤーオレンジとクリヤーイエローで塗装し、シュツルム・ファウストに取り付けます。
  3. サイコ・ザクをジオラマベースに乗せて、フルアーマーガンダムが持つビームサーベルと組み合わせたらいよいよ完成です!
  4. タミヤの恐竜シリーズに付属するネームプレートに”The Last Session”を記したサンダーボルトのロゴシールをPCで製作して貼り付けます。
  5. MGスケールの巨大なジオラマを収納出来るのは「かしばこ商店  透明フィギュアケース  横幅40cm×奥行40cm×高さ40cm」 です。
製作後記
製作期間は2ヵ月、その後PCが壊れてホームページ製作の再開後完成までにトータル3ヵ月を要した大作となりました。今年はMGを多く製作した年でしたが、最後に苦難を乗り越え、コストもかけた思い出深い作品となりました。
フルアーマーガンダムとサイコザクは前作の経験を生かしながらも、ダメージ表現など自分なりのアイデアを投入しました。MGサイズのジオラマということもあり、制約も多い中で最も悩んだのがジオラマ素材です。ビルの素材やポスターフレームを探して100円ショップやホームセンターを探し回りました。ジオラマベースの製作中も、数パターンの試作品から選択するなど、作りながら考えるという場面もありました。
キットに付属する専用台座やデブリパーツはほとんど使うことなく、実際の映像を繰り返し確認し、オリジナルに近い自分なりの解釈も加えたジオラマが完成したと自負しています。
また、完成直前の大型ビームサーベルの採用やシュツルム・ファウストのエフェクトパーツの取り付けもいいアクセントとなり、躍動感を与えてくれましたし、ポスターフレームやネームプレートもジオラマを引き締める役割を演じてくれました。

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