1/144 バンダイ HG MS-06R 高機動型ザク "サイコ・ザク"

ダリル「理不尽な現実こそ僕らを苦しめる本当の敵だ。」

2014.3 製作 / お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★☆☆

リビング・デッド師団に配備されたダリル・ローレンツ少尉専用機”サイコ・ザク”。正式名称は「リュース・サイコ・デバイス装備高機動型ザク」ですが、バロウズ艦長により「サイコ・ザク」と呼ばれたのです。いきなり実戦投入されたこの実験機のリユース・P・デバイスとは、脳から発信される電気信号を義手や義足などを通してMSの駆動を可能にした技術で、この性能を引き出すにはパイロットの四肢の義肢化が必要なため、軍の命令でダリルの残った健常な右手は切断されたのです。
外観の特徴としてはランドセルの大型化や2本のロケットブースター、複数装備のザク・バズーカやジャイアント・バズが目立ちますが、個人的には運動性能向上のために各所に配置されたスラスターが目を引きます。

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製作過程

”サイコ・ザク”とはなんとカッコイイネーミング!サイコと言えば、「機動戦士Zガンダム」に登場する連邦の巨大MS”サイコガンダム”を思い浮かべますが、ジオンなのにサイコとは?しかし、リユース・P・デバイスの仕組みを知るとサイコガンダム同様、背景にパイロットの悲話があることに気付かされました。
箱を開けてみるとビッグ・ガンを含む量産型にも匹敵するパーツ点数に圧倒されます。武装の多さもありますが、ゴールドパーツの多さもこれまでのMSにはないこのキットの特徴です。
製作のポイントはパーツの合わせ目消しと塗装。特に塗装はつや消しとメタリックの対比が重要で、スラスターのゴールドと機体色がカギを握ります。キットの購入前からこの機体色はなんとしてもメタリックレッドにしたいと考えていましたが、このあずき色の発色を維持しつつ、メタリック感を加えるにはどのような手法をとったらよいか、フェラーリレッドにならないようにすることが悩みどころです。

1.イメージ
機動戦士ガンダムサンダーボルト

量産型ザクからこだわり始めたパーツの合わせ目消しを今回はさらに推し進めて行い、塗装は機体中心部のオレンジ色以外イロプラをすべて全塗装とします。
今回のポイントはずばりパーツの合わせ目消しと塗装です。

 
  1. パーツの合わせ目消しを積極的に行う。
  2. 下地にシルバーリーフを吹き、機体色をスチールウールで剥がすスクレイピング技法によるウエザリング。
  3. 機体色をメタリック化する。
  4. ゴールドパーツを良いアクセントとして活用する。
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2.組み立て1
機動戦士ガンダムサンダーボルト

いつものようにできるだけ組み立てて塗装することにしますが、今回はパーツの合わせ目消しを積極的に行います。
左肩の装甲やロケットブースター、多数の武器類にはかなりの時間と労力を要しますが、接合部に多めに接着剤を付けてから接着し、乾燥後フィニッシングペーパーで磨いてサーフェイサーを吹きます。

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3.塗装1
機動戦士ガンダムサンダーボルト

今回イロプラは上半身のオレンジ色のパーツのみ活かし、その他は全塗装します。機体色は悩んだ末にタミヤのメタリックレッドをイロプラの上から直接吹くことにしました。
基本サーフェイサーの上から下地塗装としてのシルバーリーフを吹きますが、量産型ザクで行ったスクレイピング技法はメインの機体色の赤い装甲には適用しないものとします。これは装甲パーツのモールドが浅く、重ね塗りによって溝が埋まってしまう恐れがあるためと下地が明る過ぎるとあずき色の沈んだ赤とかけ離れてしまうからです。市販の缶スプレーも色々と探しましたが、テスト塗装の結果は最もシンプルなものでした。

また、このキットの特徴でもあるゴールドについてスラスターはMr.カラーで、左肩の角はタミヤカラーで差別化します。

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4.塗装2
機動戦士ガンダムサンダーボルト
  • 機体装甲のあずき色およびシール部分→メタリックレッド
  • 頭部内部、左肩の角の根元、手の甲、腕・足の一部→セミグロスブラック
  • サブアーム、ランドセル一部、動力パイプ、関節シ-リング部、ジャイアント・バズ、ザク・バズーカ、シュツルム・ファウスト、ロケットブースター、ポリキャップ、装甲の裏、武器のグレーライン→ジャーマングレイ
  • 手のひら、大型ランドセル、ザク・マシンガン、ヒート・ホーク一部、足の裏一部→ガンメタル
  • スラスター、丸モールド→Mr.カラー ゴールド、左肩の角→タミヤ カラーゴールド
  • スラスター根元、弾倉装着パーツ→フラットホワイトもしくはフラットアルミ
  • ヒート・ホーク一部→イエロー
  • 腰回りのオレンジのシール箇所→オレンジ
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5.組み立て2
機動戦士ガンダムサンダーボルト

長い長い塗装の工程が完了したら再び組み立てに取り掛かり、一部は仮組みに留めます。
このシリーズの特徴でもある関節シーリング部や動力パイプは前作同様いったん組み込んでしまうと布のような質感としわが表現しづらいため、先に作業を進めます。
サーフェーサーで下地塗装とパーツのつなぎ目を埋め、ジャーマングレイを吹き、フラットブラック+レッドブラウンを薄めてスミ入れ、つや消し、最後にパステルのホワイトをこすり付けます。

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6.ディテールアップ
機動戦士ガンダムサンダーボルト
  • モノアイは1mmほど下部を削ったHIQ PARTSのVICドームを使用。ザク・バズーカ、ザク・マシンガンのスコープはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリアーピンク裏に銀のホイルシールを貼ったものを貼り付けます。
  • 頭部の角と支柱の内側を若干薄く削ります。
  • サブアームの裏側の肉抜き穴をタミヤのポリエステルパテで埋め、フィニッシングペーパーで平面になるまで磨いてサーフェイサーを吹きます。
  • 今回左肩の装甲は量産型のようなザラザラした表面処理は行いません。代わりにシールで表現されているモールドをウェーブ オプションシステム「U・バーニア フラット〔1〕」で立体化します。足のスラスターのモールドも同様の処理を行います。
  • 装甲の内側はジャーマングレイで影を強調して立体感を持たせます。
  • 左右一体のフロントスカートは接続部を切断し、可動式にします。
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7.スミ入れ・デカール
機動戦士ガンダムサンダーボルト
 
  1. 赤い装甲のみガンダムマーカーのブラックでスミ入れし、立体感を付けます。
    オレンジパーツのみエナメル塗料のフラットブラウンをZIPPOオイルでジャブジャブに薄めたもので、ウォッシング気味にスミ入れをしていきます。クラックが起きないようにドライヤーで急速に乾燥させます。
  2. 付属のシールを貼っていきます。サブアームの円形は肉抜き穴埋めした裏側に貼り、表面は筆塗りします。シールドや右足首の”96”は目立ち過ぎるので貼りません。
  3. メタリック系以外の各パーツごとに「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  4. ザク・マシンガン、ザク・バズーカやジャイアント・バズの先端はフラットブラックですすを描き、タミヤ ウェザリングマスターCのガンメタルをこすりつけ、馴染ませます。
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8.ダメージ・ウエザリング
機動戦士ガンダムサンダーボルト
    
  • 赤い装甲以外のパーツは下地に吹いておいたシルバーリーフを浮かび上がらせるために100円ショップで購入した台所用のスチールウールでエッジを中心に擦って塗装の剥がれを表現します。
  • 赤い装甲はエッジの強調とデブリによる傷を表現するためにフラットアルミで軽くドライブラシを行い、金属の剥がれを表現します。
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9.仕上がり
機動戦士ガンダムサンダーボルト
すべてのパーツを組み上げ、最終工程としてウエザリングから除外していたスラスターを瞬間接着剤でしっかりと取り付けたら完成です。過剰なまでのスラスターのゴールドが機体色のメタリックレッドと相まって、キラキラと輝いています。
仕上げをチェックをするとダメージ表現でやり過ぎた大型ランドセルが気になりました。タミヤ ウェザリングマスターCのガンメタルをこすりつけると全体に馴染んで、金属感を損なうことなく補正することが出来ました。
製作後記
史上最強のザクと言ってよいのではないでしょうか!機体のバランスからすればあり得ない重装備、それを支える過剰なまでのスラスター、メタリックとゴールドの輝きはシャア専用ザクもかすんでしまうでしょう。
サンダーボルトキットはすべてウエザリング仕様にするというコンセプトの下製作していますが、メタリックレッドがあまりにうまくキマったために”サイコ・ザク”への汚しはためらいました。しかし、ロールアウト直後の出撃シーンだとしてもデブリが浮遊するサンダーボルト宙域で無傷はあり得ないと考え、スクレイピング技法とドライブラシの二刀流を実行しました。比較すると手間はかかりますがスクレイピング技法によるスチールウールのリアリティーは圧倒的です。
今回の製作ポイントの1つ目はパーツの合わせ目消しですが、多数の武装パーツに対応するには根気のいる作業でした。サーフェイサー+シルバーリーフ+機体色と重ね塗りの効果もあり、うまく隠ぺいすることができました。
2つ目のポイントの塗装もつや消しとメタリックの併用、筆塗りなどほぼ全塗装作業で、ほとんど手を加えなくて済むRGシリーズのありがたみを痛感させられました。しかし、その分最終の組み上げでは完成する喜びを久しぶりに味わうことが出来ました。
また、フルアーマーガンダムやジムで見送った3つ目のポイントとも言えるサブアームの肉抜き穴埋めも長い時間を掛けて平面に磨き上げ、大変満足のいく仕上がりとなりました。

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