1/144 バンダイ HG MS-06R 高機動型ザク "サイコ・ザク"
ダリル「理不尽な現実こそ僕らを苦しめる本当の敵だ。」
お気に入りランク:★★★★★ レア度:★★★☆☆
リビング・デッド師団に配備されたダリル・ローレンツ少尉専用機”サイコ・ザク”。正式名称は「リュース・サイコ・デバイス装備高機動型ザク」ですが、バロウズ艦長により「サイコ・ザク」と呼ばれたのです。いきなり実戦投入されたこの実験機のリユース・P・デバイスとは、脳から発信される電気信号を義手や義足などを通してMSの駆動を可能にした技術で、この性能を引き出すにはパイロットの四肢の義肢化が必要なため、軍の命令でダリルの残った健常な右手は切断されたのです。
外観の特徴としてはランドセルの大型化や2本のロケットブースター、複数装備のザク・バズーカやジャイアント・バズが目立ちますが、個人的には運動性能向上のために各所に配置されたスラスターが目を引きます。
Photo Gallery
製作過程
”サイコ・ザク”とはなんとカッコイイネーミング!サイコと言えば、「機動戦士Zガンダム」に登場する連邦の巨大MS”サイコガンダム”を思い浮かべますが、ジオンなのにサイコとは?しかし、リユース・P・デバイスの仕組みを知るとサイコガンダム同様、背景にパイロットの悲話があることに気付かされました。
箱を開けてみるとビッグ・ガンを含む量産型にも匹敵するパーツ点数に圧倒されます。武装の多さもありますが、ゴールドパーツの多さもこれまでのMSにはないこのキットの特徴です。
製作のポイントはパーツの合わせ目消しと塗装。特に塗装はつや消しとメタリックの対比が重要で、スラスターのゴールドと機体色がカギを握ります。キットの購入前からこの機体色はなんとしてもメタリックレッドにしたいと考えていましたが、このあずき色の発色を維持しつつ、メタリック感を加えるにはどのような手法をとったらよいか、フェラーリレッドにならないようにすることが悩みどころです。
1.イメージ | |
---|---|
量産型ザクからこだわり始めたパーツの合わせ目消しを今回はさらに推し進めて行い、塗装は機体中心部のオレンジ色以外イロプラをすべて全塗装とします。
|
2.組み立て1 | |
---|---|
いつものようにできるだけ組み立てて塗装することにしますが、今回はパーツの合わせ目消しを積極的に行います。 |
3.塗装1 | |
---|---|
今回イロプラは上半身のオレンジ色のパーツのみ生かし、その他は全塗装します。機体色は悩んだ末にタミヤのメタリックレッドをイロプラの上から直接吹くことにしました。 また、このキットの特徴でもあるゴールドについてスラスターはMr.カラーで、左肩の角はタミヤカラーで差別化します。 |
4.塗装2 | |
---|---|
|
5.組み立て2 | |
---|---|
長い長い塗装の工程が完了したら再び組み立てに取り掛かり、一部は仮組みに留めます。 |
6.ディテールアップ | |
---|---|
|
7.スミ入れ・デカール | |
---|---|
|
8.ダメージ・ウエザリング | |
---|---|
|
9.仕上がり | |
---|---|
すべてのパーツを組み上げ、最終工程としてウエザリングから除外していたスラスターを瞬間接着剤でしっかりと取り付けたら完成です。過剰なまでのスラスターのゴールドが機体色のメタリックレッドと相まって、キラキラと輝いています。 仕上げをチェックをするとダメージ表現でやり過ぎた大型ランドセルが気になりました。タミヤ ウェザリングマスターCのガンメタルをこすりつけると全体に馴染んで、金属感を損なうことなく補正することが出来ました。 |
製作後記 |
---|
史上最強のザクと言ってよいのではないでしょうか!機体のバランスからすればあり得ない重装備、それを支える過剰なまでのスラスター、メタリックとゴールドの輝きはシャア専用ザクもかすんでしまうでしょう。 サンダーボルトキットはすべてウエザリング仕様にするというコンセプトの下製作していますが、メタリックレッドがあまりにうまくキマったために”サイコ・ザク”への汚しはためらいました。しかし、ロールアウト直後の出撃シーンだとしてもデブリが浮遊するサンダーボルト宙域で無傷はあり得ないと考え、スクレイピング技法とドライブラシの二刀流を実行しました。比較すると手間はかかりますがスクレイピング技法によるスチールウールのリアリティーは圧倒的です。 今回の製作ポイントの1つ目はパーツの合わせ目消しですが、多数の武装パーツに対応するには根気のいる作業でした。サーフェイサー+シルバーリーフ+機体色と重ね塗りの効果もあり、うまく隠ぺいすることができました。 2つ目のポイントの塗装もつや消しとメタリックの併用、筆塗りなどほぼ全塗装作業で、ほとんど手を加えなくて済むRGシリーズのありがたみを痛感させられました。しかし、その分最終の組み上げでは完成する喜びを久しぶりに味わうことが出来ました。 また、フルアーマーガンダムやジムで見送った3つ目のポイントとも言えるサブアームの肉抜き穴埋めも長い時間を掛けて平面に磨き上げ、大変満足のいく仕上がりとなりました。 |