1/144 バンダイ HG NZ-666 クシャトリヤ 【 ジオラマ塗装仕様 】

マリーダ・クルス「この《クシャトリヤ》が力負けをしている・・・・・・!?」
2009.11 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★☆☆
ネオ・ジオンが開発した20m級のサイコミュ搭載型MS。 クィン・マンサをもとに設計された機体で、サイコフレームの使用とバインダーの増設により、クィン・マンサの圧倒的火力と性能を維持したまま小型化されたワン・アンド・オンリーの機体です。
本機の特徴は四枚の大型バインダーにあり、ファンネル、メガ粒子砲といった武装の他に、スラスターとしての役割も備えています。「隠し腕」と呼ばれるサブアームを収納しており、それぞれがビームサーベルを装備しています。
しかしながら、小型化されたとはいえ並大抵のパイロットには扱えず、強化人間であるマリーダ・クルスの専用機となっているのです。

Photo Gallery


製作過程

小説だけで映像化されていないにも関わらず、続々とMSがキット化されていく中、模型誌で話題沸騰のサイコミュ搭載型MS「クシャトリヤ」に挑戦です。
ゲルググのようなマスクに、キュベレイを思わせるバインダー、量産型ザクのカラーリング・・・。あらゆるMSの要素が集約された楽しみなキットです。 4基のボリューム感あるバインダーは様々なポージングが可能で、裏には大型バーニア2基、ファンネル6基が収納でき、隠し腕も再現されています。
まず、組立説明書の作例を見て感じたことは機械感と言うか、金属感が薄く、おもちゃっぽく見えてしまいます。それはメガ粒子砲の白と黄色、胸と袖の白い模様が原因だと思います。 小説のカトキハジメ氏によるカラーリングを見るとシルバーとゴールドが正解ではないでしょうか?これはイロプラでの製品化が困難と判断したアニメ製作スタッフが模型化を意識して TV用に配色を変更したのではないかと深読みしてしまいました。そこで、基本色はイロプラを生かしつつも、金属感を表現した塗装をポイントに製作したいと思います。
今回は ①メガ粒子砲と胸と袖の模様を金属色に変更 。②ディテールアップパーツを活用し、金属感を強調。③LED点灯ギミックを2ヶ所配置 ④クリアーパーツの多用によるビームアクションを演出。 ⑤スタンドキットを活用したジオラマ
をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
クシャトリヤ
  1. グリーン系の基本色と脚部の濃紺色以外はイロプラを捨て、塗装を施す。胸と袖のホイルシールも排除し、塗装、独自の配色とする。
  2. ウェーブ社製のディテールアップパーツを活用し、金属感を追求する。
  3. LEDの組み込みを意識し、塗装をしながら組み立てる。
  4. クリアーパーツを多用し、ビーム・マグナムやファンネルの閃光を表現する。
  5. スタンドキットでガンダムを浮上させる。
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2.塗装1
クシャトリヤ
以下をスプレーして、下準備をしておきます。
  • 大型バーニア・メガ粒子砲外輪・隠し腕の一部・肩や腰、ひざ裏等の白パーツ→シルバーリーフ
  • バインダー内側パーツ・スカート内側・隠し腕の一部・指、基軸部→ガンメタル
  • バインダーアーム・基軸部→ファントムグレー
  • 大型バーニア基軸部・メガ粒子砲内輪・パイプ類→ゴールド
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3.組み立て1&塗装2
クシャトリヤ
  1. 今回は塗装しながら組み立て、塗装、ディテールアップを繰り返していきます。 モノアイは可動式ですが、このギミックを取り除き、青島文化教材社(アオシマ) 「超小型LED点灯セット」を使ってモノアイの点灯ギミックに改造。
    (小説『機動戦士ガンダムUC』第4巻表紙を参考)
  2. 胸と袖はセミグロスブラックをスプレーし、付属のホイルシールを使わず、白い模様をフラットアルミで筆塗りします。
  3. 特に金属色はゲート跡が目立つので、フィニッシングペーパーで丁寧に組み上げます。
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4.ディテールアップ
クシャトリヤ
  1. モノアイレールの増幅とツノをシャープに加工。
  2. モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のピンクでホームベース型を使用します。
  3. ビーム・サーベルは組立説明書の画像を参考にし、付属のクリアーパーツを使用せず、ウェーブ オプションシステム「Q・サーベル」のグリーンとピンクを使用し、左右非対照にします。
  4. 大型バーニアの内側にウェーブ オプションシステム「Z・バーニア〔1〕」を取り付けます。塗装は内側をサーフェイサー後、ブライトレッドに、外側をガンメタルでスプレーします。
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5.ディテールアップ2
クシャトリヤ
  1. シルバーリーフとゴールドに塗装したパーツを組み上げ、バインダーに取り付けます。
  2. バインダー上面のアポジモーターのモールドをピンバイスで貫通させ、整形後にガンメタルに塗装したウェーブ オプションシステム「U・バーニア フラット〔1〕」を表裏ともに取り付けます。
  3. 手首周りのむき出しのポリパーツを隠すためにウェーブ オプションシステム「Z・バーニア〔1〕」を適切な大きさに加工し、ガンメタルで塗装後、取り付けます。
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6.組み立て2
クシャトリヤ
塗装、ディテールアップが完了したら、ここでいったん組み上げます。
基本色のグリーンはイロプラのままですが、ジオラマ化しないのであれば、このまま完成でも充分です。
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7.デカール&ウエザリング
クシャトリヤ
  1. クラックを避けるため、フラットブラウン+フラットブラックを油絵の具用薄め液「ペトロール」で薄めてウォッシングを行いましたが、懸念していたクラックが発生!パーツの白化も気になります。
  2. このキットはデカールがないので、「ガンダムデカール (MG) MSN-06S シナンジュ Ver.Ka用」から流用。スケールは1/100用ですが巨大なクシャトリヤにも適合します。また、クラック箇所の隠蔽にも役立ちます。
  3. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。これで白化も治まりました。
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8.ベ-ス&武器
クシャトリヤ
  1. 隕石の表面をイメージしたパターンシートをプラバンと組み合わせてサイズを調整します。
  2. NOCH製のコルクロックとホビーベース社の「マグネスタンド」のマグネベースを瞬間接着剤と石粉粘土で固定します。
  3. ベース全体をストーン調スプレーで吹きます。
  4. 砕けた岩の一部としてコルクや石に素材を接着。
  5. ビーム・マグナムやファンネルの閃光の位置決めをして、コルクロックに穴を開けます。
  6. 金属色をベース全体にスプレーします。
  7. フラットホワイトでドライブラシをかけます。
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9.仕上がり
クシャトリヤ
  1. 蝶プラ工業社製の「コレクションケース デスコ レギュラー24」を使用。ベースに穴を開け、LEDの配線を貫通させます。
  2. 再びクシャトリヤを配置し、LEDをモノアイとエフェクトパーツに取り付けます。
  3. ホビーベース社の「ミニMSスタンド」のフレキシブルロッドをユニコーンガンダムに取り付けます。
  4. 足元に塗装済みの手芸用わたを取り付けます。
  5. ファンネルやビーム・マグナムの閃光として、クリアーパーツの伸ばしランナーを活用します。
  6. 背景パネルはユニコーンガンダムに付属する台紙を貼り付け、いよいよ完成!
製作後記
今回はディテールアップパーツを果敢に投入し、予定外の製作コストがかかってしまいました。しかしながら、アニメ模型ならではの独自の解釈でパーツを追加したり、カラーリングを変更したり、模型製作の醍醐味を味わうことができました。
また、巨大なクシャトリヤはHGというより、MGサイズで、ディスプレイケースに収まるジオラマ化をめざす私にとっては難題でした。そこで、SUPER HCM pro 「ユニコーンガンダム」が同じ1/144スケールで同時期に発売されたことから、対決シーンが決定。そして、大型のディスプレイケースに隕石をイメージしたパターンシート、コルクロックを設置することでクシャトリヤをもたれさせ、高さを抑えることができました。また、コルクロックは飛び交うファンネルやビーム・サーベルの閃光にも役立っています。
不満点としてはウォッシング後のクラックです。今回も油絵の具用薄め液「ペトロール」を使用したにもかかわらず、パーツの破損が相次ぎ、補修や隠蔽作業に追われました。タミヤや海外メーカーとも比べてもバンダイ社製品はクラックに弱すぎると思います。基本的な材質なだけに是非とも改善して欲しいものです。

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