1/144 バンダイ HG  YAMS-132 ローゼン・ズール (episode 7 Ver.)

アンジェロ・ザウパー「死んじゃえよ、お前!!」
2014.8 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★☆☆

アクシズのネオ・ジオンで運用されたハンマ・ハンマをコンセプトに、ギラ・ズールをもとに開発された親衛隊長アンジェロ・ザウパー専用MS。ゼネラル・レビルとの戦闘においてはシナンジュと共に現れて圧倒的な戦闘力を披露し、フル・フロンタルにお辞儀しながらフレームアウトするシーンが印象的です。
ローゼン・ズールは大型のクローにインコム、3連装メガ粒子砲が一体化されており、縦横無尽な攻撃が可能となっています。またEpisode 6では、ネェル・アーガマ内で自ら右腕を破壊して逃亡。Episode7では連装メガ粒子砲を装備した有線式シールド・ユニットが右腕に直接つけられています。さらに背部コンテナに搭載されたの対サイコミュ用特殊デバイスであるサイコ・ジャマーは6基装備されており、八面体のサイコフィールドを形成して敵機を閉じ込めます。その範囲内ではサイコミュ兵器を無効化する機能を持ち、対ユニコーンガンダムの切り札として投入されたのです。

Photo Gallery


製作過程

このキットは前キットで酷評された成型色を改善し、補修されシールドと一体化した右腕を新規造形で再現、Episode7仕様として商品化されたものです。
通常版とも呼ばれる前キットは機体色はあずき色の醜いカラーリングで、不完全なイロプラでした。ネット上の口コミを見ると、とても購入する気にはなれませんでした。しかしながら、物語の終盤で重要な役割を演じるMSでもあり、何とか改善して再版されないものかと思っていたところ、比較的早い段階でユーザーの声が反映したようです。問題はそれがどの程度改善されたかが、ポイントになります。
また、このMSは手に武器を持たせることが出来ないものの、リード線・インコム用台座によるインコム射出を演出できる稀有なガンプラでもあります。

1.イメージ
ローゼン・ズール

ポイントでもある新規の成型色ですが、箱を開けた感想は濃いあずき色は改善されたものの、腕・足・背部の色はピンク過ぎやしませんか?と感じました。この部位については前キットの方が紫とピンクの中間色のままで、新しい機体色と同化できたのではないでしょうか。
そのほかにも前キットから変更されていないクローやプロペラントタンクの薄紫の成型色も原画とは異なる無意味な着色だと感じましたし、 袖の濃紺や動力パイプのくすんだ茶色も塗装が必要で、結局紫とピンクの機体色以外は全塗装となりそうです。
また、HGUCならではのパーツの合わせ目消しもできるだけ挑戦してみようと思います。

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2.組み立て1
ローゼン・ズール
このキットもいつもどおり、塗装前に出来るだけ組み立てを進めていきます。
ここでこだわっておきたいのはプロペラントタンクの合わせ目消しです。接着剤をはみ出し気味に塗り、一晩乾燥させてペーパー掛け。サーフェイサー(ホワイト)を吹いて一晩乾燥させて、MSホワイトを吹きます。
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3.塗装
ローゼン・ズール
RGとは異なり、HGUCならではの追加塗装が必要で、2色の機体色以外ほぼ全塗装が必要です。
 
  • メガ粒子砲、足のリベット→シルバーリーフ
  • 動力パイプなど黄土色パーツ→ゴールド
  • 袖→セミグロスブラック
  • 機軸部→ガンメタル
  • 右腕、シールド内側→ジャーマングレー
  • シールド外側→ネービーブルー
  • クロー、プロペラントタンク→MSホワイト
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4.組み立て2&シール
ローゼン・ズール
組み立てながら「袖付き」の紋章やホワイトラインのシール貼りを行います。
ギラ・ズールやクシャトリヤのシールに比べると袖のホワイトラインと黒が分離されていて作業はし易くなっています。
ピンセットで軽く乗せ、綿棒でなぞるときれいに仕上がります。
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5.ディテールアップ
ローゼン・ズール

あれこれと製作しながらディテールアップ箇所が浮かんできます。

 

  • ジオンのMSの中でも小さいモノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリアーピンク裏に銀のホイルシールを貼ったものを付けます。
  • 合わせ目消しを施したプロペラントタンクの四角いスラスターをガンメタルで塗装し、ラインは赤いジャンクシールを貼ります。
  • クローや足の鋭角なパーツは削って、シャープ化します。
  • 肩のスラスターをガンメタルで塗装します。
  • 足の動力パイプ周辺をピンクの機体色に塗り分けます。
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6.スミ入れ&つや消し
ローゼン・ズール
濃い色のパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で、薄い色のパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」でスミ入れを行います。
地味な作業ですが、動力パイプなどには立体感が出来て、効果は絶大でした。
最後にシールのコーティングも含めて、「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きました。ピンク過ぎる機体色を沈ませる狙いもあり、若干の効果はあったものの、他のパ-ツで白化をさせてしまいました。
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7.組み立て3
ローゼン・ズール
つや消しを全体にいきわたらせるために、あえて分割したパーツを組み上げるのはまさに最後、この瞬間に初めて全体のシルエットを見ることができます。そして、つや消しから除外したモノアイはこのタイミングで取り付けます。
このキットの特徴でもあるインコム射出時のワイヤーを演出したオールレンジ攻撃の演出にもなかなかの手間がかかります。
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8.仕上がり
ローゼン・ズール
さぁ、いよいよ完成!と思いきや、Episode7の映像やボックスアート、取扱説明書を見ていると、下記の塗装漏れや誤解釈が判明しました。

 

  • 肩のスラスター周辺をフラットホワイトに塗装。
  • 左腕内側、クロー内側、サイコ・ジャマー基部をガンメタルに塗装。
  • プロペラントタンクのラインはシナンジュやフルアーマー・ユニコーンガンダムの赤とは異なり、紫であることが判明。PCからラベルシートで作成し、貼り替えました。

 

HGUCであり、塗装指示もないことから、ある程度の見落としはやむ負えません。このあたりはRGとのクオリティーの違いを感じさせられます。

製作後記

バラのMSとも呼ばれるローゼン・ズールは極端ないかり肩に、長い足、ハイヒール、そしてバラの花びらのようなサイコ・ジャマー・・・・などこれまでのMSのなかでも異彩を放っています。ある意味、兄貴分のシナンジュよりもカッコイイ、いや美しいプロポーションと言えるかもしれません。
可動範囲やポージングの安定感も良好です。イメージ段階での細分化した塗装計画を実行し、イロプラに頼り過ぎず、オリジナリティーあるカラーリングには一定の満足感は感じましたが、製作前に懸念したピンクの機体色には完成後も不満が残りました。また、仕上げ段階での塗装漏れの発覚や、つや消しの白化など反省点も残る作品となりました。
ただし、Episode7の映像を参考に描いたPhoto Galleryでは納得のいく再現度となっていて、アンジェロが自らインコム・クローでコクピットを貫くシーンの画像では新たなスキルを身に付けることができたと感じています。

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