1/144 バンダイ RG ZGMF-X56S/α フォースインパルスガンダム

シン「なんでこんなこと・・・。また戦争がしたいのか、あんた達は!」
2020.5 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★☆☆

インパルスガンダムとフォースシルエットが合体した形態がフォースインパルスガンダムです。最新鋭の宇宙戦闘母艦ミネルバに配備され、劇中前半でシン・アスカが、後半からはルナマリア・ホークが搭乗しました。
コアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤー、フォースシルエットの合体でMS形態となるインパルスガンダムの標準的な形態でもあります。さらにVPS装甲のMMI-RG59V 機動防盾は対ビームコーティングが施されたこの機体の象徴的なシールドとなっています。

シンは初陣のアーモリーワンの戦闘で3機のガンダムを奪取され、ユニウスセブンでの戦闘でも戦果は挙げられなかったものの、 エンジェルダウン作戦においてはフリーダムのビーム射撃を機動防盾で的確に防ぎ、ソードシルエットから射出されたエクスカリバーを使って、性能で勝るフリーダムを撃破したのです。

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製作過程

「機動戦士ガンダムSEED」系のRGは他のガンダムシリーズに比べても豊富なラインナップで、既に一巡したと思われたにも関わらず、突然のインパルスガンダムの発売には驚きです。それ程印象にも残らなかったこのMSの発売には「機動戦士ガンダムSEED」の新たな展開を予告しているのかと勘繰りたくなります。
コアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤー、フォースシルエットによる合体は古典的なロボットアニメの手法です。機動防盾は個性的なデザインで、フォースシルエットはカッコイイ!しかし、胸部のデザインや太ももの濃い青色、機体各所の水色は残念な配色だと感じます。
このキットの発売時期は新型コロナウィルス感染拡大で自宅待機が広がった影響か、ネットでは早々に完売していました。ネットのレビューを見るとキットの評価は高く、製作意欲を掻き立てるものでした。そして結果的にイオンのおもちゃ売り場でネットより安く購入出来、製作に至りました。

1.イメージ
機動戦士ガンダムSEED

久しぶりのRGです。箱を開けてみるとトリコロールカラーのパーツには塗装を加えず、主にジャーマングレイとマットブラックの塗装で済みそうです。
ディテールアップの余地も特に無さそうで、丁寧なスミ入れと辛抱強いリアリスティックデカールの貼り付けととつや消し・・・と基本に忠実に作業を行えば、十分な仕上がりが期待出来そうです。

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2.組み立て1
機動戦士ガンダムSEED

ジャーマングレイとマットブラックに塗装するパーツから組み上げます。

内部フレームがRGサザビー以降"アドバンスド・MS・ジョイント"が大幅に縮小されたために同じSEED系のキットとも構造が大きく異なります。

 

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3.塗装
機動戦士ガンダムSEED

鮮やかなトリコロールカラーのパーツは発色をそのまま生かし、後のスミ入れの拭き取りを考えて塗装は行いません。
したがって、塗装は基軸パーツがメインになります。

  • 基軸パーツ、ビーム・ライフル、スカート裏接続部(筆塗り) →ジャーマングレイ
  • フォースシルエットの一部パーツ→マットブラック
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4.組み立て2
機動戦士ガンダムSEED

塗装が完了したら、再び組み立てに取り掛かります。
RGはアンダーゲートが多用されており、ゲート処理がとてもスムースで、ペーパーがけもかなり抑えることができました。
このキットの特徴として組み立て途中、関節を中心にホイルシールの貼り付け指示が度々入ってきます。この辺りはRG初期のテイストを感じます。

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5.ディテールアップ
機動戦士ガンダムSEED

数少ないディテールアップポイントは塗装が中心になります。

  • 頭部アンテナはそのままでも充分シャープですが、黄色と白色のパーツともにやり過ぎない程度にシャープ化しました。歴代のガンダムに比べてシャープで長いためにパーツの破損に注意が必要です。さらにシールドの十字パーツも少しだけシャープ化しました。
  • ツインアイは一体型シールに目のみシールを重ねることによって起伏を付けます。
  • 各部ダクト(筆塗り)、バーニア(筆塗り)、ナイフの刃→シルバーリーフ
  • ナイフのグリップ、フォースシルエットの後部一部→ガンメタル
  • フォースシルエットの後部一部(筆塗り)→レッド
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6.スミ入れ・デカール
機動戦士ガンダムSEED
 
  1. 原色の濃いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で、白いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」でスミ入れを行います。
  2. いつも根気が要る「リアリスティックデカール」は今回あまりストレスを感じることなく作業を進めることが出来ました。
  3. コーティングも含めて各パーツごとに「GSIクレオス Mr.トップコート水性プレミアムトップコートつや消しスプレー」を吹きます。
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7.合体・分離機構
機動戦士ガンダムSEED
コアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤー、フォースシルエットの合体でMS形態となる機構が再現されています。
劇中では何回も合体シーンが使い回され、大昔の合体ロボのようで笑ってしまいますが、コアスプレンダーとフォースシルエットは丁寧にスミ入れしてやるとそれなりのクオリティーに仕上がります。
しかし、コアスプレンダーについては映像との再現性に大きな疑問が残ります。カラーリングが劇中と異なり、合わせるのであれば全塗装が必要です。そこまでの思入れはないので取扱説明書どおりとしました。
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8.仕上がり
機動戦士ガンダムSEED
すべてのパーツを組み上げたらいよいよ完成です!
「機動戦士ガンダムSEED」のMSはアクションポーズが激しく、シールドの開放などのPhoto Galley用の撮影にも労力が必要です。
製作後記

前評判どおりの素晴らしいキットで、組み立て時のゲート処理はアンダーゲートのおかげでとてもスムースですし、アクションポーズが激しい「機動戦士ガンダムSEED」のMSにも関わらず、ポロリもありません。
ただ、カラフル過ぎる配色(特に水色のパーツ)に違和感を感じること、手のパーツの破損が相次いだこと、頭部の可動域と緩衝域には不満が残ります。その他に自身のミスとしてシールドの十字パーツのゲート処理とシャープ化に失敗したことには悔いが残る作品となりました。
総合的には"アドバンスド・MS・ジョイント"からの脱却による新たな可動域、シャープなパーツデザイン、最低限の塗装、適度なスミ入れと適度なリアリスティックデカールによって完成される非常にバランスの良いキットと感じました。
合体・分離機構についてもRG Zガンダムの失敗が教訓とされたのか、複雑過ぎる合体を避けた設計判断は正解です。 ただ、どうしても気になるのは、なぜこのタイミングで一巡したと思われる「機動戦士ガンダムSEED」系の新作RGが発売されたかです。

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