1/35 バンダイ ジオン公国軍 機動隊偵察セット

「ホワイトベースの偵察に向かう第908機動偵察中隊」
2009.3 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★☆☆
機動浮遊機ワッパが登場したのは『機動戦士ガンダム』の第14話「時間よ、止まれ」です。
この中でワッパはジオン軍の極東方面のパトロール部隊が使用する機体として基地配備され、劇中では16機ほどが活躍しました。森林地帯などでも運用可能な小回りの利く機体特性などから、 その性能を生かしてガンダムを森林地帯におびき寄せ、死角に入った機体がガンダムに吸着爆薬を仕掛け爆発させるという攻撃を行い、ガンダムを窮地に追い込んだのです。 その際ガンダムがシールドで扇ぐとその風圧で飛ばされたり、爆風に巻き込まれたりとまるで蚊トンボ扱いで、そのギャップが滑稽でした。

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製作過程

「U.C. HARD GRAPH」の第一弾モデルに挑戦です。発売当初はバンダイの目指す方向性に疑問の声も多く、第二弾の「ジオン公国軍 ランバ・ラル独立遊撃隊セット」が発売されるまでは「U.C. HARD GRAPH」自体賛否両論だったため、敬遠していたのです。 興味はワッパよりノーマルスーツ着用のジオン兵を使ったジオラマに挑戦したい・・・というのがきっかけです。 舞台設定は第14話「時間よ、止まれ」に合わせ、極東地域に配置された第908機動偵察中隊の一部を再現し、森に潜むジオン兵がホワイトベースの偵察に向かうシーンを再現したいと思います。
今回は ①2体のジオン兵に会話をさせる舞台設定②浮遊するワッパを再現③アイランドベースの活用 をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
機動隊偵察セット
  1. フィギュアは改造を施し、会話が聞こえるような情景にする。
  2. ワッパは装備品を追加し、今まさに浮遊し始める場面を再現する。
  3. ジオラマベースはタミヤ1/35「カスモサウルス情景セット」のベースを活用し、森に潜んでいる舞台設定にする。
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2.組み立て
機動隊偵察セット
  1. 「U.C. HARD GRAPH」初期作品のためか、スナップフィット中心とはいえ、ガンプラにしては接着剤を駆使するところも多いです。
  2. 細いパーツが多くて、ランナーからの切り離しにはかなり慎重になりました。
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3.塗装1~基本色+筆塗り~
機動隊偵察セット
  1. イロプラですが、接着剤を駆使する箇所も多いため、下地としてのサーフェイサーを吹きます。
  2. 基本色はガンダムカラースプレー Gグリーン2を使用します。
  3. マズラMG74/Sやシートなど操縦装置周辺は筆塗りします。
  4. 接地脚や推進ファンはシルバーリーフでスプレーします。
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4.フィギュア
機動隊偵察セット
  1. ワッパをドライブする曹長は地上を見下ろす角度に微調整、地上で見送る伍長はタミヤ1/35「ドイツ歩兵自転車行軍セット」から無帽の頭部と左腕を移植。目線と手を振る角度を調整して組み立てます。
  2. 下地としてのサーフェイサーを吹き、基本色はワッパ同様ガンダムカラースプレー Gグリーン2を使用し、細部を筆塗りします。
  3. 薄めたフラットブラウンで髪の毛の生え際や服の影付けて、口元や首筋などは少し赤みを加えます。
  4. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  5. 白のパステルで色調を落ち着かせます。
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5.塗装2~スミ入れ+ウエザリング+デカール~
機動隊偵察セット
  1. ワッパを薄めたフラットブラウン+オリーブグリーンでスミ入れ、綿棒で軽く拭き取ります。
  2. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  3. マークソフターを使ってデカールを貼ります。
  4. ブラウン系の色数種で泥や塗装のはがれを意識してチッピングを施します。
  5. 白のパステルで砂ぼこりを表現します。
  6. フラットアルミで軽くドライブラシを行います。
  7. フィギュアも同様にフラットブラウン+フラットブラックで手順を繰り返します。
  8. 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で目玉を入れます。
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6.ベ-ス1
機動隊偵察セット
  1. タミヤ1/35「カスモサウルス情景セット」のベースを使用します。
  2. ベースをサーフェイサーで吹きます。
  3. ホビーベース社の「マグネスタンド」のマグネベースに「ミニMSスタンド」のフレキシブルロッドを取付け、ワッパをホールドします。
  4. ワッパ・フィギュア・アクセサリーを仮組みをしてレイアウトを考えます。
  5. マグネベースを接着し、木を植える部分も合わせて石粘土「Premier」で地面の起伏を作ります。
  6. 枯れ木の内部をセミグロスブラックで、地面をライトサンドで軽くスプレーします。
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7.ベ-ス2
機動隊偵察セット
  1. 枯れ木はスミ入れで使った塗料でドライブラシの要領で丁寧に筆塗りします。
  2. ベースは綿棒でぼかしながら薄く地面や岩、影を筆塗りします。
  3. 鉄道模型用の輸入物森林セットに加えて、「フォーリッジクラスター」「ライケン」などを雑草として植えていきます。木々は単色にならないよう、黄色や緑系のスプレーを軽く吹きます。
  4. フレキシブルロッドを隠すための砂埃として手芸用わたを使います。わたの上部は熱風として赤・黄を、下部は砂としてライトサンドでスプレーし、フレキシブルロッドに巻き付けます。
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8.ディテールアップ
機動隊偵察セット
  • ワッパ・・・ストックからバック類を荷物ラックに、操縦装置周辺には小銃と双眼鏡を、アンテナを延ばしランナーで取付けます。バックミラーはホイルシールを活用。シートベルトも取り付けます。
  • フィギュア・・・ドライブする曹長のヘルメットは赤いラインの塗装と透明シールドの取付けを、地上で見送る伍長も含めて靴は薄い緑に塗ります。
  • アクセサリー・・・ストックしておいたバック類や延ばしランナーでアンテナを取付けた通信機器を活用。枯れ木にはナイフで地図を突き刺します。
  • 動物・・・ベースのタミヤ1/35「カスモサウルス情景セット」から陸ガメとトカゲも活用します。
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9.仕上がり
機動隊偵察セット
  1. ワッパをマグネベースにはめ込み、地上のフィギュア・アクセサリー・動物を固定します。
  2. マスキングテープを剥がし、塗りムラを補修。
  3. タミヤ1/35「カスモサウルス情景セット」のベースが納まるタミヤのディスプレイケースFに収納。
  4. デッドスペースにタミヤ1/35「カスモサウルス情景セット」に付属するネームプレートを置いて、キットの箱絵の縮小版を貼り付けます。
  5. 背景パネルは森林のイメージを選び、写真屋で拡大プリントしたもの(W4つ切り)を使用。
  6. ふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
これまでのアイランドベースに比べる今回は小さいため、ヴィネットのようなこじんまりとしたものになると予想していました。しかしながら、ワッパを浮上させ、ベースからはみ出させたりしているとディスプレイケースいっぱいの迫力になりました。 フレキシブルロッドのギミックは今後の製作にも応用出来そうです。 フィギュアは2体のみで、説明書どおりに仕上げると目線も合わせませんが、ワッパを浮上させ、高低差を使って向き合わせることによってストーリーが出来上がりました。
また、今回使用した背景パネルは偶然にもベースの枯れ木の質感と全く同じで、このジオラマと同化しています。

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