1/35 バンダイ ジオン公国軍 ランバ・ラル独立遊撃隊セット

「砂漠のランバ・ラル独立遊撃隊」
2007.3 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★☆☆
「ファーストガンダム」におけるザビ家の末弟ガルマ・ザビ大佐の戦死の仇討ち部隊として送り込まれることになったのが、ランバ・ラル大尉率いる独立遊撃隊。
戦闘能力優先主義を貫き、その懐の深さをもって隊員をまとめ上げたジオンのランバ・ラル大尉が、グフを駆ってザクとともにホワイトベースを強襲した時の「ザクとは違うのだよ ! ザクとは ! 」のセリフはあまりにも有名。
『U.C. HARD GRAPH』シリーズ第二弾「ジオン公国軍 ランバ・ラル独立遊撃隊セット」は、フィギュア×6(ランバ・ラル、クランプ、ハモン、ゼイガン、一般兵×2)、バイク、ザクJe型頭部、ザクマシンガン薬莢などコンパクトながらも充実のキットとなっています。

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製作過程

人を中心した『U.C. HARD GRAPH』シリーズの中でもレアなモビルスーツを含んだこのキット。それも誰もが知るザクは様々なカスタマイズが楽しめそうです。 今回はキット添付の作例の他にホビージャパン誌にも掲載されている山田卓司氏の作品をお手本に製作することにします。ディスプレイケースは中サイズを使用するため、レイアウトに制限が多く、あれこれと思案に暮れました。
今回は ①ザクヘッドのダメージ表現 ②アニメ調ではない硬派なイメージのフィギュア塗装 ③コルクロックの活用 ④ジオラマベースとして恐竜キットとの融合 をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
ザク
  1. まずはザクヘッドを組み上げてから全体のレイアウトのバランスを考えることにします。
  2. フィギュアはイロプラとはいえ、前回製作した「ブリーフィングセット」と比べると、筆塗りが多くなりそうです。また、フィギュアとアクセサリーの接着は、仮組みの必要性を感じます。
  3. ジオラマベースは劇中と同じホワイトベース追撃シーンをイメージして、砂漠の舞台とします。これまでのスチレンボードやスタイロフォームから、今回はタミヤ1/35「トリケラトプス情景セット」のベースを流用してみることにします。
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2.組み立て
ザク
  1. 頭部メカと装甲は別々にスプレー塗装することを意識して組み立てていきます。スナップフィットのお陰で、組み立てても簡単にバラせます。
  2. ディテールアップとして1.ザクヘッドの被弾とちぎれた動力パイプ、2.セイガンのバックパックのアンテナ追加、3.一般兵の機関銃のスリング追加、4.水辺のリアリティアップなどを施します。
  3. ザクヘッドの装甲被弾ダメージを付けます。焼いたキリで穴を開け、彫刻刀でひび割れを彫ります。
  4. ④なおザクヘッドの首基部は今回吹き飛んだ設定のため、仮組みまでしてみましたが、除去することにしました。
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3.塗装1~基本色~
ザク
  1. 下地としてのサ-フェイサ-はカットします。
  2. 基本色はガンダムカラースプレーを使用し、ザクヘッド内部はファントムグレ-を、装甲はGグリーン2を使用します。
  3. ザクヘッドの装甲被弾ダメージを付けます。まずコンロで焼いたキリで穴を開けて、彫刻刀でひび割れを彫っていきます。
  4. なおザクヘッドの首基部は今回吹き飛んだ設定のため、仮組みまでしてみましたが、除去することにしました。
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4.塗装2~筆塗り+ウエザリング その1~
ザク
  1. 頭部メカをガンメタルで筆塗りします。
  2. 装甲は被弾箇所と動力パイプを中心に薄めたフラットブラウン+フラットブラックでスミ入れ。
  3. 薄めたフラットブラウンでザクヘッド下部を中心に巻き上げた泥を意識してウォッシングをします。
  4. 100円ショップで購入したスチールウールで装甲にキズを付けていきます。
  5. 薄めたフラットブラウンで雨だれを表現します。
  6. フラットアルミで軽くドライブラシを行います。
  7. フラットブラウンの筆塗りでさびや塗装のはがれを意識してチッピングを施します。
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5.カスタマイズ
ザク
  1. 戦闘によって吹き飛んだザクヘッド。その衝撃によって動力パイプがちぎれたダメージを表現します。まず動力パイプをつなぐ骨組みをニッパーで切断します。
  2. 切断した箇所に再度焼いたキリで穴を開け、パイプが差し込めるようにします。
  3. ホームセンターで購入した「ムギ球」の配線をカットしたものと配線の絶縁のために使用する「シリコンスリーブ」を使ってザクの動力線として取り付けます。
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6.塗装3~ウエザリング その2~
ザク
  1. マークソフターを使ってデカールを貼ります。
  2. タミヤ「ウェザリングマスタ-セット」で錆やスス、砂ぼこりを動力パイプを中心に表現します。
  3. 仕上げにパステル(白色)を使ってザクヘッドにほこりっぽさを付けます。
  4. モノアイとその基部はシールドに守られているはずなので、ウエザリングは施しません。ただし、シールド外部は砂をかぶっているはずなので、ダークイエローを軽く吹いておきます。
  5. ここまで出来たら、モノアイとシールドを取り付けてザクヘッドを組み上げます。
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7.フィギュア1
ザク
  1. フィギュアはアクセサリーから組み立て、ポーズを決めてからフィギュアの手足を接着します。
  2. ゼイガンのバックパックのアンテナを伸ばしランナー2本ずつを使って追加します。一般兵の機関銃のベルト(スリング)はガンメタルに塗った紙を貼って追加します。クランプ中尉が持つバインダーにはイタレリ社「ジャーマン レスト キャンプ」に付属する地図を縮小カラーコピーして貼ります。
  3. 極力イロプラを生かして、ハモンの服など一部を筆塗りします。
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8.フィギュア2
ザク
  1. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  2. 薄めたフラットブラウンで髪の毛の生え際や服の影、しわなどを付けて立体感を強調します。
  3. マークソフターを使ってデカールを貼ります。
  4. 表情を考えて「ガンダムマーカースミいれ用ブラック」で目玉を入れます。
  5. タミヤ「ウェザリングマスターセット」で全体を落ち着かせます。
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9.ベース1
ザク
  1. 砂漠の舞台としてタミヤ1/35「トリケラトプス情景セット」を選びました。
  2. マスキング後、ストーン調スプレーを吹きます。次に岩の部分をマスキングして、全体にダークイエローを軽く吹きます。
  3. 薄めたフラットブラウンで岩の影を付けます。
  4. 水で希釈した木工用ボンドを霧吹きで吹いて、白のパステルをバラまきます。
  5. 砂利としてシーナリーバラストを振りかけます。
  6. 水底はクリアーグリーンを中心に筆塗りします。
  7. ⑦カエルと銀光りの塗装した魚を接着します。
  8. 河合商会社製のディスプレイケースに合わせるため、ベースをカットします。
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10.ベ-ス2
ザク
  1. NOCH製コルクロックを石粉粘土で固定します。
  2. 接着面の溝に茶系のパステルを振りかけます。
  3. 水面は付属の透明板ではなく、オオクボ社製の「なみいたくん」を使用してリアリティーを追求します。
  4. キット付属の岩とシュロの仲間を取り付けます。
  5. 水辺に「ライケン」「鳥の巣草」を植えます。
  6. 「レイアウトストーン」や「ガーデニング用小石」を地面に接着します。
  7. ザクマシンガン薬莢を地面に接着します。
  8. 100円ショップで購入した小枝を折れた大木として、ちぎって置きます。
  9. 薄いフラットブラウンで草や岩陰を表現します。
  10. パステル(茶色)で巻き上げた土を表現します。
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11.仕上がり
ザク
  1. ベースにレイアウトを考えてフィギュアを設置します。
  2. ザクヘッドを設置します。
  3. 背景パネルは夕暮れをイメージしたものを選び、写真屋で拡大プリントしたもの(W4つ切り)を使用します。
  4. ベースサイドを隠すように黒のビニールテープを貼ります。
  5. ふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
今回はフィギュアの質感とレイアウトに注力しました。特にこれまで形骸的に使っていた「Mr.スーパークリアーつや消し」の効果がはっきりと感じられ、イロプラの手軽さを実感させてくれました。 またザクヘッドも大げさな被弾ダメージを避けて、ザクそのもののシルエットのよさを生かすことで、主役のフィギュアの引き立て役に徹することにしました。
そのほかにもジオラマベースとして使用したタミヤ1/35「恐竜世界シリーズ」との組み合わせもなかなか面白いアイデアでした。これこそ『U.C. HARD GRAPH』の真骨頂、1/35バンダイと1/35タミヤのコラボレーションなのです。
クラフトのこや彫刻刀、コルクロックにジオラマベースキットな材料費もかかり、見た目以上に高コストな作品となりました。

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