1/35 バンダイ 地球連邦軍 陸戦MS小隊ブリーフィングセット

「密林の第08MS小隊」
2007.2 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★☆☆
人物を中心にしたドラマ作りが可能な1:35スケールに既存のミリタリーフィギュアとのバランスも考慮し、写実的イメージでキャスティングを行ったフィギュア設定。 フィギュア基本色をイロプラで再現し、リアルタッチマーカーなどによるかんたんな色流しでリアルに仕上がるマルチカラーフィギュア。
そしてこのスケールならではの実使用を考想したメカや装備のディテール設定と再現を最優先し、必要によっては接着剤の使用も想定した新設計基準によるパーツ構成の採用・・・
それが『U.C. HARD GRAPH』なのです。
20数年ぶりにAFVジオラマ製作を復活させる中、AFVとガンプラの要素を融合させた『U.C. HARD GRAPH』は、まさに私が求めていたカテゴリーです。 本キットはOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」における小隊長のシロー・アマダ少尉を筆頭に、問題を起こしがちな隊員たちとの1シーンを オリジナルキャラクター2名を変更して発売されています。

Photo Gallery


製作過程

初めての『U.C. HARD GRAPH』はシリーズ第三弾にして最も高価かつ難易度の高そうな「地球連邦軍 陸戦MS小隊ブリーフィングセット」から挑戦します。
このキットを選んだ理由はあくまでも人が中心という同シリーズのコンセプトに沿いながらもアクセサリーが充実していて、カスタマイズの幅が広そうな点とホバー機能や音紋索敵用のソナーを有するモビルスーツ戦闘支援車輌M353A4ブラットハウンドに造り応えを感じたからです。
今回は ①重厚感あるホバートラック ②木や草を惜しみなく使用した密林 ③会話が聞こえてきそうなフィギュア設定 ④リアリティの高い食事 ⑤アニメ模型ならではの原色のアクセント をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. まずは箱を開けてみると部品点数の多さにびっくり。これはスミ入れも大変そ~。箱絵や作例を見ながら自分なりのカスタマイズを考えます。
  2. イロプラとしての車体色は薄いブルーですが、戦闘車両としての重厚感を表現するために箱絵に倣って、ジャーマングレーを採用したいと思います。
  3. フィギュアは色プラを生かしたまま、スミ入れとつや消しをする程度にしたいと思います。
  4. キット付属のアクセサリーに加えて、同じ1:35のAFVキットからいくつか流用して、アニメ模型ならではの遊び心も演出してみたいと思います。
矢印
2.組み立て
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
ガンプラで培ったスナップフィットは大半が接着不要でしたが、サスペンション基部の取り付け、ホバーの接合、ソナ-のパイプの一部長さ不足など???もありました。
ディテールアップとしては
  1. パノラマサイト先端にクリアブルーのパーツ
  2. ターレットのライトにクリアパーツ(AFV誌によると機銃は上を向いていることが多いらしい。)
  3. 乗降ハッチにステップとパイプ
  4. ソナ-のパイプの長さ不足を丸棒で自作補正
この時点で仮組に留め、塗装に備えます。
矢印
3.塗装1~下地塗装&基本色&筆塗り~
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. どす黒くならないよう明るい発色を期待して白のサーフェイサーを吹きます。
  2. 車輌の大半はジャーマングレーを吹きます。
  3. 車輌前部のドーザープレートとアンテナ、ソナーとホバーの一部の色はOVAに倣ってネービーブルーを吹き、微妙に色の違いを持たせました。
  4. その他ガンメタルなどは筆塗りします。
  5. この時点でいったん仮組してシルエットを確認します。
  6. 足回りのウエザリングのために再度バラします。
矢印
4.塗装2~ウエザリング その1~
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. 薄めたフラットブラウン+フラットブラック+ガンメタルでスミ入れ。
  2. 薄めたフラットブラウンで車輌下部を中心に巻き上げた泥を意識しながらウォッシングをします。
  3. スチールウールで車体に擦り付けて、キズを付け、銀色の剥がれを表現できました。
  4. ガンダムマーカーの「ウェザリングマーカーセット」でさびや泥の巻上げ、荷台の汚れや足跡を意識してチッピングを施します。
  5. 薄めたフラットブラウンで雨だれを意識しながら4段階に渡って重ね塗りをします。
  6. フラットアルミでドライブラシを行います。
矢印
5.塗装3~ウエザリング その2~
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. マークソフターを使ってデカールを貼ります。
  2. タミヤ「ウェザリングマスターセット」で錆やスス、砂ぼこりを丁寧に表現します。
  3. 仕上げに車輌上部はパステル(白色)を使ってほこりっぽさを表現します。
矢印
6.フィギュア
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. 色ごとに分割されたフィギュアパーツはロン毛までも分割するこだわりぶり。
  2. できるだけオリジナルカラーを生かし、Tシャツなど一部のみ筆塗りします。
  3. 薄めたフラットブラウンで皮膚や服の影、しわを付けていきます。
  4. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  5. 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で表情を考えながら目玉を入れます。
  6. タミヤ「ウェザリングマスターセット」で全体を落ち着かせます。
矢印
7.アクセサリー
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
今回使用した主なアクセサリーキットは以下のとおり。
  • 付属アクセサリー・・・折りたたみ式テーブル、いす、ツールバック、弾薬箱、給水タンク、マグカップ、ビールボトル、ナイフ、銃、ペンダント
  • タミヤ「アメリカ現用車輌 装備品セット」・・・各種バック、ジェリカン、スリーピングマット、フォールディングベッド、カートン、弾薬箱、双眼鏡、ハンビー
  • タミヤ「ドイツ野戦炊事セット」・・・パン、チーズ、りんご、ジャガイモ袋、牛乳缶、キッチンポット、踏台、ランプ
  • イタレリ「フィールド・ツール・ショップ」・・・はしご、ドラムカン、ボンベ、バケツ、工具、工具箱、スコップ
矢印
8.ベ-ス1~芝シート~
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. ベースはサンパネルを使用。木を植える側にはサンパネルを重ねて段差を付けます。ベースのサイドはいつものストーン調スプレーを吹きます。
  2. 鉄道模型用の芝シートをベースに合わせてカットし、人や車輌が通った跡をつけます。
  3. イエローを吹いて芝の色の単一化を防止。
  4. 木工用ボンドを水で希釈し、霧吹きで吹いた後、鉄道模型用の茶系のカラーパウダー数種類を木を植える地面側に茶こしで振りかけます。
  5. 同様に全体に砂利としてシーナリーバラストを振りかけます。
矢印
9.ベ-ス2~密林~
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. ベースと芝シートを接着します。
  2. 鉄道模型用のフォーリッジクラスターと輸入物の2種の森林セットを木工用ボンドで植えます。
  3. 「フォーリッジクラスター」「ライケン」「鳥の巣草」「竹ぼうきの一部」を植えていきます。
  4. 「レイアウトストーン」や「ガーデニング用小石」を岩として地面に接着します。
  5. 小枝を折れた大木として、ちぎって置きます。
  6. 薄めたフラットブラウンでホバーや雑草、岩の陰を表現します。
  7. パステル(茶色)を使ってソナーが巻き上げた土を周囲の木々にふりかけます。
矢印
10.カスタマイズ
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. ホバートラックのトノカバーは取り付けず、荷台に装備品を接着していきます。
  2. トノカバーはウェーブ社製のラインとパイプを使ってテントに改造します。
  3. テーブルに料理やマグカップ、ビールボトルを接着していきます。
  4. 石粉粘土で作ったTシャツとティッシュペーパーで作ったタオルを、ダークイエローを吹いた糸にぶら下げて洗濯物にします。
矢印
11.仕上がり
陸戦MS小隊ブリーフィングセット
  1. 巨大なタミヤ「 ディスプレイケースL」にベースを乗せます。
  2. ホバートラックを設置します。
  3. テント・フィギュア・各種アクセサリー・洗濯物を設置します。
  4. 背景パネルは今回ディスプレイケースが巨大なため、風景のポスターを使用します。全体が濃緑色とグレーが支配しているため、背景は青空を使用して明るくします。
  5. ふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
今回ホバートラックのサイズが戦車よりもひと回り大きく、ディスプレイケース入りのジオラマにこだわる私にとっては高価なタミヤ「ディスプレイケースL」(定価13,000円)を選択せざるを得ませんでした。
そこで投資に見合う舞台にしようとイメージを張り巡らせた結果、木や草など森の充実、以前から取り入れたかった食事のセット、そしてアニメならではのピンクやパープルの配色・・・といつも以上に時間をかけ、楽しみながら製作しました。 もちろん、『U.C. HARD GRAPH 』の人が中心というコンセプトにも沿うよう、フィギュアとアクセサリーやストクチャーとの組み合わせにも注力しました。何度眺めても飽きることのない情景です。
AFVのスタンダードスケールである1:35としてリリースした『U.C. HARD GRAPH』は、まさに「こんなカテゴリーがあったら・・・」を実現した新機軸で、これを商品化してしまうバンダイの柔軟性には脱帽です。 今後も『U.C. HARD GRAPH』の展開から目が放せません !

prev 前のページへ このページのトップへ次のページへnext