1/35 バンダイ ジオン公国軍 サイクロプス隊セット

「南仏の街角で少年に道を尋ねるサイクロプス隊」
2008.1 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★☆☆
OVA「機動戦士0080 ポケットの中の戦争」で活躍したシュタイナー大尉が率いるジオン軍の特殊部隊が「サイクロプス隊」。
ジオン軍による地球侵攻作戦が開始され、サイクロプス隊も根拠地・グラナダから第1地上機動師団と共に出撃し、ジオン軍の地球制圧作戦の尖兵となったのです。
このキットは、同隊の地球降下作戦時の状況を切り取り、同隊のメンバーを実在の人物として写実的に造形しています。シリーズ初の4輪車である新開発のジオン軍四輪軽機動車が付属し、デジタル迷彩や少年フィギュアなどAFVとは違った世界を引き出してくれています。

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製作過程

まずは舞台設定を考えるにあたってポイントになるのは少年のフィギュア。戦場の砂漠や山林で突如子供と出会ってはおかしいので、舞台は街角・・・。 それも椰子の木を使い、南フランスのジオン勢力圏下の街角で、サイクロプス隊が地元の子供に道を尋ねるシーンにしたいと思います。
今回は ①少年とジオン兵の心温まる雰囲気 ②荷物満載の走り込んだ四輪軽機動車「サウロペルタ」 ③南フランスを思わせるリアルな舞台設定(建物・椰子の木・レンガ・石畳) 
をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
サイクロプス隊セット
  1. フィギュアはOVAにとらわれずに、それぞれのキャラクターに合ったカラーリングにしたいと思います。
  2. 四輪軽機動車「サウロペルタ」もイロプラにとらわれずに、ジオンカラーをイメージします。
  3. ジオラマベースはこれまで少しずつ買い集めていた素材を組み合わせて、四輪軽機動車とフィギュアを作りながら、3要素同時進行で製作していきたいと思います。
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2.組み立て
サイクロプス隊セット
  1. スナップフィットと接着剤を駆使しながらサクサク組み立てます。いったん組み立てても簡単にバラすことが出来ます。
  2. 四輪軽機動車を組み立ててみると、やはりイロプラの基本色では鮮やか過ぎるので、バラして全塗装することにします。
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3.塗装1~基本色~
サイクロプス隊セット
  1. 下地としてのサーフェイサーを吹きます。
  2. 基本色はガンダムカラースプレーを使用し、車輌下部はファントムグレーを、車輌上部はGグリーン2を使用します。
  3. ウインカーやブレーキランプ、運転席周辺は筆塗りします。
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4.塗装2~筆塗り+ウエザリング~
サイクロプス隊セット
  1. 車輌全体を薄めたフラットブラウン+フラットブラックでスミ入れ。綿棒で軽く拭き取ります。
  2. さらに薄めたフラットブラウンでウォッシングをし、ティッシュペーパーで軽く拭き取ります。
  3. ⑥ブラウン系の色数種で泥や塗装のはがれを意識してチッピングを施します。
  4. 薄めたフラットブラウンで雨だれを表現します。
  5. フラットアルミでドライブラシを行います。
  6. タミヤ「ウェザリングマスターセット」で錆やスス、砂ぼこりを表現します。
  7. フロントガラスに軽くライトサンドを吹きます。
  8. 仕上げに白のパステルで全体を落ち着かせます。
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5.カスタマイズ
サイクロプス隊セット
  1. 延ばしランナーで無線アンテナを取り付けます。
  2. スペアタイヤは車輌後部に取り付けます。
  3. キット付属のヘルメットや水筒の他にタミヤ「アメリカ現用車輌 装備品セット」からバック、ジェリカン、スリーピングマットなどを取り付けます。
  4. 助手席にはイタレリ社「ジャーマン レスト キャンプ」に付属の地図を縮小コピーして貼ります。
  5. ハーディ・シュタイナー大尉の右手指先にタバコを持たせ、手芸用のわたで煙を表現します。
  6. ジェームス・黄(ホワン)曹長の機銃には紙で作ったスリリングを付けます。
  7. 少年は散歩を想定し、ショルダーバックを除去。
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6.フィギュア1
サイクロプス隊セット
  1. 車輌やアクセサリーと組み合わせてからのポーズが必要なものは一部接着を後回しにしておきます。
  2. ベースに設置できるように、ピンバイスを使って足裏に真鍮線を付けます。
  3. 少年は胴体のみサーフェイサーを吹き、他の兵士は基本色を生かします。髪の色はOVAを無視し、それぞれキャラクターにあった色をイメージして塗装します。
  4. 目元や袖周りなどは影を意識して、薄めたフラットブラウンで筆塗りします。
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7.フィギュア2
サイクロプス隊セット
  1. イロプラのてかりを消すためにここで「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  2. 薄めたフラットブラウンで再度髪の毛の生え際や服の影、しわを付けていきます。
  3. 口元や首筋など、少し赤みを加えてみました。
  4. マークソフターでデカールを貼ります。ジェームス用のデジタル迷彩のデカールは台紙のサイズが合わなかったものの、修正が柔軟に出来ました。
  5. 表情を考えて「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で目玉を入れます。
  6. タミヤ「ウェザリングマスターセット」で全体を落ち着かせます。
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8.ベ-ス1
サイクロプス隊セット
  1. ベースはタミヤのスチレンボード5mm厚を使用。タミヤ「ティラノサウルス情景セット」から椰子の木、タミヤ「レンガセット」 、輸入物の石畳パターンシートと建物でヨーロッパの街並みを製作。
  2. 水で希釈した木工用ボンドを霧吹きで吹いて、壁用補修材をバラまき、茶系のパステル各種をバラまきます。
  3. 「レイアウトストーン」や「ガーデニング用小石」を地面に接着します。雑草として「フォーリッジクラスター」「鳥の巣草」を植えていきます。最後に椰子の木を接着します。
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9.ベ-ス2
サイクロプス隊セット
  1. レンガはスミ入れや色分けを行い、「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。デカールやPCで作ったポスターを貼ります。
  2. 歩道はタミヤのスチレンボード5mm厚を使用し、石畳をシャーペンで彫っていきます。
  3. 石畳のパターンシートにもスミ入れとウェザリングを施します。仕上げに歩道と合わせ、砂利としてのシーナリーバラストを振りかけます。
  4. 建物のキットにはサーフェイサーを吹き、フラットブラウンやフラットブラックで着色します。こちらにもスミ入れとウェザリングを施し、「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。窓には黒い紙を貼り、ブルーの透明プラバンを貼ります。
  5. スチのりですべてのベースキットを接着します。
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10.仕上がり
サイクロプス隊セット
  1. ベースにピンバイスを使って穴を開けて、フィギュア・タミヤ「ドイツ88mm砲 Flak36/37 」からオートバイを設置します。
  2. タミヤ「道標セット」から街燈を設置します。
  3. タミヤ「動物セット」 から犬とカスタマイズした野鳥を設置します。
  4. 犬は糸で少年と繋ぎ、散歩中の設定にします。
  5. 河合商会社製のディスプレイケースにベースを乗せます。
  6. ふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
初めての本格的市街地ジオラマに挑戦 !
今まで少しずつ買い集めていた素材や暖めていたジャンク品を惜しみなく投入しました。石畳や椰子の木が南仏の舞台を表し、道を尋ねるシチュエーションを暗示する小道具を各所に配置しました。
また、ポスターや壁の落書きの「Zeek Zeon!」が、この街がジオン軍の制圧下に置かれていることを示しています。メインの四輪軽機動車「サウロペルタ」が思いの外小さかったので、たくさんのアクセサリーが活躍しています。
しかし、今回は全体的に茶色の配色が強く、背景に建物キットを使ったためにやや明るさに欠けました。やはり空の背景パネルがあると鮮やかさと奥行きができるものだと改めて実感しました。

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