1/144 バンダイ HG MSZ-006 ゼータガンダム〔U.C.0088〕
お気に入りランク:★★★★☆ レア度:★★★★★
「グリプス戦役」から「第一次ネオ・ジオン抗争」と幾多の戦場を経たゼータガンダム!
マイナーチェンジやアップデートを繰り返したゼータガンダムを再現したという[U.C.0088]版は後期仕様としてイメージされており、ゼータプラスからの技術が取り入れたとも言われています。
劇中では機体の進化が見られないので困惑しますが、[U.C.0088]ということは”カミーユが搭乗したグリプス戦役後半のゼータガンダム”というよりは"ジュドー・アーシタやルー・ルカたちが搭乗したZZのガンダムチームのゼータガンダム”という解釈になるのでしょうか?しかし、パッケージでは「機動戦士Zガンダム」というカテゴリーになっているのでますます困惑します。
Photo Gallery
製作過程
2020年のガンプラ40周年に向けた新プロジェクト"GUNPLA EVOLUTION PROJECT"の第一弾として2017年04月に発売されたゼータガンダムをアップデートし、後期仕様として再現した[U.C.0088]版は2018年9月プレミアムバンダイから発売されました。
幾多の戦闘を経てより洗練されたこのゼータガンダムは頭部、胸部、背面パーツ、脚部、腰、フライング・アーマー、シールドなど、ほぼ全身各部を新規造形で再現されています。"GUNPLA EVOLUTION PROJECT"版ではシールで補っていたフライングアーマーの赤い部分が別パーツになり、成形段階で色分けされている点が最大の変更点かもしれません。
「Realistic Model Series 1/144スケール HGUCシリーズ用 アーガマ カタパルトデッキ」発売にあたり、再販で購入しましたが、今回の製作の
最大の目標は私の中で史上最低のガンプラの烙印を押した「1/144 バンダイ RG MSZ-006 ゼータガンダム」へのリベンジです。「機動戦士Zガンダム」は私が最も好きなガンダムシリーズで、その主役機のゼータガンダムを何としても納得のいく作品に仕上げたいと思います。
1.イメージ
- 箱を開けてみるとHGとは思えないRG並みの部品点数と取扱説明書のページ数に驚きですが、取扱説明書はプレミアムバンダイらしく、機体解説も完成見本もない残念なものとなっています。
- フライング・アーマーの赤いパーツが一部成型色になったとはいえ、シールで補う箇所を多数塗装しなければならず、そこが最大の製作ポイントとなります。
- 頭部のシャープ化と各ダクトの塗装のディテールアップで小さなところから機体の密度を上げます。
- 武器類のパーツの合わせ目消しを気長に時間を掛けて取り組みます。
- RG風のマーキングで情報量をアップさせます。
2.塗装
リックディアスでの教訓を生かして、RGゼータガンダム製作時の動力パイプなど、過剰なメタリック塗装は今回見送り、設定画像に忠実に進めます。
- イロプラ漏れのフライング・アーマー上部の白い箇所をマスキングしてサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
- 同じくイロプラ漏れのフライング・アーマーの一部とシールド突起部をマスキングしてサーフェイサー(ホワイト)を吹いた後、ブライトレッドで塗装します。
- 肩部・腕部のオレンジシールに該当する箇所をマスキングしてサーフェイサー(ホワイト)を吹いた後、オレンジで筆塗りします。
- 脚部のオレンジシールに該当するダクトは直接オレンジで筆塗りします。
- 基本塗装としては基軸パーツをジャーマングレイで塗装します。
3.組み立て1
- 基軸パーツから可能な限り、組み立てを開始します。
- 新規パーツが多用されているためか、HGとしては珍しく機体本体側はパーツの合わせ目消しの必要性はほぼ感じません。しかし、ビーム・ライフルとグレネードランチャーはパーツの合わせ目が必要です。
- ビーム・ライフルとグレネードランチャーのグリップはジャーマングレイで塗装後に組付け、マスキングしながら作業を進めます。
- 作業の障害になるパイプパーツは一部カットし、最後にガンダムマーカーのシャインシルバーで塗装して接着します。
- ビーム・ライフルとグレネードランチャーにはたっぷり接着剤を付け、2日程硬化を待ち、フィニッシングペーパーの400番→600番の順で磨きます。
- 並行してランナーパテを作っておきます。
4.パーツの合わせ目消し
- 同色のランナーを3mmくらいにカットします。
- カットしたランナーをガラス瓶に入れ、タミヤセメント(流し込みタイプ)を注いで2日程放置します。
- 余ったランナーでかき混ぜ、とろけ具合いを確認し、筆でパーツに塗布して3日程放置します。
- 完全に硬化したら、再度フィニッシングペーパーの400番→600番→1000番の順で磨き、スポンジやすりで仕上げます。
- ビーム・ライフルはそれでも消えないパーツの合わせがあったためにサーフェイサーを吹いて、マットブラックで塗装します。
5.ディテールアップ
- 頭部アンテナとあごは破損リスクを考え、控えめにシャープ化。
- ツインアイ→ガンダムマーカーのメタグリーン、黒い部分はフラットブラック
- バルカン、グレネードランチャー補助パーツ→ガンダムマーカーのシャインシルバー
- バルカン周辺・足・スカート裏・スタビライザーのダクト、足裏一部、シールド一部→ガンメタル
- 腕部・グレネードランチャーグリップの装甲内側、足のモールド→フラットブラック
- 基軸パーツ、ポリキャップ、スカート・脚部装甲内側、ビーム・ライフル一部、
グレネードランチャー一部→ジャーマングレイ - 腰部バーニアの外輪→シルバーリーフ、内輪→ブライトレッド
- リアスカートのバーニアの外輪→メタリックレッド、内輪→シルバーリーフ
6.組み立て2
再び組み立てを開始します。
映像を見直したり、組み立てながら気付いたイロプラ漏れやディテールアップ、装甲内側の塗装を行い、補正を続けます。
HGと言えども最新キットだけあって複雑な機構を駆使して可動域を広げる設計思想が随所に感じられます。
パーツのポロリもなく、キットの安定性はRGより上だと感じます。
7.スミ入れ&マーキング
- 「タミヤ スミ入れ塗料(グレイ)」にエナメル塗料のフラットブラックで調合した塗料、「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」、「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」、「コピック マルチライナー【ブラック】0.03mm」、シャーペンの5種でスミ入れを行います。
- 今回から拭き取りツールは綿棒から「ガイアノーツ G-06br フィニッシュマスター極細R」と使用します。大創の「オイルライター専用オイル」で拭き取ります。
- 胸部ダクトは塗装ではなくブラックのジャンクシールを貼り、シャープにキメます。
- RGゼータガンダムのリアリスティックデカールを部品注文し、RG風のマーキングで情報量をアップさせます。
- 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてデカールをコーティングします。
8.ウェイブライダー
RG製作時には考えもしなかったウェイブライダーの変形に挑戦しました。
変形と言っても差し替えパーツではありますが、ポロリが少ないこのキットは比較的安心して組み換えが出来ます。
しかし、複雑なパーツの組み換えはリアリスティックデカールではなく、水転写式デカールを貼っていたら、次々と剥がれていたでしょう。
MS形態の組み立て中、このキットは足首のカバーの可動域が狭く、かつバックパックの荷重によって踏ん張りが効かないと思っていましたが、ウェイブライダーの変形中に自分の組み立てミスが原因であることに気付く収穫がありました。
9.仕上がり
- 完成目前にしてアクシデント発生です。
突然一部でクラックが起こりました。パーツの合わせ目消しを応用したり、ジャンクシールで隠ぺいしたりで何とか対処しました。 - つや消し前に後回しにした頭部のホイルシールを貼り付けます。
- ハンドパーツは"ぐー"のみなので、グレネードランチャーを持たせるために"ぱー"のジャンクハンドパーツを手首を加工して取り付けます。
- すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!
製作後記
RGゼータガンダムからのリベンジが今回の製作目標でした。
モールドの細かさはさすがにRGに軍配が上がりますが、そこはHGでもリアリスティックデカールである程度カバー出来ました。シールを避けたイロプラ漏れの補正や装甲裏の塗装に時間を要しましたが、ポロリのない安定したパーツのフィット感は組み立て時に楽しみながら作業を進めることが出来ました。さらにビーム・ライフルとグレネードランチャーは粘り強くパーツの合わせ目消しを行い、塗装とディテールアップでHGの安っぽさも消すことが出来ました。
しかし、終盤発生したクラックが悔やまれます。スミ入れでは大創の「オイルライター専用オイル」で拭き取りましたが、タミヤのエナメル塗料とバンダイ製品との相性が悪いのでしょうか?ほとんどスミ入れしていない箇所からクラックが起こりました。やはりスミ入れはガンダムマーカーが無難なのかもしれません。胸部ダクトのクラックはパーツの合わせ目消しの手法で埋めましたが、腕部のクラックはリアリスティックデカールで逃げました。(笑)
そのほかにツインアイは付属のホイルシールではなく、ガンダムマーカーのメタグリーンで塗装しましたが、これはホイルシールの輝きの方が良かったかもしれません。
というわけで、今回はパーツの合わせ目消しなど新たな手法にチャレンジして得たものとクラックなど失敗したものとが入り混じった作品となりました。