1/35 ドラゴン キングタイガー ポルシェ砲塔 (ツィンメリットコーティング)

「残雪の山をバックに休息をとるドイツ兵たち・・・」
2010.8 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★☆
キングタイガーは第二次大戦中の最強戦車で、ノルマンディー上陸作戦を迎え撃ったドイツ最後のAFVモデラーなら外せない戦車です。
車体前面で150mm、側面80mmという重装甲の車体に、タイガーI よりもさらに強化された71口径88mm砲を装備していました。開発はヘンシェル及びポルシェの両社に発注されたものの、契約はヘンシェル社が受注したため、ポルシェ用砲塔は50基のみの完成に終わったのです。
1944年6月、ポルシェ砲塔装備のキングタイガーは最初のキングタイガー部隊として、ノルマンディーに上陸してきた連合軍を迎え撃ち、88mm砲の圧倒的な威力と重装甲で連合軍を震え上がらせたのです。

Photo Gallery


製作過程

シャーマンの製作に続いて、ノルマンディー上陸作戦を迎え撃った第二次大戦中最強戦車に挑戦です。
AFVモデラーなら外せないこの戦車に今まで挑戦できなかった理由は
①エアーブラシがないため、ぼかした迷彩塗装が出来ない  ②ツィンメリットコーティングの手間とスキルに自信がない 
などでした。 しかし、このキットを店頭で見た時、ツィンメリットコーティングの完成度の高さに感動、そしてボックスアートの迷彩塗装の節目がはっきりしているのを見て、これなら筆塗りでも出来ると考え、購入しました。
今回は ①ツィンメリットコーティング済のキットに筆塗り明細塗装の挑戦 ②戦車上での和やかな談笑風景の演出 ③崩れた廃墟の舞台 をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
キングタイガー

今回のキットの主な特徴は
ツィンメリットコーティング済砲塔新金型/ U字メタル牽引フック付属/ アルミ製砲身付属/ エッチング

パーツ付属/ マズルブレーキ一体成型/ メタル製牽引ケーブル付属/ カルトグラフデカール付属
などです。

  

情景素材は「1/35 タミヤ5 ドイツ5 タイガーI5 後期型エース・戦車兵セット(8体入)」からフィギュア5体、 「1/35 タミヤ5 情景セット5 No.3 アメリカ歩兵部隊 アルデンヌ攻防戦5 944」から破壊された建物、 ボックスアートを意識してミニアート1/35「ヨーロッパの農場の建物」から石畳を使用します。

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2.組み立て
キングタイガー
  1. ドラゴンの戦車は初めてですが、ツィンメリットコーティングの完成度の高さ、アルミ製砲身、エッチングパーツなどタミヤ製品にはない贅沢キット。しかし、既存製品のバージョンアップ仕様のためか、余剰パーツが大量に発生し、コストパフォーマンスには大いに不満です。
  2. 今回は久しぶりに、焼いたキリやラジオペンチでバトルダメージを表現します。
  3. 車体の前後のパーツの合わせ目は溶接跡を意識してエポキシパテで埋めていきます。
  4. 転輪はペーパーで磨き、連結組み立て式キャタピラを組み上げ、塗装後に取り付けることにします。
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3.塗装1~基本色~
キングタイガー
  1. レッドブラウンをフリーハンドで筆塗りします。ここではパーツの合わせ目に濃い色がくるように意識しました。
  2. 次にライトサンドの線の幅を意識しながら、最後のフラットグリーンで筆塗りします。
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4.塗装2~迷彩塗装~
キングタイガー
  1. 今レッドブラウンをフリーハンドで筆塗りします。ここではパーツの合わせ目に濃い色がくるように意識しました。
  2. 次にライトサンドの線の幅を意識しながら、最後のフラットグリーンで筆塗りします。
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5.塗装3~ウエザリング~
キングタイガー
  1. 薄めたエナメルカラーのフラットブラウン+フラットブラックでウォッシングしていきます。
  2. 薄めたエナメルカラーのオリーブグリーン+フラットブラックでスミ入れ。
  3. 沈んだグリーンをフラットグリーンで上塗り。
  4. 砲身先をウエザリングマスターでスス描き。
  5. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  6. 仕上げのチッピングとドライブラシをフラットアルミで金属感を強調。
  7. デカールは資料映像を参考に貼ります。
  8. パステルと溶剤を混ぜて、車輌下部を中心に泥を強めに付けます。
  9. 最後に安定感十分の付属アンテナを取り付け。
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6.フィギュア
キングタイガー
  1. 「1/35 タミヤ5 ドイツ5 タイガーI 5 後期型エース・戦車兵セット(8体入)」から5体を選択。
  2. 各セクションにフィギュアを接着します。
  3. 下地としてのサーフェイサーを吹きます。
  4. 迷彩色の兵士はベースをライトサンドでスプレーし、レッドブラウン・フラットグリーンで筆塗り。
  5. 薄めたフラットブラウンで髪の毛の生え際や服の影、しわを付けていきます。
  6. 「Mr.スーパークリアーつや消し」で全体を落ち着かせます。
  7. ストックしておいたビールと手芸用わたで作ったタバコの煙をフィギュアに取り付けます。
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7.ディテールアップ
キングタイガー
  • キングタイガーではお約束ともいえるサイドスカートを1部除去。戦闘で外れた側面は鉄板の薄さを強調するためにペーパーで削ります。
  • 排気管の口をピンバイスで広げ、延ばしランナーで改めて異物混入防止ピンを取り付けます。
  • 装備品として給油用のジェリカン・ヘルメット・バックに予備キャタピラを戦車に取り付けます。
  • 建物脇の水道をジャンクパーツやスチレンボードで自作。「1/35 タミヤ ジェリカンセット」からバケツに透明の延ばしランナーとエポキシ接着剤で水を注ぎます。脇には給水用のジェリカンを設置。
  • 「1/35 タミヤ 動物セット/連合軍車輛 装備品セット」から鳥やウサギ、子犬を配置します。
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8.ベ-ス
キングタイガー
  1. ベースにはタミヤの「スチレンボード5mm厚」にミニアート1/35「ヨーロッパの農場の建物」から石畳を合体。繋ぎ目は紙粘土で土を表現。
  2. 木工用ボンドを霧吹き、壁用補修材を蒔き、乾燥後地面を薄くライトサンドで缶スプレーします。
  3. 「1/35 タミヤ 情景セット No.3 アメリカ歩兵部隊 アルデンヌ攻防戦 1944」から建物を接着。
  4. 「レイアウトストーン」や「ガーデニング用小石」、「シーナリーバラスト」を地面に接着。
  5. 「タミヤ 情景テクスチャーペイント (草 グリーン)」を地面に盛り付け、「フォーリッジクラスター」「ライケン」「鳥の巣草」「鉄道模型用の森林セット」を植えます。
  6. 石畳にスミ入れ、グレーとホワイト系で塗装。
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9.仕上がり
キングタイガー
  1. 戦車、兵士、水道、動物を配置します。
  2. 背景パネルはヨーロッパの残雪をイメージした画像を選択。拡大プリントしたもの(W4つ切り)を使用します。
  3. 河合商会社製のディスプレイケースのふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
タミヤの田宮社長の「1/35スケールはもう成熟したシリーズだ。」という発言を聞いたことをありますが、最近の海外メーカーの意欲的なキットを見ると、まだまだ攻める余地はあるのではないかと感じます。 エッチングパーツだけでなく、完成度の高いツィンメリットコーティング済砲塔はかゆい所まで手が届いていると思います。
さて、本作品は戦車としては初めての迷彩筆塗り塗装でしたが、ボックスアートのイメージどおりの模様とグリーンの鮮やかさが表現できたと思います。重厚感あるキングタイガーに乗ったくつろいだ個性的な フィギュアのポーズも満足です。
今回新発売の「タミヤ 情景テクスチャーペイント(草 グリーン)」を試しましたが、高価なわりに、リアリティに欠ける仕上がりでした。また、製作上では、キャタピラの取り付けに反省点が残りました。 私はいつもキャタピラは別途塗装して最後に取り付けますが、サイドスカートを取り付けた後では理想的な接着ができませんでした。今後は多くのモデラーにならって、すべての組み立ての中にキャタピラも採り入れて いこうと思いました。

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