1/35 タミヤ ドイツ 重戦車 タイガーⅠ 後期型 エース・戦車兵セット

「工場で整備中のドイツ戦車整備兵たち・・・」
2010.10 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★☆
その1台はシャーマン戦車5台にも匹敵するといわれ、第二次大戦中、連合軍の大きな脅威となったのがドイツのタイガーIです。
重量57トンにも達する車体は前面で100mmもの装甲で守られ、傑作といわれた88mm高射砲をベースとした主砲の56口径88mm砲は、実に距離2000mから100mmの装甲板を撃ち抜く威力を誇り、 ミハエル・ヴィットマンをはじめ多くの戦車戦のエースを生み出したのです。量産は1942年7月から始められ、総計1300台以上が生産されましたが、エンジンのパワーアップに続き、 キューポラへのペリスコープの設置、鋼板プレス製転輪の採用などの改良が加えられたタイプが後期生産型と呼ばれています。

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製作過程

このキットはタイガーI 後期生産型にコマンダー3体とクルー5体の8体をセットしたものですが、本来はドイツ キングタイガー ポルシェ砲塔 (ツィンメリットコーティング)を製作するために、 フィギュアを調達することが購入目的でした。 戦車本体はオークションで売却予定でしたが、なかなか入札がない中、ツィンメリットコーティングへの挑戦意欲が沸いてきたという珍しい製作経緯です。
今回は ①手作業のツィンメリットコーティング初挑戦 ②筆塗りぼかし迷彩塗装の初挑戦 ③エンジンキットの追加 ④整備兵の配置の工夫 ⑤ドイツの仮想戦車工場の舞台設定 をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
タイガーⅠ
  1. フジテレビCS番組「プラモつくろう CUSTOM」での越智信善氏の作品を参考に手作業でのツィンメリットコーティングに初挑戦します。また、エアブラシを持たない私にとって初の筆塗りぼかし迷彩塗装にも挑戦します。
  2. 5体のフィギュアとマイバッハエンジンの組み合わせを適切に配置します。
  3. インターネットでの資料を参考にしつつも、仮想のドイツ戦車工場を舞台にします。
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2.組み立て
タイガーⅠ
  1. 組み立てそのものは物足りないくらいに単純なキット。しかし、部品のフィット感は抜群!さすがタミヤです。ストレスを感じるとすれば、タミヤとしては珍しい1コマずつを接着してつなぐ連結組立て式キャタピラの組み立てでしょう。これらを含めツィンメリットコーティング作業後の取り付けパーツがかなり発生します。
  2. 「タミヤ 1/35ドイツ戦車兵エンジン整備セット」からマイバッハエンジンを先に組み立て、塗装後戦車内部へ接着します。
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3.ツィンメリットコーティング
タイガーⅠ
  1. ツィンメリットコーティングの箇所を仮組みし、パーツを取り付ける箇所はマスキングをします。
  2. ツィンメリットコーティングの作業開始前にペーパーで削り、接着剤を塗り、表面を粗します。
  3. 硬化剤を混ぜたタミヤのポリエステルパテを薄く塗り付け、「タミヤ ドイツ戦車コーティングブレード」でパターンを入れます。硬化が速いので、手早く小分けに進めることがポイントです。
  4. パテで隠れた部分の取り付け穴を内側からピンバイス等で開け直します。
  5. 仮組みしたパーツをマスキング箇所に取付け。
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4.塗装1~基本色~
タイガーⅠ
  1. 下地としてのサーフェイサーは車体色が沈まないよう意識して、明るいホワイトにします。
  2. 基本色はGSIクレオスのダークイエローをスプレーしましたが、ご覧のとおり、ボックスアートとの色味が違い過ぎます。ダークイエローはあくまでも下地塗装とし、タミヤのライトサンドでスプレーするとイメージどおりの色となりました。なお、転輪は下地のダークイエローを残しました。
  3. その他排気管や装備品などを別途塗装し、接着します。
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5.塗装2~迷彩塗装~
タイガーⅠ
  1. エアブラシを持たないため、筆塗りぼかし迷彩塗装に挑戦します。色鉛筆の茶で迷彩柄を描き、いつもはアクリル塗料のところをウォッシング時と同じエナメルカラーのレッドブラウンで筆塗りします。
  2. 薄めたエナメルカラーのレッドブラウン+フラットブラックでウォッシング気味に迷彩の境目をぼかします。
  3. ここで黒鉄色にスプレーした連結組立て式キャタピラをたるみを意識して取り付けます。
  4. デカールはマークソフターを使って貼ります。
  5. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  6. 仕上げは軽くドライブラシ。フラットアルミで金属感を強調します。
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6.フィギュア
タイガーⅠ
  1. 整備兵を各セクションにフィットできるようにフィギュアの手足を固定し、接着します。
  2. 下地としてのサーフェイサーを吹きます。
  3. 整備兵の服はスカイ+ジャーマングレイで筆塗りしていきます。バケツを持っている人はストック分からカスタマイズしました。
  4. 薄めたレッドブラウンで髪の毛の生え際や服の影、しわを付けていきます。
  5. 「Mr.スーパークリアーつや消し」で全体を落ち着かせます。
  6. フラットアルミのドライブラシでハイライトを強調します。
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7.ディテールアップ
タイガーⅠ
  • 「タミヤ 1/35ドイツ戦車兵エンジン整備セット」からタイガーⅠ型用にはマイバッハHL230 P45エンジンを選択。車体上部へ接着し、その下をスタイロフォームで支えるように工夫しました。
  • 初めての筆塗りぼかし迷彩塗装は「第505重戦車大隊」仕様に挑戦しました。
  • アンテナを針金で追加。
  • インターネットでドイツの工場を調べましたが、あくまでも参考程度とし、オリジナルの妄想で工場を仕上げることとしました。
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8.ベ-ス
タイガーⅠ
  1. 工場の床と壁はタミヤ「スチレンボード5mm厚」で製作。床はシャーペンでつなぎ目を入れ、プラ棒の丸棒や手持ちのジャンクパーツで壁を演出。
  2. 窓枠は二層式で、裏から出窓のようにパーツを組み込み、透明プラ板を窓ガラスとして取り付け。最後に裏から空の写真を貼り付けます。
  3. 床はベースサイドをジャーマングレーでスプレーし、マスキング。ストーン調スプレーを吹きます。壁はサーフェイサーで塗装後、軍艦色でスプレー。
  4. 薄めたレッドブラウンでスミ入れし、「Mr.スーパークリアーつや消し」で全体を落ち着かせます。
  5. 「タミヤ 1/35ドイツ戦車兵エンジン整備セット」に付属する工具類の他にテーブルを追加。
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9.仕上がり
タイガーⅠ
  1. 戦車やフィギュア、アクセサリーをベース適切に配置します。最もワクワクする瞬間です。
  2. 河合商会社製のディスプレイケースのふたをしたらいよいよ完成!
製作後記
最強無敵のタイガーはAFVモデラーの中では人気ナンバーワンかもしれませんが、個人的にはお弁当箱のような真四角のシルエットは好きではありませんでした。
前述のとおり、そもそもこのキットはドイツ キングタイガー ポルシェ砲塔 (ツィンメリットコーティング)を製作するためのフィギュア調達が購入目的でしたが、ツィンメリットコーティングや筆塗りぼかし迷彩塗装など困難を乗り越えて仕上げてみると満足のいくデキになりました。
迷彩塗装前は失敗作か?と思いましたが、ツィンメリットコーティングに塗装が馴染むとリアリティーと重厚感が増しました。
これまでの戦場ジオラマと違って戦車本体のウエザリングは控えめに、工場ならではのストックアクセサリーを投入し、新たな境地が開けました。反省点とすれば、工場の窓が近代的過ぎたかもしれません。

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