1/144 バンダイ RG RX-93ff νガンダム
お気に入りランク:★★★★★ レア度:★★★★★
2009年お台場ガンダム、2017年お台場ユニコーンガンダム、2020年横浜ガンダム、2021年上海フリーダムガンダムなどに続いて2022年4月三井ショッピングパーク ららぽーと福岡に、歴代実物大ガンダムの中でもっとも高い24.8mを誇る「RX-93ff νガンダム」が登場しました。
実物大ガンダムとしては歴代7体目となる「RX-93ff νガンダム」は劇場版映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のMS「RX-93 νガンダム」を富野由悠季氏監修の下、新たにデザインされ、ロングレンジ・フィン・ファンネルを装着した彩度の高いトリコロールのマーキング仕様となっています。 富野氏によるとこのMSはサイコフレームの共振によってアムロ・レイとともに行方不明となったνガンダムの残された設計図面から再現した機体とのことです。
三井ショッピングパーク ららぽーと福岡には複合エンターテインメント施設としてガンダムパーク福岡がオープンし、GUNDAM SIDE-Fでは、RX-93ff νガンダムの誕生の裏側を紹介する展示を楽しめ、富野由悠季氏や福井晴敏氏のコメントも展示されています。
また、GUNDAM SIDE-FのほかにはスポーツエンターテインメントエリアのVS PARK WITH G、ゲームなどを楽しめるnamcoなど3つのエリアで構成されています。
Photo Gallery
製作過程
ガンダムベース福岡に続いて我らが福岡市に新たなガンダム聖地としてガンダムパーク福岡がオープンしました。
三井ショッピングパーク ららぽーと福岡オープン前の2022年4月22日に人影が少なく、好天の日を狙って実物大ガンダムの撮影に行ってきました。そして、グランドオープン翌日の4月26日にはGUNDAM SIDE-Fの抽選による入場整理券をゲットして本キットを購入しました。新型コロナウィルスによる巣ごもり需要によるガンプラ人気の加熱や転売ヤーが横行する中、貴重なガンプラを入手することが出来ました。
当初は映像化もされていないイベント用の色違いのνガンダムなんて購入する価値があるのかと考えていましたが、お台場にも横浜にも行けなかった私は初めての実物大ガンダムの迫力に圧倒されました。RGのディテールをそのまま実物大に再現した機体は単なる子供騙しのおもちゃぽさはなく、大人も引き込まれる魅力があり、是非ジオラマで再現したいと購入に至りました。
1.イメージ
2.組み立て1
- 基軸パーツから組み立てます。
フィニッシングペーパーと最近重宝している100円ショップ セリアのブロックバッファー(スーパーシャイン)を使ってゲート処理を根気よく行います。 - ホワイト、ライトグレー、イエロー、ブルーのパーツは成型色を生かします。
- パーツの合わせ目消しはほとんど必要なく、ビーム・ライフルの内装部のみ施します。
3.塗装
「RX-93 νガンダム」製作時には基軸パーツが単調な色分けにならないように装甲裏のパーツと関節パーツは分けて塗装していましたが、福岡νガンダムは現地での実機を確認すると、ガンメタル1色でなおかつ金属感のないつや消しでした。
最終作業で全体につや消しは吹きますが、組み付け前のこの段階で一度つや消しを吹いておきます。
- 基軸パーツ→ガンメタル+「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」
- バックパックのパーツ→マットブラック
- ロングレンジ・フィン・ファンネルの一部パーツ→アルミシルバー
4.ディテールアップ
いつものようにディテールアップの余地が少ないRGですが、ここでは現地で確認した実機の塗装や質感の情報を取り入れてディテールアップを施します。実機の完成直前に設定変更されたのか、頭部ダクト上の黄色い箇所にイロプラ漏れを発見しました。
前述のとおり、基軸部はつや消しのガンメタルとしましたが、「RX-93 νガンダム」ではシルバーリーフで塗装していたバーニア、シリンダー、パイプ類も実機に沿った金属感を抑えたジャーマングレイにします。
- お馴染みのブレードアンテナの精度は高く、今回もシャープ化の必要性はありませんですが、お腹のVマークはシャープ化要です。
- ブレードアンテナの溝はリアリスティックデカールより鮮やかにすることで、実機に近づけるためにガンダムマーカーEX<シャインシルバー>で塗装します。
- 可動域が広過ぎるために、曲げると干渉してしまう足元のシリンダーは塗装が剥がれないよう、あらかじめ表面を削っておきます。
- 頭部ダクト上、ゴールドのホイルシール箇所→サーフェイサー(ホワイト)+キャメルイエロー
- バーニア、シリンダー、パイプ類→ジャーマングレイ
- バーニア根元→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
- 肩部・スカート内側・脚部装甲裏→ガンメタル
5.組み立て2
組み立てはサクサクとは行きませんが、「RX-93 νガンダム」同様硬めのフィット感で、ポロリが起きにくいキットです。
作業負荷の大きいフィン・ファンネルがないため、組み立てのストレスが軽減されると思っていましたが、意外とロングレンジ・フィン・ファンネルの組み立てに苦戦しました。
所々余剰パーツとなるグレーとホワイトのパーツの使い分けがある点は余剰パーツと区別する必要があります。
6.スミ入れ&マーキング
すべてのパーツを組み上げ、各部パーツごとにスミ入れを行い、マーキング、そして一部のホイルシールを除外してつや消しコーティングと作業を進めます。
前述のとおり、イエローパーツが完全再現出来ていないために一部のパーツに適用されているゴールドのホイルシールの箇所は実機に合わせてキャメルイエローに塗装します。組み立て中、脚部にホイルシールの箇所以外にもキャメルイエローにすべき箇所を発見し、追加塗装が必要になりました。また、シルバーのホイルシールも実機にはないためにほとんどを不使用とします。
さらに、スカートのトリコロールカラーもリアリスティックデカールだけでは不十分なために追加塗装や余剰デカールで補正します。
- クラック防止のために「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」を薄い色のパーツに、「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」を濃い色のパーツにスミ入れを行い、タミヤ アクリル塗料溶剤ではみ出したラインを丁寧に拭き取ります。一部はシャーペンで補正します。
最近は大創の「オイルライター専用オイル」をスミ入れの拭き取りに使用してクラックを起こしていましたが、この手法でクラックは起きませんでした。 - リアリスティックデカールを二日掛けて辛抱強く貼っていきます。あまりの点数に両日ともに気分が悪くなりました。(笑)
右足下のアムロのパーソナルマークはリアリスティックデカールではなく、水転写式デカールを採用した方がしっかり馴染みます。 - 緑と赤のホイルシールを除外して、すべてのパーツをGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」でコーティングします。
- 除外しておいたホイルシールを貼ります。
- 丸モールドやリベットをガンダムマーカーEX<シャインシルバー>で筆塗りします。
- すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!
7.ジオラマベース1
今回のジオラマ製作にあたってはららぽーと福岡オープン前とオープン直後二度に分けて現地調査して、福岡νガンダムだけでなく、地面や建物の写真を撮りまくりました。
製作当初は建物まで再現する予定でしたが、ディスプレイケースの幅を考慮し、地面と柵の製作までとします。
- ジオラマベースは東急ハンズで購入しておいた㈱アートプリン社のアーチストパネル/7mm/A3を使用します。最近はMDFを使用することが多かったのですが、今回はベースの反りの心配もなく、福岡νガンダムや柵を立て易くするためにはスチレンボードの方が都合がよいのです。もったいないですが、裏面の粘着パネルは不使用となります。
- ベースサイドをサーフェーサー(ホワイト)+マットブラックで吹き、マスキングをしておきます。
- 福岡νガンダムを囲む柵内のアスファルト部を他のスチレンボードで試作します。
- スチレンボードに柵を立てて、柵内のアスファルト部の形状を決めたら、画用紙にジオラマベースのデザインを落とし込み、地面の色分けを色鉛筆で下書きします。
- 柵内のアスファルト部の下書きをカットしてマスキングに利用し、周辺の地面は質感を変えるためにアサヒペン「ストーン調スプレー(ホワイトストーン)を下地として吹きます。
8.ジオラマベース2&フィギュア
- 柵内のスペースは下書きの画用紙を活用し、柵を差し込む根元は長方形にカットしたラベルシールでマスキングします。そしてアスファルト部はジャーマングレイで塗装します。
- マスキングを剥がして、下書きした画用紙を参考にジオラマベースに地面の色分けを色鉛筆で描きます。
- フラットホワイトを混ぜながら、バフ→レッド→オレンジ→イエロー→ジャーマングレイの順に筆塗りします。
- 仕上げに「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いて、ジオラマベースの色味を落ち着かせます。
- 柵は鉄道模型でお馴染みのKATO「タウンアクセサリーセット」の柵を加工し、シルバーリーフで塗装します。
- さらに柵の内側は東急ハンズで見つけた㈱光栄堂「モデルパーツ101-シルバー」を両面テープで貼り付けます。
- 柵の後部のガラスの柵をジャンクパーツで製作してシルバーリーフで塗装し、クリアガラスとしてジャンクのクリアパーツを貼り付けます。
- 福岡νガンダムを見上げる人々として、トミーテック「情景コレクション ザ・人間 115 撮る人々」と「ザ・人間 064 釣り人」、Evemodel「Model Figures」を配置します。
夢中でカメラやスマホを構える人、買い物帰りで手荷物を抱える人、ウォーキング中の人、ららぽーと福岡の店員などそれぞれのフィギュアに意味を持たせて配置します。
9.仕上がり
- 100円ショップ ダイソー「貼れるボード(450mm×300mm×厚さ5mm)」を287mm×291mm×厚さ5mmに加工して背景パネルを製作します。
公式サイトからららぽーと福岡オープン前の実写画像とイラスト画像の2バージョンを選択式とします。
快晴の空に変更したり、実写画像は新緑の木々にするなど加工した上で拡大印刷し、ボードに貼り付けます。 - 福岡νガンダムを柵内に配置し、マスキングで固定位置を決めます。
福岡νガンダムの足裏に1.0mmのピンバイスで穴を開けて、0.9mmの針金を通し、瞬間接着剤で固定し、ジオラマベースに取り付けます。 - HOBBY BASEのモデルカバースクエア(特大)高さを300mmにカットし、L字アングル(透明)を背景パネルの固定用パーツとしてベースとふたに貼り付けます。
- GUNDAM SIDE-Fとガンダムベース福岡で商品を買ったらもらえるRX-93ff νガンダムのロールアウト前状態を再現するための「ウェルカムキャンペーン限定マーキングシール」から、GUNDAM SIDE-Fのマーキングシールをモデルカバー右下に貼り付けます。
- ふたをしたら、いよいよ完成!
製作後記
お台場ガンダムもお台場ユニコーンガンダムも、そして横浜ガンダムもこれまで肉眼で見ることは叶いませんでした。しかし、2019年11月我が街福岡にガンダムベース福岡がオープン!そして、2022年4月三井ショッピングパークららぽーと福岡にGUNDAM SIDE-Fと共に実物大福岡νガンダムが登場し、ついにこの目で実物大ガンダムを見ることが出来ました。
当たり前ですが、これまでガンプラは想像の世界としてある程度アレンジすることが出来ましたが、実物が存在する以上しっかりと実機を検証する必要がありました。現地で機体から背景、地面の色分けまで多くの写真を撮影した結果、満足の仕上がりに繋がりました。
まず、このMSはロングレンジ・フィン・ファンネルの追加と単なる「RX-93 νガンダム」の色違いではなく、頭部のデザイン変更やふくろはぎ、手の甲、上腕部のモールド追加、肩とかかとのパーツの分割などいくつもの設定変更や可動範囲の拡大が施され、さらに実機に準拠したオリジナルのハンドパーツが追加されていた点には大いに感動しました。不満点としてはイエローパーツが完全再現出来ておらず、ゴールドのホイルシールに置き換えられたために追加塗装が必要な点です。
ジオラマベースは福岡νガンダム足元のコンクリートとそれ以外の地面のストーン調スプレーとの質感の対比を表現しました。柵についても鉄パイプとその内側や根元の四角いディテールはかなりいい線で再現出来たと自負しています。
製作当初はららぽーと福岡の建物まで再現する予定ではありましたが、撮影に夢中になる人々のスペースをしっかり取りたかったため、泣く泣くカットしました。結果的にフィギュアを多く配置することで福岡νガンダムの巨大感が強調され、様々なポーズの人々に意味を持たせることが出来ました。
これまでは実在しない架空のMSとしてガンプラを作っていましたので、バーニアやシリンダー、パイプなどは独自解釈の塗装が出来ましたが、実機の「RX-93ff νガンダム」(以下福岡νガンダム)が存在する以上、実機に即したカラーリングにする必要があります。
そこで、現地では機体の足元から基軸部、背面、そして地面や背景の建物など情報収集に努めました。
注目のロングレンジ・フィン・ファンネルが新規パーツとして追加されているほか、トリコロールカラー用の差し替えパーツもありますが、頭部のデザイン変更やふくろはぎ、手の甲、上腕部のモールド追加、肩とかかとのパーツの分割など単なる色違いキットとは言えない充実の設定変更ぶりです。