1/144 バンダイ RG MSN-04FF サザビー

シャア 「地球に残った連中は地球を汚染しているだけの重力に魂を縛られた人間だ。私、シャア・アズナブルが粛清しようというのだよ!」

2023.5 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★☆

MSN-04FF サザビー(以下FFサザビー)は2022年4月にオープンした三井ショッピングパーク ららぽーと福岡の実物大νガンダム立像の特別映像演出「RX-93ff νGUNDAM from SIDE-F 」にシャア・アズナブルが搭乗するネオ・ジオンの技術陣とアナハイム・エレクトロニクス社のグラナダ支社が開発した機体です。
特徴的な拡張武装で、二基一対のビットでもあるマルチツールのオールレンジ兵器「ダブル・ホーン・ファンネル」はマザー・ファンネルのサイコ・ウェーブハブ技術にハイパー・ビーム・サーベルとハイパー・メガ粒子砲をコンパクトにまとめたオール・レンジ兵器で、ミサイル群を一掃するほどの火力を実現します。そのポテンシャルはアムロ・レイが搭乗するFFνガンダムの「ロングレンジ・フィン・ファンネル」と互角以上の戦いを繰り広げるほどのものでした。

Photo Gallery


製作過程

2022年4月にオープンしたGUNDAM SIDE-Fのウェブサイト上、そして「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」の実物大νガンダム立像の壁面演出特別映像においてもFFνガンダムと戦闘シーンを繰り広げたFFサザビー。
その「ダブル・ホーン・ファンネル」の衝撃的映像から1年・・・。いずれ発売されると予想していましたが、まさかのオープン1年後にようやくGUNDAM SIDE-Fからこのキットが発売されました。2023年のGW前からの発売で土日入場制限が続く中、平日1時間以上並んで購入することが出来ました。
以前からRGサザビーについてはメタリックレッドのスペシャルコーティング版が気になっていましたが、メッキ加工のキットはゲート処理に課題があり、ノーマルのサザビーをメタリック塗装で仕上げたいと考えていました。
本キットではメタリック塗装に加えてサザビーの経験を取り入れつつ、映像とは別の独自解釈のカラーリングを施して製作したいと思います。

 

1.イメージ

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

今回のFFサザビーの製作ポイントはサザビーでは断念したメタリック塗装の挑戦です。
GUNDAM SIDE-Fのウェブサイト上で公開されている商品プロモーションビデオのFFサザビーとは異なるサザビーのカラーリングを採用し、その時の製作ノウハウを生かして表現したいと思います。

  1. サザビー製作時の記録を参考に、FFサザビーの製作ポイントを検証して取扱説明書に書き込みます。
  2. レッドパーツのランナーをタミヤスプレーとMr.カラースプレーの2色で塗り分けます。
  3. シールド、マスク、装甲の一部の裏をジャーマングレイで塗装します。
  4. 基軸パーツの配色をザザビーから変更して、バリエーションを増やします。
  5. 細部のディテールアップ塗装を追加します。
  6. スラスターや足裏のカラーリングを商品プロモーションビデオのFFサザビーとは異なるサザビーに寄せて塗装します。
  7. プロペラントタンクのパーツの合わせ目消しを行います。

2.塗装1

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

いつもは基軸パーツからの組み立てで始めますが、今回は装甲パーツの塗装から始めます。サザビーではイロプラをそのまま生かしましたが、FFサザビーではメタリックレッドに塗装することにします。
サザビーでは取扱説明書のパーツリストによるとレッドとライトレッド(胸部・スカート・脚部)の2色で色分けされていましたが肉眼ではほとんど識別できませんでしたが、FFサザビーはライトレッド(胸部・スカート・脚部)だったパーツが濃いレッドになり、その他メイン装甲パーツが明るくなり、レッドの濃淡が逆転しています。
今回はシルバーリーフで下地塗装の上、メインの装甲パーツをタミヤスプレーのメタリックレッドで、胸部・スカート・脚部などのパーツを明るいMr.カラースプレーで塗り分けることにします。(上記画像のとおりタミヤのメタリックレッドの方が輝きが増しています。)

  1. まずはレッドパーツのランナーをタミヤスプレー用とMr.カラースプレー用に分け、そこから双方のパーツの装甲裏の塗装が必要なパーツ計4種類に仕分けします。
  2. レッドパーツの下地塗装としてメタリックレッドの輝きを増すために前記4種類ともにシルバーリーフを吹きます。
  3. 装甲裏の塗装が必要な2種のパーツ裏のみジャーマングレイを吹きます。
  4. 一晩乾燥させたら、Mr.カラースプレーとタミヤスプレーをそれぞれ吹きます。
  5. メタリックレッドがはみ出た装甲裏はジャーマングレイで筆塗りして補正します。

3.組み立て1&塗装2

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

ここからは基軸パーツを中心に組み立てを始めます。
基軸パーツをジャーマングレイと、ジャーマングレー、ガンメタルで塗装しますが、このキットの成形色はガンメタルの質感が非常に良く、4色目として一部イロプラを生かすことにしました。ただし、パーツを組み付ける前に 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いて、色味を先に落ち着かせます。

  • 基軸パーツ→ジャーマングレイ
  • 手、基軸パーツ、ビーム・ショット・ライフルの一部→ジャーマングレー
  • ダブル・ホーンフィンファンネルの基軸パーツ→成形色+「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」
  • アドヴァンスドMSジョイント、基軸パーツ→ガンメタル
  • ブラックパーツ→つや消しブラック

4.組み立て2&パーツの合わせ目消し

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

装甲と基軸パーツの塗装が完了したら、組み立てを進めます。

  1. RGながらもプロペラントタンクにガッツリパーツの合わせ目が出ますので、パーツの合わせ目消しを行います。
    プロペラントタンクにたっぷりとタミヤセメントを付けてむぎゅとしたらクリップで挟み込んで4.5日に硬化を待ちます。
  2. 硬化後、フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後に3M社のスポンジ研磨材で仕上げます。
  3. サーフェイサー(グレー)を吹きます。
  4. 他のブラックパーツと合わせてプロペラントタンクをつや消しブラックを吹きます。

5.ディテールアップ

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

サザビーでの製作ノウハウを生かしつつ新たな配色を取り入れて塗装します。
YouTubeの商品プロモーションビデオの映像を見るとスラスターや足裏の成形色は濃いグレーのままですが、ここはサザビー製作時の配色を取り入れて塗り替えます。

  • 定番のツノのシャープ化を破損リスクを避けつつ行います。
  • モノアイの支柱のクリアパーツを起伏分削り、グリーンのホイルシールを貼り付けた上にウェーブ オプションシステム「H・アイズ1[グリーン]」(3.5mm)を貼り付けます。
  • 頭部ヘルメット裏、装甲裏をジャーマングレイで塗装し、組み付け前にコピック マルチライナー<ブラック>0.03mmでスミ入れして「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いておきます。
  • スラスター外輪→つや消しブラック
  • スラスター内輪→キャメルイエロー
  • 基軸パーツシリンダー・パイプ→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • 基軸パーツダクト・動力パイプ→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • メガ粒子砲→ゴールド(Mr.カラー)
  • 足裏→メタリックレッド
  • シールド先端ミサイル→サーフェイサー(ホワイト)+レッド

6.組み立て3

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

組み立てはサクサクとは行きません。
特に「ダブル・ホーン・ファンネル」は組み立ての難易度が高く、左右の向きをしっかり検証してから組み付ける必要があります。
また、サザビーで悩まされた肩部パーツはFFサザビーも同じで、完成後も外れやすい大きな欠点です。
パーツの組み付け後、機体色を見直すと光の反射によってタミヤスプレーとMr.カラースプレーのメタリックレッドの発色の違いを認識することが出来ました。

7.スミ入れ&マーキング

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

今回はしっかりシルバーリーフで下地塗装した上にメタリックレッドで塗装しているため、スミ入れによるクラックのリスクがかなり軽減されています。それなりにクラック対策はしつつ、粘り強くリアリスティックデカールでマーキングしていきます。

  1. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れします。
  2. 乾燥後、うすめ液を使って綿棒で拭き取ったら、クラック防止のためにドライヤーで速乾させます。
  3. ガンダムマーカーやコピック マルチライナー<ブラック>0.03mmとシャーペンで補正します。
  4. スミ入れが完了したら、RGならではのリアリスティックデカールを貼っていきます。
  5. ホイルシールの貼り付けは一旦除外し、モノアイはマスキングしておきます。
  6. メタリック塗装ですが、敢えてつや消しの「GSIクレオス Mr.トップコート水性プレミアムトップコートつや消しスプレー」を吹いて落ち着いた金属感を表現します。

8.仕上がり

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  1. 付属するグリーンとピンクのクリアーパーツはそれぞれクリヤーグリーンとクリヤーレッドでスミ入れし、「GSIクレオス Mr.トップコート水性プレミアムトップコートつや消しスプレー」を吹きます。
  2. モノアイのマスキング外し、除外しておいたホイルシール貼り付けます。
  3. 各武装とエフェクトパーツを取り付けたら、いよいよ完成!

製作後記

かねてからイメージしていたメタリックレッド仕様のFFサザビーの完成です。
肩部パーツの組み付けの強度不足やパーツのポロリなど欠点はあるキットですが、成形色同様タミヤスプレーとMr.カラースプレーのメタリックレッドの微妙な輝きの違いも期待通りの仕上がりで、Galleryでの画像でもメタリックの輝きを強調して表現出来ました。ゲート処理に課題がある高価なメッキ加工のスペシャルコーティング版よりも断然価値ある作品になりました。
サザビーで培ったメガ粒子砲のゴールドや装甲裏とシールド裏のジャーマングレイ、スラスターや足裏の塗装など、商品プロモーションビデオの映像とは異なる独自解釈のFFサザビーとしましたが、なかなか満足のいく仕上がりとなりました。
このキットにはFFνガンダムとFFサザビーに取り付けられるクリアーグリーンとクリアーピンクのサーベルエフェクトパーツが一つずつ付属していますが、「ダブル・ホーン・ファンネル」に取り付けるのであればFFサザビー用にクリアーグリーンのサーベルエフェクトパーツを二つ付属させるべきではなかったでしょうか。FFνガンダムをららぽーと福岡のジオラマ化した私にとってはクリアーピンクのサーベルエフェクトパーツは無用のパーツとなってしましました。

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