1/144 バンダイ RG MSN-04 サザビー

シャア「私はお前と違って、パイロットだけやってる訳にはいかん!」
2018.9 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★☆☆
2018年劇場公開より30周年を迎えた「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」から赤い彗星シャア・アズナブル専用機サザビーがついにRG化!
劇中の設定感に基づいて腕部のシリンダー、ファンネルなどを忠実に再現し、スラスター、バックパックなど様々な展開ギミックが詰め込まれているキットです。1/144スケール最大のギミック数で、コクピットの開閉ギミックやメンテナンスハッチの開閉などや多重関節構造にメタリックな質感を加えるリアリスティックデカールも付属しています。
これまでのRGはアドヴァンスドMSジョイントによって内部フレームを再現していましたが、今回は腰部・肩部・腕部など可動部のみ採用し、重モビルスーツならではの複合的な装甲が再現されています。3種の階調の異なる成形色に加え、重装甲ゆえの可動域の制限をクリアする新たな機構が採用されており、これによってνガンダムとの格闘戦を繰り広げる蹴りのポーズも可能にしています。

Photo Gallery


製作過程

発売前から評価も高く、発売後も品切れが続出している今年ナンバー1キットではないかと感じさせるRGサザビー。1/144スケールのガンプラ史上最大と思われる箱を開けてみると、パーツ点数はMGをイメージすれば、さほど多くは感じません。しかしながら、高価なキットにも関わらず、成形色には大いに疑問を感じます。今回は可動力が自慢なのでしょうが、これまでのRGのメリットであるほぼ塗装することなく組み上げても仕上がる品質には感じられませんでした。
RGらしくない大きな不満点としては①3種の階調の異なる成形色とうたいながらも、ほとんど明暗の差がない赤の機体色。②シールド裏や装甲裏に塗装が必要。③スラスターも全塗装が必要。④プロペラントタンクがモナカキット。
モデラーからの評価も高く、高価なキットにも拘わらず、ざっと見ただけでもかなりの塗装が必要になりそうです。
1.イメージ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

今回の製作ポイントはMGでの製作経験を生かした塗装です。「MG MSN-04 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア Ver.Ka」の完成品とRGのランナーを見比べながら、追加塗装を考えます。

  1. 懸念していた3種の階調の機体色はメタリック塗装にするか大いに悩みましたが、映像に忠実に明るい赤の成形色のままの艶消し塗装にすることにします。
  2. 機軸部はいつもどおり、ジャーマングレイやガンメタルで塗装します。
  3. シールドやマスク、足の装甲裏をジャーマングレイで塗装します。
  4. モノアイが見やすくなるように加工します。
  5. プロペラントタンクのパーツの合わせ目消しを行います。
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2.組み立て1
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
ここ最近はMGを製作することも多かったため、パーツ点数のプレッシャーもあまり感じず、取扱説明書を眺めてもスムースに組み立てが進みそうです。
まず取り掛かる作業はプロペラントタンクのパーツの合わせ目消しです。接着剤をたっぷり付けて接着し、乾燥後ペーパー掛けを行い、サーフェイサーを吹きます。
組み立てはいつもどおり、可能な限り組み立てた後に塗装を施します。ゲート処理→デザインナイフによる削り落とし→ペーパー掛け→ウエットティッシュ拭き取りという工程に最も時間を要します。
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3.塗装
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

MGでの塗装を参考に、映像を見ながら取扱説明書を鵜呑みにしないよう、塗装個所をチェックします。

  • 黒(成形色)パーツ、スラスター外輪→マットブラック
  • 胸部・腰部・手・足の基軸パーツ→ジャーマングレイ
  • 内部フレーム、ファンネル一部と周辺、手→ガンメタル
  • 脚部、腕部シリンダー・パイプ、ダクト→シルバーリーフ
  • ビーム・ショット・ライフル一部、ビーム・トマホーク一部→メタリックレッド
  • スラスター内輪→キャメルイエロー
  • 足裏→サーフェイサー(ホワイト)+ブライトレッド
  • メガ粒子砲→ゴールド
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4.ディテールアップ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

定番のツノのシャープ化は程よくシャープなので、破損を避けて不要とします。

  • クリアーパーツのシールドはモノアイを見えづらくさせるため取り外し、はめ込む周辺パーツをシャープ化します。
  • モノアイのクリアパーツは先端を切り取り、支柱はフラットブラックで塗装します。モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリアーグリーン裏に100円ショップのアルミテープを貼り付け、輝きを増します。
  • 頭部ヘルメット裏、装甲裏、シールド裏をモールドに沿ってマスキングしてジャーマングレイで塗装します。
  • ビーム・ショット・ライフルの一部、トマホークはメタリックレッドで塗装します。
  • スラスター内輪はキャメルイエロー、外輪はマットブラックで塗装します。
  • メガ粒子砲はゴールドで塗装します。
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5.組み立て2
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

組み立てを再開しますが、組み立て中にも追加塗装箇所がいくつも見つかりますし、組み立て中にリアリスティックデカールの貼り付けを度々要求してきます。
また、組み立てはパーツの組み込みが難しく、取扱説明書を見ても分かりづらく、パチンと力業で押し込む場面も多々あります。特に頭部や機軸部はパーツの破損に要注意です。正直ストレスが多く、組み立てる楽しさは味わえません。結果的に一部パーツを破損し、デカールで隠ぺいするはめになってしました。

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6.スミ入れ・デカール・コーティング
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  1. 機体のスミ入れには「マックスファクトリー コピックモデラー [0.02 ブラック スミ入れ用]」で、エフェクトパーツは「Mr.ウェザリングカラーマルチブラック/マルチグレー」でスミ入れを行い、シンナーで拭き取ります。
  2. RGならではの大量リアリスティックデカールを貼っていきますが、そもそも1/144スケールとはいえ、設定が大きい機体のためにこれまでのRGに比べるとデカールも大きく、貼りやすくなっています。この時、ジオンマークやシャアのパーソナルマーク、ホイルシールの貼り付けは一旦除外し、モノアイはマスキングしておきます。
  3. 赤い機体色のため、白化現象を抑えて、塗装面の色の質感を大事にしながらツヤを消すことができる「GSIクレオス Mr.トップコート水性プレミアムトップコートつや消しスプレー」を吹きます。
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7.仕上がり
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
一旦除外しておいたジオンマークやシャアのパーソナルマーク、ホイルシールを貼り付け、パーツ各部を組み上げたら、いよいよ完成!
組み上げてみると、とにかく大きい!「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のMSの設定自体が大きいとはいえ、他の1/144スケールとは並べて置けない別スケールのキットです。
つや消しスプレーがプラスチック感を全く変えてくれ、狙いどおりの落ち着いた質感をもたらしてくれるいいパターンにハマりました。
しかしながら、ポージングをとろうとするとバックパックの重み耐え切れず、仁王立ちが出来ません。大きな機体のため、低い高さでもポーズを維持できる新製品「アクションベース5」に取り付けます。
製作後記

製作前に悩んだ機体色は、噛み合わせにくいパーツによる傷のリスクやスミ入れの拭き取りを考えると、結果的にメタリック塗装の回避は正解でした。デカールを貼るまでは期待値より低い仕上がりの予感でしたが、デカールを貼って成形色につや消しを吹いてパーツを組み上げると一気に質感を上げることが出来ました。

製作にあたり、「1/100 バンダイ MG MSN-04 サザビー Ver.Ka」のクオリティーをRGで超えられるか?注目していましたが、①見やすくなったモノアイ頭部②いかり肩+くびれたウエストなど引き締まったプロポーションを実現③MGでは出来なかった可動力④スカートにシャアのパーソナルマークデカールが選択可能になった・・・など改善点を感じることができました。

不満点としては①パーツの噛み合わせが悪く、力業が必要②成形色の塗り分けが甘く、追加塗装が多数必要③バックパックの荷重で自立できない④機軸部でのポロリが見られる・・・などが挙げられます。

ディテールアップポイントとしては①スラスターやメガ粒子砲の塗装②足裏の塗装③シールドや装甲の裏塗装④メタリック塗装+ホイルシールとつや消し塗装との対比などが有効でした。

可動域を生かした新製品「アクションベース5」でのポージングも楽しく、30周年を迎えた「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」から近々発売されるであろうνガンダムとの肉弾戦を再現したいものです。
※2018.10にHG「ムーンガンダム連動ロング・ライフル(ガンダムエース2018年11月号付録)」をサザビーに装備させることで、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」公開当時のイメージボードのシーンを再現しました。

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