1/100 バンダイ MG RX-78-2 ガンダム Ver.3.0

アムロ「ということは、無限大にスピードは速くできる」
2013.9 製作
お気に入りランク:★★★☆☆  レア度:★★★☆☆
地球連邦軍へ独立戦争を仕掛けたジオン公国はMS(モビルスーツ)の性能とミノフスキー粒子により一年戦争と呼ばれる戦乱を当初優位に進めました。しかしながら、地球連邦軍は戦争末期にホワイトベース隊こと「第13独立部隊」の活躍により劣勢を覆して、アムロ・レイが搭乗する"連邦の白い悪魔"ことRX78-2 ガンダムがジオン軍の主力MSであるMS-06F ザクⅡF型を撃破していくのです。
戦争末期、人類の進化の形ーニュータイプとして覚醒していくアムロの操縦に反応しきれなくなったガンダムにはミノフスキー物理学とモノポールを組み合わせた「マグネット・コーティング」が施され、駆動系を中心に理論上無限の加速を可能としたのです。このキットでは「マグネット・コーティング」仕様にスポットが当てられているため、最終決戦仕様を意識して製作していきたいと思います。

Photo Gallery


製作過程

発売前の模型誌での印象はRG ガンダムの1/100MG版という印象でしたが、発売後モデラーからはコア・ファイターや武器類はVer.2.0のまんま流用で「これでVer3.0と読んでいいのか?」という声が上がっています。
また箱を開けてパーツを確認し、説明書を読むといくつもツッコミどころが出てきます。ディテールアップというより補正というべき作業の必要性を感じました。ファーストガンダムの主役機、しかもMGというガンプラの中核をなすシリーズがこんなことでいいのか!
MGシリーズはガンダムMk-Ⅱ→Zガンダム→vガンダムの順で製作してきましたが、満を持してのファーストガンダムをどこまで補正して仕上げられるか?製作前からワクワク感を奪われたキットに挑戦です。

1.イメージ
機動戦士ガンダム
模型店のデモを見て気付いた点、箱を開けてパーツと説明書を見比べた点、ディテールアップと合わせて補正ポイントを洗い出します。
  1. ツインアイがLEDユニット(イエロー)内臓を強制的に前提としており、非内蔵時はツインアイの輝きが全く無し。しかも、LEDユニットは別売りで、郵送料負担有りの直販限定定価販売!→ツインアイをジャンクデカールでシール化。
  2. ブレードアンテナが短く太い。→ビルダーズパーツ「MSブレード01」へ差替。
  3. 意味不明のクリアーパーツ(コア・ファイターの車輪・バーニア内部パーツ)→車輪はガンメタルへ塗装、バーニア内部パーツはシルバーリーフへ塗装。
  4. リアリスティックデカールの説明ページが、RGより高価にもかかわらずモノクロ表示に退化!モデラーから関節部のリアリスティックデカールが可動させると剥がれるとのレポートが上がっている。
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2.組み立て
機動戦士ガンダム
  1. いつもどおり、可能な限り組み上げて塗装につなげ、また組み立てます。
  2. 今回もRG「RX-78GP01 ガンダム試作1号機」同様コア・ファイターの製作から始め、単独で先にスミ入れ、デカール貼りまで仕上げ、撮影後に機体の組み上げへと進めます。
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3.塗装
機動戦士ガンダム
  1. 基軸部、武器類はジャーマングレーに、手やコア・ファイターの一部、ダクト、武器の一部はガンメタル、ランドセルや手の甲などはネービーブルーでスプレーします。
  2. 右肩角をクリアーグリーン、左肩角をクリーレッドでそれぞれ前後を筆塗りします。
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4.コア・ファイター
機動戦士ガンダム
説明書の指示どおりコア・ファイターから組み立てます。
コクピットハッチにマスキングをしてサーファイサー(ホワイト)を吹いて白いラインを塗装します。クリアーパーツをガンメタルで塗装した車輪部分をフラットブラックで筆塗りします。
スミ入れ、リアリスティックデカール貼りまで完了したら、ここでコア・ファイター単独で写真撮影まで終了させます。
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5.ディテールアップ
機動戦士ガンダム
  1. 短く太いブレードアンテナをビルダーズパーツ「MSブレード01」に差替え、サーフェイサーで下地塗装後MSホワイトを吹きます。
  2. ツインアイのLEDユニットはニューガンダム製作時有効性を確認できず、今回はイエローのジャンクデカールを、頭部前後の赤いシールはホイルシールに差替えます。
  3. 頭部のバルカン砲はゴールド、頭部基軸や肩のダクト、足裏の一部をフラットアルミを筆塗りします。
  4. 店頭のデモではツインアイが見えづらく感じたため、開口部を広げるよう削ります。
  5. 右肩角をクリアーグリーン、左肩角をクリーレッドでそれぞれ前後を筆塗りします。
  6. 機体各所のバーニアと足裏のバーニアの内輪をサーフェイサー(ホワイト)で下地塗装し、発色を上げてからブライトレッドを吹き、外輪はシルバーリーフを吹きます。さらに付属のクリアーパーツもシルーバーリーフを吹いて取り付けます。
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6.スミ入れ
機動戦士ガンダム
  1. メリハリを付けるために原色の濃いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で、白いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」でスミ入れを行います。
  2. シンナーで丁寧に拭き取ります。
    スミ入れは半日掛かりの根気の要る作業でした。
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7.デカール
機動戦士ガンダム
  1. リアリスティックデカールを貼っていきますが、RGで慣れたせいか、スケールが大きい分楽に貼れます。
    しかしながら、説明書がモノクロで見づらく、RGの説明書で確認しながら作業を進めました。これは正解で、余ったデカールがシールド用のものであることをに気付くことができました。この辺りの説明書の抜けもこのキットのマイナスポイントです。
    ホワイトベース隊やMSの型式を示すデカールは不使用もしくはカットし、関節のホイルシールも剥がれを懸念し、一部不使用としました。
  2. 頭部のホイルシール部分はマスキングして、「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。すべてを組み上げてからではなく、パーツごとに表裏を吹き分けます。
    デカールのコーティングとパーツの白化対策も含め、この作業で色味が落ち着きました。
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8.フィギュア
機動戦士ガンダム
Photo Galleryの撮影用にバンダイ ビルダーズパーツ「1/100 MSフィギュア01」を活用します。今回撮影に使用するのはアムロとセイラのみで、ポーズを取らせる加工を行います。その他はストック用としてファーストガンダム仕様で塗装します。
メンテナンスクルーが地上用と宇宙用とそれぞれ2セットあるため、関節を曲げるなどポーズを変えて塗装後、「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹いて仕上げます。
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9.ディスプレイスタンド
機動戦士ガンダム
  1. Photo Galleryの撮影用に「MG RX-93 vガンダム Ver.Ka ニューガンダム」製作時に購入した「ダブル・フィン・ファンネル拡張ユニット」で重複したディスプレイスタンドを活用することにしました。
  2. このディスプレイスタンドはvガンダムのランドセルに取り付ける形状になっているため、工作が必要です。ジャンクパーツを加工して取り付けます。
    重複して持て余していたベースはアムロのパーソナルマークになっていて、このキット以外に流用できないぴったりのベースでした。
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10.仕上がり
機動戦士ガンダム
  1. すべてのパーツを組み上げていよいよ完成です。
  2. 劇中のシーンを見直し、オープニングシーンや名場面、最新のガンダムフロント東京での画像をイメージしてポージングをとります。
    しかしながら、これまで製作したガンプラの中でも経験したことがないほどパーツがポロポロ外れ、怒りがこみ上げてきます。
    「あえて言おう、○○であると!」
製作後記

このキットのポイントは組み立てだと思います。手足の関節の組み立てはその構造を理解してからではないと組み上げられません。これは可動性や色分け、パネル分割が影響していると思われますが、細分化されたパーツは組み立ての難易度を上げています。1/100スケールにもかかわらず、RGより組み立てを難しくさせている原因に説明書の不備があります。接合部がイラストで表現されておらず、リアリスティックデカールのモノクロページも含め不親切なキットと言えます。特に子供には独力での製作は困難ではないでしょうか?ガンプラのフラッグシップであるべきRX-78-2のMGとしては問題点が多く、厳しい言い方のようですが、このキットの開発チームはユーザー目線の配慮が足りないと言わざる終えません!
完成してみると現代ではさすがにRX-78-2はもう古く感じてしまいます。ディテールアップできる余地も少なく、RGガンダムのMG版とも揶揄される本キットは大きいだけが良いわけではないとも感じさせられます。
これを打破するには思い切ってウエザリング仕様にしたジオラマ化も今後検討していきたいと思います。

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