1/144 バンダイ RG MSM-07 量産型ズゴック

ブーン「二番艦に水陸両用の重モビルスーツ・ズゴックがあります。」
2015.9 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★☆

マッドアングラー隊のフラナガン・ブーンに水陸両用重モビルスーツと呼ばれたズゴックは胴体にモノアイを内蔵し、蛇腹のような手足にアイアン・ネイルといった独特の構造を持っています。
カラハ曹長によって出撃したズゴックは、ゴッグとともにに連邦のベルファスト基地を攻撃し、ハヤトのガンキャノンの射撃を避けて、アイアンネイルで両腕を引き千切る勢いを見せます。連邦の攻撃を蹴散らしていくズゴックは、アムロのガンダムとの水中戦の後、カイのガンタンクに狙撃され、最後はガンダムのビームサーベルによって切断されました。さらにズッゴク2機はホワイトベースを襲撃したものの、セイラのGファイターとカイのガンペリーによって撃墜されました。
その後、ジャブロー降下作戦中シャア専用ズッゴクに帯同した2機の量産型ズゴックはガウ攻撃空母から降下したものの、対空砲火で、さらに魚雷の直撃などによってあっけなく撃破されたのです。

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製作過程

RGからシャア専用ズゴックが発売された時、すぐに発売を期待したのが色違いの量産型ズゴックです。しかし、これがプレミアムバンダイからとは・・・。ボックスアートも単色で、説明書も流用、パーツの違いは一般兵フィギュアが新規造形くらい。価格も値引きなしとあればコストパフォーマンスに問題ありと言わざる負えません。とはいえ、シャア専用ズゴックを塗り直す手間を考えればよしとしましょう。
前回同様RGにしては部品点数は少なく、製作のストレスは少ないものの、不満はカラーリングです。製作ポイントは塗装になります。そして、久しぶりにズッゴク定番の水面ジオラマにも挑戦したいと思います。

1.イメージ
量産型ズゴック

今回のパーツを見た瞬間の感想は「この青は違うんじゃないか・・・。」でした。
よく見ると微妙な色分けで細かく色分けされていますが、蛇腹のような腕と足の色がくすんだ薄紫で、どうにも気に入りません。ディテールアップの余地は少なく、この色をどう判断するかが機体の印象を大きく変える鍵になります。

 

  1. イロプラは細かく色分けされているものの、濃淡の差が少なく、メリハリを付けるためには腕と足の色を明るい青にしたいと思います。ほぼ全塗装になりそうです。
  2. モノアイはシールのみではなく、クリアーパーツも使っていますが、さらにディテールアップパーツを活用します。
  3. ズゴックならではの定番のジオラマを激しい波で演出したいと思います。
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2.組み立て1
量産型ズゴック
今回もほぼ全塗装になるために、水色と濃緑色以外のパーツをランナーから切り離し、できるだけ組み立てます。
部品点数は少なく、これまで苦痛にすら感じることもあったRGのキットとは思えません。デザインナイフで丁寧に切り取り、 サンドペーパーで磨き上げます。
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3.塗装
量産型ズゴック

可能な限り組み立てたら、スプレー缶で効率よく塗装を進めていきます。ただし、目玉の蛇腹のような手足は筆塗りにします。

 

  • アドヴァンスドMSジョイントなどの基軸パーツ・アイアンネイルの根元→ガンメタル
  • 関節部パーツなど→ジャーマングレイ
  • 腕・太もも→ネービーブルー
  • ダクト→メタリックブルー
  • プロペラ・240mmミサイル→シルバーリーフ
  • アイアンネイル→サーフェイサー(ホワイト)
  • 腕・足→スカイブルー+フラットブルー+パープル+フラットホワイト(筆塗り)
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4.組み立て2
量産型ズゴック

塗装が完了したら乾燥を待って、組み立てに取り掛かります。 しかしながら、今回も組み立てに苦労しました。
パーツのフィット感がいまいちで、パチッと感がなかなか得られません。バラして構造を理解して再挑戦の繰り返しでした。

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5.ディテールアップ
量産型ズゴック

前回同様、目立ったディテールアップが出来る余地があまりないキットではありますが、前作のノウハウから可能な限りの演出を施したいと思います。

 

  • モノアイはHIQ PARTSのVICドームを使用し、クリアーパーツに挿入します。モノアイの厚み分をカメラユニット側で削って調整します。
  • アイアンネイルをシャープに削って、サーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
  • 240mmミサイルはシルバーリーフで輝きを付けます。
  • ダクトの外側をメタリックブルー、内側をフラットアルミで塗装し、金属感を強調します。
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6.スミ入れ
量産型ズゴック
濃い色のパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で、薄い色のパーツは今回はシャーペンでスミ入れを行います。
地味な作業ですが、立体感が付いて効果は絶大です。
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7.シール
量産型ズゴック
  1. 少なくも細やかなリアリスティックデカールを貼っていきます。RGシリーズの中では最もストレスのかかる工程のはずですが、今回もストレス少な目です。
    くど過ぎるホワイトラインは今回も選択しませんでした。
  2. モノアイとモノアイレールカバーのクリアーパーツを除外して「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
    デカールのコーティングと色味の落ち着きがもたらされます。
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8.ジオラマベース1
量産型ズゴック
  1. ベースは㈱アートプリン社のアーチストパネル/A3/5mmでベースと陸に活用します。これは半面が粘着パネルになっており、取り付けが容易になります。
  2. トミーテック「情景小物039 海辺の情景セット」を仮置きして、試行錯誤しながら岸壁やズゴックのレイアウトを決めます。
  3. 5mmアーチストパネルを二段重ねた陸地を取り付けたら、ベースサイドはラベル用紙を両面テープで貼り付けます。ベース全体をホワイトのサーフェイサーを吹いて下地塗装します。乾燥を待って、ヘイズグレイを吹きます。
  4. 陸地をマスキングして、コーラルブルー、フレンチブルー、ブリリアントブルー、レーシングブルーの順で吹きながらグラデーションを付けて塗装します。
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9.ジオラマベース2
量産型ズゴック
  1. 海面のベースサイドを透明ペットアングルで囲って取り付け、クリアーブルーで塗装します。
  2. 防波堤、灯標、消波ブロックを配置します。
  3. 砂利としてシーナリーバラストや岩、そして海藻を設置します。
  4. プラ棒で岸壁の車止めを自作します。サーフェイサーを吹いてキャメルイエローを吹いて、黒を筆塗します。完成したら、陸地に取り付けます。
  5. シリコン(ホワイト)を蒔いて、ハブラシで水しぶきを描きます。
  6. 乾燥前にモーリン社製のスノーパウダー(市街地の雪)をさらに水泡として蒔きます。
  7. 液体ゴム(クリア)でウエット感をさらに表現します。
  8. 海中はクリアーブルーとクリアーグリーンでエメラルドの海を表現します。
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10.仕上がり
量産型ズゴック
  1. 仕上げにフラットホワイトでドライブラシし、波しぶきを強調します。
  2. ストックしておいた倉庫や重機、ヘリコプター、花壇、街灯、電話ボックス、車などを取り付けます。
  3. トミーテック「情景コレクション ザ・人間 064 釣り人」や倉庫の作業員としてストックしておいたフィギュアを配置します。
  4. ウェーブ社のT・ケース (QM)にジオラマベースを載せます。低姿勢ができるズゴックが納まるちょうど良い高さなのです。
  5. ズゴックを取り付けたらいよいよ完成!
製作後記

ズゴックらしいズゴックはやっぱり量産型ズゴックでしょう。第27話連邦のベルファスト基地の襲撃をイメージしつつも、倉庫がある岸壁に突如現れたズゴックという場面を製作しました。

今回の製作ポイントだった蛇腹のような腕と足のブルーは狙い通りの発色が実現できましたが、ズゴック本体は完成後の感動はあまりありませんでした。一方で劇画チックな水しぶきを上げるジオラマベースではシリコン1本をすべて使い切り、スノーパウダーとクリアー塗装で、弾けるサイダーのような海が表現できました。久しぶりに楽しめたジオラマ製作となりました。

今回は構想期間が長く、どのようなジオラマにするか悩みました。シャア専用ズゴック同様RGシリーズでズゴックはもったいない気がしますが、この高価なキットをウエザリング仕様にしない方向で考えていました。結果的にはオーソドックスな情景になりましたが、手持ちのジャンクパーツをうまく活用し、車止めや花壇などの細かなディテールとフィギュアたちが、ズゴックの巨大感とリアリティを高めてくれました。

 

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