1/144 バンダイ RG MSM-02 ジオング ラストシューティング エフェクトセット

ジオン技官「あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ」
2021.4 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★

宇宙世紀0079年、ジオングはジオン公国が1年戦争末期に投入したニュータイプ専用MSです。

ジオン公国の名を冠したこのMSは指先からビームを発射し、有線であるものの、ニュータイプによるサイコミュシステムで意のままに操作出来るオールレンジ攻撃も可能となっています。また、パイロット2名による運用も可能となっており、頭部は緊急脱出ポッドとしても運用され、口吻部と腰部と合わせてメガ粒子砲も搭載されています。

シャア・アズナブルがアムロ・レイと死闘を繰り広げたア・バオア・クー攻防戦では、両脚と上腕部の装甲がない完成度80%の状態で出撃することになったシャアとジオン技官の会話は有名なエピソードです。なお、開発中だった残り2機のジオングは歩行ユニットと併せて戦火によって喪失したとも、戦後運用されたとも言われています。
ジオングの最後となった” ラスト・シューティング ”では、自動操縦のガンダムのビーム・ライフルを受けて頭部側面のバーニアを破壊されたものの、ガンダムの左腕と頭部を破壊し、撃墜直前にメガ粒子砲を放ち、ガンダムの右腕と右脚を破壊して相打ちに持ち込んだのです。

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製作過程

RGからまさかのファーストガンダムのラスボス、ジオングの登場です。
今さらの感もありますが、マーケティングが成功したのかネット上の予約日に瞬殺で受付終了になり、その後は転売屋のような業者の高値予約の受注が続いていました。私は店頭発売日に家電量販店で開店15分後に残り3個のところでラストシューティング エフェクトセットを購入することが出来ました。それもまさかの定価販売!果たして9,900円(税込)の価値のある商品なのでしょうか?
RGジオング本体は単独ディスプレイとし、エフェクトパーツと「1/144 バンダイ EG RX78-2 ガンダム」 、「MOBILE SUIT IN ACTION!! ファイナルデュエルセット ラストシューティング」のジオング頭部を使って" ラスト・シューティング "を完成させることにします。

 
 

1.イメージ

ジオング

1/144スケールとは思えない巨大なボックスに圧倒されます。箱を開けるとそれなりの部品点数ですが、ガンダム用エフェクトも付属していたのは予想外でした。

  1. ジオング本体は成型色を生かし、パイプ・ダクト・リベットの追加塗装を施すだけのシンプルな仕上げにします。
  2. 「EGガンダム」と「MS IN ACTIONのジオング頭部」に加工を施し、RGジオングのエフェクトパーツと組み合わせて" ラスト・シューティング "を完成させます。
    映像を検証して、出来るだけ原作に近いジオラマベースを製作します。
    →ジオラマベースの製作過程は
    ガンダム >機動戦士ガンダム>EG RX78-2 ガンダム で紹介しています。

2.組み立て1

ジオング

足がない分ジオング本体のパーツは少ないものの、シーンベースとエフェクトパーツは別売りキットからの流用でした。そのため、余剰パーツが大量発生してのこの価格には憤りを感じます。
基本成型色を生かし、基軸パーツのみ塗装することにします。ニッパーでパーツを切り取り、 ゲート処理をサンドペーパーで丁寧に行います。

3.塗装

ジオング

可能な限り組み立てを進めたら、スプレー缶で効率よく塗装を進めていきます。
こうしてみると高価なキットにもかかわらず、塗装するパーツのみとは言え、部品点数が少ないと感じます。

  • 基軸パーツ、スカート・アーマー内装パーツ→ガンメタル
  • シーンベース→ジャーマングレイ

4.ディテールアップ

ジオング

基本塗装が完了したら乾燥を待って、ディテールの筆塗り塗装に取り掛かります。
RGならではの鬼のようなモールドにはパイプやダクトがありますが、そのほとんどが装甲で隠れてしまいます。組み立てながら、塗装箇所を検証して作業を進めます。
頭部アンテナはシャープ化不要です。

  • メガ粒子砲(口吻部・腰部)・パイプ・ダクト・リベット
    →ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • モノアイはHIQ PARTSのVICドームを使用し、基軸パーツ側を削って取り付けます。

5.組み立て2

ジオング

すべての塗装が終わったら、組み立てを再開します。
サイコガンダムの原型にもなったマニピュレーターの5連装メガ粒子砲はアドバンスドMSジョイントにより自在の表現ができる重要なパーツになるため、時間を掛けて辛抱強くゲート処理を行います。
ジオングのアピールポイントでもあるスカート・アーマー下のバーニアは赤いリード線が使われ、目立たない箇所にまでこだわりが感じられます。
パーツのフィット感は抜群で、とにかく熟成されたRGの技術の集大成キットと言えます。

6.スミ入れ&マーキング

ジオング
  1. モールドが細かいために「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」を「Mr.ウェザリングカラー 専用うすめ液」でジャブジャブ気味に薄めてスミ入れを行います。
  2. 必要に応じて「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で一部補正を行います。
  3. 綿棒と「ガイアノーツ G-06br フィニッシュマスター極細R」を併用、さらに「Mr.ウェザリングカラー 専用うすめ液」、大創の「オイルライター専用オイル」、「タミヤ アクリル塗料 溶剤」を併用して拭き取りを行います。
  4. RGにしては信じられないくらい少ないリアリスティックデカールを貼り付けます。
  5. 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。

7.仕上がり

ジオング

エフェクトパーツをすべて取り付けると画像の通り、かなりうるさくなります。本キットのセールスポイントでもあるスカート・アーマー下部のバーニアを生かすのであればバーニアエフェクトは取り付けないスタイルでディスプレイするのがベストと思われます。
また、ノーマルスーツのシャアが付属しないのは残念というか、フィギュア付属はRGの定番のはずなので、設計漏れではないかと思ってしまいます。

  1. 各種メガ粒子砲エフェクトとバーニアエフェクト等をクリヤーオレンジでスミ入れしてジオングに取り付けます。スカート・アーマー下部と後部にもディスプレイベースとの接続箇所があり、ポージングのバリエーションを広げることが出来ます。
  2. ディスプレイベースにジオングを取り付け、リード線でつなげた前腕部を支柱(保持力が低い)で支えたらいよいよ完成!

製作後記

今回は首無しガンダム+胴体無しジオングで" ラスト・シューティング "をどう演出するかが全体の製作ポイントでしたが、「RGジオング ラストシューティング エフェクトセット」のすべてのパーツを生かして再現する方法として、①MOBILE SUIT IN ACTION!! ファイナルデュエルセット ラストシューティングのジオング頭部+②EGガンダムの胴体+③RGジオングのエフェクトパーツという組み合わせとし、RGジオング本体はシンプルに完成させました。
ジオングの上半身はレーシングブルーでメタリックに塗装することも検討していましたが、結果的にほぼ成型色を生かし、追加塗装も抑えてシンプルに仕上げました。RGと言えば、部品点数の多さと鬼のようなリアリスティックデカールのイメージですが、EGガンダムの" ラストシューティング "ジオラマと並行して製作したにもかかわらず、あっさり完成しました。
悔やむべきはスミ入れの拭き取りです。前腕部にクラックが発生したのです。3種の溶剤特に「タミヤ アクリル塗料 溶剤」を追加したことが原因と感じています。パーツの合わせ目消しの要領で可能な限り修復を図りましたが、溶剤を複数併用すべきではありませんでした。
最後に製作後の率直な感想としては、1/144スケールのこのキットが税込9,900円の価値があるとは思えないということです。デザイン、可動力、安定度、作り易さなどすべてに非の打ち所がないキットなのですが、複雑なモールドはほとんど装甲裏に隠れてしまい、そのパフォーマンスを充分生かせていません。足がなく、大量の余剰パーツが発生することを考えれば、この価格設定は異常です。
初回生産から数か月経ても定価では入手困難となっている本キットを製作出来ただけでも喜ぶべきなのでしょうが、少量生産による価格の高騰、プレバン限定商法、転売業者の放置、余剰パーツの大量発生・・・など最近批判が強まるバンダイを象徴するキットでした。

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