1/144 バンダイ HG MS-06S シャア専用ザクII 赤い彗星Ver.

シャア「私に跪け。神よ!!」

2021.5 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★☆☆

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザイン担当である安彦良和氏がファーストガンダムをベースとしつつも、設定変更やエピソードの追加を加えたパラレル的なコミカライズ作品です。

劇場版のアニメ化にあたってシャアとセイラの幼少時代から一年戦争開戦までを描いた全6章の構成となっていましたが、 NHKでのテレビアニメシリーズにあたっては「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」と題して全13話に再編集されて放送されました。
主役はアムロからシャアとなっていて、この機体はルウム戦役時に搭乗していたMS-06FザクⅡの改良型です。指揮官機であるシャアの指示によってリミッターが解除され、推力機能を限界まで使用することが可能になっています。その結果、高推力を駆使した戦闘と光跡を残して駆ける姿から、シャア・アズナブルは”赤い彗星”と呼ばれるようになったのです。

Photo Gallery


製作過程

意外にも1/144スケールの”シャア専用ザク”を製作するのは初めてかもしれません。ファーストガンダム本放送当時からザクと言えば量産型を推していましたし、最近でも製作したのはザクヘッドか完成品のSUPER HCM proくらいでしょうか?
製作のきっかけはNHK「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」での鮮やかな一撃離脱の戦闘シーンを見た影響です。過去サイコザクでは機体のホワイトラインを嫌っていましたが、本作品を見ているとそれにも魅かれ、そのままキットどおり製作することにしました。
現在入手困難となっているORIGIN版のザクですが、様々なルートで手に入れた都合上”ザクⅠ”→”シャア専用ザク”→”ザクⅡ”の順で製作を進めていきます。

 
 

1.イメージ

シャア専用ザク

"ザクⅠ"の取扱説明書に記入していた製作ポイントを"シャア専用ザク"の取扱説明書に転記しながら2つのキットを見比べると、頭部だけでなく脚部にも大きな違いがあると気付かされます。

  1. ショルダー、腕、脚部、武器のパーツの合わせ目消しと後ハメ加工が最大の製作ポイントになります。特に脚部は"ザクⅠ"以上に手間が掛かりそうです。
  2. 機体色は成型色を生かし、基軸パーツは金属感を意識して塗装します。
  3. モノアイと武器類にディテールアップを施します。

2.組み立て1&パーツの合わせ目消し

シャア専用ザク
  1. パーツの合わせ目消しのために腕の基軸パーツを分割して後ハメ加工を施します。一方の基軸パーツを腕の内部に残して装甲にランナーパテを付けて3日以上乾燥後、フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨きます。もう一方の基軸パーツを腕の外装に挿入して、瞬間接着剤でしっかり接着します。
  2. ショルダー部の基軸パーツをカットし、後ハメ加工後、ショルダー部にもランナーパテを付けて乾燥後、フィニッシングペーパーでパーツの合わせ目消しを施します。
  3. 脚部も基軸パーツを一部削り、装甲内部のダボも一部削って後ハメ加工を施し、脚部装甲にランナーパテを付けて乾燥後、フィニッシングペーパーでパーツの合わせ目消しを施します。
  4. そのほか武器類にもパーツの合わせ目消しを施します。
  5. 肘のパーツの肉抜きもランナーパテで埋めて塗装します。

3.塗装

シャア専用ザク

機体色は成型色を生かし、塗装は基軸パーツと武器類に留めます。
リアリティーと重厚感を増すためにシールド、ショルダー、スカート、脚部装甲裏をパーツの合わせ目消しの完了後に塗装します。

  • 頭部ダクト・基軸パーツ・バーニア外側・ヒートホーク・ポリキャップ→ガンメタル
  • ヒートホーク刃先・バーニア内側→シルバーリーフ
  • ザク・バズーカの予備マガジンの丸モールド
    →ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • 手・バズーカ・マシンガン・ライフル・予備マガジン→ジャーマングレイ
  • 脚部装甲裏・スカート装甲裏・シールド裏→フラットブラック

4.ディテールアップ

シャア専用ザク
  • モノアイとザクマシンガンのスコープはHIQ PARTSのルミドーム(蛍光ピンク)を貼り付けます。
    モノアイは頭部装甲裏とモノアイレールの削り込みが必要です。
  • MS用バズーカA2型のスコープは100円ショップ(ダイソー)のデコレーションシールのパープルを、MS用対艦ライフル ASR-78のスコープは100円ショップ(セリア)のラインストーンシールのピンクを貼り付けます。

5.組み立て2

シャア専用ザク

塗装が完了したら、すべてのパーツを組み付けます・・・といきたいところですが、ショルダー部と脚部パーツの合わせ目消しに失敗しました。パーツの白化と過剰なフィニッシングペーパーによる磨きで大きく変形してしまったのです。
結果的にもう1キット購入し、部品取りによる作り直しをせざる負えませんでした。

  • フィニッシングペーパーの研磨によってつぶれたモールドはハイキューパーツ ラインスクライバーCS 0.15mmで掘り込みます。
  • 胸部パーツは敢えてパーツの合わせ目消しを行わず、段落ちモールドで対応します。
  • 失敗したショルダー部と脚部はランナーパテを作ってから接着し、乾燥後400番→600番→1000番の順に磨いてパーツの合わせ目消しを施します。

6.スミ入れ&マーキング

シャア専用ザク
  1. 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行い、一部はシャーペンで補正します。大創の「オイルライター専用オイル」、タミヤ「アクリル塗料 溶剤」を併用して拭き取りを行います。
  2. RGと比べると適量のマーキングシールが付属していますが、今回もう1キット購入したために失敗した箇所へも流用することが出来ました。
  3. 武器類にはマーキングシールがなく、水転写式のジャンクデカールで対応します。
  4. 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。懸念していた白化もきれいに消されて、落ち着きがもたらされました。

7.仕上がり

シャア専用ザク
  1. 機体各部や武器類のリベット・足裏バーニアを「ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>」で筆塗りします。
    シルバーの輝きが強調されるように敢えてつや消し後に行います。
  2. つや消しから除外しておいたモノアイとモノアイレールを組み付けます。
  3. すべてのパーツを組み上げ、武器を持たせたら、いよいよ完成!

製作後記

ORIGIN版は武器類が豊富で、劇中の様々な戦闘シーンの再現に活用出来ます。この"ザクⅡ"はベルト給弾式MS用マシンガンが付属しており、"ザクⅠ"にはない装備となっています。劇中の"シャア専用ザク"はファーストガンダムの映像と比べると赤色が鮮やかに感じますが、本キットの成形色はピンク過ぎるのではないかと製作中感じていました。しかし、つや消しを吹いてみるとキット全体がいい意味で沈んだ赤色になり、久しぶりに「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」の効果を実感することが出来ました。
反省点としてはショルダー部と脚部パーツの装甲裏のフラットブラック塗装を先に行ったことによってパーツの合わせ目に黒い線が入り、もう1キット購入しなければならなかったことです。本キットは比較的入手し易いものの、痛恨のミスを犯してしまいました。
しかしながら、この2機目のキット購入によって、シールドの予備マガジン用の差し込み部の穴埋めを行い、差し替え用パーツとして2種のシールドとして用意することが出来ました。そのほかにも"ザクⅠ"のデニム機右肩の一部のパーツに流用することによって2種の機体が差し替え可能になったり、クラックしたパーツやマーキングシールの予備として活用するなど、結果的に"ザクⅠ"、"ザクⅡ"のバックアップパーツの役割も果たすことになりました。

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