1/144 バンダイ HG MRX-009 サイコガンダム
お気に入りランク:★★★★☆ レア度:★★★★★
サイコガンダムは地球連邦軍のニュータイプ機関ムラサメ研究所が開発した強化人間専用MAで、ティターンズに配備されました。
強化人間のフォウ・ムラサメが搭乗し、大型化されたサイコミュ・システムによって制御される強力な武装に加えて脳波伝導フィールド形成のための変形機構やミノフスキー・クラフトの採用によって全長は40メートルにも達します。また、地球連邦軍の意向によってガンダムタイプとして開発されたものの、設計思想はジオングが基本となり、頭部にコックピットがあり、遠隔操作も可能となっています。
サイコガンダムは試作1号機と試作2号機が存在しており、1号機はニューホンコンにおけるカラバ襲撃作戦で暴走し、ニューホンコンの街に大きな被害を与え、その後スードリに体当たりして大破しました。
2号機はキリマンジャロ基地に配備されたものの、ティターンズ所属のジェリド・メサ中尉が搭乗するバイアランの攻撃によってカミーユをかばったフォウとともに喪失しました。2号機はその後解体されてサイコガンダムMk-IIのベースになったとされています。
Photo Gallery
製作過程
長年構想を持ち続けてきた" 巨大なサイコガンダムとガンダムMk-Ⅱとのジオラマ製作 "が本キット購入の目的です。
機動戦士Zガンダム第17話「ホンコン・シティ」の舞台であり、地球連邦政府の租借地、そしてルオ商会の拠点でもあるニューホンコンの摩天楼に突如出現した漆黒のサイコガンダム、カミーユが搭乗するガンダムMk-Ⅱ、その背景にはビル群、逃げ惑う人々、公道にクルマ・・・をイメージして製作したいと思います。
そして、10年以上前に購入した鉄道模型キットの活用、フィギュアやクルマの素材探し、ビルや街路樹は新たに手作りするなどプラモデル以外の街づくりも楽しみたいと思います。
1.イメージ
2.パーツの合わせ目消し1
パーツを見て最も気になった露骨なモナカの頭部、そして首と足のホワイトの機軸パーツの合わせ目消しから取り掛かります。
- タミヤセメントをパーツの両面にたっぷりと塗り、20秒ほど持ち、接着間際にタミヤセメント(流し込みタイプ)をさらに注いで5日程放置します。
- これまでで最も長い放置期間を経た後、空き箱やプラ棒に貼り付けたフィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨きます。
- 埋もれたモールドはデザインナイフと新たに購入したハイキューパーツ「ラインスクライバーCS 0.15mm」で掘り込みます。
- スリーエム「スポンジ研磨材 超極細目スポンジやすり」で磨き上げます。
3.組み立て1
- 基軸パーツから可能な限り、組み立てを開始します。
- パーツの合わせ目消しより効果的と思われる箇所は段落ちモールドをデザインナイフで施します。
- フィニッシングペーパーの400番→600番→1000番→スポンジ研磨材の順で磨きながら、各パーツを組み上げます。
- 足のホワイトの機軸パーツはパーツの合わせ目消し後、さらにサーフェイサー(ホワイト)を重ね塗りします。
4.塗装
取扱説明書の完成見本や劇中の画像を参考にイロプラ漏れを補正します。
- イロプラ漏れの股間の開口部や足の赤い箇所はマスキングしてサーフェイサー(ホワイト)を吹いた後、ブライトレッドで塗装します。
- なぜか「機動戦士Zガンダム」のガンプラで多用される薄紫のパーツとポリキャップはジャーマングレイで塗装します。
5.ディテールアップ
- 頭部アンテナをシャープ化。
- ツインアイは付属のピンクシールでは可愛い過ぎるために紫のホイル折り紙に変更。
- 頭部の一部、脚部モールド→ブライトレッド
- 頭部の一部、各ダクト、基軸モールド、シリンダー→シャインシルバー
- 頭部の一部、頭部アンテナ裏面、3連装拡散メガ粒子砲中心部と背面→ガンメタル
- 指先→フラットブラック
- 基軸パーツ、ポリキャップ、スカート・脚部装甲内側、ビーム・ライフル一部、
グレネードランチャー一部→ジャーマングレイ - 3連装拡散メガ粒子砲の外輪→シルバーリーフ、内輪→ブライトレッド
- リアバーニアの外輪→ガンメタル、内輪→ブライトレッド
6.組み立て2&パーツの合わせ目消し2
- 再び組み立てを開始します。
- パーツの合わせ目消しを優先した頭部の顎パーツは後ハメ加工で取り付けます。
- 胴体の組み立てではとんでもないモナカが待っていました。一部は段落ちモールドで対応したものの、教科書的なパーツの合わせ目消しでは埋められないサイドスカートはブラックのビニールテープや文房具の汎用プラスチック、下敷きなどを加工して強引に埋めました。
→これによってモビルアーマー形態への変形は不可となりました。
7.スミ入れ&マーキング
- 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行います。
- "GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE"の試作2号機のマーキングを参考に、試作1号機としてホビージャパンモデラーズデカール「ライン01 ホワイト」を貼り付けます。
- アーガマ製作時に購入したガンダムデカール「1/100 機動戦士Zガンダムシリーズ用」と「機動戦士Zガンダム/機動戦士ZZ汎用」のティターンズのデカールと手元のリアリスティックデカールを活用してRG風マーキングで情報量をアップさせます。
- 「Mr.マークソフター」でデカールを馴染ませます。
- 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてデカールをコーティングします。
8.ウエザリング
- 通算3機目となるRGガンダムMk-Ⅱをジオラマのアクセントとして製作します。
- 当初サイコガンダムとガンダムMk-Ⅱはロールアウト仕様にするつもりでしたが、サイコガンダムのロボット的デザインにリアリティーを加えるために、この段階からウエザリング仕様に変更することにしました。
- タミヤ「ウェザリングマスターセットB、C」で足元を中心にブラックやブラウンの汚しを加えます。
- 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」と「Mr.ウェザリングカラー ステインブラウウン」を歯ブラシで叩いて機体に泥を塗ります。
- ガンダムマーカーのシャインシルバーをキッチンペーパーで拭き取りながらエッジを中心にドライブラシを掛けます。
9.ジオラマベース1
- ジオラマベースはベースの"反り"を防げるMDF(木質繊維を原料とする成型板、中密度繊維板28.5㎝×28.5㎝)を使用し、サーフェイサーを吹いた後、側面も含めて全体にジャーマングレイを吹きます。
- タミヤ「スチレンボード 3mm厚」で歩道を作り、サーフェイサー(グレイ)を吹きます。
- タミヤ「スチレンボード 3mm厚」やジャンクパーツで花壇を作り、光栄堂「グランドマットGM-1(春の緑)」を植えこみます。
- 鉄道模型用の芝シートを公園の一部として貼り付けます。
- ジャンクパーツで外灯を作ります。
- 鉄道模型キットのKATO「ガードレール」からガードレールや公園の柵を配置します。
- ジャンクデカールで横断歩道や道路のホワイトラインを貼り付けます。
10.ストラクチャー
ストラクチャーは100円ショップの素材をベースにスチレンボードで看板や玄関を作り、屋上にジャンクパーツで室外機を配置します。窓ガラスは透明の下敷きを加工します。
- 架空の「新香港銀行(ニューホンコン銀行)」はペン立てにサーフェイサー(ホワイト)を吹いて、内側に透明プラ版(ブルー)を貼り付けて窓ガラスにします。
- 小物入れに三角棒でビル外面の各フロアーの仕切りを付け、サーフェイサー(グレイ)を吹いて、前面に透明プラ版(グリーン)を貼り付けて窓ガラスにします。
- 調味料入れにサーフェイサー(グレイ)を吹いて、スチレンボードで看板を作り、内側に透明プラ版(ブルー)を貼り付けて窓ガラスにします。KATO「タウンアクセサリーセット」から看板とシールを使用、玄関はジャンクパーツで作ります。
- 箸入れにマスキングテープとタミヤ「プラ材 1mm角棒」で窓枠を、スチレンボードで壁を作り、サーフェイサー(ホワイト)を吹きます。企業ロゴはルオ商会です。
11.フィギュア&クルマ
- ヤフオクで見つけたNゲージレイアウトストラクチャーのジオラマモデルカーを使用します。1/150スケール10台の中から4台チョイスし、横転したクルマは車体の底にモールドがあるものを手元のストックから1台使用します。
- Amazonで見つけたEvemodel「Model Figures」を使用します。こちらも1/150スケール100体入りで1/144のガンプラとの相性も抜群ですが、塗装のクオリティーは低いために補正が必要です。
12.ジオラマベース2
- ジオラマベースにKATO「タウンアクセサリーセット」から自動販売機を配置します。
- フィギュアを配置します。突如ニューホンコンの街にサイコガンダムが現れ、逃げ惑う人々を演出するために両手を上げた人を中心にチョイスします。
- オオクボ「手作りミキ」にKATO「フォーリッジクラスター」を接着して街路樹を作り、花壇に植えます。
- サイコガンダムによって倒壊したビルのガレキをジャンクパーツで、砂と砂利をシーナリーバラストとカラーパウダーを撒いて、木工用ボンドを希釈したスプレーで硬化させます。軽くジャーマングレイを吹いた手芸用のわたで埃を演出します。
- 4棟のビルを配置します。
- クルマ5台を配置します。1台は横転させます。
13.仕上がり
- サイコガンダムの指先のビーム砲にビームサーベルのジャンクパーツを加工し、クリアーイエローのビームとして取り付けます。
これは最新キットRGジオングからのアイデアです。 - 倒壊したビルのガレキの上にサイコガンダムを配置します。
- ガンダムMk-Ⅱによって倒された公園の柵を切り取って演出し、飛散した砂としてカラーパウダーを撒いて、木工用ボンドを希釈したスプレーで硬化させます。
- ガンダムMk-Ⅱを配置します。
- 「HOBBY BASEのモデルカバースクエア(特大)」のベースに乗せたら、いよいよ完成!
製作後記
2ヶ月以上の製作期間を経て、ようやく完成しました。MSが完成した段階では本作は期待外れか?と感じていましたが、ジオラマベースを製作していくにつれて楽しく作業が進み、期待以上の作品になりました。
まず、サイコガンダムにこれ程手こずるとは思いませんでした。入手困難で古いキットでもあるためにガッツリ入ったパーツの合わせ目消しに苦労しました。特に腰からスカートにかけて合わせ目をガッツリ埋めてしまうとモビルアーマー形態への変形が出来なくなることを完成後気付きました(笑)。しかし、今回は水転写デカールを多用したために、変形によるデカールのハガレのリスクは負わなくてよかったと解釈しました。
そして3度目の製作となるRGガンダムMk-Ⅱは作り易さ、デザイン、完成度など改めて素晴らしいキットだと実感しました。
また、ジオラマベースはコスト削減も考えて100均素材でビルを製作しましたが、これがなかなか楽しかったです。10年以上ストックしておいたKATO「タウンアクセサリーセット」が活躍してくれ、ルオ商会やビルのテナントのロゴは「機動戦士Zガンダム」や「機動戦士ガンダムNT」の映像を検証し、パソコンでラベルシールを作りました。
ジオラマベースのレイアウトにも時間を掛け、実寸で設計図を書きました。ビルとの対比でサイコガンダムの巨大さが強調出来、手前のガンダムMk-Ⅱからサイコガンダムを見上げるレイアウトは限られたスペースの中で高低差を生かすことが出来ました。サイコガンダム単体だと可動範囲の狭い、ただの無骨なロボットにしか見えませんが、敢えて仁王立ちさせることで、サイコガンダムの巨大さと重量感が表現できたと思います。
箱を開けてみるとさすがに一つ一つのパーツが巨大なものです。