1/144 バンダイ HG RMS-108 マラサイ

カクリコン「あ、はぁ、アメリア・・・」
2023.12製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★

マラサイは月のAE(アナハイム・エレクトロニクス)社が開発したハイザックの後継機にあたる高性能MSです。
アーガマを追ってきたティターンズのアレキサンドリアはAE社を訪れてメラニー・ヒュー・カーバイン会長からマラサイの無償供与を取り付けたのです。月面都市アンマンではジェリドとカクリコンが搭乗したマラサイの時間差攻撃によって、カミーユに「ターンが速い!やはり新型か!?」と言わせるほどガンダムMk-Ⅱを苦しめました。
第10話では存在感のある登場でしたが、量産機より超高性能な機体が求めらる時代の流れによって物語後半では使いつぶされる不遇のMSでもありました。
頭部には兜の錣(しころ)のような装甲に高性能大型ブレードアンテナ、高速戦闘を可能にするバックパック、フレキシブルに可動して折りたたみ可能なシールド、スパイクが延長されている肩アーマーなどスタイリッシュなフォルムの機体となっています。

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製作過程

劇場版「機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-」公開当時に発売されたとされるこのキットはパッケージからはやや古さを感じ、当たり前のようにパーツの合わせ目消しが必要なこの当時のキットの購入には長い間手を出さずにいました。
最近はパーツの合わせ目消しをルーティン化させているために再販キットのHGも多く購入するようになりましたが、このキットもコロナ渦のガンプラブームの再燃と再販情報の収集に注力するようになって手を出したキットの一つでもあります。再販キットの中でも「機動戦士Zガンダム」のキットの人気は根強く、ガンダムベース福岡で開店前に並んでハンブラビとともに入手したキットです。
既に製作済みのアーガマ カタパルトデッキのジオラマにこのマラサイも加えたいと思います。

 

1.イメージ

マラサイ
  1. 箱を開けたパーツの印象はレッドとオレンジのパーツの発色が薄いことです。色褪せた感が強く、全塗装とします。
  2. 後ハメ加工の必要性はなさそうなので、段落ちモールドとパーツの合わせ目消しを検証して作業を進めます。
  3. 装甲裏を塗装して質感をアップします。
  4. イロプラ漏れをしっかり検証して追加塗装します。
  5. 定番のディテールアップをモノアイやスコープに行います。
  6. 動力パイプをメタリック塗装し、金属感をアップします。
  7. 手持のジャンク水転写式デカールで情報量をアップさせます。

2.パーツの合わせ目消し

マラサイ

パーツの合わせ目消しの難易度は低く、特に脚部は合わせが出にくい構造となっていて助かります。
胸部パーツには合わせが出ますが、ここは段落ちモールドで対応します。

  1. パーツの合わせ目消しを行う対象箇所は頭部・肩部、肩アーマー、腕部、膝部、脚部、ビーム・ライフルとします。
    肩部、肩アーマー、腕部、膝部、脚部はポリキャップもしくは基軸パーツを組み付けた状態でパーツの合わせ目消しを行います。
  2. タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、大型クリップで挟み込んで2、3日硬化を待ちます。
  3. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. 今回はサーフェイサーによる隠蔽の工程を省略出来るレベルでしたので、直接イロプラに塗装することにします。

3.塗装

マラサイ

レアでありながら安価なHGキットではありますが、機体の発色を上げるために珍しく全塗装とします。
パーツの合わせ目消しを行った肩部、腕部、膝部、脚部はポリキャップもしくは基軸パーツをマスキングして塗装を行います。
なお、ここでは基本塗装を紹介し、イロプラ漏れやディテールアップ塗装は後述します。

  • ビーム・ライフル、基軸パーツ、ハンドパーツ→ジャーマングレイ
  • 頭部の一部、胸部、バックパック、腕部、腰部、肩アーマー、シールド→イタリアンレッド
  • バーニア、ビーム・ライフルの動力パイプ→メタリックレッド
  • 頭部、腰部、腕部、脚部、ビーム・サーベルの柄→オレンジ

4.組み立て

マラサイ

仮組みを行わずに各パーツの塗装を進めたためにここでようやく組み立てです。
パーツ点数は少なく、組み立ては順調と思いきや、パーツの噛み合わせが硬く、ダボを削ぎ落とす必要があったり、逆にパーツの噛み合わせが緩過ぎる脚部後部の箇所がありました。
そのほかにに腰部の動力パイプはパーティングラインが目立つためにしっかりヤスっておく必要があり、スミ入れもここは先に進めておきます。
また、特筆すべきは脚部下部の意味不明な羽根です。ここはデザイン的にも必然性がなく、組み付け箇所が不明(?)なのです。やむなく瞬間接着剤で固定させました。

5.スミ入れ&マーキング

マラサイ

全塗装の発色が非常に良く、光沢塗装も考えましたが、他のMSとの統一性も考えていつも通りスミ入れ、マーキングをしたらつや消しを吹きます。

  1. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。
    さらに「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」を併用し、シャープなラインが欲しい箇所はコピック マルチライナー<ブラック>0.03mmで補完します。
  2. 手持のジャンク水転写式デカールを控えめに貼ります。スペースの大きい箇所はティターンズのエンブレムを貼り付けます。
  3. GSIクレオス 「Mr.マークセッター」を塗布してデカールを馴染ませて、綿棒で水分を拭き取ります。
  4. 乾燥後、GSIクレオス 「Mr.マークソフター」を塗布して綿棒で水分を拭き取ります。
  5. モノアイをマスキングして「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。

6.ディテールアップ

マラサイ

定番の鋭利なパーツのシャープ化やクリアーパーツの置き換えに加えて動力パイプのメタリック塗装や装甲裏の塗装を行います。
また、なかなか把握が難しいイロプラ漏れ(腕部装甲モールド、スカート基軸パーツの一部、脚部丸モールド内側、足の甲)の検証も必要です。

  1. 頭部アンテナとスパイクのシャープ化。
  2. 付属のシール化されているモノアイレールとノーズの箇所→フラットブラック
  3. モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のグリーン3.5mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープ(シルバー)を貼り付け、輝きを増して、ピンバイスで穴を開けたモノアイレールにはめ込みます。
    さらにモノアイシールドとしてランナーが入っている透明の袋を切り取り、両面テープで両サイドから貼り付けます。
  4. ビーム・ライフルのスコープにウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリア3.0mmの裏面に100円ショップ大創の装飾テープ(ピンク)を貼り付け、輝きを増します。
  5. 腕部装甲モールド→オレンジ
  6. スカート前後を左右分割して可動域を拡大します。
  7. スカート基軸パーツの一部→サーフェイサー(ホワイト)+イタリアンレッド
  8. スラスター、ビーム・ライフルの動力パイプ→メタリックレッド
  9. 動力パイプ→ガンダムマーカー<ガンダムメタグリーン>
  10. 頭部ヘルメット・肩アーマー・腕部・スカート・脚部装甲裏→フラットブラック
  11. 脚部丸モールド内側→レッド
  12. 脚部関節上部装甲、足の甲→ジャーマングレイ
  13. ノーズのダクト、足裏モールド→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>

7.仕上がり

マラサイ
  1. モノアイのマスキングを外し、つや消しから除外した唯一のグリーンのホイルシールをバックパックのセンサーに貼り付けます。
  2. ビーム・サーベルのクリアーパーツを組み付けます。
  3. このキット、なんと股間部にアクションベース用のマウント穴がないのです。
    宇宙戦のイメージが強いMSのため、仁王立ちよりポージングが取れるようにピンバイスで3.0mm穴を開けて100円ショップキャンドゥで購入した山田化学(株)「ディスプレイスタンド」に取り付けます。
  4. すべてのパーツを組み上げ、武装を持たせたら、いよいよ完成!

製作後記

組み上げてみると予想外のスタイリングで、ダースベイダーもしくはサザビーを思い起こさせるヘルメット、長くシャープなブレードアンテナはシャアザクよりもカッコ良く見え、ザク系MSの後継機としても独特なフォルムです。さらに折りたたみ式のシールドは「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」のギラ・ドーガや「機動戦士ユニコーンガンダム」のギラ・ズールにも繋がっているようにも感じます。
製作過程の後半完成まで何度もパーツの取り外しを繰り返しましたが、ポロリもなく安定してポーズをとることが出来ます。もともとあまり思入れもなく購入したキットですが、動力パイプをメタリックに塗装し、装甲裏までディテールアップを施し、思い切って装甲を全塗装にしたおかげで素晴らしい発色に仕上がりました。これをきっかけに「機動戦士Zガンダム」のHGキットにも積極的に手を出していきたいと思います。

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