1/144 バンダイ HG RX-139 ハンブラビ

ヤザン「あ、あの光バリアなのか!?」
2024.1製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★

パプテマス・シロッコが設計にも関与したハンブラビはムーバブル・フレームとマグネット・コーティング技術の採用でMS形態からエイのようなMA形態への変形を0.5秒で完了するなど人体の模倣では不可能な戦闘を展開し、Zガンダムをはじめエゥーゴの新鋭機を苦しめました。
背部ビーム・ライフルやフェダーイン・ライフルのほか海へびやテールランスなど独特な武装を持つハンブラビは、高い技能と戦闘センスが求められ、それを乗りこなせたのが野獣のような男ヤザンでした。
グリプス戦役終盤グリプス2=コロニーレーザーを巡る乱戦の中、カツ・コバヤシが搭乗するGディフェンサーのコアファイターを撃墜し、ヘンケン艦長のラーディッシュを葬り去ったハンブラビは、最後の死闘でZガンダムの放つ巨大化したビーム・サーベルによって切り裂かれ、機体の中心からは脱出ポッドが・・・。

Photo Gallery


製作過程

エイのようなMA形態のイメージが強いハンブラビは人型MSとは全く異なるスタイルでなかなか購入意欲は湧きませんでした。一時期検討したキットとしては「MOBILE SUIT IN ACTION!!」まで遡ります。
このキットもコロナ渦のガンプラブームの再燃と再販情報の収集に注力するようになって手を出し始めたキットの一つでもあります。再販キットの中でも「機動戦士Zガンダム」のキットの人気は根強く、ガンダムベース福岡で開店前に並んでマラサイとともに入手したキットです。
既に製作済みのアーガマ カタパルトデッキのジオラマにこのハンブラビも加えたいと思います。

 

1.イメージ

ハンブラビ
  1. 箱を開けた第一印象はパーツ点数の少なさです。ゲート処理や組み立てに時間は掛からなさそうに見えますが・・・。
  2. MA(モビルアーマー)形態への変形機構が独特なためにパーツの合わせ目消しは組み立てながら検証して作業を進めるイレギュラーな手順にチャレンジしてみます。
  3. 今回は基本装甲をイロプラを生かすものの、金属感を強調するメタリック塗装を適宜対応してディテールアップします。
  4. 装甲裏を塗装して重量感をアップさせます。
  5. 手持のジャンク水転写式デカールで情報量をアップさせます。

2.後ハメ加工

ハンブラビ

まずは簡単な後ハメ加工からスタートです。いずれも動力パイプの接続箇所です。

  • 膝部のパーツの合わせ目消しのために動力パイプ側に後ハメ加工を行います。
    取扱説明書で「※切り取らないように注意。」と書かれている部分をあえてカットし、接着対応とします。
  • 背部ビーム・ライフルの合わせ目消しのために背部ビーム・ライフル側の動力パイプの差し込み口を一部削り落とすことで、動力パイプを差し込めるように後ハメ加工を行います。

3.ディテールアップ1

ハンブラビ

製作過程の早い段階からディテールアップを始めます。ここではパーツの合わせ目消し前や組み立て前にやっておくべきディテールアップ1として塗装を進めます。
取扱説明書の1項目から判断を求められます。まず、頭部基軸パーツに装甲色のシールを貼る指示があります。ここは塗装するか迷いましたが、塗装した場合の発色の懸念もあり、付属シールを貼ってみたところパーツに馴染んでくれたために塗装は回避することにしました。
さらに組み立て後に作業が困難になるモノアイや装甲裏の塗装などを先に処理することにします。

  • 頭部パーツに取扱説明書の指示どおりブルーのシールを貼り、モノアイレールをフラットブラックで塗装します。
  • モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のピンク2.2mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープ(シルバー)を貼り付けます。
    モノアイは顔面、両肩、後頭部の5個必要とし、「H・アイズ」のサイズも2.2mmと過去最多かつ最小のサイズです。顔面と後頭部3個のモノアイのみ組み立て後の取り付けが困難なために先に取り付けて残りの両肩2個は完成直前に取り付けます。なお、ハンブラビのモノアイは十字が入っているため、コピック マルチライナー<ブラック>0.03mmで十字を描きます。
  • 肩部・腕部・脚部装甲裏→フラットブラック

4.パーツの合わせ目消し1

ハンブラビ

脚部のパーツの合わせ目消しは2段階に分けて作業を行います。
腕部についてはここでは肩部基軸パーツのみパーツの合わせ目消しを行い、腕部は組み立て工程中に回してこちらも2段階に分けて作業を行います。

  1. パーツの合わせ目消しを行う対象箇所は後ハメ加工した膝部、背部ビーム・ライフルに肩部、肩部基軸パーツ、膝部、脚部装甲、足裏、背部ビーム・ライフル、フェンダーイン・ライフルとします。
    脚部は膝部を先に処理し、脚部装甲を取り付けてさらにパーツの合わせ目消しを行うという2段階の手順で作業を進めます。
    頭部?上半身?の合わせ目は段落ちモールドと解釈して段落ちの彫り込みなど手を加えないことにします。
  2. タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、大型クリップで挟み込んで2、3日硬化を待ちます。
    脚部装甲は合わせ目のモールドが深く、ランナーパテを作ってさらに上塗りし、アルテコ「瞬間接着剤用硬化促進剤 スプレープライマー」を吹いて硬化の時短を図ります。
  3. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. 部位によってはデザインナイフによる削り込みも効果的でした。
  5. 塗装するパーツは色味に応じてサーフェイサーを吹きます。
    背部ビーム・ライフル、肩部基軸パーツ、→サーフェイサー(ホワイト)
    背部ビーム・ライフル、足、フェンダーイン・ライフル→サーフェイサー(グレイ)

5.塗装

ハンブラビ

ディテールアップ塗装が先行しましたが、ここでは基本塗装に取り掛かります。
白いパーツはあまりに白過ぎるため、グレーを入れたカラーに塗装し、その他は定番の塗装を行います。
また、背部ビーム・ライフルとフェンダーイン・ライフルはMr.カラーとタミヤで差別化します。

  • ハンドパーツ、基軸パーツ→灰色9号
  • 背部ビーム・ライフル→ジャーマングレイ
  • フェンダーイン・ライフル、アクションベース接続パーツ→ジャーマングレー

6.組み立て&パーツの合わせ目消し2

ハンブラビ

これまでガンプラの製作手順を変えて組み立てながらパーツの合わせ目消しを検証して作業を進めています。仮組みを行わずに組み立てを進めているために少しずつ完成イメージが見えてきます。パーツのフィット感に特に問題はありませんでした。
パーツの合わせ目消しについて脚部は膝部を先に処理し、脚部装甲を組み付け後にさらにパーツの合わせ目消しを行いましたが、これと同様に腕部も組み付け後にパーツの合わせ目消しを行う2段階の工程を踏みます。

  1. パーツの合わせ目消しの硬化待ちの間に組み立てを進めます。
    MA(モビルアーマー)形態への変形機構のための複雑な構造がこれまでガンプラの製作手順を変化させました。仮組みを行わずに組み立てを進めているために少しずつ完成イメージが見えてきます。
    パーツのフィット感に特に問題はありませんでした。
  2. パーツの合わせ目消しを終えた肩部基軸パーツを腕部パーツに組み付けますが、ここで2段階目のパーツの合わせ目消しを行います。このパーツの組み付けはよく取扱説明書を読む必要があり、時間を要しました。
  3. ここではパーツの合わせ目消し1でも使用したランナーパテをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、大型クリップで挟み込んでアルテコ「瞬間接着剤用硬化促進剤 スプレープライマー」を吹いて硬化の時短を図ります。
  4. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  5. デザインナイフによる削り込みも効果的でした。
  6. 腕部の装甲裏は一部パーツの合わせ目消しが終わらないと塗装出来ないためにこの段階でフラットブラックで塗装します。

7.ディテールアップ2

ハンブラビ

ここではパーツの合わせ目消しと組み立て後に行う工程をディテールアップ2として進めます。

  • 肩部のモノアイレール(付属シール箇所を塗装)、胸部基軸パーツ側面、肩部基軸パーツの内側モールド
    →ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • 股間基軸パーツ、膝関節、足→レーシングブルー
  • 動力パイプ、肩部基軸パーツの動力パイプ→ガンダムマーカー<ガンダムメタグリーン>
    動力パイプはパーティングラインが目立つためにしっかりヤスっておく必要があります。
  • ハンドパーツの手の甲→スカイブルー

8.スミ入れ&マーキング

ハンブラビ
  1. クラック防止のためにスミ入れ前にモノアイをマスキングして「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。
  2. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。
    「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」やシャープなラインが欲しい箇所はシャーペンで補完します。
  3. 足関節の付属の白いマーキングシールは塗装にこだわらずに貼ることにします。
  4. その他の丸モールドはジャンクホイルシールで埋めます。
  5. 手持のジャンク水転写式デカールを控えめに貼りますが、なるべく小さめのデカールでMSの巨大感を強調出来るように意識します。
  6. GSIクレオス 「Mr.マークセッター」を塗布してデカールを馴染ませて、綿棒で水分を拭き取ります。
  7. 乾燥後、GSIクレオス 「Mr.マークソフター」を塗布して綿棒で水分を拭き取ります。
  8. 2回目の「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。
  9. モノアイのマスキングを外します。

9.仕上がり

ハンブラビ
  1. つや消しから除外しておいた動力パイプと両肩のモノアイ2個を瞬間接着剤で取り付けます。
  2. リード線が付いた海ヘビ武装を装備します。
  3. 今回は変形が容易で、破損リスクが少ないためにMA形態に変形して撮影に臨みます。
  4. 100円ショップキャンドゥで購入した山田化学(株)「ディスプレイスタンド」に取り付けます。
  5. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!・・・と思いきや、Gallery用の撮影中に右股関節のパーツがポキッと折れました。真鍮線でなんとか修復しました。(涙)

製作後記

仮組みを行わず、完成後に全体のシルエットを見た感想は意外にシャープだったことでした。頭部は確かにエイのような異形ですが、全体としてはやっぱり人型MSなんだと感じます。
今回チャレンジした組み立てながら2段階の工程でパーツの合わせ目消しを行う作業はなかなか難易度の高いものでした。マーキングは当初抑え気味の点数で行う予定でしたが、合わせ目の隠ぺいのためにやや多めの点数となりました。
また、異例の5個配置したモノアイはモノアイレールの影に沈んで思うような輝きを得ることは出来ませんでした。
一方、平面が多い機体のため、メタリック塗装やマーキング、丸モールドへのホイルシールなどによって、かなり情報量をアップさせることが出来たと思いますし、背部ビーム・ライフルとフェンダーイン・ライフルをジャーマングレイとジャーマングレーに塗り分けた判断も正解だったと思います。

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