1/144 バンダイ HG REVIVE AMX-004 キュベレイ

ハマ-ン「こんな所で朽ち果てる己の身を呪うがいい!」
2023.11 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★☆☆

キュベレイはグリプス戦役の最終局面であるメールシュトローム作戦とコロニーレーザー〈グリプス2〉を巡る戦いでアクシズのニュータイプ専用試作MSとして登場しました。
旧ジオン公国軍のニュータイプ専用試作機であるMAN-08 エルメスの小型化をコンセプトに、アクシズによって開発され、背面には「LMES2」とも刻印されています。サイコミュ・システムとビットの小型化にファンネルとして開発に成功したキュベレイはアクシズの摂政ハマーン・カーンの高いニュータイプ能力とも相まってその戦闘力を発揮しました。
コロニーレーザー内部のZガンダム、ジオとの3機の交戦では優位に戦いを進めてZガンダムを追い詰めました。また、劇中終盤の廃棄された艦艇の中の戦闘でクワトロが搭乗する百式を複数のファンネルによるオールレンジ攻撃を浴びせ、大破させました。

Photo Gallery


製作過程

機動戦士Zガンダムに登場するMSの中でも異彩なデザインを放つキュベレイは意外にもこれまで製作したことがありませんでした。
その理由としてはRGの発売を期待しながら待ち続けていたこと、そして2002年発売の「MS IN ACTION」の完成品としてのクオリティーが高く、鮮やかなパールホワイトに満足していたためでもあります。そのほかにはメールシュトローム作戦をイメージ出来る2007年発売のFW (フュージョン・ワークス)のキュベレイを所有しています。
コロナ渦が落ち着いた2023年秋の段階ではリバイブ版キュベレイは家電量販店でもかなり入手しやすくなっていますが、今回製作したこのキット購入時期は2022年11月のまだまだ転売ヤーが横行していた時期で、ガンダムベース福岡に開店前並ぶことは出来なかったものの、再販日になんとか購入することが出来ました。
果たして完成品である「MS IN ACTION」のクオリティーを超えて製作することが出来るでしょうか。そして、同時期に製作したジ・Oと既に製作済の百式を組み合わせて最終話のコロニーレーザー内での死闘をジオラマで再現したいと思います。

 

1.イメージ

キュベレイ

箱を開けた印象はフレキシブル・ショルダーバインダーの巨大さが箱を大きくしているものの、パーツ点数は少なくて作り易さそうなキットという印象です。ピンクのパーツの質感も良く、イロプラを充分生かせます。
一方でホワイトの機体色は素組みの完成品を見ると白過ぎておもちゃ感を感じます。ここがこのキットの製作ポイントになります。

  1. 装甲色は初めてパールホワイトで塗装して光沢塗装とし、基軸パーツのつや消し塗装との対比を表現します。
  2. 上記を実践をするために仮組みの省略に加え、組み立て工程を従来の手順と変えて作業を進めます。
  3. 装甲裏面をセミグロスブラックで塗装して質感と重量感をアップします。
  4. わずかながらもパーツの合わせ目消を行います。
  5. RG風のマーキングで大きな装甲の情報量をやや控え目にアップさせます。
  6. 最終話のコロニーレーザー内での死闘をジオラマで再現します。

2.塗装1

キュベレイ
  • フレキシブル・ショルダーバインダーの装甲表面をマスキングし、装甲裏面をセミグロスブラックで塗装します。
    取扱説明書の完成見本では装甲裏面はピンクとされていますが、劇中の画像に沿ってここはブラックとします。
  • 頭部裏面、ハンドパーツ、基軸パーツ→ジャーマングレイ
  • モノアイレール→マットブラック
  • フレキシブル・ショルダーバインダー裏面・腰部の基軸パーツ→ガンメタル

3.パーツの合わせ目消し

キュベレイ
  1. 本キットでは段落ちモールドで対応出来る合わせ目が多く、数少ないパーツの合わせ目消しは腕部の装甲と基軸パーツで、先にパーツを組み付けてからマスキングしてパーツの合わせ目消しを行います。
  2. タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、大型クリップで挟み込んで2、3日硬化を待ちます。
  3. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. 腕部の装甲はサーフェイサー(ホワイト)を吹いておきます。
  5. 腕部の基軸パーツはパーツの合わせ目消しの処理後、マスキングをしてジャーマングレイで塗装します。

4.スミ入れ

キュベレイ

今回装甲はパールホワイトに光沢塗装、それ以外はすべてつや消しとするために組み立ては最終工程という手順にします。

  1. 装甲と基軸パーツ以外のパーツは作業効率を考えてランナーのまま「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングし、クラックを防止します。
  2. ランナーのまま「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。
    さらに必要に応じて「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で補完します。
  3. ここで対象パーツをランナーから切り離し、ゲート処理を行います。
  4. 2回目の「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹き、最終的なコーティングとします。
  5. 装甲と基軸パーツ以外で既に塗装済みのパーツについても同様の手順でスミ入れとコーティングを行います。

5.塗装2&マーキング(装甲パーツ)

キュベレイ

装甲色のパールホワイトの質感を上げることと、重量感を持たせるために下地塗装としてシルバーリーフを吹いてからパールホワイトを吹きます。これはRG MSN-04FF サザビー製作時にも使った手法で、このキュベレイにも応用します。

  1. 塗装1でセミグロスブラックに塗装した装甲裏面をマスキングします。
  2. 下地塗装として装甲表面にシルバーリーフを吹きます。
  3. 乾燥後、パールホワイトをしっかり目に吹きます。
  4. 「コピック マルチライナー【ブラック】0.03mm」で適宜スミ入れを行います。
    さらに必要に応じて「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で補完します。
  5. 手持ちジャンクのリアリスティックデカールをやや控え目に貼り付けます。
  6. 「GSIクレオス Mr.スーパークリアー 光沢」をしっかり目に吹きます。

6.塗装2&マーキング(基軸パーツ)

キュベレイ

光沢塗装とつや消し塗装の対比を表現するために基軸パーツを組み上げ、つや消しでコーティングします。
完成見本ではかかとはジャーマングレイに塗装されていますが、劇中の画像を検証するとピンクのままのため、イロプラのままとします。

  1. 塗装1で塗装した基軸パーツを中心に装甲パーツ以外を組み付けます。
  2. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。
    さらに必要に応じて「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で補完します。
  3. 手持ちでジャンクのリアリスティックデカールをやや抑えめに貼り付けます。
  4. 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

7.ディテールアップ

キュベレイ
  • 頭部のあご先端をヤスってシャープ化します。
  • 平手のハンドパーツが親指以外一体化しているために4本の指をそれぞれ切り落として独立可動させます。
  • モノアイはHIQ PARTSのVICドームのレッド2.0mmを使用し、モノアイレールを彫り込んで瞬間接着剤で取り付けます。
  • 胸部ダクト、フレキシブル・ショルダーバインダー裏面基軸パーツ→ガンメタル
  • フレキシブル・ショルダーバインダー裏面基軸パーツのパイプ→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • フレキシブル・ショルダーバインダー左肩のゴールドのジオンマークは「MG MS-06R 高機動型ザク "サイコ・ザク" Ver.Ka (GUNDAM THUNDERBOLT版)」を使用しました。これは発売当時、鏡面仕様のマーキングを施すことができるプレミアムデカールを同梱するキャンペーン「MG Ver.Ka プレミアムデカールキャンペーン」で入手したもので、パールホワイトの装甲色にマッチしました。

8.組み立て

キュベレイ

最終工程でようやく組み立てです.

  1. 各パーツを組み付けます。
  2. この段階で塗装漏れ・デカール漏れ・スミ入れ漏れを補完します。

9.ジオラマベース1

キュベレイ

最終話のコロニーレーザー内でのジオラマ構想はFW (フュージョン・ワークス)の完成品キットで製作する構想を持っていましたが、先送りしている中でHGのキュベレイとジ・Oを製作したことから、ついにジオラマとして製作することになりました。

  1. ジオラマの製作ポイントは
    ①シリンダー底部に真空管を巨大化させた形状のレーザー発生装置をどのように再現するか。
    ②「キュベレイ用 ファンネルエフェクトセット」を持たないためにファンネルをどう取り付けるか。
    ③ジ・O、百式と合わせてどう配置するか。
    ④アクションベースの活用。
    ⑤エフェクトパーツの活用。
  2. まずはアクションベースでキュベレイ、ジ・O、百式の配置とポーズを決めます。
  3. 手持ちのアクションベースのジャンクパーツを組み合わせ、真鍮線を使ってファンネルを取り付けます。
  4. 100ショップ大創の「カラーボード(ブラック)」を285mm×285mmにカットし、その中に同じ厚さのアクションベースを埋め込めるようにカットし、ジオラマベースをいったん平面にします。
  5. アクションベースを隠すために二層構造のジオラマベースにします。
    100ショップ大創の「貼れるボード」を285mm×285mmにカットし、モールドをボールペンで彫り込み、アクションベースの支柱を差し込めるように穴を開けます。
  6. 100ショップ大創の「スプラッシュ水鉄砲」をコロニーレーザー内のレーザー発生装置の真空管として改造します。
    (左上画像は塗装前の状態)

10.ジオラマベース2

キュベレイ

ジオラマベースの塗装→レーザー発生装置の製作→MSの取り付け→エフェクトパーツの取り付けへと作業を進めます。

  1. 上層のボードにサーフェイサー(グレー)を吹き、ベースサイドをつや消しブラックで塗装します。
  2. さらに「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、タミヤ「ウェザリングマスターセットB、C」を使ってジオラマベースのみウェザリング仕様にします。
  3. 二層構造にする2枚のボードを貼り付けます。
  4. 「スプラッシュ水鉄砲」をホームセンターで購入した未来工業(株)(MIRAI)「 コンビネーションカップリンGタイプ(CDVE-28G)」という電設資材に差し込むことによってレーザー発生装置に見立てます。電設資材の表面の漢字とカタカナをヤスって消します。
    真空管にあたるクリアーイエロー部分をマスキングして、それ以外のパーツをガンメタルで塗装します。
  5. 塗装が完了したらホームセンターで購入した赤と緑の電気配線を差し込み、劇中のレーザー発生装置を再現します。
  6. 製作したレーザー発生装置の底辺の接地面を増やすために電設資材内部に発泡スチロールを挿入し、超強力タイプの両面テープでジオラマベースに取り付けます。
  7. ジオラマベースにアクションベースの支柱を取り付けます。
  8. 支柱の穴を隠すために100円ショップセリアで購入した「戦闘エフェクト(赤)」を配置し、オレンジを吹いた手芸用わたを中心に取り付けて炎を表現します。
  9. ここでレーザー発生装置の1基の上部にジャンクパーツで製作したファンネルを取り付け、クリアーイエローの延ばしランナーをビームとして取り付けることにしました。
  10. ジオラマベースをHOBBY BASEのモデルカバースクエア(特大)に乗せます。

11.仕上がり

キュベレイ
  1. キュベレイ、ジ・O、百式を配置します。
  2. キュベレイの左手首のビーム・サーベルにROBOT魂「機動戦士ガンダム[SIDE MS]エフェクトパーツセット2 ver. A.N.I.M.E.」からエフェクトパーツを取り付けます。
  3. 劇中のコロニーレーザー〈グリプス2〉の画像を加工してA3サイズでカラー印刷します。
    100円ショップ 大創「貼れるボード(450mm×300mm×厚さ5mm)」を287mm×432mm×厚さ5mmにカットして、プリントした画像を貼り付けて背景パネルとします。
  4. L字アングル(透明)を背景パネルの固定用パーツとしてふたに貼り付けます。
  5. クリアカバーと背景パネルを取り付け、ふたをしたらいよいよ完成!

製作後記

「MS IN ACTION」のキュベレイのクオリティーを超えられるか!それがこのキットの課題でした。
初めて使用するパールホワイトはシルバーリーフを下地塗装にして金属感をアップしました。実はパールホワイトを吹いた後は下地のシルバーが強く浮き出て、これは失敗したかと思いましたが、「GSIクレオス Mr.スーパークリアー 光沢」を吹いた後にパールホワイトがよみがえりました。
また、その対比として「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いたフレキシブル・ショルダーバインダー裏面とパイプの金属感がさらにパールホワイトを引き立たせてくれました。目標としていたおもちゃ感の排除にも成功したと言えます。
反省点としてはマーキングを手持ちのジャンクのリアリスティックデカールで済ませたことがあります。もともとマーキングは控えめにするつもりではいましたが、ジャンクのリアリスティックデカールの残りがわずかで適材適所とはいかなかったことが悔やまれます。しかし、ワンポントの鏡面仕様のゴールドのジオンマークはいいアクセントとなりました。
ジオラマベースは100ショップ大創の「スプラッシュ水鉄砲」と電設資材でコロニーレーザー内のレーザー発生装置を製作するというアイデアをイメージどおりに完成させることが出来ました。さすがにMS3体をセットすると窮屈になってしまいましたが、機動戦士Zガンダムの印象的なシーンを長い構想期間を経てここに再現させることが出来ました。

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