1/144 バンダイ HG PMX-003 ジ・オ(THE-O)

シロッコ「ジオ・・・動け! ジオ!なぜ動かん!」
2023.11製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★

「機動戦士Zガンダム」第46話で登場したジ・オ(THE-O)は木星エネルギー輸送艦ジュピトリスの艦長であるパプテマス・シロッコが設計・開発したワンオフ機です。型式のPMXはP(パプテマス製)、M(MS)、X(試作機)の意で、メッサーラ→パラス・アテネから3番目の機体がジ・Oで、ボリノーク・サマーンへと続きます。
脚部の構造は他のMSとは大きく異なり、腰部前面装甲には接近戦に対応した隠し腕を装備しています。また、背部の巨大なバーニアスラスターに加えて50基にも及ぶスラスターを各所に配置し、見た目に似合わない機動性と加速性を発揮しました。
エゥーゴ・ティターンズ・アクシズによる三つ巴の戦いの中、ニュータイプとして高い資質を有していたパプテマス・シロッコですが、エゥーゴのコロニーレーザーの発射によって戦局は大きく変わり、戦死した人々の思念とともにウェイブライダー形態のΖガンダムで特攻したカミーユがジ・Oのコックピットを直撃し、コロニーレーザーの閃光とともにジ・Oは消滅したのです。

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製作過程

ジ・Oは機動戦士Zガンダムの終盤に登場するラスボス的MSですが、その独特なフォルムはあまり欲しいキットではありませんでした。
ジ・Oはメールシュトローム作戦を再現できるFW (フュージョン・ワークス)のキュベレイ、Zガンダムとともに所有していますが、実際にはZガンダムを外して同シリーズの百式と組み合わせて、最終話のコロニーレーザー内での死闘をイメージしてディスプレイしています。
マッシブな機体は好きではありますが、ガンダムベース福岡で素組みの完成品を見た感想は強さを感じない機体色、モールドの少ない間延びした装甲、パーツの合わせ目が目立つ・・・などなどあまり魅かれることはありませんでした。しかし、ガンプラモデラーの中では根強い人気があり、入手困難キットで2023年10月再販日にガンダムベース福岡に開店前から並ぶ機会があったことから、食わず嫌いにならずに購入することにしました。
果たして購入前の懸念事項をクリアーして完成させることが出来るでしょうか。

 

1.イメージ

ジ・オ(THE-O)
  1. 明るいクリームイエローのような機体色は缶スプレー派の私にとって同じカラーを見つけることが難しく、パーツの合わせ目消し後の塗装が可能かどうかが課題になります。
  2. 後ハメ加工とパーツの合わせ目消しの箇所をしっかりと検証して作業を進めます。
  3. 基軸パーツの色数のバリエーションを増やします。
  4. スカート裏を塗装して質感をアップします。
  5. スラスターのグリーンを中心にイロプラ漏れを追加塗装します。
  6. RG風のマーキングで情報量をアップさせます。

2.後ハメ加工

ジ・オ(THE-O)
  • 後ハメ加工を行う対象箇所は頭部、脚部、ビーム・ライフルの動力パイプのつなぎ目です。
  • 仮組みをしっかり行い、後ハメ加工につなげます。

3.パーツの合わせ目消し

ジ・オ(THE-O)
  1. パーツの合わせ目消しを行う対象箇所は後ハメ加工した頭部に肩部、腕部、膝部、胸部の曲面部、脚部基軸パーツ、ビーム・ライフルとします。
  2. タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、大型クリップで挟み込んで2、3日硬化を待ちます。
  3. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. 今回デザインナイフで削り込みを試みましたが、想像以上の仕上がりになりました。
    この結果、今回の課題でもあった機体色は当初サーフェイサーを吹いてMr.カラーのダークイエローでの塗装を予定していましたが、パーツの合わせ目消しが上手くいったため、イロプラをそのまま生かすことにしました。
  5. ただし、腕部の赤い動力パイプのパーツは一部機体色のクリームイエローに塗装する必要があります。
    サーフェイサー(ホワイト)を吹いた後にフラットホワイト+レモンイエローで調色して筆塗りします。
  6. 基軸パーツのみサーフェイサー(グレー)の下地を吹いてパーツの合わせ目を隠蔽しておきます。

4.塗装

ジ・オ(THE-O)
  • モノアイレール→セミグロスブラック
  • 動力パイプ→メタリックレッド
  • ハンドパーツ、腕の基軸パーツ→ジャーマングレイ
  • 脚部、腰部の基軸パーツ→ガンメタル

5.ディテールアップ

ジ・オ(THE-O)

本キットの製作課題としてイロプラ漏れへの対応があり、取扱説明書やWeb、劇中の画像を検証して塗装を進める必要があります。
特にスラスターは数も多く、外付けパーツと装甲に一体化したパーツがあり、サーフェイサー(ホワイト)で発色を上げてパークグリーンを吹いた後、マスキングしてネービーブルーで外側を塗装、ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>で内側底辺を・・・と小さなパーツですが作業工程が多くて大変でした。
また、基軸パーツを中心に色数や金属感を増やしてリアリティーを高め、ビーム・ライフルの本体色はイロプラを生かします。

  • モノアイはHIQ PARTSのVICドームのレッド2.0mmを使用し、モノアイレールを彫り込んで瞬間接着剤で取り付けます。
  • スラスター内側、胸部・肩部・腕部・バックパック・リアスカートの各ダクト→サーフェイサー(ホワイト)+パークグリーン
  • スラスター外側、頭部パーツ、腹部パーツ→ネイビーブルー
  • スラスター内側底面、足裏のモールド→ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>
  • ビーム・ソード持ち手、スカート裏のモールドの一部→フラットホワイト+レモンイエロー
  • スカート前部丸モールド、足裏のモールド→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • スカート裏、腰部モールド、脚部装甲モールド、隠し腕動力パイプ周辺→ジャーマングレイ
  • 頭部バルカン、スカート裏パイプ・丸モールド→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • 隠し腕の動力パイプ→メタリックレッド
  • ビーム・ライフルの動力パイプ→ゴールド

6.組み立て

ジ・オ(THE-O)

ディテールアップ塗装まで完了したらモノアイをマスキングしてスミ入れ前にクラック防止のために1回目のコーティングをしておきます。
今回は仮組みをせずに作業を進めてきたため、ここで初めて機体の全貌が見れました。サイズ的には明らかにMGの巨大感です。
しかし、装甲のモールドが少なく、ツルツル感は否めません。上級モデラーならばここでスジ彫りの追加をするところですが、曲面の多い機体でスキルに自信のない私は見送ることにしました。以前から考えているスジボリ堂「BMCタガネ 幅0.15mm」が入手出来たら挑戦したいですが、高価過ぎて手が出ません。

7.スミ入れ&マーキング

ジ・オ(THE-O)
  1. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。
    「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」やシャープなラインが欲しい箇所はシャーペンで補完します。
  2. わずかな付属のマーキングシールを貼ります。
  3. 「1/144 バンダイ RG RX-178 ガンダムMk-Ⅱ〔ティターンズ仕様〕」をメインにジャンクのリアリスティックデカールを貼ってRG風のマーキングで情報量をアップさせます。
  4. 2回目の「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。
  5. モノアイのマスキングを外します。

8.仕上がり

ジ・オ(THE-O)
  1. このキット、なんと股間部にアクションベース用のマウント穴がないのです。
    それはそれでデザイン的に良いわけで、仁王立ちや踏ん張ったポージングがメインになります。
  2. すべてのパーツを組み上げ、隠し腕も含めて4本のビーム・ソードを持たせたら、いよいよ完成!

製作後記

このキットは後ハメ加工、パーツの合わせ目消し、イロプラ漏れの追加塗装などHGならではの基本的なガンプラ製作スキルが問われるキットです。久しぶりに大きなミスもなく順調に製作が進み、楽しみながら完成したキットです。
機動戦士Zガンダムは最も好きなガンダムシリーズですが、その中でもジ・Oは全く興味のないMSでした。しかし、完成してみると可動範囲は少ないものの、MG並みのサイズにマッシブなスタイルと重量感で大満足な仕上がりとなりました。
イメージ段階ではエアブラシを持たない私にとってイロプラの成形色に合わせた缶スプレーを見つけることが出来ず、ダークイエローでの塗装を考えていました。しかし、パーツの合わせ目消しが思ったより上手く仕上がったため、装甲パーツにサーフェイサーを吹いてから全塗装をする必要がなくなり、イロプラを生かすことが出来たのです。これは予定外の軌道修正でした。
同時期に製作したキュベレイと既に製作済の百式を組み合わせて最終話のコロニーレーザー内での死闘をジオラマベースで再現したいと思います。
 → 機動戦士Zガンダム >HG REVIVE AMX-004 キュベレイを参照

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