1/144 バンダイ HG RX-121-3C ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ]

 
2020.8 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★★

ガンダムTR-1[ハイゼンスレイ]はTR-1のバリエーションの中で唯一「ヘイズル」の名を冠さない形態で、型式番号には3Cという別ナンバーが与えられています。TR-6の中核ユニットとして開発されたこの機体は各種強化パーツやユニットなど、兵器システムとの接続が可能でしたが、TR-6が破壊されたこともあり、実際に生産・運用されることはなかったのです。

この機体は[ヘイズル・アウスラ]を素体に、ハイゼンスレイIIの上半身強化パーツをドッキングさせ、ヘッドユニットはオプションの専用タイプに換装され、フロントアーマーにはウーンドウォートの上半身をサブアーム・ユニットIIとして装備しています。携行武器はコンポジット・シールド・ブースターを1基装備しており、TR-6とのドッキングにより[ハイゼンスレイ]の上半身はジム・クゥエルからほぼ完全に一新された別の機体とも言え、グリプス戦役においてもその戦闘力を発揮したのです。

「ハイゼンスレイ」は命名法則の分類上、ガンダムTR-1に装備したタイプを[ハイゼンスレイ]、ガンダムTR-6に装備したタイプを[ハイゼンスレイⅡ]と呼ばれています。

Photo Gallery


製作過程

前作の「ヘイズル改」に比べると上半身を中心にシルエットを変える外装およびオプションパーツが新規造形で再現されています。
さらに頭部、胸部、肩部、オプション部など、TR-1[ハイゼンスレイ]のフォルム、ディテールを追及しています。関節パーツの一部をアップデートし、ダイナミックなポージングにも対応。最適化されたギミック、オプションを採用して印象的な長砲身のコンポジット・シールド・ブースターもTR-1[ハイゼンスレイ]用に再現されています。
残念な点としては前作のTR-1[ヘイズル改]の取扱説明書は機体解説や世界観、完成見本の写真などかなり丁寧なものでしたが、今回はモノクロで機体解説もない粗雑なものでした。

1.イメージ
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

プレミアムバンダイから届いた箱を開けるとHGの箱とは思えない大きさです。部品点数はRG並みですが、パーツリストを見ると余剰パーツも異常に多いです。
早速取扱説明書とパーツを見比べながら塗装とディテールアップポイントを書き込みつつ、TR-1[ヘイズル改]の機体や取扱説明書を持ち出し、前作の経験を応用します。
今回もイロプラ漏れが多数あり、これらを見つけることから作業が始まりますが、前回同様丁寧なスミ入れ、ディテールアップ、RG風のマーキング、つや消しによる落ち着いた仕上がりを目指したいと思います。
このシリーズ「ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに」の機体はとにかく情報量が少なく、取扱説明書にもイラスト再現と書かれているくらいで、バンダイの商品ウェブサイトの画像が貴重な情報源となります。

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2.組み立て1&パーツの合わせ目消し
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

今回も基本塗装は基軸パーツのジャーマングレイのパーツのみとしますので、そのパーツから組み立てを開始します。
ビーム・ライフルはパーツの合わせ目消しが必要で、接着剤をたっぷり付けて硬化を3日以上待ってデザインナイフで削り込み、ペーパー掛け、サーフェイサーを吹いて乾燥後にジャーマングレイで塗装します。
また、今回頭部・腕部はランナーパテを作ってパーツの合わせ目消しを行いました。ランナーを細かくカットし、流し込み接着剤で一晩かけて溶かし、合わせ目に塗り付けて3日程硬化を待ち、ペーパー掛けを根気よく続けます。

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3.塗装
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

ジャーマングレイ以外のパーツは成型色を生かしますが、今回は前作の「ヘイズル改」製作時の取扱説明書に書き込んだデータを活用します。
組み立てながら、または塗装しながら新規パーツのイロプラ漏れを見つける作業が必要で、塗装ポイントを取扱説明書に随時書き込んでいきます。
基本塗装としては基軸パーツとポリキャップをジャーマングレイで塗装します。

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4.ディテールアップ1
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

 イロプラ漏れの補正塗装は以下の通りです。

  • ビーム・ライフル、可動式ブースター・ポッド一部 、ブレード→ジャーマングレイ
  • 指先、頬の内輪、胸部の内輪、肩部の内輪→サーフェイサー(ホワイト)+レッド
  • シールド・ブースターの一部→メタリックレッド
  • 胸部・肩部・足・シールド・ブースターのダクト、腹部のVマーク、バーニア内輪
    →サーフェイサー(ホワイト)+キャメルイエロー
  • 頬の外輪、胸部の外輪、肩部の外輪、足のダクト、ビーム・ライフル先端、
    シールドの一部→ガンメタル
  • バーニア外輪→シルバーリーフ
  • 後部スカートのモールド→フラットブラック+シルバーリーフ
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5.ディテールアップ2
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

 ディテールアップとしての追加塗装は以下の通りです。

  • 足裏バーニア、足の関節パイプ、肩部の一部、シールドのパイプ、ビーム・ライフル・スカート・足のリベット→シルバーリーフ
  • 足の関節部・スカート裏→ジャーマングレイ
    パーツの奥で筆塗りが困難な箇所はパソコンで製作したラベルシールで埋めました。
    ディテールアップとしての加工は以下の通りです。
  • ブレードアンテナのシャープ化。
  • 足の可動性向上のため、スカートを根元から分割。
  • 足のイエローパーツのダクト→ブラック(ラベルシール)
  • 可動式ブースター・ポッド、大腿部、コンポジット・シールド・ブースターの一部の赤いラインをジャンクシールで補います。
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6.組み立て2
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに

再び組み立てを始めます。
取扱説明書の中では組み立て中にホイルシールの貼り付けを指示してきますが、艶消し塗装の影響を受けないように後回しにします。

今回は製作前の塗装とディテールアップポイントをしっかり検証したつもりですが、それでも組み立て途中に追加塗装が頻発します。
組み立てが完了したら、パーツの各所にあるリベットのモールドを前作の「ヘイズル改」製作時のシルバーリーフから、よりアクセントを付けるためにガンメタルで筆塗りしました。

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7.スミ入れ&マーキング
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに
  1. 原色の濃いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で、白いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」でスミ入れを行います。
  2. 前作の「ヘイズル改」では水転写デカールでしたが、本キットではマーキングシールに変更されています。
  3. 前作の「ヘイズル改」同様部品注文した「1/144 バンダイ RG RX-178 ガンダムMk-Ⅱ〔エウーゴ仕様〕」のリアリスティックデカールをベースに、胸部は「1/144 バンダイ RG RX-178 ガンダムMk-Ⅱ〔ティターンズ仕様〕」をベースに貼り付け、RG風の贅沢なマーキングで仕上げます。
  4. 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてデカールをコーティングします。

 

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8.仕上がり
ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに
  1. つや消し前に後回しにしたホイルシールを貼り付けます。
    付属のホイルシールでは不足するビーム・ライフルのグリーンはジャンクシールで補います。
  2. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!
    前作の「ヘイズル改」との2ショットをご覧ください。
製作後記

今回は前作のTR-1[ヘイズル改]の経験を応用して機体や取扱説明書を持ち出し、製作前の塗装とディテールアップポイントをしっかり検証したつもりですが、それでも組み立て途中に追加塗装が頻発しました。特にイエローのダクトのイロプラ漏れは要注意です。
とにかく情報量が少なく、バンダイの商品ウェブサイトの画像が唯一の情報源となり、満足のいく完成度にもっていくにはかなりの時間を要しました。
この機体は下半身はほぼTR-1[ヘイズル改]で、上半身は濃紺の外装パーツとなり、引き締まった印象ですが、バックパックや大腿部のパーツはややゴテゴテしていて、コンポジット・シールド・ブースターのブレード部分は展開状態だと長過ぎる気がします。また、ポロリが各所で起こり、割り切った接着の判断が必要です。
しかしながら、細部のディテールアップ塗装や〔エウーゴ仕様〕と〔ティターンズ仕様〕の贅沢なRG風マーキングを辛抱強く行ったことで、機体の密度をかなり上げることが出来ました。

また、今回初めてランナーパテを作ってパーツの合わせ目消しを行いました。接着剤のべた塗り+ランナーパテの二重処理でほぼほぼ目標を達成することが出来ました。スミ入れ中、はみ出したラインの拭き取りにうっかりエナメル溶剤を使ってしまい、クラックを起こしてしまいましたが、ここでもランナーパテが活躍してピンチを脱することが出来ました。
Photo Galleryでは上半身の濃紺と相性が良さそうな紫の背景色を中心に描きましたが、いかがでしょうか。

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