1/144 HG ORX-005 ギャプラン TR-5[フライルー]

 
2023.10 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★

ギャプラン TR-5[フライルー]は「機動戦士Zガンダム」のサイドストーリー「ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに」に登場する元T3(ティターンズ・テスト・チーム)部隊の小隊長ウェス・マーフィー大尉の乗機で、可変モビルアーマー「ギャプラン」を改修したTR計画第5段階の実験機です。

地上・空中・宇宙とあらゆる領域で戦場を支配する絶対的な戦闘力を持つ最上級の機体とされた[フライルー]は元々[ファイバー]のコアユニットとされていましたが、ブレードアンテナが装備されていたため「ファイバーガンダム」とも呼ばれていました。しかし、大気圏離脱・再突入用のパーツを外した機体の区別を明確にするため、メカニックマンからの要望に応えてウェス・マーフィー大尉によってイギリスの児童文学「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」に由来した[フライルー]と命名されました。

この機体は宇宙世紀0088年2月のコロニーレーザー攻防戦におけるエゥーゴとの決戦に投入され、母艦であるアレキサンドリア級[アスワン]への帰還を果たしたものの、その轟沈とともに失われました。

Photo Gallery


製作過程

「機動戦士Zガンダム」に登場するMSの中でいわゆる敵キャラで最も好きなMSがギャプランです。そのオリジナルのギャプランが入手困難となった今、スピンオフコンテンツの後継機TR-5[フライルー]を2022年11月の再販日にガンダムベース福岡で入手することが出来ました。
本キットはオリジナルのギャプランをベースにフルドドIIのユニットなどを追加し、肩部にショルダー・クロー・ユニットとショルダー・スラスター・ユニットが、腰部アーマーにも装甲を追加することによってボリュームアップされています。頭部や肩部がオリジナルのギャプランと大きく異なるため、製作するまではオリジナルのギャプランのパーツを流用されているとは思いませんでした。
「RX-121-1 ガンダム TR-1 [ヘイズル改]」と「RX-121-3C ガンダム TR-1 [ハイゼンスレイ]」 製作時のノウハウを生かして進めたいと思います。

 

1.イメージ

ギャプラン

ボックスアートはイマイチのデザインですが、映像や画像が少ない「ADVANCE OF Z ティターンズの旗のもとに」のMSを考察するには取扱説明書も含めて貴重な情報源となります。
「RX-121-1 ガンダム TR-1 [ヘイズル改]」と「RX-121-3C ガンダム TR-1 [ハイゼンスレイ]」同様イロプラ漏れが多いため、その補完が大きな製作ポイントとなります。

  1. 製作当初仮組みを試みましたが、複雑な機構で組み立ての難易度が高く、バラすことが困難なために組み立てながらキットの構造を理解することにします。
  2. 基本塗装は基軸パーツのみとして、イロプラを生かします。
  3. ブレードアンテナのシャープ化とモノアイ周辺を加工する必要があります。
  4. 段落ちモールドとパーツの合わせ目消しを柔軟に判断して進めます。
  5. イロプラ漏れの箇所は付属のシールを貼りつつも、追加塗装やジャンクシールで補います。
  6. 前作2機同様RG風のマーキングでリアリティーを追及します。

2.塗装

ギャプラン

基本塗装は基軸パーツのジャーマングレイの塗装に留めます。
ただし、本キットはイロプラ漏れが各所にあるためにボックスアートや取扱説明書で検証し、付属のシール以外の箇所を塗装やジャンクシールで補う必要があります。

3.組み立て1&段落ちモールド

ギャプラン

このキットは組み立ての難易度がかなり高いです。
取扱説明書の図解が分かりにくく、かつ胴体部が他のガンプラにない複雑な構造となっています。また、各部のパーツの組み付けが硬く、いったん仮組みするとバラしにくく、パーツの破損リスクが高いのです。ダボ穴を削りつつも組み立てながら構造を理解し、パーツの合わせ目や追加塗装、ディテールアップの箇所を確認していくことになります。
パーツの合わせ目が出る箇所がいくつかありますが、頭部裏の背面大型パーツの一部とかかとについては段落ちモールドとして処理します。

4.パーツの合わせ目消し

ギャプラン

今回は後ハメ加工を行わない(行えない?)ためにパーツを組み付けてからパーツの合わせ目消しを行います。

  1. パーツの合わせ目消しを行う対象箇所は頭部裏の背面大型パーツの一部、肩部、腕部、膝部、脚部装甲、ロング・ブレード・ライフルのグリップ下部とします。
  2. タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、大型クリップで挟み込んで2、3日硬化を待ちます。
  3. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. ただし、肩部スラスターユニットはパーツの白化が気になるために濃紺を調色して筆塗りします。
  5. 肩部の丸モールドは100円ショップダイソーのカラーシール極小の黒を使って埋めます。

5.ディテールアップ1(パーツ加工)

ギャプラン
  • ブレードアンテナはMA形態用とともに2種をシャープ化。
  • モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」グリーン4.0mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープを貼り付け、加工した頭部パーツにはめ込みます。
  • しかし、パーツを組み付けるとせっかくのモノアイがほとんど見えません。これはシナンジュと同じ現象です。
    開口部の上下を削り、内部の接続部を削ぎ落し、頭部のあごを落としてモノアイが見える状態にします。
  • 古いキットのためにビーム・サーベルにクリアパーツが付属せず、持ち手と一体化しています。
    ビーム部分を切断し、持ち手をピンバイスで彫り込んで、手持ちのジャンクパーツのクリアーピンクのビームを差し込みます。

6.ディテールアップ2(追加塗装)

ギャプラン
  • 背面大型パーツの前部ダクト内側→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • 背面大型パーツの後部ダクト外側→レーシングブルー
  • 肩部、腕部のパイプ、サイドスカートのダクト、シールドバインダーの丸モールド・上部内側→キャメルイエロー
  • 腕、スカートの丸モールド→レッド
  • 肩部基軸パーツのパイプ→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • ビーム・キャノン砲身、指先第一関節→サーフェイサー(ホワイト)+レッド
  • 腕とスカートの丸モールド周辺、胸部ダクト、サイドスカートダクトの溝→ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>
  • バーニア外輪、ビーム・キャノン→ガンメタル
  • ビーム・キャノン砲身→ウェーブ オプションシステム「U・バーニア フラット〔1〕」2.5mmをサーフェイサー(ホワイト)+レッド
  • ロング・ブレード・ライフル各部にボックスアートと取扱説明書を参考に100円ショップダイソーのカラーシール極小の赤を切りとって貼り付けます。

7.組み立て2

ギャプラン

ディテールアップが完了したら組み立てを開始します。
前述のとおり本キットは古いHGキットにしては構造が複雑で、なおかつパーツの組み付けが硬く、ダボ穴を一部削りながら組み立てを進めます。
組み立て中パーツの破損があり、復元に苦戦しました。塗装時使用した溶剤の影響なのかイエローのパイプのクラックが起こり、パーツの合わせ目消しの要領で何度もやり直しを強いられました。また腕部では溶剤を使用していないにもかかわらずクラックが発生し、ランナーを移植してしのぎました。
そのほかに組み立て途中にもイロプラ漏れをいくつも発見し、パーツをバラして追加塗装するというループを繰り返すことになりました。
この時点での組み立てではおもちゃ感がまだ残っています。

8.スミ入れ&マーキング

ギャプラン
  1. クラック防止のために原色の濃いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で、白いパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」を基本にスミ入れを行います。
    シャープなラインが欲しい箇所は「コピック マルチライナー【ブラック】0.03mm」やシャーペンで補完します。
  2. 付属のマーキングシールを塗装箇所と吟味しながら適宜貼ります。
  3. 「1/144 バンダイ RG RX-178 ガンダムMk-Ⅱ〔エウーゴ仕様〕」と「1/144 バンダイ RG RX-178 ガンダムMk-Ⅱ〔ティターンズ仕様〕」のリアリスティックデカールを部品注文し、RG風のマーキングで情報量をアップさせます。
  4. ホイルシールを除外して「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。

9.仕上がり

ギャプラン
  1. コーティング前に後回しにしたホイルシールを貼り付けます。
  2. イロプラ漏れやクラックの対応に追われたこのキットにこれ以上のパーツの破損リスクは負えないと判断し、そもそも興味のないモビルアーマー形態には変形せずに撮影します。
  3. ディスプレイ用のスタンドに乗せてつま先を立てると足が長く見えてこのキットのカッコ良さが強調されます。
  4. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!

製作後記

事前にリアリスティックデカールを部品注文して準備を整えて製作しましたが、予想外に苦労したキットになりました。
複雑な構造でバラした時の破損リスクを避けるために仮組みを諦めたのですが、今回の製作ポイントであるイロプラ漏れに対応した際に溶剤を使ってクラックを起こしたり、組み立て中にパーツを破損したりとトラブルが相次ぎました。
こういったトラブルはこれまでスミ入れ後に起きるものでしたが、ショルダー・ユニットがショルダー・クロー・ユニット(右肩)とショルダー・スラスター・ユニット(左肩)とで左右非対称だったことを完成後に気付いたように、このキットに対する予備知識が無く、検証不足だったことがトラブルの原因と言えるでしょう。
しかし、すべてのパーツを組み上げてディスプレイ用スタンドに乗せるとやはりA.O.Z(アドバンス・オブ・ゼータ)系キットはカッコイイ!組み立てただけだとおもちゃ感を感じましたが、スミ入れとリアリスティックデカールの貼り付けを行い、情報量をアップしてつや消しを吹くといつも通り大きく変貌してくれました。頭部のシャープ化やモノアイ開口部の拡大、付属シール・ジャンクシール・追加塗装の併用などのディテールアップの苦労が報われた瞬間でもありました。
本命であるオリジナルのギャプランが入手出来た際には今回の失敗や出来なかった反省点を教訓に納得のいく仕上がりにしたいと思います。

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