1/144 HG AMX-009 ドライセン(ユニコーンVer.)

「パラオの番人」
2011.6 製作
お気に入りランク:★★★☆☆  レア度:★★★★★
2025.9 リペア製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★★
ドライセンは一年戦争でジオン公国の重モビルスーツであるドム系統の最終発展型としてパイロットの信頼を得た機体です。原作小説ではギラ・ドーガだったシーンがドライセンに置き換わっていたことはファンにとってはかなりのサプライズでした。
新たに再塗装・袖付きの装飾が施され、本拠地パラオ防衛用として稼動していましたが、劇中ではパラオから脱出しようとしていたユニコーンガンダムと交戦したものの、ユニコーンガンダムのビームキャノン・ガトリングガンによってあっけなく撃墜され、短いドライセンの登場シーンは終わりました。
バズーカによる砲撃戦を主体としたドム、リック・ドムとは異なり、武装は「機動戦士ガンダムZZ」で登場したビーム・ランサーとビーム・トマホークを接合させた白兵戦用の得物を主武装に、ドライセンの特徴である両腕部の3連装ビーム・キャノンが袖内部の内装式に改善されています。 さらにバックパックにはヒート・サーベル、ジャイアント・バズのほかドライセンの専用武装であるトライ・ブレード3つが近距離、格闘戦用に装備されています。

Photo Gallery


製作過程

2011年6月に製作したドライセン(ユニコーンVer.)を補修+再塗装して当ページも再製作します。
2025年7月本キット再製作のために模型店の店頭での争奪戦において目前で再販キットを奪われ、その後家電量販店等を探し回るものの購入出来ず、あまりの悔しさから14年前に製作した完成済みキットをバラしてリペア作品として製作することを決意しました。
前作を改めて見直すとペーパー掛け跡が残っていたり、不完全なパーツの合わせ目消し、袖付きのエングレービングの塗装の甘さ、意味不明のドライブラシ、単調なディスプレイ、Gallery画像のお粗末さ・・・など当時の自分の稚拙さが恥ずかしくなります。
リスクを伴いますが当サイト史上初の全面リペア作品に挑戦です。

1.イメージ

ドライセン

画像は2011年6月製作のキットです。
沈んだ機体色ですが、これからどう変貌していくか前作の反省を生かしてリペアの工程をイメージします。

  1. まずは前回の完成済みキットをバラします。
  2. パーツの合わせ目消しと段落ちモールドを適切に行います。
  3. モールドの彫り直しを行い、再塗装に備えます。
  4. 装甲パーツを中心にペーパー掛けで表面を磨きます。
  5. 台所用洗剤でパーツを一晩漬け置きします。
  6. サーフェイサーを下地に全塗装し直します。
  7. オリジナルキットの色プラから2種のパープル系の装甲色への変化に挑戦します。
  8. 劇中画像を意識し過ぎずにオリジナル解釈の塗装とディテールアップを加えます。
  9. スミ入れとマーキングで情報量をアップさせます。
  10. 最後につや消し塗装で質感をアップさせます。

2.パーツの合わせ目消し&段落ちモールド

ドライセン

14年前に製作済みのキットでもあり、パーツの強度が心配ではありますが、すべてのパーツをバラします。
次にパーツの合わせ目消しと段落ちモールドから作業を開始します。

  1. パーツの合わせ目消しと段落ちモールドの対象箇所を検証し、取扱説明書にポイントを書き込みます。
  2. パーツの合わせ目消しを行う対象箇所は頭部、肩部、胴体部、ジャイアント・バズとします。
    肩部は基軸部を先にジャーマングレイで塗装し、パーツを組み付けた後にパーツの合わせ目消しを行います。
  3. タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとし、2.3日硬化を待ちます。
  4. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  5. 埋もれたモールドをケガキ針やデザインナイフで彫り込みます。

3.下処理

ドライセン

バラしたパーツをペーパー掛けし、パーツの合わせ目消しと段落ちモールドを行ったパーツも含めすべてのパーツの洗浄を行います。
前作のマーキングが水転写式デカールだったおかげで爪で簡単にはがせました。

  1. バラしたパーツは1000番のフィニッシングペーパーやスポンジ研磨材、100円ショップ キャンドゥで購入したブロックバッファー スーパーシャインで表面を磨きます。
  2. ペーパー掛けによって埋もれたモールドは100円ショップ大創「精密ケガキ針」の先端を逆さにしてチャックに取り付けたツールで彫り直します。
  3. 歯ブラシで削りかすを落とします。
  4. 台所用強力洗剤である花王「キッチンマジックリン」を水で薄めてバケツに貯め、パーツを入れて一晩漬け込みます。
  5. これでアクリル塗料は結構落ちましたが、落ちにくい塗料は除光液で強力に落とします。
  6. 完全乾燥を待ちます。

4.塗装

ドライセン

ここでは基本塗装を行います。
今回はリペア作品ということでもあり、装甲の発色に応じて下地のサーフェイサーを使い分けます。
劇中画像のユニコーンVer.ドライセンの装甲色は薄いパープルとグレイの中間色ですが、リペア作品は「機動戦士ガンダムZZ」のドライセン寄りの明るい色味にしたいと思います。
ブルーバイオレットの装甲色は沈んだ発色にしたいためにブラック、パープルの装甲や胸部、 スカートの装甲色はグレイ、ホワイトのパーツはホワイトのサーフェイサーをそれぞれ下地にします。
今回初めてGSIクレオス「Mr.フィニッシングサーフェイサー1500 ブラック」を採用しました。 落ち着いた質感で装甲裏の塗装にも併用しました。

  • 装甲パーツ(薄いパープル)→サーフェイサー(ブラック)+ブルーバイオレット
  • 装甲パーツ(パープル)→サーフェイサー(グレイ)+パープル
  • 胸部・スカート→ネービーブルー
  • 胸部パーツ、腕部の袖→サーフェイサー(ホワイト)+マットホワイト
  • 頭部・肩部バーニア周辺・肩部ダクトカバーのレッドパーツ→イタリアンレッド
  • ジャイアント・バズ→サーフェイサー(ブラック)+ジャーマングレイ
  • ハンドパーツ、基軸パーツ→ジャーマングレイ
  • スカート裏パーツ、3連装ビーム・キャノン→ガンメタル

5.ディテールアップ(塗装編)

ドライセン

ここではディテールアップ塗装を行います。
レッド、イエローの下地にはサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
装甲裏はサーフェイサー(ブラック)を下地塗装と併用してマスキングしながら吹きますが、一部セミグロスブラックや筆塗りのフラットブラックで対応します。
そのほかモールドの谷間やシール対応箇所、"袖付き”のエングレービングをコピック マルチライナー<ブラック>0.02mmで筆塗りします。
胸部のエングレービングはサーフェイサー(ホワイト)を吹いた後に紋様をマスキングしてマットブラックを吹き、コピック マルチライナー<ブラック>0.02mmでエッジを埋めます。
腕部のエングレービングはサーフェイサー(ホワイト)を吹いた後コピック マルチライナー<ブラック>0.02mmでエッジを埋めてから水性ペンで下塗りし、つや消しブラックで筆塗ります。

  • バーニア(足裏含む)内輪→サーフェイサー(ホワイト)イタリアンレッド
  • バーニア(足裏含む)外輪、スカート裏ダクト→ライトガンメタル
  • 足裏→ガンメタル
  • ヒート・サーベル→サーフェイサー(ホワイト)+イエロー
  • 頭部・肩部パーツのシール対応箇所、ヒート・サーベルのグリップ中位→ネービーブルー
  • ヒート・サーベルのグリップ上位、下位→ブルーバイオレット
  • 腰部(パープルのイロプラ)→ジャーマングレイ
  • 装甲裏→サーフェイサー(ブラック)orセミグロスブラックorフラットブラック
  • 胸部・肩部のモールの谷間→コピック マルチライナー<ブラック>0.02mm
  • ”袖付き”のエングレービング→フラットブラックorつや消しブラック
  • 首周辺の動力パイプ、腕部基軸パーツの動力パイプ、ジャイアント・バズの丸モールド→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>

6.ディテールアップ(パーツ加工編)

ドライセン

前回製作時のディテールアップとして行った頭頂部や動力パイプは引き継ぎ、モノアイはバージョンアップさせます。

  • 頭頂部をシャープ化。ツノを切り取り、延ばしランナーでシャープなツノに変更。裏から差し込みます。
  • 腰の動力パイプのパーツにマットブラックで再塗装した絶縁ゴムキャップを通して重量感と質感をアップさせました。
  • モノアイを埋め込む穴をピンバイスで削り、ライトガンメタルで塗装したビルダーズパーツ「ノンスケール MSサイトレンズ01(ピンク)」の基盤にウェーブ オプションシステム「H・アイズ」 のピンク2.0mmのモノアイ裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープ(シルバー)を貼り付けたものを埋め込みます。
    (ビルダーパーツ付属のレンズより丸みのあるいつものH.アイズを敢えて採用しました。)

7.組み立て

ドライセン

塗装とディテールアップが完了したら、バラしたパーツたちを組み立てます。
なお、パーツのフィット感は良好でポロリの心配はありません。
しかし、動力パイプの接続部は前回製作した機体をバラす際に強引に外したために実は破損していたのです。真鍮線とタミヤパテ(ベーシックタイプ)を駆使して修復し、なんとか動力パイプを接続することが出来ました。
すべてのパーツを組み上げると迫力のいかり肩と重量感、そして機体の鮮やかさに圧倒されました。
しかし、装甲の色味が明る過ぎました・・・。パープル系2色も見分けがつきにくく、つや消し塗装でどこまで色味と質感を変貌させることが出来るでしょうか。
ちなみにクリアーパーツやバーニアはつや消し塗装からの除外のためにここでは機体に組み付けないものとします。

8.スミ入れ&マーキング

ドライセン

前作では控えめだったスミ入れとマーキングを今回は情報量多めで塗装のムラや傷の隠蔽も含めて進めたいと思います。
しかし、ここでアクシデント発生!肩部ダクトカバーのレッドパーツにクラックが多発しました。今回全塗装のために油断していましたが、やはり薄いパーツはそれなりのリスクがあるということでしょうか?それともパーツの経年劣化か?パーツの合わせ目消しの要領で修復、再塗装し、マーキングで埋めました。

  1. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。さらにガンダムマーカーやコピック マルチライナー<ブラック>0.03mm、シャーペンやを併用して補完します。
    下処理でスジ彫りを入れた効果は一定程度実感できました。
  2. 大阪府布帛製品工業組合「ホビーステッカー」と山田化学(株)「ミニチュアベース用カスタマイズシール」、ホビージャパンモデラーズデカール「ライン01 ホワイト」をメインにネオジオンの紋章などその他ジャンクシールを使ってRG風に貼り付けます。
  3. モノアイをマスキングして「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。
    沈んだパープルで色味はかなり落ち着きました。

9.仕上がり

ドライセン
  1. 最近定番化しているモノアイシールドはモノアイをクリアーに見せるために今回はパスします。
  2. ここでまたまたアクシデント発生!ジャイアント・バズのスリップが前作の段階で折りたたんだまま硬化、固定されていたために切り取ってジャンクパーツのザクバズーカのグリップを接着しました。
  3. つや消し塗装から除外したクリアーパーツとバーニアをここで機体に組み付けます。
  4. 取扱説明書では別売りの「1/144 HG ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス専用機またはクェス・エア専用機)」付属の軟質クリア棒でトライ・ブレイドの固定を指示していますが、前作ではいずれのキットも所有していなかったため、ホームセンターで購入したカラーワイヤーで代用していました。
    しかし、現在は両キットともに所有しており、ギュネイ・ガス専用機の軟質クリア棒が余剰パーツとなっていたために今回の撮影に流用することが出来ました。
  5. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!
    浮遊シーンより重量感ある踏ん張ったポーズが似合う機体のために今回はディスプレイスタンドは使用しないものとします。

製作後記

当サイト史上初の全面リペア作品がついに完成です!
ちょうど本キットのリペア製作時、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」から「1/144 HG リック・ドム ガイア機/オルテガ機(GQ)」の発売の時期と重なりましたが、ドムの面影を残しつつ、より大きく重量感があり、特徴的ないかり肩のドライセン(ユニコーンVer.)は最新キットのリック・ドムよりカッコイイと自負出来ます。
パーツのバラし、ペーパー掛け、洗浄などこれまで経験したことのないアプローチから取り組み、前作の反省点である表面処理、パーツの合わせ目消し、全塗装、袖付きのエングレービングへの対応、ポージング、Gallery画像を克服してリペア作品を完成させました。
色味的にはイロプラや劇中画像より明るい、むしろZZ Ver.寄りになり、一時はウェザリング仕様にすることも検討しましたが、肩部ダクトカバーのレッドと合わせて独自解釈のカラーリングとしました。さらにマーキングもネオジオンの紋章やラインデカールを加えて情報量多めにして前作から鮮やかに生まれ変わりました。塗装費用が結構掛かりましたが、やった甲斐がありました。
ところで「機動戦士ガンダム ユニコーン」のユニコーンVer.のキットたちは面白い発売経緯があります。劇中の時系列的には「機動戦士ガンダムZZ」で先に登場するドライセンが「機動戦士ガンダム ユニコーン」のドライセン(ユニコーンVer.)(2011年05月21日発売)から先にキット化、発売され、その後本家のZZ Ver.(2014年02月22日発売)が発売されています。 これは「機動戦士ガンダム ユニコーン」の映像化、キット化によって「機動戦士ガンダムZZ」のMSたちがキット化されたということでしょうか。同様の時系列が逆転して発売されたキットにはドーベン・ウルフやズサなどがあります。
ユニコーンVer.とZZ Ver.の2キットも金型流用によるもので、コスト効率を高めるために共通パーツが使われています。違いとしてはユニコーンVer.にはヒート・サーベル、ジャイアント・バズが付属しつつ、ZZ Ver.のビーム・トマホーク、ビーム・ランサーが同梱されており、ユニコーンVer.のキットの方が武装がZZ Ver.より豊富ということになります。 カラーリングと成形色はユニコーンVer.は劇中のカラーリング(紫系+ダークブルー)を再現しており、ネオ・ジオンの袖付きのエングレービングが前腕や胸部に追加されています。 バックパックとトライブレードは設定上構造が若干異なっています。
完成後「機動戦士ガンダム ユニコーン」の劇中画像を確認して気付いたのですが、ユニコーンVer.のドライセンは肩部下部のバーニアとダクト周辺のデザインは「機動戦士ガンダムZZ」のそれと大きく異なっていること気付きました。キットでは同一になっているということはパーツ共通化のために新規造形を回避してコスト効率を重視したということでしょうか? 結果的に肩部以外にも腰部サイドのパープルのイロプラをジャーマングレイにする独自解釈のオリジナルの塗装レシピにした理由付けにもなりました。

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