1/144 HG RMS-106 ハイザック
お気に入りランク:★★★★★ レア度:★★★★★
ハイザックは地球連邦軍が接収したジオン公国軍のザクII F2型とほぼ同じコンセプトとノウハウをベースに開発された次世代量産型MSです。
U.C.0083年12月にティターンズが結成されるとMS開発は再び活発化し、ハイザックはザクにジムの設計を採り入れたハイブリッドMSと言える機体として生産性と操縦性の高さから地球連邦軍の主力機となりました。これと言った長所は無いものの、その生産性の高さから標準機としてU.C.0085年以降ティターンズから優先的に配備されました。
ティターンズに配備された機体のカラーリングは鮮やかなグリーンが施されていますが、地球連邦軍正規軍に配備された機体は薄いブルーが施されています。これはグリーンがジオン残党軍に対する心理的効果を狙うためとも言われています。
後に主力機の座はマラサイやバーザムに取って代わられるものの、グリプス戦役を戦ったジェリド・メサ、カクリコン・カクーラー、サラ・ザビアロフらが搭乗して活躍したのです。
また、「機動戦士ガンダムΖΖ」においてもでもネオ・ジオンに占領されたダカールの1シーンである停泊したベースジャバー上でザクIIと共に登場し、第45話のグレミーの反乱の際にもマラサイと共に灰色の機体が確認されています。
Photo Gallery

製作過程
「機動戦士Ζガンダム」序盤に活躍を見せたハイザックに挑戦します。
古いキットとは言え、このキットは頭部、腕部、脚部に真っ二つの合わせ目があるため、長年敬遠してきたキットでもあります。しかし、劇中の活躍、素組でのスタイリングの良さに魅かれ、ここ数年のパーツの合わせ目消しの経験を生かして製作することにしました。
このキットの購入日は家電量販店の新規オープンに並んでHGの再販キット3個を入手出来た奇跡的な日でもありました。そんな幸運な日の帰り道に某中古商品買取・販売店で発見しました。定価の約2倍したが、この時点では再販のめどが立たず、再販されたとしてもタイミングや交通費を考慮し、店舗で購入する価値があると判断しました。
1.イメージ

2.仮組み

今回はこれまでのガンプラ製作スキルが問われる難易度の高いキットのために珍しく仮組みを行いました。
パーツの合わせ目消しを行うパーツはピタッと接合できない箇所がいくつもあるため、ダボ穴や突起部を思い切ってカットして、しっかりパーツを組み付けます。
課題が多いキットですが、組み上げてみるとこの段階でも素晴らしいスタイリングのキットです。
しかし、仮組みの判断は正解で、組み上げる過程でいくつも追加の課題が見つかりました。ここでは部位ごとにパーツの合わせ目消しと後ハメ加工を行う前の検証と前処理を行っていきます。
- 頭部
→モノアイレールを後ハメするために頭部内部をくり抜き、首に接続するパーツは手持ちのジャンクパーツ(オリジンザクの頭部)を移植出来るように加工してパーツの合わせ目消しに備えます。
モノアイレール前の支柱をシャープ化します。
定番のモノアイとモノアイシールドを取り付けます。 - 腕部
→後ハメ加工は不要ですが、基軸部のパーツの合わせ目消しを行ってから塗装し、マスキングを行います。
腕部上部の動力パイプ接続部をサーフェイサーを吹いて装甲色に塗装します。 - 胸部
→腹部をジャーマングレイで塗装後、胸部に組み付けてマスキングしてパーツの合わせ目消しを行います。 - スカート
→前部と後部のスカートにスジ彫りを追加し、スカート裏はすべてつや消しブラックで塗装します。
股間下部にディスプレイスタンド用のマウント穴3.0mmをピンバイスで開けます。 - 膝部
→膝部の動力パイプは組み付けが悪いために切り離して基軸部をジャーマングレイで塗装し、組み付け後にマスキングを行い、動力パイプは後付けします。
前部は段落ちモールド扱いとし、それ以外はパーツの合わせ目消しを行います。 - 脚部
→後ハメ加工は不要ですが、基軸部を塗装して組み付け後にマスキングしてパーツの合わせ目消しを行います。
基軸パーツはガンメタルで塗装します。
膝関節装甲裏、脚部装甲裏、外付け外装パーツの装甲裏はつや消しブラックで塗装します。
膝関節装甲はマスキングしておきます。
外付け外装パーツのバーニアは内輪をサーフェイサー(ホワイト)+レッドで、外輪をガンメタルで塗装します。 - スパイクアーマー
→パーツの合わせ目消し後に装甲裏をつや消しブラックで塗装し、マスキング後に装甲色を塗装します。 - 動力パイプ
→サーフェイサー(ホワイト)を吹いて基軸部はジャーマングレイに、動力パイプはゴールドに塗り分けます。 - バーニア
→外輪はガンメタル、内輪はレッドとします。
3.後ハメ加工&パーツの合わせ目消し1

装甲パーツの合わせ目消しを行う前に後ハメ加工や基軸パーツの合わせ目消しの第一弾を行います。
- 膝部動力パイプを組み付けやすくするために基軸部から動力パイプを切り離す後ハメ加工を行います。
- 頭部のモノアイレールを後ハメするために頭部内側下部を削ぎ落します。
- モノアイレールにモノアイをはめ込むためにピンバイスで穴を開けます。
- 削ぎ落した頭部下部をふさぎ、胸部に取り付けるためのジャンクパーツ(オリジンザク頭部)を加工します。
- パーツの合わせ目消しの第一弾として腕部と120mmザク・マシンガン改から始めます。
タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、アルテコ「瞬間接着剤用硬化促進剤 スプレープライマー」を吹いて、大型クリップで挟み込んで硬化を待ちます。 - 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
- サーフェイサー(グレイ)を吹いて、ジャーマングレイで塗装します。
4.塗装1

装甲パーツの合わせ目消しに取り掛かる前処理としての塗装を行います。
- ショルダーアーマー、スカート、脚部装甲の裏側をつや消しブラックで塗装しておきます。
- 装甲パーツの合わせ目消しを行う前に組み付けるパーツの塗装を行います。
基軸パーツのイロプラはZ系キットに見られる薄紫ですが、定番のジャーマングレイで塗装します。
・腰部、基軸パーツ、120mmザク・マシンガン改→ジャーマングレイ
・脚部基軸パーツ→ガンメタル
5.パーツの合わせ目消し2

装甲を中心にパーツの合わせ目消しの第二弾を進めます。
- 装甲パーツの合わせ目消しを行う箇所は頭部、胸部上部、腕部、膝部、脚部前部と後部上下部、ショルダーアーマーとします。
- 胸部下部、脚部後部の中部、120mmザク・マシンガン改のスコープは段落ちモールドとします。
- 前処理しておいたパーツを装甲に組み付けます。
- タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、アルテコ「瞬間接着剤用硬化促進剤 スプレープライマー」を吹いて、大型クリップで挟み込んで硬化を待ちます。
- 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
- 組み付けたパーツや塗装した装甲裏にマスキングを行います。
6.塗装2

スジ彫りとディテールアップ塗装の前処理を行います。
- スカート前部と後部はモールドがないためにスジ彫りを行います。
ハイキューパーツ「ラインスクライバーCS 0.15mm」を活用しながら、100円ショップ大創の「精密ケガキ針」で作業を進めていきます。 - スジ彫りとパーツの合わせ目消しを行ったパーツにサーフェイサー(グレイ)を吹いてペーパー掛けを繰り返します。
不完全な箇所は瞬着パテ(瞬間接着剤をパテ代わり)を使って合わせ目が埋まるまで作業を繰り返します。 - バックパックのフィンユニットの先端を塗装の発色を上げるために周辺をマスキングしてサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
- 脚部つま先ダクト周辺もモノアイ同様付属のシールは使用せずにレッドとジャーマングレイで塗装します。
周辺をマスキングして発色を上げるためにサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。 - 脚部バーニアの周辺をマスキングして発色を上げるためにサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
- シールドの十字を塗装するために周辺をマスキングして発色を上げるためにサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
- 120mmザク・マシンガン改のスコープの縁の周辺をマスキングして発色を上げるためにサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
- 動力パイプの基部の塗装の食いつきを良くするためにサーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
7.塗装3

ディテールアップ塗装の前処理が終わったら装甲パーツの塗装を行います。
装甲のイエローグリーンは劇中の蛍光気味の明るいグリーンを目指します。
- 前処理したバックパックのフィンユニットの先端→キャンディライムグリーン
- 前処理した脚部つま先ダクト周辺、前処理した120mmザク・マシンガン改のスコープの縁→レッド
- 前処理したシールドの十字→イエロー
- 上記1.2.3.で塗装した箇所を乾燥後、反転してマスキングします。
- 前処理した動力パイプの基部→ジャーマングレイ
- パーツの合わせ目消しを行ったイエローグリーンのパーツ、イエローグリーンのイロプラパーツ→キャンディライムグリーン
- マスキングしたバックパックのフィンと脚部つま先ダクトパーツ、パーツの合わせ目消しを行った濃緑色のイロプラパーツ、濃緑色のイロプラパーツ→レーシンググリーン
8.ディテールアップ

定番のディテールアップに加えて最近こだわり始めたハンドパーツの交換や劇中の白旗製作にも挑戦します。
以下ディテールアップ箇所をまとめました。
- 頭部支柱をシャープ化します。
- モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のピンク3.5mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープ(シルバー)を貼り付けて輝きを増します。ピンバイスで穴を開けてフラットブラックで塗装したモノアイレールにはめ込みます。
- 頭部ダクトをジャンクパーツで製作してガンメタルで塗装後、埋め込みます。
- スカート前部と後部にスジ彫りを行います。
- 脚部つま先ダクト周辺をレッドで塗装し、ダクトはジャンクシールを貼り付けます。
- バックパックのフィンの先端をキャンディライムグリーンでマスキング塗装します。
- 動力パイプはイエローを下地としてゴールドで塗装します。基軸部はジャーマングレイで塗装して塗り分けます。
膝部の動力パイプはガンダムマーカーEX<ホワイトゴールド>で筆塗りします。 - 各部バーニアは外輪をガンメタル、内輪をレッドで塗装します。
- 左手にハンドパーツ「HG1/144 次元ビルドナックルズ(丸)」のMサイズ平手を追加します。手の甲にフィットするように加工してジャーマングレイで塗装します。
- ショルダーアーマーのスパイクをシャープ化します。
- 120mmザク・マシンガン改のスコープの前後をサーフェイサー(ホワイト)+レッドで塗装し、内側にジャンクシールのメタリックレッドを貼り付けます。
- シールドの十字をイエローでマスキング塗装します。
- 白旗をジャンクパーツで製作します。持ち手はオリジンザクのヒートホークをベースにジャンクパーツを組み合わせ、ポールはタミヤ「プラ材1mm丸棒」を加工して差し込みます。
旗はEPSON「写真用紙」を60mm×80mmにカットして湾曲させ、ウェーブ「U・バーニア フラット【1】3.0mm」を両面テープで貼り付け、極細の針金を通してポールに固定します。
9.組み立て

すべての塗装が完了したら仮組み以来の組み立てを行います。
この段階でもピタッと接合できない箇所があります。ダボ穴や突起部をカットしたり、接着するなどしっかりパーツを組み付けます。
作業中に塗装漏れ等の補修を行います。
金属感を強調するためにモノアイや動力パイプ、バーニアはこの段階では組み付けません。
10.スミ入れ&マーキング

ほぼ全塗装のためにクラックの心配はありませんので、Mr.ウェザリングカラーをメインにスミ入れします。必要に応じてガンダムマーカーやシャーペンで補完します。
マーキングはパーツの合わせ目消しの補完も考慮して適切に配置します。
- 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。
さらにシャーペンやコピック マルチライナー<ブラック>0.03mmを併用して補完します。 - バックパックのフィンの正面のモールドを「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」で塗装します。
- 手持ちのジャンクのリアリスティックデカールを貼ります。モールドのないスペースが大きい箇所はティターンズのエンブレムを貼り付けます。
- 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。
- モノアイシールドとして、ランナーが入っている透明の袋を切り取り、両面テープで頭部の内側両サイドから貼り付けます。
- つや消しから除外したモノアイレールを接着し、後ハメ加工した頭部下部の接続パーツを取り付けます。
- つや消しから除外した動力パイプとバーニアを取り付けます。
- 120mmザク・マシンガン改のスコープ内側にジャンクシールのメタリックレッドを貼り付けます。
11.仕上がり

- このキットは股間部にアクションベース用のマウント穴がありません。
ピンバイスで3.0mm穴を開けて100円ショップキャンドゥで購入した山田化学(株)「ディスプレイスタンド」に取り付けます。 - 自作した白旗を持たせます。
- すべてのパーツを組み上げ、武装を持たせたら、いよいよ完成!
製作後記
発売当時定価1,100円のキットに費やすべきとは思えない程の時間とコストを掛けた作品となりました。
古いキットとは言え、機体の主要箇所が真っ二つに割れているという特異なこのキットは仮組み→後ハメ加工→段落ちモールド→パーツの合わせ目消し→スジ彫り→塗装→組み立て→ディテールアップ→スミ入れ→マーキング→コーティングとガンプラ製作の基本スキルが問われる製作過程となりました。
主に1つ目の課題のパーツの合わせ目消しは満点の出来ではありませんでしたが、塗装やマーキングでリカバーして柔軟に対応しました。2つ目の課題である機体色は劇中のカラーリングを意識したキャンディライムグリーンを採用しました。キャンディカラーということもあり、ややおもちゃ感が残るものの、期待通りの色味と金属感を表現出来ました。
第25話「コロニーが落ちる日」のサラ・ザビアロフが投降するシーンを再現するために製作した白旗はHCM Pro(ハイコンプリートモデルプログレッシブ)のキットから得たアイデアですが、この”塗装済み完成品プラモデル”は本キットにはない人質カプセルやビーム・サーベルまで付属していました。改めて当時のバンダイの凄まじい企画力と実現力を感じさせられ、リスペクトを込めてディテールアップパーツとして取り入れました。








古いキットですが、カッコイイボックスアートです。しかし、取扱説明書と並べても分かるように装甲のグリーンが劇中の色味と全く異なる平凡なザクカラーです。また、これまで経験したことのない頭部から脚部まで信じられないパーツの合わせ目があり、製作前のキットの検証が製作ポイントとなりそうです。
そして、劇中の印象的なあのシーンを再現したいと思います。