1/35 ドラゴン アメリカ・M7 プリースト 初期型

「聖職者に乗り、進軍するアメリカ兵士たち・・・」
2012.8 製作 / お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★☆
1939年第2次世界大戦が勃発し、アメリカ軍は機甲部隊に配属する砲兵部隊用として「105mm榴弾砲」搭載の「M7 自走榴弾砲」が当時主力のM3をベースに開発されました。 ドイツ軍の自走榴弾砲と比べて開口部が広く、防御能力としては劣ったものの、操作がよいため、発射速度も早く、弾薬を66発携行し、北アフリカ戦から実戦に参加し、終戦まで活躍したのです。
プリースト(聖職者)という愛称は機関銃座が教会の説教台に似ていることから供与したイギリス軍がつけたものです。
このキットはプリーストの中期型からのバリエーションで、はみ出した砲弾や戦闘室装甲板、ツールボックス、砲部、車体後面装甲板、エアフィルターなどが新金型となっています。

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製作過程

トラックっぽいオープントップ車輌にキャタピラ付きのこのキットはまさに私のストライクど真ん中!某模型誌で作例を見た瞬間即購入を決めました。久々のAFVへの製作意欲に火を付けてくれました。 その名が示すとおりM7の定員7名のフィギュア製作とお約束の動物とのコラボレーションで土と緑あふれる情景にしたいと思います。
今回は ①ダメージのあるデカールに合わせたウエザリング塗装 ②7体の兵士の会話が聞こえるような配置設定 ③馬小屋近くの農道 をポイントにして製作をしていきます。
1.イメージ
M7 プリースト 初期型
  1. このキットは模型誌でも名作キットと絶賛されていた中期型からのバリエーションキットですが、初期型を選んだ理由はアメリカ軍のマークのダメージ表現が興味深かった点と装甲版がシンプルな点でした。その他には後部の工具箱に違いがあります。
    部品点数は意外に少なく、サクサク組み上げ、ウエザリング塗装に時間を掛けたいと思います。
  2. 7体のフィギュアはそれぞれの目線や姿勢に繋がりがあるよう適切に配置します。
  3. ストック済みアクセサリーを有効活用して、馬小屋脇の農道をイメージしたベースにします。
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2.組み立て
M7 プリースト 初期型
  1. 価格のわりに部品点数が少なく、サクサク進むと思いきや、パーツの整合性や不明瞭な説明図に悪戦苦闘しました。瞬間接着剤に頼ることもしばしば。
  2. 足回りとキャタピラは後付けとし、組み立てを先行します。
  3. 砲身先端部の金属パーツやエッチングが付属しますが、瞬間接着剤を網目に硬化させてしまったのはうかつでした。
  4. 模型誌を参考に操縦席のハッチを開放状態とし、ステーをカスタマイズしました。
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3.塗装1~基本色~
M7 プリースト 初期型
  1. パーツの接合が甘い分、サーフェイサーは念入りに吹きます。
  2. ウオッシングで車体色が沈むことを想定して、定番のオリーブドラブではなく、NATOグリーンを吹きます。
  3. 弾薬は本来デカールがあるはずですが、見当たりません。そこでダークイエローを吹き、マスキングして基本色を吹きます。キャタピラや機銃等はガンメタルを吹きます。
  4. ロードホイールをフラットブラックで筆塗りしてから車体に取り付け、キャタピラを接着します。
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4.塗装2~ウエザリング1~
M7 プリースト 初期型
  1. 今回の目玉ツールで新発売の「タミヤ スミ入れ塗料(ブラウン)」をウオッシングとスミ入れで使用しました。初めての使用で濃度の見極めが出来ていなかったのですが、拭き取らないとウオッシングには濃すぎます。逆に車両内部や下部のさびの表現にはそのままでも質感充分です。NATOグリーンを筆で重ね塗りし、筆ならではの質感を追求します。
  2. 仕上げのドライブラシをフラットアルミで金属感を強調します。
  3. 砲身の先端をフラットブラックで煤けた表現を施します。
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5.デカール
M7 プリースト 初期型
この初期型を選定した理由でもあるダメージ表現付きのデカールを貼ります。通常の白いアメリカ軍マークのデカールを貼り、その上にオリーブドラブカラーのダメージデカールを重ねて、チッピングに見せるなかなか面白い手法です。
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6.塗装3~ウエザリング2~
M7 プリースト 初期型
  1. 車体下部を黄土色のパステルで埃を付け、上部は白色のパステルでハイライトを付けます。
  2. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹き、きつめにしたウエザリングが落ち着きます。
  3. 最後にクリアーパーツを取り付けます。
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7.フィギュア
M7 プリースト 初期型
  1. 「タミヤ 1/35 アメリカ戦車兵セット」とストック済みのフィギュアを各セクションにフィットできるように手足を固定し、接着します。
  2. 下地としてのサーフェイサーを吹きます。
  3. 兵士の肌は赤みを意識し、戦闘服はオリーブグリーン、靴をレッドブラウンで筆塗りします。
  4. 「タミヤ スミ入れ塗料(ブラウン)」でスミ入れ。キャップに細筆が付いていて大変便利です。
  5. 「Mr.スーパークリアーつや消し」を吹きます。
  6. フラットアルミのドライブラシでハイライトを強調します。
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8.ベース1
M7 プリースト 初期型
  1. ベースにはモーリン社の「模型用スタイロフォーム」を削り込んで、荒れた土壌を表現します。
  2. 紙粘土「Premier」でキャタピラ跡を付けながら、道筋を接着します。
  3. 木工用ボンドを霧吹き、壁用補修材を蒔き、側面・道筋を中心にライトサンドでスプレーします。
  4. 「タミヤ 情景テクスチャーペイント (草 グリーン)」「フォーリッジクラスター」「ライケン」「パステル(緑)」で草地を表現します。
  5. 土はパステル(黄土色・白色)を蒔きます。
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9.ベース2
M7 プリースト 初期型
  1. 石や砂利は「レイアウトストーン」「ガーデニング用小石」「シーナリーバラスト」で表現。
  2. ストックしておいた丸太・柵・道標を取り付け、「1/35 タミヤ 動物セット」から馬2頭とシェパードを配置します。
  3. 仕上げに「タミヤ スミ入れ塗料(ブラウン)」で影を付けます。
  4. ここでアクシデント ! 厚みのあるスタイロフォームでも粘土によって反り返ってしまいました。対応として、浮き上がった下部を紙粘土で補強、再塗装するはめになりました。
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10.仕上がり
M7 プリースト 初期型
  1. 車両後部に毛布やバッグ、コンバットレーション用カートン、ジェリカン、ヘルメットなどを取り付け、車両をベースに設置します。
  2. 背景パネルは木の3D画像を使用します。
  3. 河合商会社製のディスプレイケースのふたをしたらいよいよ完成!
  4. ・・・と思いきや、なんと完成後車両側面のステーを縦横逆に取り付けていたことが発覚!再度取り外し、スミ入れ、パステルで何とか補修を終えました。トホホ・・・。
製作後記
今回製作過程で問題点が3つありました。①整合性の悪いパーツと不明瞭な説明図 ②ベースの反り上がりを楽観視し過ぎていた ③両サイドのステーの取り付けミスを完成後に気付く・・・・・・・・。②と③は自分の失念であり、何とか対処したものの、悔やまれます。
最終的にはほぼ狙いどおりの情景に仕上がりましたが、タミヤ製品のような作り易さはなく、修復作業の繰り返しで、製作過程を楽しむことが出来ませんでした。よって評価は星4つとしました。
今回得たものとしては「タミヤ スミ入れ塗料(ブラウン)」による錆の質感は特筆すべきものがありました。また、上記以外の反省点としては情景の舞台がオーソドックス過ぎて、もう一ひねり欲しかったところです。

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