1/144 バンダイ EG RX78-2 ガンダム

アムロ「まだだ、たかがメインカメラをやられただけだ。」
2021.3 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★

「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」は次世代のファーストガンプラとして40年の技術が可能にした簡単組立×ハイクオリティの共存を実現した、あらゆるユーザーが新感覚の組み立てを体験できるキットです。
少数パーツでありながら抜群の可動を誇り、組み立てるだけの塗装やシールも不要となっていて、ニッパーを使わず手でパチパチと簡単に折れるタッチゲート仕様です。ランナーは部位ごとにまとまって配置されており、価格は驚異の770円(税込)です。

2020年9月先行発売されたガンダムベース福岡にて2個購入しました。同年12月にはビーム・ライフルとシールドを除外した「ライトパッケージVer.」も550円(税込)で一般発売されました。
2020年に発売された1/144スケールのファーストガンダムは「ENTRY GRADE」「THE ORIGIN版」「BEYOND GLOBAL」「RX-78F00」の4種類で、顔つきや成形色、スタイルやモールドがそれぞれ異なるものの、EGは最もガンダムらしいガンダムでコストパフォーマンスが最高のキットと言えます。

Photo Gallery


製作過程

かねてから製作したいジオラマとして機動戦士Zガンダムの「グリーン・ノアでのガンダムMk-Ⅱ奪取作戦」や「ニューホンコンの摩天楼に突如出現した漆黒のサイコガンダム」を長期の構想期間を経て製作してきましたが、今回は機動戦士ガンダムから" ラストシューティング "を製作したいと思います。
長年構想を描いてきたものの、首無しガンダム+胴体無しのジオングという部分的にパーツを使用するコストパフォーマンスの悪いジオラマをどう取り組むかに苦慮し、なかなか取り掛かれませんでした。
製作のきっかけになったのが、「RG MSM-02 ジオング ラストシューティング エフェクトセット」の発売です。作例どおりラストシューティングを再現するとジオングの頭部とエフェクトパーツにRGガンダムという組み合わせで、これもコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。 そこでRGジオングのすべてのパーツを生かしつつもラストシューティングを再現する方法として、「MOBILE SUIT IN ACTION!! ファイナルデュエルセット ラストシューティングのジオング頭部」+「EGガンダムの胴体」+「RGジオングのエフェクトパーツ」で完成させることにしました。

 
 

1.イメージ

ガンダム

完成イメージはずばり機動戦士ガンダム最終話「脱出」の"ラストシューティング"のジオラマです。

  1. 小さな箱の中に部位ごとにシンプルに配置されたランナーとなっています。
  2. まずはイロプラ漏れを検証して追加塗装、スミ入れをしてシンプル塗装のガンダムに仕上げます。
  3. 控えめなウエザリング塗装でいったんGallery用の画像を撮影します。
  4. 撮影後、ここからラストシューティングに向けたダメージ仕様にします。
  5. ジオラマベースを作り上げ、ガンダムとジオング頭部、エフェクトパーツをセットします。

2.組み立て1&パーツの合わせ目消し

ガンダム
  1. ニッパーを使わないタッチゲートの感触を味わいながら組み立てます。力でランナーからパーツを取り外すというよりも爪先で接続部を押すという感覚で取り外した方が良さそうです。
  2. ジャーマングレイで塗装するパーツから組み立てます。
  3. パーツの合わせ目消しが必要なのは太腿とビーム・ライフルの2か所です。
    タミヤセメントをパーツの両面にたっぷりと塗り、20秒ほど持ち、接着間際にタミヤセメント(流し込みタイプ)をさらに注いで3日程放置します。
    プラ棒に貼り付けたフィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨きます。

3.塗装

ガンダム

安価ゆえに塗装が省略されている箇所や装甲裏を中心に塗装します。

  • 基軸パーツ、肩部・スカート・脚部・足首関節カバーの裏→ジャーマングレイ
  • シールド・ランドセルの丸モールド、バーニア内輪→ガンメタル
  • バーニア(背面・足裏)→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • 頭部バルカン、ビーム・ライフルのスコープ→レモンイエロー
  • 頭部・あごのダクト、ビームサーベル、関節の丸モールド→ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>

4.ディテールアップ

ガンダム

非常に優秀なキットなのでイロプラ漏れの塗装以外は特段のディテールアップポイントはありません。

  • 頭部アンテナをシャープ化。
  • 膝を着いたポーズをとるためにスカートを分割します。

5.組み立て2

ガンダム

再び組み立てを開始します。
手足はシンプルな構造がらも充分な可動域が確保されています。一方、胸部は複雑な構造ながらもイエローパーツが絶妙に現れる、組み立てながらも感動を味わえるキットです。
ただし、大きなマイナスポイントとして肩の基軸部がむき出しで、青いパーツからはみ出している点が挙げられます。可動域を重視した影響なのでしょうが、これはいただけません。基軸部を青に塗装するとさらに不自然になるためにそのままにします。
仕上げに「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

6.スミ入れ&ウエザリング

ガンダム

Galleryの撮影用にここでは軽くウエザリング仕様にします。

  1. 上半身のダクトを中心に「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行います。
  2. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」と「Mr.ウェザリングカラー ステインブラウウン」「Mr.ウェザリングカラー マルチグレー」で足元を中心に汚します。
  3. タミヤ「ウェザリングマスターセットB、C」で足元を中心にブラックやブラウンの汚しを加えます。
  4. 「ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>」でエッジを中心にドライブラシを掛けます。

7.ダメージ

ガンダム

Gallery用の撮影を終えたら、ラストシューティングのダメージ仕様に変貌させます。

  1. 左腕と頭部を切り取り、RGジオングに付属するガンダム用クラッシュパーツを切断部に移植し、パイプを「ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>」で塗装します。
  2. 頭部と左腕にクリアイエローのジャンクパーツを取り付け、火花を演出します。
  3. 2012年発売のユニクロUTの絵を参考に機体のひび割れを下書きします。
  4. 初めてホットナイフに挑戦します。彫刻刀を焼いてひびや断面を掘り込みます。
  5. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」と「Mr.ウェザリングカラー ステインブラウウン」「Mr.ウェザリングカラー マルチグレー」で彫り目にスミ入れをし、さらに歯ブラシで叩いて汚します。
  6. 「ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>」でエッジを中心にドライブラシを掛けます。

8.ジオラマベース1

ガンダム
  1. ジオラマベースはベースの"反り"を防げるMDF(木質繊維を原料とする成型板、中密度繊維板28.5㎝×28.5㎝)を使用します。サーフェイサーを吹いた後、側面はマットブラックで塗装し、乾燥後マスキングしておきます。
  2. 宇宙要塞ア・バオア・クーの映像を見ながら、発泡スチロールで岩盤をイメージして掘り込みます。
  3. 要塞の床はスチレンボードにシャーペンでモールドを掘り込みます。
  4. 要塞の壁と頭部接続パーツはRGジオングのエフェクトセットから2枚流用し、100円ショップで購入したコーナースタンドで立たせます。
  5. さらに要塞の壁はメカニカル・チェーンベース、H・ハンガー オクタゴンのジャンクパーツで補います。

9.ジオラマベース2

ガンダム
  1. ベースと岩盤はサーフェイサーを吹いた後、ニュートラルグレイ、ジャーマングレイ、マットブラックで陰影を描きながら塗装します。壁用補修材も検討しましたが、発泡スチロールの質感でも充分岩盤の質感が得られたために、不採用としました。
  2. 壁と床はサーフェイサーを吹いた後、ガンダムカラースプレーのMSグリーンで塗装します。乾燥後、「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。
  3. じゃぶじゃぶに溶剤で薄めた「Mr.ウェザリングカラー ステインブラウウン」で壁と床のスミ入れと岩盤の陰影を描きます。
  4. 岩盤は両面テープで接着し、壁と床はピンバイスで針金を通して接続します。

10.アクセサリー

ガンダム
  1. 画像右は「RG MSM-02 ジオング ラストシューティング エフェクトセット」のジオングの頭部ですが、今回は「MOBILE SUIT IN ACTION!! ファイナルデュエルセット ラストシューティング」の頭部(画像左)を使用します。
  2. モノアイはHIQ PARTSのVICドームを取り付け、右耳のアンテナはランナーで自作し、頭部を軽くウエザリングを施します。
  3. この頭部に合うようにRGジオングの爆発エフェクトパーツを加工して接続します。
  4. ライフルエフェクト、スラスターエフェクトパーツ等を取り付けます。
  5. 「ビルダーズパーツHD 1/144 MSフィギュア01」の場面に合うフィギュアにアポジモーターを取り付けてアムロを製作します。
    フィギュアを筆塗りし、ピンバイスで針金を取り付けておきます。

11.仕上がり

ガンダム
  1. ガンダムの足裏にピンバイスで針金を通してジオラマベースに接続します。
  2. ジオング頭部を接続パーツに取り付けます。
  3. エフェクトパーツを使ってジオング頭部、ガンダムを繋げます。
  4. 浮上するアムロのフィギュアの針金を岩盤に差し込んで取り付けます。
  5. ベース側面のマスキングを剥がし、岩盤サイドを黒の画用紙で囲んで貼り付けます。
  6. ジオラマベースを「HOBBY BASEのモデルカバースクエア(特大)」のベースに乗せてふたをしたら、いよいよ完成!

製作後記

長年構想を描いていた" ラストシューティング "が「1/144 バンダイ EG RX78-2 ガンダム」と「RG MSM-02 ジオング ラストシューティング エフェクトセット」の発売によってついに実現しました。
懸念していたパーツの効果的活用は「MOBILE SUIT IN ACTION!! ファイナルデュエルセット ラストシューティング」のジオング頭部を流用することで解決し、RGジオングのエフェクトパーツを活用してイメージどおりのジオラマが完成しました。1/144スケールと比べると小さいものの、高価なRGの頭部のみジオラマの素材にするわけにはいきません。遠近法としてこれはこれで良しとします。
RGジオングのキットどおりのジオラマでは実際の映像との乖離が激しく、高価なRGガンダムとRGジオングにダメージを加えることなく、よりリアルなシーンに仕上げることが出来ました。また、完成間近にひらめいたアムロのフィギュア追加もMSの巨大さを強調するいいアクセントとなりました。
EGガンダム単体としての感想は複雑な機構をシンプルに組み立てられる画期的なキットと言えますが、マイナスポイントとしては肩の基軸部がむき出しになる点と股関節の接続部が硬すぎて、跪かせるとあっけなくパーツが折れた点です。しかしながら、今回はウエザリング&ダメージ仕様で、かつ固定したポージングになったためにこのアクシデントを回避することが出来ました。

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