1/144 バンダイ HG MS-05B ザクⅠ(旧ザク)

シャア「やめろガデム、貴様のザクでは無理だ!!」
ガデム「連邦軍はあれほどのモビルスーツを・・・か、開発したのか!」
2022.10 製作&2022.3 ウェザリング追加
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★☆

ミノフスキー粒子散布に伴う電波障害の効果に着目したジオン公国軍はモビルスーツ開発に着手し、初めてモビルスーツの名を与えられたMS-01から稼働試験機MS-04を経てU.C.0074年MS-05が完成しました。
U.C.0079年連邦本部ジャブローから出航したホワイトベースを追尾していたシャア・アズナブルはサイド7で開発途上のガンダムと遭遇し、2機のザクを撃破されながらもホワイトベースを追撃しました。さらにシャアは補給部隊パプア輸送艦からの補給を受けようとするものの、ホワイトベースから出撃したガンダムによって搬入設備を破壊されました。そこでパプア輸送艦艦長のガデムは物資とザクの補給をやり遂げると、自ら旧ザクに乗り込み、ガンダムに襲い掛かったのです。
後に更なる高性能化を遂げたMS-06ザクⅡが開発されましたが、このMS-05ザクⅠ(通称旧ザク)こそが実質的なMSの原点と言っても過言ではないでしょう。

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製作過程

旧ザクはこれまで”サンダーボルト版”や”THE ORIGIN版”の製作経験はありますが、原点の旧ザクは初めての製作となります。
劇中の武器を持たないやられキャラのイメージもあり、これまで購入を敬遠していましたが、今回はア・バオア・クー戦のジオラマにおいて外すことの出来ない脇役として競争激しいガンダムベース福岡での再販で購入することが出来ました。
この頃から家電量販店や個人商店の模型店にもガンプラが流通し始め、バンナムマークが付いたことから今後も再販が期待出来、コロナ渦のガンプラ人気の加熱と転売ヤー横行によるガンプラ不足にも希望が見え始めました。
このキットは元々2006年5月の発売でありながらも、それ以前のキットのザクからも大きく進化を遂げていて、足も長くて古さを感じさせない洗練されたスタイリングのキットとなっています。

 

1.イメージ

旧ザク

箱を開けてみるとザクバズーカ、バズーカラック、ザク・マシンガン、ヒートホーク、シュツルムファウスト、ナックルシールドなど豊富な武装類が付属し、様々な表情を再現したハイディテールな手首パーツも充実しています。
製作ポイントはイロプラのグリーンをどう処理するかです。ザクならちょうどいい成型色かもしれませんが、旧ザクには暗く薄い色味なので、全塗装は確定です。

  1. 段落ちモールドを併用しながらパーツの合わせ目消しを行います。
    製作ポイントを取扱説明書にしっかり書き込んでいきます。
  2. マスキング塗装と併用しながら後ハメ加工を施します。
  3. 基軸パーツやバーニア、装甲も含めて全塗装します。
  4. 装甲裏はフラットブラックで塗装します。
  5. 定番のモノアイとモノアイシールド、武装類のディテールアップを施します。

2.塗装1

旧ザク

後ハメ加工を行うためにポリキャップや基軸パーツの塗装から始めます。

  1. ポリキャップを先にジャーマングレイで塗装します。
  2. 可能な限り基軸パーツの組み立てます。
  3. 一部組み込んだ基軸パーツと合わせてジャーマングレイで塗装します。

3.仮組み

旧ザク

最近始めた(笑)仮組み完成!
パーツの合わせ目消しと後ハメ加工の箇所を把握するために最近やり始めた仮組みを行います。
いつも通りフィニッシングペーパーを使って、根気よくゲート処理を行います。
組み立てて見るとショルダーアーマー、腕、脚部のパーツの合わせ目がガッツリ入っているところがやはり気になります。

4.後ハメ加工

旧ザク

シャア専用ゲルググでは後ハメ加工にこだわり過ぎて、可動域がゆるゆるになった反省から一部の後ハメ加工を回避してマスキング塗装を併用して対応します。

  1. 膝関節パーツの接続部を一部削り落とし、後ハメ加工とします。
  2. 腕の基軸パーツを分割して後ハメ加工を施し、一方の基軸パーツを腕の外装から挿入出来るようにします。

5.パーツの合わせ目消し

旧ザク

パーツの合わせ目消しの作業を開始し、並行して進めることが出来る組み立てと塗装を行います。

  1. 胸部・肩部・腕部・膝部・脚部・ショルダーアーマーのパーツの合わせ目に瞬間接着剤をパテ代わりに塗り付けます。
  2. 硬化の時短のためにアルテコ「瞬間接着剤用硬化促進剤 スプレープライマー」を吹きます。
  3. 大型クリップでしっかり合わせ目を押さえつけて硬化を待ちます。
  4. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  5. 各パーツ全体にサーフェーサー(濃いグレー)を吹き、必要に応じて研磨を繰り返します。
  6. 上記画像にはありませんが、武装類にも同様のパーツの合わせ目消しを行います。

6.塗装2

旧ザク

サーフェイサーの乾燥後、各パーツの塗装を進めます。
製作ポイントの機体色ですが、腕部と脚部はブルーを吹きますが、この色味は意外にもやや暗めの青でちょうど良い発色でした。そして胴体部のグリーンは当初パークグリーンを予定していたものの、あまりに明る過ぎて量産型ゲルググに続いての判断ミスでした。スプレー缶派の私としては他に適切な色味の缶スプレーが見つけられず、フラットグリーンで筆塗りすることにしました。

  1. 胴体部・スカート→フラットグリーン(筆塗り)
  2. 腕部・脚部装甲、ナックルシールド→ブルー
  3. 基軸パーツ、ザクバズーカ、ザク・マシンガン、シュツルムファウスト→ジャーマングレイ
  4. モノアイレール→マットブラック
  5. 各部装甲裏→フラットブラック(筆塗り)

7.スミ入れ&コーティング

旧ザク

すべてのパーツを組み立てずにパーツごとの状態でスミ入れを行います。これはスミが基軸パーツに流れることによって起こるクラックを避けるためです。

  1. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れします。うすめ液を使って綿棒で拭き取ったら、クラック防止のためにドライヤーで速乾させます。
  2. コピック マルチライナー<ブラック>0.03mmとシャーペンでスミを補正します。
  3. モノアイやバーニアを除いてGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いて全体を落ち着かせます。

8.ディテールアップ

旧ザク

地味な機体、地味なカラーリングになりがちな機体のために細かい箇所にひと工夫加えたいと思います。
定番のディテールアップに加えて、肩部の基軸パーツを隠すような装甲パーツは機体色同様ブルーで塗装します。

  • ウェーブ オプションシステム「H・アイズ」ピンク3.5mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープを貼り付け、輝きを増して、ピンバイスで穴を開けたモノアイレールにはめ込みます。
    さらにモノアイシールドとしてランナーが入っている透明の袋を切り取り、両面テープで貼り付けます。
  • ウェーブ オプションシステム「H・アイズ」ピンク3.0mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープを貼り付け、輝きを増してザク・マシンガンのスコープにはめ込みます。
  • 隊長機のブレードアンテナのシャープ化。
  • ヒートホークの基本色→パープル、パイプ部→ガンメタル、刃先→ジャーマングレイ
  • 頭部ダクト、バズーカラック、バーニア外輪→ガンメタル
  • バーニア内輪→サーフェイサー(ホワイト)+ブライトレッド
  • 足裏のバーニアとリベット→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • 肩部装甲パーツ→ブルー

9.組み立て

旧ザク

すべてのパーツの塗装が完了したら、再度組み立てます。
このキットはショルダータックルを再現出来るよう腰が回転して上半身を前屈させることが出来ます。また、ヒジ部は新採用の2重関節によって可動範囲が拡大され、頭部裏のレバーを動かすことでモノアイが左右に可動することも出来ます。

10.仕上がり

旧ザク

すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!
このキットは隊長機を示すブレードアンテナも選択可能となっていて、武装をフル装備させると全く別の機体のように変身させることが出来ます。
なお、最終目標であるア・バオア・クーでの戦場ジオラマに配置するまでには、この旧ザクはウェザリング仕様にする予定です。

11.ウェザリング

旧ザク

最終目標であるア・バオア・クーでの戦場ジオラマに向けて量産型ザク、リックドム、量産型ゲルググ、ジム、ボールとともにウェザリング仕様に仕上げます。
地上戦ではないためにブラウン系の砂ぼこりを避けた汚しを意識します。連邦系MSとの差別化のためにウォッシングやウェザリングマスターでの汚しを施します。

  1. 装甲の汚れをガンダムマーカー リアルタッチマーカー(グレー2)でウォッシングします。
  2. メラミンスポンジでグラデーションを意識しながら拭き取ります。
  3. タミヤ「ウェザリングマスターセットB、C」で装甲裏やエッジを意識しながらグラデーションを描きます。
  4. 赤錆としてクリアーオレンジで描きます。
  5. アクリルガッシュのバーントアンバーで錆や傷のドット、雨垂れを表現します。
  6. エナメル塗料のクロームシルバーをスチールウールタワシに付けて金属のはがれを表現します。
  7. 同じエナメル塗料のクロームシルバーでドライブラシをエッジを中心に掛けます。
  8. ホワイトのパステルを茶こしでこして、筆でハイライトを描きます。
  9. ザク・マシンガンの砲身やバーニアのすすをフラットブラックで描きます。
  10. 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

    ジオラマ作品「ア・バオア・クー」に配置します → 機動戦士ガンダム > 1/144 バンダイ HG MS-06 ザクⅡ を参照

製作後記

”ドムのキットにはずれなし!”ならぬ”旧ザクのキットにはずれなし!”と言ってもいいのではないでしょうか。

地味なやられキャラのイメージのMSですが、安価でこれまで製作した”サンダーボルト版”や”THE ORIGIN版”の旧ザクと並んでいい意味で期待を裏切ってくれたキットでした。
バランスのとれた手足のスタイリングに加え、ブレードアンテナを取り付けた隊長機も選択可能となっており、劇中では見られない豊富な武装類の付属はサプライズで、とてもコストパフォーマンスに優れたキットでした。
古いキットならではの後ハメ加工やパーツの合わせ目消しに時間を掛けながらもなんとか目標の仕上がりに辿り着くことが出来ましたが、スプレー塗装派の私にとって機体色のグリーンに適切な缶スプレーを見つけることが出来ず、筆塗り塗装にはなかなか苦労しました。
そして、このページを製作中にPCが起動しなくなり、マザーボードの交換のため3週間修理に出すというアクシデントが発生しました。無事ハードディスクが損傷なく帰還してくれた意味でも記憶に残るキットとなりました。


2023.3 Galleyにジオラマ画像、製作過程に ”11.ウェザリング” を追加。

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