1/144 バンダイ HG REVIVE MS-07B グフ
ランバ・ラル「ザクとは違うのだよ、ザクとは」
お気に入りランク:★★★★☆ レア度:★★★★☆
グフはザクⅡの格闘能力を強化した改良型で、ランドセルによる短距離ジャンプ飛行が可能となっているほか、ヒート・ロッドや左手指のマシンガンなど充分した装備を持っています。外観は青い機体色と両肩の反り返ったスパイク、そしてザクでは指揮官機にのみ装備されていたブレード・アンテナが標準装備されています。これはドダイYSとのリンクプログラムのためとも言われています。
型式番号はYMS-07Bとされるランバ・ラル大尉が搭乗したグフは試作3号機であり、機動巡洋艦ザンジバルで地球に降下後、アムロ・レイ搭乗のガンダムをその経験と技能で苦しめたものの、結果的に撃破され、ランバ・ラル自身も自決に追い込まれるという壮絶な結末となりました。
ランバ・ラル亡き後もグフは量産型として複数登場し、要撃爆撃機ドダイYSがグフの足として戦隊に出撃を命じられました。その量産化されたグフの型式番号が本キットMS-07Bなのです。
Photo Gallery
製作過程
ガンダム、ザクと製作し、REVIVE3部作の最後は旧キットの発売から20年を経た"蒼い巨星"ことランバ・ラルの愛機グフです。
2014年6月に発売された「1/144 HGBF グフR35」をベースに現代的なプロポーションに生まれ変わり、広い可動域と多彩なアクションポーズが再現!ヒート・ロッドも自由に折り曲げることが出来ます。ヒート・サーベルがシールドに収納可能となっている点も特徴的です。
グフの製作は1/144と1/100のグフカスタム以来ということになり、オーソドックスなランバ・ラル搭乗のグフを製作するのはファーストガンダム本放送後以来ということになるのかもしれません。まあ、今回はドダイYSとの共演が完成形になりますので、結果的にランバ・ラルの機体という設定ではなくなってしまいますが・・・。
1.イメージ
2.組み立て1&後ハメ加工&塗装1
前作のザクと比べてパーツの合わせ目の必要な箇所が数多くあります。また、動力パイプなどパーティングラインの処理が必須です。
さらに後発売だったザクでは回避出来た後ハメ加工は今回避けられそうにありません。まずは後ハメ加工が必要な箇所と組み立てながら接着剤で硬化後にパーツの合わせ目消しを行う箇所とを見極めます。
・後ハメ加工が必要な箇所→腕部
・組み立てながら接着剤で硬化後にパーツの合わせ目消し→スパイクアーマー、肩内部、胴体部、脚部関節、脚部装甲
- 後ハメ加工が必要な腕部の基軸パーツを先に組み立てます。
- 後ハメ加工としてパーツの接続に緩衝する基軸パーツや装甲パーツの一部を削ぎ落とし(:上記画像赤マル箇所)、ガンメタルで塗装します。
3.パーツの合わせ目消し
- 脚部関節の基軸パーツは先に組み立て、パーツの合わせ目消し後にサーフェイサーを吹いてガンメタルで塗装します。
- 胴体部のパーツの合わせ目消しは一部に留め、脚部装甲の一部は段落ちモールドで対応します。
- スパイクアーマー、腕部、肩内部、胴体部、脚部装甲の接合部にタミヤセメントをたっぷり付けて、むぎゅとしたら4.5日に硬化を待ちます。
- 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
最近はタミヤのフィニッシングペーパーに加えて100円ショップのクラフト作業用バッファーが使い易く、積極的に活用しています。 - 装甲内部をフラットブラックで先に筆塗りし、ガンメタルの箇所と合わせてマスキングしておきます。
- サーフェイサー(ライトグレイ)を吹き、乾燥後起伏をチェックしてフィニッシングペーパーで研磨し、さらにサーフェイサーを吹いて補正します。
4.塗装2
成形色は捨て、全塗装します。
機体色を塗装する前に外部に装甲内部が露出するパーツは内側をフラットブラックで筆塗りし、乾燥後基軸パーツや塗装した装甲裏をマスキングします。
- 機体色→サーフェイサー(ライトグレイ)+ブリリアントブルー+ガンダムスプレー MSライトブルー
- 胴体部、スカート→レーシングブルー
- 頭部ダクト、基軸パーツ、ヒート・ロッド、ヒート・サーベル→ガンメタル
- ランドセル→ネービーブルー
- モノアイレール、肘、膝→フラットブラック
5.ディテールアップ
- ブレードアンテナはパーツ先端を数ミリ切断し、ランナーを瞬間接着剤で接着して延長、硬化後シャープ化します。
- スパイクアーマーも先端を数ミリカットしてタミヤ角棒やランナーを瞬間接着剤で接着し延長、硬化後シャープ化します。
- モノアイはまずモノアイレールを削り込みます。
いつものウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリアーピンク裏に銀のホイルシールを貼る手法ではなく、ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>で塗装しました。モノアイの輝きに問題ありませんでしたが、この手法は今回限りです。モノアイのレールの接着によってシャインシルバーが侵されるからです 。 - 腹部のセンサーパネル裏にアルミテープを貼り、オレンジのクリアーパーツを輝かせます。
- 5連装75mmマシンガン(フィンガー・マシンガン)の4本指を切断し、指先に100円ショップで購入したガラスビーズをはめ込みます。指先はピンバイスで穴を広げ、指全体をやすりで整えます。また、指を切断すると根元の接続が緩くなるので、瞬間接着剤で太らせます。
- 脚部サイド4ヵ所にダクトらしきモールドがありますが、平たんなままです。ジャンクパーツの取り付けも検討しましたが、結果的にPCで作成したモールドのシールを貼ることにしました。
- シールド裏→ジャーマングレイ
- ランドセルバーニア外輪→ガンメタル
- ランドセルバーニア内輪→シルバーリーフ
6.組み立て2
- マスキングを外し、装甲内部のフラットブラックやガンメタルをタッチアップ(補修塗装)します。
- すべての塗装が完了したら、パーツを組み付けます。頭部や動力パイプなどいったん組付けるとスミ入れしづらい箇所は組み立てながらスミ入れします。
ここでアクシデント発生!胸部を組付ける際にパーツを破損してしまいました。完成間近での試練です。破損したパーツをランナーで補い、接着硬化後にパーツの合わせ目消しの要領でなんとか復元しました。
7.スミ入れ&組み立て3
- クラック防止のためにレーシングブルーのパーツは「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」を、MSライトブルーは「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」でスミ入れを行い、一部はシャーペンで補正し、「タミヤ アクリル塗料 溶剤」で拭き取りを行います。
- GSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。
この工程を終えると本当に落ち着きます。 - つや消しから除外しておいたモノアイ、腹部のセンサーパネルを取り付けます。
- モノアイシールドとしてランナーが入っている透明の袋を切り取り、両面テープで頭部装甲内側に貼り付けます。
- ディテールアップした頭部を組み付けます。
- 脚部ダクト用の自作シールをこのタイミングで貼り付けます。
- この状態でGallery1用の写真を一部撮影します。
8.ドダイ YS 1
- ヤフオク!で入手したこのドダイYSは再販モノかと思いきや、黄ばんだボックスの中には懐かしのボンドが入っていました。まさかの発売初期のキットか⁉
まずはモナカキットの上下パーツの接合部にタミヤセメントをたっぷり付けて4.5日放置し、パーツの合わせ目を行います。 - フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
- キット付属の小型バーニア8個をKOTOBUKIYA「バーニアノズルⅡ」6.0mmに交換します。
- 筆塗りで細部を塗装します。
・前部ダクト、バーニア周辺、機体裏面ダクト→ガンメタル
・機体裏面丸モールド→調合したエメラルドグリーン(フラットホワイト+スカイブルー+フラットグリーン)
・バーニア大型、小型→シルバーリーフ
・8連装ミサイルランチャー→サーフェイサー(ホワイト)+レモンイエロー
- 操縦席窓はホイル折り紙のメタリックブルーを貼り付けます。
9.ドダイ YS 2
- すべてのパーツを組み上げます。
- 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行います。
- 8連装ミサイルランチャーの円に100円ショップで購入したカラーシール(ブラック)を貼り付けます。
- GSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。
- タミヤ「ウェザリングマスターセットB」のブラックでモールドに沿ってぼかしを付けます。
ここまでの作業でエアブラシ塗装のような質感に仕上がりました。 - 「ROBOT魂 機動戦士ガンダム[SIDE MS]エフェクトパーツセット ver. A.N.I.M.E.」からビーム貫通エフェクトを大型バーニアに取り付けます。
10.仕上がり
- ドダイYSとグフにピンバイスで穴を開けて針金をドダイYS側に固定する予定でしたが、安定しません。
そこで太めのランナー2本でグフとドダイYS、ドダイYSとジオラマベースをそれぞれピンバイスで穴を開けて固定しました。これでしっかりと安定しました。 - すべてのパーツを組み上げ、武器を持たせ、ジオラマベースに設置したら、いよいよ完成!
11.スパイクアーマーの差し替え(リペア)
製作後からスパイクアーマーの完成度に不満が残っていたために、2022年1月新たにディテールアップパーツを購入してその延長とシャープ化をやり直すことにしました。このリペアのために新たに入手困難となっているこのキット本体を再度購入しました。
画像上が前作のスパイクアーマーで、上部パーツの先端がやや長めで、側面パーツのシャープ化に失敗しています。
画像下二つが今回製作の差し替えパーツです。
- コトブキヤ「M.S.G モデリングサポートグッズ プラユニット スパイク」を2個購入し、上部パーツは5.0mmを、側面パーツは7.0mmを活用します。
- 上部パーツのキット先端をカットし、ディテールアップパーツ5.0mmとの接合部にタミヤセメントをたっぷり付けて、むぎゅとしたら4.5日に硬化を待ちます。
- 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
- 側面パーツをタミヤ「薄刃クラフトのこ」で切断し、ディテールアップパーツ7.0mmを接着します。ピッタリのサイズで加工は不要です。
- サーフェイサーを吹き、乾燥後起伏をチェックしてフィニッシングペーパーで研磨し、さらにサーフェイサーを吹いて補正します。
- 装甲内部はマットブラックを吹き、乾燥後マスキングしておきます。
- 装甲外部はブリリアントブルーを下地塗装とし、仕上げはガンダムスプレー MSライトブルーを吹きます。
- 乾燥後装甲内部をフラットブラックでタッチアップ(補修塗装)します。
- スパイクアーマーを差し替えたら、いよいよ完成!
製作後記
今回はとにかくやすりました!パーツの合わせ目消しでやすり、スパイクアーマーの整形でやすり、破損したパーツの復元でやすりました。パーツの合わせ目消しは狙った箇所は消しきりましたが、スパイクアーマーの整形は70点くらいの出来でした。曲面の整形に直線の角棒でやすった面積が多過ぎましたし、延長したタミヤの角棒が硬過ぎてやすりに不向きな素材だったとも言えます。一部で試したランナーを流用出来る場合はランナーを素材にした方がよいとも感じました。その一例がブレード・アンテナです。大袈裟に延長したブレード・アンテナやスパイクアーマーはそれなりにやってみる価値はありでした。
機体色についてはタミヤのブリリアントブルーを下地にガンダムスプレー MSライトブルーで仕上げましたが、ブリリアントブルーの方が映像の色味に近いのではと感じました。装甲裏の塗装は面倒ですが、やっておくと重量感や影が強調されてジオンのMSには特に効果絶大です。なお、同じジオラマに乗せるガンダムとザクと異なり、グフはウエザリング仕様にしませんでした。これはグフが援軍としてドダイYSに搭乗し、出撃間もないことを示唆するためです。
そのほかにフィンガー・マシンガン先端にガラスビーズを埋め込んだり、PCで作成したダクトのラベルシールなど、自分なりのディテールアップもイメージどおりの仕上がりで、苦労した甲斐あって完成した喜びを感じられる作品となりました。
カテゴリーの機動戦士ガンダム>
から「HG RX-78-2 ガンダム」と「HG REVIVE MS-06F ザクⅡ」のそれぞれの製作過程も是非ご覧ください!
2022.1 スパイクアーマーをリペア
今回は” エフェクトパーツを活用したガンダムVSザクというシーンに、ドダイYSに乗って駆けつけるグフ ”というジオラマが完成形となります。グフは人気の高いMSでもありますので、グフ単体のGallery1としてここでは紹介します。
箱を開けて取扱説明書に目を通してみると、思いのほかにパーツの合わせ目消しに手が掛かりそうだなという印象です。また、このキットは「1/144 HGBF グフR35」からのパーツ流用があり、頭部が2種、そのほか余剰パーツも出ます。グフR35の頭部の方がスタイリッシュという声もありますが、ダサカッコイイ象のような鼻のオリジナル頭部を採用します。