1/100 バンダイ MG MS-09 ドム

ガイア「オルテガ、マッシュ、モビルスーツにジェット・ストリーム・アタックをかけるぞ!!」

2022.6 製作
お気に入りランク:★★★★★  レア度:★★★★★

十文字に動くモノアイと熱核ジェットエンジンとロケットによるホバークラフト走行ができるドムは、ルウム戦役で名を挙げたガイア、マッシュ、オルテガの”黒い三連星”が搭乗する重モビルスーツとして登場し、アムロ・レイとホワイトベース隊を苦しめました。連邦軍からは”スカート付き”と呼ばれ、のちのジャブロー攻略戦では一般機が登場し、宇宙でも改修型のリック・ドムが登場しました。

ザクやグフは重力下において移動速度が遅過ぎたために、ホバークラフトを応用したMSの開発がツィマット社で開始され、グラナダとキャリフォルニアベースで生産が進められました。
第24話においてオデッサ作戦開始前に”黒い三連星”がドム3機を受領し、ホワイトベース隊に奇襲をかけてミデア輸送機を撃墜し、立ちはだかるガンダムに対して三位一体の”ジェット・ストリーム・アタック”を仕掛けるも、マッシュ機が撃破されました。第25話ではマッシュの仇を討つべくホワイトベース隊を襲撃するも、結局ガンダムによって2機とも撃破されました。ドムは本来ドズル・ザビによってランバ・ラル隊へ配備される予定でしたが、マ・クベの策略によって握りつぶされる様子が第20話で描かれています。
ちなみに総監督の富野由悠季氏によると、このドムのホバークラフト走行は作画枚数を減らすためとも後に語られています。

Photo Gallery


製作過程

2022年2月MG ドムのアップグレード版が23年ぶりに発売されましたが、このキットもコロナ渦の巣ごもり需要や転売ヤーの横行によって発売当初入手出来ませんでした。その後のプレミアムバンダイでの抽選販売にも外れ、ネットにおける転売ヤーからの購入を断固拒否しつつもゴールデンウイークの狭間にガンダムベース福岡の再販情報を入手し、なんとか購入することが出来ました。
旧キットとの違いは新規金型で腰部や腕部などの外装部が改良され、肩と前腕の繋がりが自然に見えるように形状修正しつつ、肘の関節構造も刷新、肩と胴体の接続部に前方へのスイング機構を実装しています。ジャイアント・バズを構えるポーズの際の各部の干渉を軽減し、股関節には新たにスイング可動構造を採用しています。さらに、太腿の接続部に軸可動を追加し、腰サイドアーマー更新によって脚部の可動域が大幅に拡大され、ドムの特徴的な屈んだポージングを再現するために足首の内部フレームが変更されています。

 
 

1.イメージ

ドム

MG ドムは2017年8月の「1/100 バンダイ MG MS-09 ドム(重力戦線イメージカラーVer.)」以来の製作となります。ドムは最も好きと言ってもいいくらいのMSにも関わらず、意外と製作していないのです。強大なパッケージのボックスアートは旧キットをイメージしつつも、ブラッシュアップされたジェットストリーム・アタックが描かれています。
今回は前回と異なり、ウエザリング仕様としないために慎重に作業を進めたいと思います。旧キットとの違いや製作後の反省点を確認しつつも、ディテールアップを施したいと思います。

  1. 肩部内側のレッドの範囲をナチュラルな曲線を描くように塗装を追加します。
  2. バーニア内輪をレッド、外輪をガンメタルにします。
  3. 左胸部の拡散ビームをTV画像を参考に塗装します。
  4. モノアイ・拡散ビーム・ジャイアント・バズのスコ-プの輝きを増すよう、ディテールアップを施します。
  5. 脚部スカート内側のスミ入れとつや消しを先に行います。
  6. 武器類のパーツの合わせ目消しを行います。

2.ディテールアップ1&パーツの合わせ目消し

ドム

いつもの手順と異なり、ディテールアップから始めます。
レッドに塗装するパーツから作業を始めて、発色を上げるためにサーフェーサーを吹いて下地塗装します。特に肩部のレッドは旧キットから違和感を感じており、外装パーツとの接合部が緩衝してレッドのパーツが不自然に途切れている箇所に塗装を加えて是正します。

  1. 肩部外装パーツの接合部が内側のレッドパーツと繋がるようにレッドで塗装します。
    外装パーツを接合部を除き、マスキングします。
  2. 各バーニアの内輪もレッドにするために下地塗装の準備を進めます。
  3. パーツの合わせ目消しのためにラケーテン・バズ、ジャイアント・バズ、マガジン、MS用マシンガンにたっぷりとタミヤセメントを付けて、むぎゅとしたら4.5日に硬化を待ちます。
    荒めの鉄ヤスリで磨いた後、フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. ここで上記パーツにサーフェーサー(ホワイト)を吹きます。レッドパーツはレッドの発色を上げるために、武器類はパーツの合わせ目の隠ぺいのために吹きます。合わせてフィギュアも成形色がブラックのため、サーフェーサーを吹いておきます。

3.ディテールアップ2

ドム

サーフェーサーが乾燥したら、マスキングを調整しつつ、各パーツを塗装します。

  • バーニア内輪・肩部接合部→ブライトレッド
  • バーニア外輪→ガンメタル
  • 拡散ビーム外輪→アルミシルバー(下地塗装および内輪)+レーシングブルー
  • 拡散ビーム内輪→100円ショップダイソーの装飾テープ(イエロー)を貼り付けます。
  • 拡散ビームのクリアパーツ→クリアーイエロー
  • モノアイ→付属のクリアパーツやデカールではなく、ウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のクリアーピンク裏に100円ショップダイソーのアルミテープを貼り付けて接続パーツを加工して取り付けます。ドムはザクやグフより大きめのサイズのモノアイを選択します。
  • ジャイアント・バズのスコープ→100円ショップダイソーのデコレーションシール(パール調シール)のパープルを貼り付けます。
  • 頭部動力パイプ→ガンメタル+スミ入れ

4.組み立て1

ドム

旧キットからの進化を感じつつ、基軸パーツと武器類から組み立てます。
パープルの成形色以外はすべて塗装します。MGでもあり、大量のスプレーを使用しますので塗料を節約するためにも出来るだけ組み立ててから塗装します。
このキットは旧キットからの流用とMG ドワッジのアップデート版のために余剰パーツが多く、かつそれも大きなパーツになります。なお、ジャイアント・バズはMG ジョニー・ライデン専用ザクVer.2.0の流用、ハンドパーツはMP2(エモーションマニピュレーターSP)になっています。

5.塗装

ドム

機体色のパープルのみ成形色を生かし、その他はすべて塗装します。
ガンダムスプレーのMSパープルでの塗装も検討しましたが、ピンクに近い色味のために旧キットから変更された最新キットの濃厚なパープルの成形色をそのまま生かすことにします。ちなみに前回の重力戦線イメージカラーVer.とも色味が大きく異なります。

  • 基軸パーツ、武器類→ジャーマングレイ
  • ブラックパーツ→マットブラック
  • レッドパーツ→ブライトレッド
  • パイロット→フラットホワイト+フラットグリーン+クリアーグリーン+レッド

6.組み立て2

ドム

塗装が完了したら、再び組み立てを再開します。
バーニアはガンメタルの輝きをを生かすためにこの段階での組み立てから除外します。 パイロットフィギュアは完成したら見ることはないと思いますが、この段階でコクピットに取り付けてしまいます。
脚部基軸パーツに一部パーツの合わせ目が出ますが、ここはモールドと解釈します。また、同じく脚部のスカート後部のパーツの合わせ目は段落ちモールドとして処理します。
パーツの触感は硬めで、改良パーツがあるとは言え、旧キットの名残を感じます。

7.スミ入れ&マーキングシール

ドム

平面のパーツが多く、モールドが少ないためにスミ入れの余地はあまりありません。キットの素性を生かして、過剰なディテールアップやデカールの追加は避けることにします。

  1. 機体はガンダムマーカースミいれ用<ブラック>とコピック マルチライナー<ブラック>0.03mmを併用してスミ入れします。
  2. 武器類はシャーペンで控えめなスミ入れとします。
  3. 付属の水転写式デカールを吟味しながら貼り付けますが、右胸部のジオン軍マークと左肩の階級章マークは小さ過ぎて違和感を感じます。この二つは大きめのジャンクデカールに置き換えます。左肩の階級章マークはHcm pro「MS-09 ドム 黒い三連星 ジェットストリームアタックセット」を参考に選択しました。認識番号は敢えて貼り付けず、黒い三連星の3機として流用出来るようにします。
  4. クリアパーツを除外して各パーツごとにGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」でコーティングします。最近は数回に分けてしっかりとつや消しを吹いてます。仕上がりはかなり重量感あるものになり、パープルの成型色も期待以上の色味に変貌してくれました。

8.仕上がり

ドム
  1. つや消しから除外しておいたモノアイ、モノアイシールド、拡散ビーム、バーニア、ジャイアント・バズのスコープを各パーツに取り付けます。
  2. すべてのパーツを組み上げ、武器を持たせたら、いよいよ完成!

製作後記

まさに”ドムのキットにはずれなし!”を裏付けるような重量感あふれる素晴らしいプロポーションのキットです。
近年のRGなどと比べるとモールドやデカールが少ないものの、いかり肩に”スカート付き”と呼ばれるボリューム満点の脚部とバーニア、装甲裏までしっかり別パーツ化されたこのキットは古さを感じさせません。
今回のアップグレードポイントでもある肩部の分割が是正され、肩部装甲裏の接合部もブライトレッドに塗装することによって一体化し、旧キットのウイークポイントを解消することが出来ました。
一方、各部の干渉を軽減して武器を保持してもスムーズにポーズが決まるように改善されたかというとそうでもない気がします。モデラーからも聞かれるハンドパーツが小さくなり過ぎた点とMP2(エモーションマニピュレーターSP)の強度不足も気になります。
結果的にドムの似合うポーズはやっぱり仁王立ち、もしくはヒート・サーベルを持ってジェット・ストリーム・アタックの先頭を切るガイア大尉のポーズではないでしょうか。

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