1/144 バンダイ HG MS-06C-6/R6 ザクII
デニム「スレンダー、お前はここに残れ」
お気に入りランク:★★★★☆ レア度:★★★★☆
ルウム戦役から「機動戦士ガンダム」第1話に繋がる冒頭の「スレンダー、お前はここに残れ」というデニム曹長のセリフがガンダム史上最初のセリフでした。3機のザク(デニム、ジーン、スレンダー)がサイド7のコロニーのハッチを開けて侵入しようとしたあのシーンです。
そのルウム戦役に投入されたザクⅡは宇宙での戦闘を想定したC型としてC-5型からC-6型へと改修されました。C-5型とC-6型はコクピットハッチの形状が変更され、左胸にレーザー銃も装備され、C-6型のみ右胸部にバルカン砲が装備されています。また、オプションとしてR6キットと呼ばれる20ミリ前腕部機銃ポッドなどの装備可能となっています。
シャア中尉の下、デニム曹長を筆頭にジーンやスレンダーなど経験豊かな古参の兵士たちが人型機動兵器として宇宙で戦い、覚醒したのがこのザクⅡです。
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製作過程
このキットは劇中のファルメル隊所属のデニム曹長機、スレンダー伍長機、ジーン兵長機、パチェコ機が再現出来ます。また、C型/C-5型を購入することで、アッシュ軍曹機も再現出来るマーキングシールも付属しています。
そして、ベルト給弾式マシンガンやMS用バズーカA2型、バズーカ用予備マガジン、対艦ライフル、ヒート・ホークなど豊富な武装が付属しており、C-6/R6型独特の胸部装甲のバルカン砲やパチェコ機用のスパイクアーマー、前腕パーツ、別型のバックパックなど選択式パーツも充実しています。
今回は側頭部に三ツ星マークを付けた101のデニム曹長機を選択します。また、バックパックはバズーカの接続が出来なくなりますが、シャア専用ザクと差別化にするためにバーニアの膨らみが無いタイプを選択します。
1.イメージ
2.組み立て1&パーツの合わせ目消し
- パーツの合わせ目消しのために腕の基軸パーツを分割して後ハメ加工を施します。一方の基軸パーツを腕の内部に残して装甲にランナーパテを付けて3日以上乾燥後、フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨きます。もう一方の基軸パーツを腕の外装に挿入して、瞬間接着剤でしっかり接着します。
- ショルダー部の基軸パーツをカットし、後ハメ加工後、ショルダー部にもランナーパテを付けて乾燥後、フィニッシングペーパーでパーツの合わせ目消しを施します。
- 脚部も基軸パーツを一部削り、装甲内部のダボも一部削って後ハメ加工を施し、脚部装甲にランナーパテを付けて乾燥後、フィニッシングペーパーでパーツの合わせ目消しを施します。
- そのほか武器類にもパーツの合わせ目消しを施します。
- 肘のパーツの肉抜きもランナーパテで埋めて塗装します。
3.塗装
機体色は成型色を生かし、塗装は基軸パーツと武器類に留めます。
リアリティーと重厚感を増すためにシールド、ショルダー、スカート、脚部装甲裏を塗装しますが、前回の失敗を踏まえてパーツの合わせ目消しの完了後に塗装します。
- 頭部ダクト・基軸パーツ・バーニア外側・ヒートホーク・ポリキャップ→ガンメタル
- ヒートホーク刃先・バーニア内側→シルバーリーフ
- ザク・バズーカの予備マガジンの丸モールド
→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー> - 手・バズーカ・マシンガン・ライフル・予備マガジン→ジャーマングレイ
- 脚部装甲裏・スカート装甲裏・シールド裏→フラットブラック
4.ディテールアップ
- モノアイとザクマシンガンのスコープはHIQ PARTSのルミドーム(蛍光ピンク)を貼り付けます。
モノアイは頭部装甲裏とモノアイレールの削り込みが必要です。 - MS用バズーカA2型のスコープは100円ショップ(ダイソー)のデコレーションシールのパープルを、MS用対艦ライフル ASR-78のスコープは100円ショップ(セリア)のラインストーンシールのピンクを貼り付けます。
5.組み立て2
塗装が完了したら、すべてのパーツを組み付けます。
なお、今回同時期に4キットのORIGIN版ザクを購入したために武器類も4セットになるわけですが、製作コスト削減のために武器類は2セット製作とし、3キットそれぞれで使い回すことにしました。
- フィニッシングペーパーの研磨によってつぶれたモールドはハイキューパーツ ラインスクライバーCS 0.15mmで掘り込みます。
- 胸部パーツは敢えてパーツの合わせ目消しを行わず、段落ちモールドで対応します。
6.スミ入れ&マーキング
HGながらもしっかりとしたモールドを組み立て中感じます。クラックを避けるためのシンプルなスミ入れとします。
- 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行い、一部はシャーペンで補正します。大創の「オイルライター専用オイル」、タミヤ「アクリル塗料 溶剤」を併用して拭き取りを行います。
- RGと比べると適量のマーキングシールをデニム仕様で貼り付けます。
- 武器類にはマーキングシールがなく、水転写式のジャンクデカールで対応します。
- 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。白化もきれいに消されて、落ち着きがもたらされました。
7.仕上がり
- 仕上げとして、機体各部や武器類のリベット、足裏バーニア、胸部バルカン、前腕部機銃ポッドを「ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>」で筆塗りします。
シルバーの輝きが強調されるように敢えてつや消し後に行います。 - つや消しから除外しておいたモノアイとモノアイレールを組み付けます。
- すべてのパーツを組み上げ、武器を持たせたら、いよいよ完成!
製作後記
というわけで、"ザクⅠ"、"ザクⅡ"、"シャア専用ザク"のザク3部作の製作が終わりました。
組み立て中から感じたことは、「この価格でこのクオリティー?」いうことです。しっかりしたモールドに、豊富な武器類と選択式パーツはRGに近いクオリティーです。成型色はファーストガンダムのソレとは異なりますが、マーキングシールは程よい量で、完成後はバランスのとれたスタイルに見とれてしまいます。動力パイプは簡素な造形であるものの、可動は安定しており、キット全体としてポロリもない1/144スケールとしてはベストのザクではないでしょうか。
一方最新キットにもかかわらず、腕部、ショルダー部、脚部にがっつりパーツの合わせ目がある点はHGと言えどもいただけません。HGのお約束とは言え、作り易さという意味では時間とストレスが大いに掛かります。価格を上げてもいいので、機体を真っ二つにするような合わせ目は回避してほしいものです。
ORIGIN版ザクは今や入手困難となったため、購入順に"ザクⅠ"→"シャア専用ザク"→"ザクⅡ"の順番で製作を進めてきました。
前作までのパーツの合わせ目消しやクラックの失敗を本キットの製作に生かし、接着後の硬化タイミングや作業効率を考えながら、取扱説明書に製作ポイントを書き込んでいきます。