1/144 バンダイ HG MS-05 ザクI (デニム/スレンダー機)
お気に入りランク:★★★★☆ レア度:★★★★★
”ザクⅠ”はジオン公国軍が最初に実戦配備したモビルスーツであり、宇宙世紀史上初めて実用化された軍事用モビルスーツでもあります。
地球連邦軍との開戦に向け、ジオン公国軍ではミノフスキー粒子下における量産型MSの採用に際して、ジオニック社はYMS-05「ザク」を、ツィマッド社は大推力機であるEMS-04「ヅダ」を開発したものの、「ヅダ」は試験飛行中に空中分解事故を起こし、安定した性能を発揮したジオニック社の「ザク」が採用されたのです。
「ザク」はミノフスキー博士による小型融合炉を搭載することで、人型汎用兵器として完成したMS-04をベースに再設計されたMSです。
性能が向上した"ザクⅡ"となって開発後、本機は”ザクⅠ”と呼ばれるようになったわけですが、通称"旧ザク"の方が一般的でしょう。
そして、"ザクⅡ"が主力として配備されると、性能で劣る”ザクⅠ”は次第に補給作業などの二線級任務に回されていきました。
ルウム戦役ではシャア中尉の下、デニム曹長とスレンダー伍長は"ザクⅠ"で戦い、その数ヶ月”ザクⅡ”でサイド7のコロニーに潜入し、機動戦士ガンダム 第一話「ガンダム大地に立つ!!」へとつながるのです。
Photo Gallery
製作過程
"旧ザク"と言えば、いわゆるファーストガンダム第3話の「敵の補給艦を叩け!」で一度しか登場せず、補給艦パプアの艦長ガデムが搭乗してガンダムにショルダータックルを喰らわせたものの、最終的にはビームサーベルによって撃墜されたMSでした。直前の「やめろガデム!貴様のザクでは無理だ!」と言うシャアのセリフが印象的でした。
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」においても"ザクⅡ"の脇を固める程度の露出でした。しかしながら、ORIGIN版の"ザクⅠ"として発売されたキットは鮮やかな濃緑色と洗練されたスタイルとなっており、発売当初から長い間興味を持っていました。
地味なMSながらも根強い人気を誇る"旧ザク"は2016年5月発売のキットとは言え、現在では入手困難となっており、ヤフオクでクーポンを活用して、リーズナブルな価格で何とか入手することが出来ました。
1.イメージ
2.組み立て1&パーツの合わせ目消し
デニム機とスレンダー機の選択式となっていますが、スレンダー機を選択します。
- パーツの合わせ目消しのために腕の基軸パーツを分割して後ハメ加工を施します。一方の基軸パーツを腕の内部に残して装甲と腕部根元に接着剤を付けて3日以上乾燥後、フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨きます。もう一方の基軸パーツを腕の外装に挿入して、瞬間接着剤でしっかり接着します。
- ショルダー部の基軸パーツをカットし、後ハメ加工後、ショルダー部にもランナーパテを付けて乾燥後、フィニッシングペーパーでパーツの合わせ目消しを施します。
- 脚部は膝裏にパーツの合わせ目消しが必要で、合わせ目にしっかりと接着剤を付けて乾燥後、フィニッシングペーパーで合わせ目消しを施します。
- そのほか武器類にもパーツの合わせ目消しを施します。
- 肘のパーツの肉抜きもランナーパテで埋めて塗装します。
3.塗装
機体色は鮮やかな濃緑色の成型色を生かし、塗装は基軸パーツと武器類に留めます。
リアリティーと重厚感を増すためにシールド、ショルダー、スカート、脚部装甲裏を塗装します。
- 頭部ダクト・基軸パーツ・バーニア外側・ヒートホーク・ポリキャップ→ガンメタル
- ヒートホーク刃先・バーニア内側→シルバーリーフ
- ザク・バズーカの予備マガジンの丸モールド
→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー> - 手・バズーカ・マシンガン・ライフル・予備マガジン→ジャーマングレイ
- 脚部装甲裏・スカート装甲裏・シールド裏→フラットブラック
4.ディテールアップ
モノアイと武器類に定番のディテールアップを施します。
- モノアイとザクマシンガンのスコープはHIQ PARTSのルミドーム(蛍光ピンク)を貼り付けます。
モノアイは頭部装甲裏とモノアイレールの削り込みが必要です。 - MS用バズーカA2型のスコープは100円ショップ(ダイソー)のデコレーションシールのパープルを、MS用対艦ライフル ASR-78のスコープは100円ショップ(セリア)のラインストーンシールのピンクを貼り付けます。
5.組み立て2
塗装が完了したら、すべてのパーツを組み付けます・・・といきたいところですが、パーツの合わせ目消しに大苦戦し、補正に追われました。ショルダー部の合わせ目の白化が気になるためにショルダー部のみ機体色を調合して塗装したり、破損したスカートのパーツの修復など作業をなかなか前に進めることは出来ませんでした。
- フィニッシングペーパーの研磨によってつぶれたモールドはハイキューパーツ ラインスクライバーCS 0.15mmで掘り込みます。
- 胸部パーツは敢えてパーツの合わせ目消しを行わず、段落ちモールドで対応します。
- 脚部のパーツの合わせ目消しは膝裏のみのため、この段階で接着して乾燥後フィニッシングペーパーで磨き上げます
6.スミ入れ&マーキング
組み立て中感じるのは、HGながらもしっかりとしたモールドが入ったキットだということです。クラックを避けるためのシンプルなスミ入れとします。
- 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」でスミ入れを行い、一部はシャーペンで補正します。大創の「オイルライター専用オイル」、タミヤ「アクリル塗料 溶剤」を併用して拭き取りを行います。
- RGと比べると適量のマーキングシールはスレンダー仕様で貼り付けます。
- 武器類にはマーキングシールがなく、水転写式のジャンクデカールで対応します。
- 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。懸念していた白化もきれいに消されて、落ち着きがもたらされました。
7.仕上がり
- 仕上げとして、機体各部や武器類のリベット・足裏バーニアを「ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>」で筆塗りします。
シルバーの輝きが強調されるように敢えてつや消し後に行います。 - つや消しから除外しておいたモノアイとモノアイレールを組み付けます。
- すべてのパーツを組み上げ、武器を持たせたら、いよいよ完成!
- 今回一部同時並行で製作した"シャア専用ザク"(ORIGIN版)からパーツを流用することでデニム機の肩が製作出来、スレンダー機との共演が実現しました。
製作後記
ORIGIN版ザクはRGと従来のHGの中間くらいのクオリティーで、スタイルも良くモールドもしっかりと掘り込まれています。ポロリもなく、安定した可動が楽しめてマーキングシールも適量です。充実した武器類は様々なポージングに貢献してくれます。
このキットの製作ポイントはパーツの合わせ目消しですが、タミヤセメントをたっぷりと付けただけでは白化のラインがどうしても気になりました。塗装せずに成型色を生かす場合にはランナーパテでの処理にした方が良かったかもしれません。
また、今回武器類のスコープはこれまでのウェーブの「H・アイズ」から100円ショップのデコレーションシールへと代えてみましたが、眩しい輝きを放ってくれました。装甲裏を塗装し、武器類もしっかりとマーキングしたことにより、リアリティーが高まりました。
ゲート処理をしていると白化が気になりましたが、仕上げのつや消しで心配が解消され、イメージどおりの色味に落ち着いてくれました。これらの経験を一部並行して製作している"シャア専用ザク"(ORIGIN版)に生かしたいと思います。
取扱説明書を見るとシンプルな組み立て工程ですが、HGにしては部品点数が多く感じます。これは武器類が非常に充実しているためでしょう。
今回の"旧ザク"と同時期に入手した"シャア専用ザク"(ORIGIN版)を一部同時並行で製作します。この2機の製作過程を参考に"ザクⅡ"(ORIGIN版)にも応用したいと思います。