1/144 バンダイ HG RX-77-02 ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)

ハヤト「ううん、えらいことになりましたね。」
カイ「げっ、とにかくやるっきゃねぇ。」

2023.6 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★

アレグランサ島の残置諜者掃討任務でガンダムと共にガンペリーで出撃したカイ・シデン搭乗のガンキャノン。アムロと音信不通となり、2度目の上陸ではハヤト・コバヤシと共に2機のガンキャノンが出撃しています。
識別ナンバー104のカイ機はランドセルにキャノン砲を装備して高い火力と連射性能を誇り、中距離で効果を発揮する支援用MSです。一方、識別ナンバー109のハヤト機はランドセルに18連装のスプレーミサイル・ランチャーを装備し、近接支援を目的としています。つまり、各作戦の用途に応じてランドセルごと交換しているのです。

アレグランサ島ではジオン公国軍サザンクロス隊の高機動型ザク 地上用との戦闘となり、ハヤト機は砲撃によって撃破され、カイ機も高機動型ザクのエグバ機によって両脚を切断されたものの、結果的にドアン専用ザクによって救われたのです。

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製作過程

これまで映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のキットはガンダム→ドアン専用ザク→ジム (スレッガー搭乗機)→高機動型ザク 地上用とプレミアムバンダイ限定発売が続いていましたが、このガンキャノンがシリーズ初の一般発売として発表されました。
早くからのキット発売告知があり、模型店や家電量販店でも充分な在庫が用意されると予想し、発売日には確実に入手が見込めるガンダムベースではなく、近くの家電量販店に開店前並びました。これは交通費節約と値引き販売を期待したからです。
しかし、その家電量販店では当日2個しか入荷がないことが直前に分かり、事前に6個入荷の情報を入手していた外資系玩具店に切り替えて1個目を定価で入手することが出来ました。結果的に値引購入は出来ませんでしたが、同時期の水星の魔女シリーズの入荷数と比べると、宇宙世紀シリーズのガンプラが確実に入手できる環境はまだまだだと実感しました。

 

1.イメージ

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」キットの中で初の一般発売となったガンキャノンは従来のHGらしいボックスアートとなっています。
箱を開けてみるとパーツ点数の少なさにショックを受けました。差し替え可能なハヤト機のランドセルが付属しているとは言え、これで定価2,530円(税込)?というのが実感です。入手困難な再販品と比べるとあまりの価格差で、2023年の物価高騰による開発費、材料費等が影響しているものと思われます。
最新キットながらもしっかりとパーツの合わせ目があり、難易度は低いもののガンプラの基本的な工作技術が必要なキットです。

  1. 頭部・肩部・ランドセル・武装類のパーツの合わせ目消しを行います。
  2. 胸部は段落ちモールドとします。
  3. 機体塗装はガンメタルとジャーマングレイに留めます。
  4. 頭部の輝きやスカート裏など細部を筆塗りで追加塗装し、ディテールアップを施します。
  5. ランドセルとマーキングシールはカイ・シデン機を選択します。
  6. 今回はディスプレイベース上での完成を目指しますので、ウェザリングは無しとします。

2.後ハメ加工

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)

ハヤト機用のスプレーミサイル・ランチャー装備のランドセルはパーツの合わせ目消しのためにすべてのパーツを接着してしまうと、色が異なるバーニアの基部パーツが外せなくなるという問題があります。
パーツの合わせ目消しに取り掛かる前にYouTubeモデラーの作例を参考に後ハメ加工から作業を開始します。

  1. バーニアの基部パーツの中心部を10mm程削り落として分割し、ダボ穴の上部を削って”U”の字にします。
  2. 分割したバーニアの基部パーツを後から差し込めるように試しながら、ランドセル本体側のダボピンにあたる干渉部とバーニアの基部パーツ側の”コ”の字の干渉部を削り落とします。(画像の赤マルと赤線)
  3. ランドセル本体に分割したバーニアの基部パーツを差し込んで後ハメを確認します。
  4. ランドセル本体の上部はパーツの合わせ目消しを行い、下部は段落ちモールドとして処理します。

3.組み立て&パーツの合わせ目消し

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)

いつものようにポリキャップをジャーマングレーで塗装してから組み立てを開始します。
最新キットにもかかわらず、多めのパーツの合わせがハヤト機のランドセル以外にもあります。

  1. 基軸パーツを中心に組み立てを開始します。
  2. ハヤト機のランドセルのほかにも頭部・肩部・武装類にパーツの合わせ目が出ますが、カイ機のキャノン砲はシリンダーを先に塗装しておく必要があります。キャノン砲のシリンダーをアルミシルバーで塗装し、乾燥後マスキングしてからパーツを組み付けてパーツの合わせ目消しに備えます。
  3. 各パーツの合わせ目にタミヤセメントを塗り付けます。(画像の赤線)
  4. パーツをクリップで挟み込んで4、5日硬化を待ちます。
  5. フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  6. 頭部パーツ以外のパーツにサーフェイサー(グレー)を吹き、必要に応じて研磨を繰り返します。

4.塗装

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)

赤と白の装甲色はイロプラを生かし、それ以外のパーツを塗装します。

  • 基軸パーツ、手、脚部接続パーツ、ランドセル、ビーム・ライフル→ガンメタル
  • 肩部・脚部の関節、基軸パーツ、ハンドパーツ、スプレーミサイル・ランチャーの一部、バーニアの基部パーツ→ジャーマングレイ

5.ディテールアップ

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)

定番の追加塗装に加えてディテールアップパーツの追加も行います。

  • 頭部・胸部バルカン開口部をピンバイスで拡大し、アンテナをシャープ化します。
  • 頭部バルカン周辺→レモンイエロー
  • 頭部カメラ内部、足裏バーニア→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • 頭部バルカン、スプレーミサイル・ランチャー弾→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • キャノン砲のシリンダー→アルミシルバー
  • キャノン砲の砲身内部→ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>
  • スカート前部を分割します。(取扱説明書に「お好みで切ります」と案内があります。)
  • スカート裏→ジャーマングレイ
  • ビーム・ライフルのスコープは100円ショップ(ダイソー)のデコレーションシールのパープルをサイズ調整して貼り付けます。

6.組み立て2&スミ入れ

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)

スミ入れはクラックを避けるためにガンダムマーカーにするか迷いましたが、このキットのモールドは細いためにMr.ウェザリングカラーでスミ入れしたいため、先に下地塗装としてつや消しを吹いてスミ入れを進めます。

  1. キャノン砲のマスキングを外し、塗装が完了したパーツを組み立てます。
    ランドセルはカイ機のキャノン砲を選択します。
  2. 気になる胸部パーツ側面のパーツの合わせ目はデザインナイフで彫り込み、段落ちモールドとして処理します。
  3. GSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を下地塗装として吹きます。
  4. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れします。
  5. 乾燥後、うすめ液を使って綿棒で拭き取ったら、クラック防止のためにドライヤーで速乾させます。

7.マーキング

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)
  1. スミ入れが完了したら、カトキハジメ氏デザインのマーキングシールを貼り付けます。
    識別ナンバーはカイ機を選択します。
  2. 2度目のGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてしっかりとコーティングします。

8.仕上がり

ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)
  1. 頭部カメラのクリアーパーツを取り付けます。
  2. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!
  3. 完成したガンキャノンとジム (スレッガー搭乗機)を100円ショップキャンドゥで購入した山田化学(株)「連結ディスプレイベース」に乗せてディスプレイします。

製作後記

完成したガンキャノンを組み上げた感想は「小っちゃ!」です。RGのFFサザビー製作直後のため、同じ1/144キットとは思えないスケール感です。ディスプレイした「連結ディスプレイベース」は元々横幅と奥行が短かく、身長が低くくてランドセルの奥行きがないファーストガンダム系のガンプラにはジャストフィットサイズでした。
最新キットながらも、後ハメ加工やパーツの合わせ目消しが必要な基本的なガンプラスキルが問われるキットでした。
いつもならイロプラを生かす場合はクラック防止のためにガンダムマーカーでスミ入れするところですが、今回はモールド細いためにMr.ウェザリングカラーでスミ入れしたかったのです。そこで、下地塗装としてつや消しを吹いた後にMr.ウェザリングカラーでスミ入れし、ドライヤーで速乾させることでクラック防止に成功しました。
Gallery撮影のために劇中の映像を参考に様々なポーズの再現に挑戦しましたが、マッシブな機体にもかかわらず、期待以上の可動力でした。ただ、この部品点数にしてこの価格設定はやっぱり疑問が残りますね。

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