1/144 バンダイ HG RGM-79 ジム (スレッガー搭乗機)

スレッガー「軍法会議もの、行ってみる?」
2023.1 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★☆

映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」よりホワイトベースに配備されたスレッガー・ロウ中尉が搭乗するMSがRGM-79 ジムがスレッガー搭乗機としてオリジナルデザインで登場!
地球連邦軍のモビルスーツ開発計画によって誕生した制式量産機ジムは地球連邦軍の主力機として大量生産され、複数のバリエーションが存在するものの、ジャブローに配備されたスレッガー搭乗機のジムはコックピットハッチや肩のフックなどが一般用ジムとは異なり、胸部にパーソナルマークも施されています。
劇中では帰らずの島と呼ばれるアレグランサ島で行方不明になったアムロ・レイを捜索すべく、スレッガー中尉はジムに搭乗してセイラ・マスのコア・ブースターとともに出撃しました。
島の上空で接近したルッグンをビーム・ライフルで撃墜するものの、その後の結末は・・・(笑)。

Photo Gallery


製作過程

このキットも幸運にもプレミアムバンダイの1次予約に成功しました。プレミアムバンダイ予約成功のコツが段々とつかめてきました。
意外なキットが早期に発売されたのは驚きでしたが、このキットはホワイトベースに配備されたスレッガー・ロウ中尉が搭乗するRGM-79 ジムを完全新規造形で商品化しており、印象的なパーソナルカラーが鮮やかな成形色で再現され、コーションマークを収録した水転写式デカールが付属しています。その他にもビーム・スプレーガン(前期型)やシールド等の新規武装も装備しています。
RX-78-02ガンダムのデータを基に開発された量産型主力MSジムは 胸部、肩部、脚部形状など細部にわたりディテール豊かに再現され、スレッガー・ロウ中尉のパーソナルカラーをパーツ分割による色分けで忠実に再現しており、特徴的な頭部はメインカメラにグリーンのクリアパーツを採用し、内部センサーのディテールまで細やかに表現されています。各部装甲やスラスターの形状を忠実に再現したほか、パネルラインに合わせたパーツ分割構造、アンクルガードなど細部まで色分けを実現し、最新のHGフォーマットによる高い可動性能で躍動感あるポージングを演出し、 武器の持ち手や平手などポージングの幅を広げるオプションパーツもセットされています。

 

1.イメージ

ジム (スレッガー搭乗機)

ガンダムとドアン専用ザクはフルカラーパッケージでしたが、ジム (スレッガー搭乗機)では二色刷りのパッケージで、取扱説明書はモノクロとなっています。
箱を開けてびっくりしたのは水色の成形色です。Blu-rayで映像を確認すると完全なホワイトは一部で、機体色の大半は薄いグレーとなっています。なので、この水色の成形色は塗装が必要です。
パーツの合わせ目消しは比較的少なそうで、胴体部は段落ちモールドとします。
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のキットはガンダムとドアン専用ザクともにジオラマ作品でしたのでウェザリング仕様としましたが、このジムは劇中のほとんどがホワイトベースのカタパルトデッキ内とコア・ブースター上での戦闘シーンであり、最後の地上では残念な結末でしたのでウェザリングは無しとします。

  1. 頭部と武器類にパーツの合わせ目消しを行い、そのほかは段落ちモールドとします。
  2. 水色の成形色は薄いグレーに塗装し、劇中のカラーリングを再現します。
  3. 頭部の輝きやスカート裏など筆塗りで追加塗装し、ディテールアップを施します。
  4. シール対応の箇所は一部を除きそのまま活用します。
  5. 劇中のジム (スレッガー搭乗機)はホワイトベースから出撃間もない設定のため、ウェザリングは無しとします。

2.組み立て1&パーツの合わせ目消し

ジム (スレッガー搭乗機)
  1. 頭部の一部にパーツの合わせ目が出ます。また、ビーム・ライフルとビーム・スプレーガンにもガッツリ合わせ目が出ますので、合わせ目消しが必要です。
    合わせ目に瞬間接着剤をたっぷりつけます。
  2. 硬化の時短のためにアルテコ「瞬間接着剤用硬化促進剤 スプレープライマー」を吹きます。
  3. フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. パーツ全体にサーフェイサー(グレー)を吹き、必要に応じて研磨を繰り返します。

3.塗装

ジム (スレッガー搭乗機)

今回の製作ポイントでもある薄いグレーの機体色は予定ではMr.カラースプレー灰色9号を予定していたのですが、吹いてみると思ったよりホワイトが強く、ホワイトの成形色パーツとの差別化が出来ないためにタミヤカラーのヘイズグレイを選択しました。しかし、ヘイズグレイだと今度はグレーが濃く、やや青みがかってしまうのです。
劇中の薄いグレーに近づけるために最終的に選択したのが、サーフェイサー(グレイ)でした。こんな選択をするモデラーはいないかもしれませんが、手持ちの缶スプレーでは最適の色味だったのです。

  • 基軸パーツ、手、ランドセル、シールド接続パーツ、ビーム・ライフル、ビーム・スプレーガン→ジャーマングレイ
  • 装甲パーツ→サーフェイサー(グレー)

4.スミ入れ

ジム (スレッガー搭乗機)

スミ入れはクラックを避けるためにガンダムマーカーにするか迷いましたが、リスクをとってMr.ウェザリングカラーを選択しました。しかし、うすめ液の拭き取りではサーフェイサーが剥がれ、修復箇所がいくつも出てしまいました。
そもそも、このイロプラはなぜ水色の成形色だったのでしょうか?旧キットを意識し過ぎたのでしょうか?

  1. 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れします。今回は「Mr.ウェザリングカラー 専用うすめ液」でジャブジャブに薄めることはしませんでした。
  2. 乾燥後、うすめ液を使って綿棒で拭き取ったら、クラック防止のためにドライヤーで速乾させます。
  3. コピック マルチライナー<ブラック>0.03mmとシャーペンで補正します。
  4. スミのシャープさはMr.ウェザリングカラーの流し込みが勝りますが、腕部にクラックを起こしました。
    パーツの合わせ目消しの容量で修復しましたが、やはり難しいですね。ポイントはうすめ液の使い方でしょうか。

5.ディテールアップ

ジム (スレッガー搭乗機)

定番のディテールアップに加えてBlu-rayで映像を確認して追加塗装を施します。組み立てながら気付いて追加塗装する箇所も多数ありました。
関節の丸モールドは塗装せず、付属のシールをそのまま使用します。

  • 頭部バルカンとビーム・スプレーガン→開口部をピンバイスで拡大
  • 頭部カメラ、頭部バルカン、左腕バルカン、胸部リベット、脚部リベット→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • コクピットハッチ下部、脚部ダクト、足裏バーニア、シールドリベット→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • 肩部ダクト外枠→レッド
  • 定番のスカート前部を分割します。(珍しく取扱説明書に「お好みで切ります」と案内があります。)
  • 腰部サイドのモールド、スカート裏、足裏→ジャーマングレイ
  • バーニア外輪→ガンメタル
  • バーニア内輪→アルミシルバー

6.組み立て2&マーキング

ジム (スレッガー搭乗機)
  1. スミ入れが完了したら、すべてのパーツを組み上げます。
  2. 付属の水転写式デカールを貼り付けます。ガンダムではデカールの使用を劇中仕様にするために最小限に控えましたが、今回はRG並みのデカールを思い切って投入します。
  3. 「Mr.マークソフター」でデカールを馴染ませます。
  4. バーニアパーツとホイルシール除外してGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

7.仕上がり

ジム (スレッガー搭乗機)
  1. つや消しから除外しておいたメインカメラのシールドとバーニアを組み付けます。
  2. 除外した頭部ホイルシールに加え、劇中の映像を参考に胸部左モールドに100円ショップダイソーの装飾テープのグリーンのホイルシールを貼り付けます。
  3. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!
  4. 久しぶりにRealistic Model Series「1/144スケール HGUCシリーズ用 ホワイトベースカタパルトデッキ」を活用して撮影してみました。設定上もピッタリでした。

製作後記

今回の製作ポイントでもあった装甲の薄いグレーを塗料の変更3回目にしてサーフェイサー(グレー)で解決するという課題の色味はイメージどおりの仕上がりとなりました。また、デカールを貼りながら、もし装甲色の選択を間違っていたら、グレーのパーソナルマークが沈むところだったとも感じました。
ガンダムでは劇中の映像再現のジオラマを目標としていたために水転写式デカールの使用を最小限にしていましたが、久しぶりに水転写式デカール貼り付けをしてみると手にまとわり付き、なかなか厄介でした。上級モデラーは水転写式デカールを歓迎する人が多いようですが、個人的にはリアリスティックデカールが作業しやすくて良いですね。
このキットはHGながらもパーツの合わせ目消しが出にくい構造で、パーツのフィット感も抜群の完成度の高いキットです。また、つや消しスプレーを吹くと塗装しなかったイロプラも一体化し、最後には落ち着きがもたらされました。
仮組みを行わなかったため、すべてのパーツを組み上げた後の感動を最後に味わうことが出来ました。

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