1/144 バンダイ HG RGM-79 ジム (モロッコ戦線仕様)

ジオン兵「けっ!来てくれたのか。褐色のサザンクロス!」
2023.7 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★☆

RGM-79 ジム(モロッコ戦線仕様)は映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」の劇中においてモロッコ王国最大の都市カサブランカの戦場に登場したMSです。
カサブランカでは赤い胸部の標準塗装のジムのほかにオレンジとグレーを基調としたカラーリングにショルダー・キャノンやビーム・スプレーガン(前期型)を装備したも複数のジムが登場しました。
当初地球連邦軍のジム部隊は市街戦でザクを圧倒していたものの、スピードスケートのように戦場を滑走して救援に駆け付けたジオン公国軍のサザンクロス隊高機動型ザク 地上用によって、あっけなく全滅させられたのです。

Photo Gallery


製作過程

このキットもプレミアムバンダイの1次予約に成功しました。
旅行中の高速バス社内でゲリラ予約販売の情報をキャッチ。高速バスを下車後、これまでPCからでしか予約できなかった「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」シリーズキットを初めてスマホで予約することが出来ました。これで幸運にもこのシリーズキット予約4連勝です。
ジム(スレッガー搭乗機)がベースのキットですが、微妙に異なる頭部、胸部、肩部形状が忠実に再現され、オレンジとライトグレーを主体としたカラーリングに加え、ショルダー・キャノンやビーム・スプレーガン(前期型)、ビーム・ライフル、ビーム・サーベル、シールドのほかに豊富なハンドパーツもセットされています。小隊機であることを示す劇中のナンバーマークなどを収録した水転写式デカールも付属しています。

1.イメージ

ジム (モロッコ戦線仕様)

ジム(スレッガー搭乗機)同様、ジム (モロッコ戦線仕様)も二色刷りのパッケージで、取扱説明書はモノクロとなっています。
ジム(スレッガー搭乗機)でがっかりした水色の成形色は薄いグレーに変更されているものの、劇中の機体色とは異なるために塗装が必要です。
パーツの合わせ目消しは少なく、段落ちモールドについてはジム(スレッガー搭乗機)より踏み込んでチャレンジしていきたいと思います。
そして、最終的に高機動型ザク 地上用(エグバ機/ウォルド機)とのジオラマにするため、ウェザリング仕様とします。

  1. 頭部と武器類にパーツの合わせ目消しを行い、パーツの合わせ目を見極めて適切に段落ちモールドとします。
  2. 機体色はジム (スレッガー搭乗機)で不自然だった水色の成形色が薄いグレーに変更されているため、このままイロプラを生かしますことにします。
  3. 頭部の輝きやスカート裏など筆塗りで追加塗装し、ディテールアップを施します。
  4. シール対応の箇所は一部を除きそのまま活用します。
  5. ジオラマにして高機動型ザク 地上用のやられキャラとしてウェザリング仕様とします。

2.組み立て1&パーツの合わせ目消し

ジム (モロッコ戦線仕様)
  1. 頭部の一部にパーツの合わせ目が出ます。また、ショルダー・キャノンやビーム・スプレーガン(前期型)、ビーム・ライフルにもガッツリ合わせ目が出ますので、パーツの合わせ目消しが必要です。
    合わせ目にタミヤセメントをたっぷり付けます。
  2. 武装類についてはすべての合わせ目を消すことこだわらず、臨機応変に段落ちモールドとして処理します。
  3. フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  4. パーツ全体にサーフェイサー(グレー)を吹き、必要に応じて研磨を繰り返します。

3.塗装

ジム (モロッコ戦線仕様)

今回は機体色の塗装を行わないために、パーツの合わせ目消しを終えたパーツと合わせて武器類、基軸パーツを塗装します。

  • 基軸パーツ、手、ランドセル、シールド接続パーツ、ビーム・ライフル、ビーム・スプレーガン、ショルダー・キャノン
    →ジャーマングレイ
  • 装甲パーツ→サーフェイサー(グレー)

4.ディテールアップ

ジム (モロッコ戦線仕様)

定番のディテールアップに加えてBlu-rayで映像を確認して追加塗装を施します。
ジム (スレッガー搭乗機)のディテールアップポイント同様追加塗装しますが、脚部の関節はジム (スレッガー搭乗機)では他の機体色とは異なるホワイトでしたが、本機は薄いグレーと同色でした。
ただしm関節の丸モールドは前回同様塗装せず、付属のシールをそのまま使用します。

  • 頭部バルカンとビーム・スプレーガン→開口部をピンバイスで拡大
  • 頭部カメラ、頭部バルカン、左腕バルカン、胸部リベット、脚部リベット→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • コクピットハッチ下部、脚部ダクト、足裏バーニア、シールドリベット、ショルダー・キャノンの砲身
    →ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • 肩部ダクト外枠→レッド
  • 定番のスカート前部を分割します。(珍しく取扱説明書に「お好みで切ります」と案内があります。)
  • 腰部サイドのモールド、スカート裏、足裏→ジャーマングレイ
  • バーニア外輪→ガンメタル
  • バーニア内輪→アルミシルバー

5.組み立て2

ジム (モロッコ戦線仕様)

ディテールアップも含めた塗装が完了したら、すべてのパーツを組み上げます。
後ハメ加工もなく、パーツの合わせ目消しも少ないためにサクサクと製作が進みます。HGながらもモールドもしっかりあり、ポロリもない良質なキットであることを実感できます。
クラックを避けるためのコーティングとしてこの段階でいったんGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

6.スミ入れ&マーキング&ウェザリング

ジム (モロッコ戦線仕様)
  1. モロッコ市街の巻き上げる砂埃をイメージしてスミ入れはいつもの「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」に代えて「Mr.ウェザリングカラー グランドブラウウン」でスミ入れします。
  2. 乾燥後、うすめ液を使って綿棒で拭き取ったら、クラック防止のためにドライヤーで速乾させます。
  3. タミヤ「ウェザリングマスターセットB、C」で足元を中心にブラウンの汚しを、バーニア周辺はブラックのすすを加えます。
  4. アクリルガッシュのバーント アンバーとランプ ブラックをくたびれた歯ブラシで叩き、泥の跳ね返りや不規則な汚れを脚部下部やシールド下部を強めに表現します。
  5. 水転写式デカールを貼り、「Mr.マークソフター」でデカールを馴染ませます。
  6. エナメル塗料のクロームシルバーでドライブラシをエッジを中心に掛けます。
  7. この段階で再度「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

7.仕上がり

ジム (モロッコ戦線仕様)
  1. つや消しから除外しておいたメインカメラのシールドとバーニアを組み付けます。
  2. 除外した頭部ホイルシールに加え、劇中の映像を参考に胸部左モールドに100円ショップダイソーの装飾テープのグリーンのホイルシールを貼り付けます。
  3. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!

製作後記

ジム(スレッガー搭乗機)の色違いキットくらいのイメージでこのキットを購入しましたが、完成してみると細やかなモールドに豊富な武装とデカールが付属する良キットだと感じさせられました。後ハメ加工は不要で、パーツの合わせ目消しも最低限で済み、一部ディテールアップ塗装は必要ですが、サクサクと製作が進みました。
ジム(スレッガー搭乗機)では機体装甲色を成形色から塗装する必要がありましたが、本キットはイロプラを生かしたために組み上げた時点ではおもちゃ感が残ったものの、ウェザリング仕様によってリアリティーが高まりました。いつもやり過ぎない汚しを心掛けていますが、久しぶりのウェザリングはやや強めになりました。
ウェザリングはスポンジを使用するモデラーが多いと思いますが、歯ブラシを活用することによってモロッコ市街での激しい戦闘とMSの巨大感を表現することが出来ました。

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