1/144 バンダイ HG ORB-01 オオワシアカツキガンダム

カガリ「カガリ・ユラ・アスハ、アカツキ発進する!」「国土を守るんだ!どうか皆、私に力を!」
2024.2 製作
お気に入りランク:★★☆☆☆  レア度:★★★★☆

アカツキはオーブ国防軍の制式MSとしてモルゲンレーテ社が開発しました。強烈な印象を与える金色のビーム反射装甲「ヤタノカガミ」をもつアカツキは開発コストがあまりに高額となったためにプロトタイプ1機のみで計画が凍結されたものの、オーブ元代表のウズミ・ナラ・アスハの意向によって国家意思の象徴として娘のカガリ・ユラ・アスハ専用機として密かに保存されていました。

オーブ防衛戦においてカガリ搭乗によって多数のザフト軍MSを撃墜したものの、デスティニーガンダムの攻撃を受けて窮地に陥ったところをストライクフリーダムガンダムの登場によって窮地を脱しました。

ナノスケールのビーム回折行使層と超微細プラズマ臨界制御層から構成され、撃ち込まれたビームから機体を保護するだけでなく敵機に向けてにビームを送り返す攻防一体のシステムを持つアカツキはストライカーパックシステムを参考にした拡張ユニットを導入することによって戦闘力の向上が図られ、背部に装備大気圏内航空戦闘装備「オオワシ」を装備した形態がオオワシアカツキガンダムです。

Photo Gallery


製作過程

HGのアカツキのキットにはオオワシアカツキガンダムのほかに「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」終盤に登場し、ネオ・ロアノークの乗機として活躍したシラヌイアカツキガンダムがあります。シラヌイアカツキガンダムはスラスターやドラグーン基部が可動するバックパックで、攻撃形態を演出するビーム発射形態も再現可能な仕様となっていますが、バックパックが格好いい本キットの購入を選択しました。

アカツキが大気圏内飛行用パック「オオワシ」を装備したオオワシアカツキガンダムは機体の金色部分はメッキコーティングで再現され、「オオワシ」に装着されているビームキャノンは、カバーをスライドさせるとグリップがせり出し発射形態に変形、脇下を通らせ前方に構えることが可能となっています。「オオワシ」は単独で戦闘機形態に変形可能となっており、ビーム・ライフル、ビームナギナタはサイドアーマーでも着脱可能となっています。
ガンプラ増産の効果なのか発売前の予想が外れ、発売日以降家電量販店でも比較的容易に購入することが出来る状況となっていました。

 

1.イメージ

オオワシアカツキガンダム

ボックスアートはこの当時の「機動戦士ガンダムSEED 」系キットに多く見られる残念なデザインであります。
箱を開けてみると鮮やかなゴールドメッキが目を引きますが、パーツ点数は少なく感じます。「暁」「大鷲」のガンダムデカールが付属していて百式を思い起こさせます。
黒と白の大きな付属シールが目立ち、塗装するのであればゴールドメッキに塗料を乗せることになります。
ゴールドメッキのためにつや消しの除外、スミ入れ対応やそれ以外のパーツを差別化してディテールアップすることが今回の製作ポイントとなります。

  1. 最重要課題はゴールドメッキパーツの対応で、指紋や手垢の付着を避けるために白手袋を使って慎重に取り扱います。
  2. ゴールドメッキパーツの一部はアンダーゲートがあるものの、ゲート処理とパーツの合わせ目消しをガンダムマーカー(ホワイトゴールド)とハセガワ「トライツールシリーズ TF-5 ゴールドミラーフィニッシュ」を活用して対応します。
  3. 黒と白のシール箇所はマスキングして塗装に挑戦します。
  4. ディテールアップの余地は少ないものの、基軸パーツのつや消し塗装と各部のメタリック塗装でゴールドメッキパーツとの差別化や重量感を加えます。

2.組み立て1&パーツの合わせ目消し1

オオワシアカツキガンダム

塗装が必要なパーツから先に組み立てを始めます。
ゴールドメッキパーツにパーツの合わせ目がありますが、ペーパー掛けが出来ないために定番のパーツの合わせ目消しは見送り、別の方法を模索します。

  1. 塗装を行うグレイパーツ、ブラックパーツ、レッドパーツから組み立てを進めます。
  2. ゴールドメッキパーツを除くパーツの合わせ目消しはビーム・ライフルのみになります。
  3. タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったらアルテコ「瞬間接着剤用硬化促進剤 スプレープライマー」を吹いて硬化の時短を図ります。
  4. 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
  5. サーフェイサー(グレイ)を吹きます。
  6. ビーム・ライフルの埋もれたモールドをスジ彫りします。

3.塗装

オオワシアカツキガンダム

「オオワシ」の翼に黒と白の付属シールを貼る仕様となっていますが、マスキングして塗装に挑戦したもののアクシデント発生です。
マスキングテープに加えて付属シールの余白を利用したところ、塗装そのものはうまくいったもののシール跡の"のり"が付着してしまいました。この現象は規模は違うもののマスキングテープにも同様の現象が起きました。
この"のり"をガンダムマーカー〈消しペン〉で拭き取ろうとしたところメッキがはがれました。ちなみにアクリル溶剤だとこの現象は軽減されましたが、ゴールドメッキパーツの汚れを完全に修復することは出来ませんでした。
そこで本来ゲート処理のために用意していたハセガワ「トライツールシリーズ TF-5 ゴールドミラーフィニッシュ」を貼り付けて修復を試みましたが、このツールは薄過ぎてゲート跡の起伏を埋めることが出来ず、デコボコが表面化しました。
なお、メタリック塗装した以外のパーツは組み立て前にGSIクレオス「Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹きます。

  1. 「オオワシ」の翼の黒と白のシールを貼る対象箇所以外をマスキングします。
  2. サーフェイサー(ホワイト)を吹きます。
  3. 白いシールの箇所→灰色9号
  4. 白いシールの箇所をマスキング
  5. 黒いシールの箇所→マットブラック
  6. マスキングを剥がします。
  7. ・基軸パーツ→ジャーマングレー
    ・ハンドパーツ、ビーム・ライフル→ジャーマングレイ
    ・ブラックパーツ→マットブラック
    ・レッドパーツ→メタリックレッド

4.スミ入れ

オオワシアカツキガンダム

いつもと手順を変えて組み立てる前にスミ入れを行います。
これもゴールドメッキ対策で、ランナーのままスミ入れすることで組み立て時の指紋や手垢の付着リスクを減らすためです。

  1. ガンダムマーカー〈ブラック〉とコピック マルチライナー<ブラック>0.03mmを使ってスミ入れします。
  2. スミがはみ出たらアクリル溶剤で拭き取ります。
    Mr.ウェザリングカラーをスミ入れで使用しない理由は溶剤によってゴールドメッキがはがれる恐れがあるためです。

5.組み立て2

オオワシアカツキガンダム

今回ゴールドメッキパーツ対策として100円ショップ大創で「ドライブ手袋(白)」を購入しました。すべり止め付で手にフィットしやすいMサイズを選びました。

  1. 指紋や手垢の付着を避けるために白手袋を使ってランナーを取り扱います。
    しかし、すべり止めのデコボコ模様がゴールドメッキに付着するというアクシデントが発生し、またしても対策が裏目となりました。
  2. ゴールドメッキパーツのゲート処理のために部位に応じて処理痕をガンダムマーカー(ホワイトゴールド)で埋めます。
  3. さらに大きな面のゲート処理とパーツの合わせ目消しはハセガワ「トライツールシリーズ TF-5 ゴールドミラーフィニッシュ」を活用して対応します。

6.パーツの合わせ目消し2&ディテールアップ&マーキング

オオワシアカツキガンダム

パーツの合わせ目消しの第2段階としてパーツの合わせ目をハセガワ「トライツールシリーズ TF-5 ゴールドミラーフィニッシュ」で貼る”段上げモールド処理”を行います。
貼り付けのポイントは”点ではなく面で”埋め、パーツの合わせ目消しは段落ちモールドの逆の段上げモールド処理とします。具体的な処理箇所としては肩部、腕部、膝裏部、73F式改 高エネルギービーム砲裏部です。しかし、ゲート処理跡が目立つ腕部、膝裏部はホイルシールを貼って平面にしてその上にハセガワ「トライツールシリーズ TF-5 ゴールドミラーフィニッシュ」を貼り直しました。
ゴールドメッキパーツは裏面がシルバーになっているためにいつもの装甲裏の塗装は諦めて素材を生かすことにしますが、頭部アンテナのみシャープ化後裏面にハセガワ「トライツールシリーズ TF-5 ゴールドミラーフィニッシュ」を貼り付けます。
また、組み立て後にジャーマングレーのイロプラ漏れの追加塗装が発生しまし、ジャンクシールで埋めた箇所もありました。
以下の追加処理が終わったら、最近のキットでは見かけなくなったガンダムデカールの”暁”と”大鷲”を貼り付けます。

  • 頭部バルカン、足裏バーニア、ビーム・ライフルの丸モールド→ガンダムマーカーEX<シャインシルバー>
  • 各部ダクト→ガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>
  • バックパック下部バーニア内側、73J2式試製双刀型ビームサーベルの持ち手のモールド→メタリックレッド
  • ツインアイのシールの二段重ね、カメラアイ前後、ビーム・ライフルのスコープ
    →ホイルシールの上に100円ショップ大創の装飾テープ(ブルー)を貼ります。
  • 肩部基軸部、バックパック角モールド内側、73F式改 高エネルギービーム砲先端→ジャーマングレー
  • シールド前部(付属のシールはありません)→フラットブラック
  • シールド前部(付属のシールはありません)モールド、ビーム・ライフルのスコープ周辺→フラットホワイト
  • シールド前部下部→EPSON「スーパーファイン専用ラベルシート」

7.仕上がり

オオワシアカツキガンダム
  1. ゴールドメッキパーツ対策として手袋を装着し、アクリル溶剤で汚れを拭き取り、メガネ拭きで装甲を磨きます。
  2. すべてのパーツを組み上げたら、いよいよ完成!

製作後記

本キット製作で学んだ事

①ゴールドメッキパーツの扱いは小さいサイズのすべり止めの無い白手袋を使い、塗装はマスキングせずに直接筆塗りすべし!
(マスキング塗装は接着面の"のり"の付着リスクがあり、"のり"の除去にはアクリル溶剤が適しており、ガンダムマーク〈消しペン〉ではメッキがはがれます。指紋や汚れはメガネ拭きでも除去出来ます。)
②ゲート処理は今回から使用したガンダムマーカー(ホワイトゴールド)と従来のガンダムマーカー(ガンダムゴールド)を部位に応じて併用すべし!
③リカバリーのために使用したハセガワ「トライツールシリーズ TF-5 ゴールドミラーフィニッシュ」の粘着力は特筆すべきものがありますが、素材の薄さからゲート跡の起伏が出来るため、下地にシールを貼るべし!


今回の製作はマスキングミスがあったり、シール箇所の塗装に悪戦苦闘しました。塗装そのものはうまく着色出来たにもかかわらず、製作前のイメージの判断ミスなど反省ばかりの作品となりました。
本キットはイロプラをシールで補う仕様になっているにも関わらず、シールドについてはシールがない全くのイロプラ漏れという点もキット自体にも不満を感じました。
リカバリーに何度もチャレンジしましたが、やればやるほどゴールドメッキパーツが汚れるという負のループに陥り、結果的にお気に入りランクは久しぶりの★★となりました。残念・・・。
この苦い経験を次作「1/100 バンダイ ORB-01 アカツキガンダム(オオワシパック/シラヌイパック フルセット)」の製作で生かしたいと思います。
※ちなみにGallery画像はパーツの合わせ目を加工処理しています。

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