1/144 HG AMX-011S ザクⅢ改
お気に入りランク:★★★★★ レア度:★★★★★
1986年に放送された「機動戦士ガンダムΖΖ」。
ザクⅢは一年戦争終結後、アステロイドベルトに潜伏していた旧ジオン公国軍の残党であるアクシズ=ネオ・ジオン軍のMSで、劇中中盤のダカール戦線において先行量産型にラカン・ダカランがドライセン部隊を率いて登場しました。劇中終盤の第44話では強化人間として再登場したアクシズの騎士ことマシュマー・セロのバイオセンサー搭載指揮官用攻撃型重MSとして登場したのが”ザクⅢ改”です。
グレミー・トトの反乱によって組織が二分されたネオ・ジオンに於いて、マシュマー・セロはハマーン・カーン側に立ち、イリア・パゾムのリゲルグとともにサイド3コロニー「コア3」内の警護に向かい、プルツーのクィン・マンサを相手に多数のファンネルをビームサーベルで切り裂きました。さらにラカン・ダカラン率いるスペース・ウルフ隊の有線アームで拘束され、高圧電流とビームにさらされるも、マシュマーの気迫がサイコフィールドを形成し、光を放ちながら数機のドーベン・ウルフを道連れにしました。
濃淡グリーンを基調とする鮮やかな機体色の”ザクⅢ改”の特徴は、まずベースジャバーとの連携強化のために頭部に複数のアンテナと側面に30mmバルカン砲2門を装備しています。ザクⅡに近い印象の左肩のショルダーアーマーに対して右肩のオプションラックシールド裏側には予備のビーム・サーベルやクラッカーをマウントしており、ザクⅢから積載量を約8倍に増量したプロペラントタンクを有するバックパックの超大型バーニアに加え、それ自体がバーニア・スタビライザーとして可動する伸長されたリアスカートを装着しています。ちなみに量産型とは頭部、バックパック、ショルダーアーマー、フロントスカートのビームキャノン、ヒート・サーベルなどが相違しています。
そして、”ザクⅢ改”は主役機であるZZガンダムとの戦闘シーンがないまま、皮肉にも量産型ザクⅢにも搭乗したこともあるラカン・ダカランのドーベン・ウルフによって消え去ったのです。
Photo Gallery

製作過程
2024年10月当サイトカテゴリーにようやく「機動戦士ガンダムZZ」を追加しました。
そして、最初にアップするキットは主役機のZZガンダムではなく、物語の終盤に僅かに登場したザクⅢ改です。
このキットはガンプラマニアの中でも人気が高く、私的にはこのゴテゴテしたマッシブな機体が好きなのですが、ハイザック同様パーツの合わせ目消しが多く、これまでZZガンダムより先に製作することに抵抗があり、見送ってきました。
しかし、某中古商品買取・販売店で箱のバックショットの完成写真を見た瞬間、これはこだわりを捨てて製作すべきだと決断しました。2024年8月の再販でガンダムサイドFで待望の本キットを手にすることが出来ました。
1.イメージ

2.仮組み

ハイザックで得た製作ノウハウをこの難易度の高いキットにも応用するため、仮組みを行います。
組み上げるとこの段階でも素晴らしいスタイリングのキットで、これからの製作をワクワクさせる楽しみなキットですが、やはりブルー系のイロプラが気になりますね。
ここではハイザック製作時と同様に仮組み後、部位ごとの後ハメ加工やパーツの合わせ目消し、塗装工程の検証と前処理をイメージしていきます。
- 頭部
→ノーズダクト部分をカットして後ハメ加工を施します。
ブレードアンテナをシャープ化します。
モノアイレールを加工し、モノアイはピンクの輝きのレンズパーツを取り付けます。
モノアイシールドを取り付けます。
- 肩部
→右肩のオプションラックシールドは上部のみパーツの合わせ目消しを行い、下部は段落ちモールドで対応します。
オプションラックシールド内側の予備のビームサーベルとクラッカーを塗装します。
左肩のスパイクアーマーはパーツの合わせ目消しを行った上でスパイクアーマーの先端をシャープ化するためにディテールアップパーツを接着し、パーツの合わせ目消しを行います。
右肩のオプションラックシールドにスジ彫りを加えます。 - 腕部
→モールド追加のスジ彫りを加えます。 - 胸部
→上部のみパーツの合わせ目消しを行い、側面下部は段落ちモールドで対応します。 - 胴体部
→段落ちモールドで対応します。 - スカート
→スカート裏はセミグロスブラックで塗装します。
スカート後部のロゴのモールドはマスキング塗装します。
股間下部にディスプレイスタンド用のマウント穴3.0mmをピンバイスで開けます。
スカート前部下部ビームキャノンはジャンクシールで補います。 - 膝部
→段落ちモールドで対応します。 - 脚部
→関節の赤いパーツの裏側の肉抜きをエポキシパテで埋めます。
後ハメ加工は不要ですが、装甲パーツの合わせ目消しを行います。
装甲裏はセミグロスブラックで塗装します。 - 足部
→パーツの合わせ目消しを行います。
つま先のモールドはマスキング塗装します。 - 動力パイプ
→ガンメタルで塗装します。 - バーニア
→外輪はガンメタル、内輪はイタリアンレッドとします。
股間部はイロプラを生かしてマスキング塗装します。 - ビームライフル
→フォアグリップが両手持ちにするために設定よりかなり長いため、両端を切り落として短縮します。 - ビームサーベル
→一体化しているパーツのグリップを切断し、ビームをクリアパーツ化します。 - 各部ダクト
→マスキング塗装します。
3.パーツの合わせ目消し1&段落ちモールド

古いキットとは言え、鬼のようなパーツの合わせ目消しが必要なキットです。
モールドを追加する意味でも適度に段落ちモールドで対応します。
- 胸部の上部
- 肩部の基軸部
- スカート前部
- シールド上部
- バックパック
- 脚部装甲
- 足部→かかとは先にレーシンググリーンで塗装し、マスキング塗装します。
- ビームライフル本体、スコープ、フォアグリップ(短縮加工)
- 胸部下部
- 胴体部左右
- 膝部前後
- 脚部装甲前後
- シールド下部
4.後ハメ加工&ディテールアップ1

パーツの合わせ目消しの硬化を待つ間に第一弾のディテールアップを進めます。
- モノアイシールドを取り付けるためのスペースを確保するためにはモノアイレールを後退させる必要があります。
ジャンクパーツを頭部に収まるように加工、さらにモノアイを接着しやすくなるように正面を平面に削ります。
加工後モノアイレールをセミグロスブラックで塗装します。 - モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のピンク3.0mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープ(シルバー)を貼り付けて輝きを増します。
- 頭部ダクトは後ハメ加工とするために切断し、パーツの合わせ目消しの対象とします。
- スパイクアーマーの先端を切断し、コトブキヤ「M.S.G モデリングサポートグッズ プラユニット スパイク」の5.0mmを瞬間接着剤で接着後、ヤスって馴染ませます。
- 脚部関節パーツは肉抜き穴をタミヤ「エポキシ造形パテ(速硬化タイプ)」で埋め、硬化後平面にヤスって整えます。
- 長すぎるビームライフルのフォアグリップの両端を切り落として、瞬間接着剤で接着後ヤスって整えます。
5.スジ彫り

スジ彫りは高額なスジボリ堂「BMCタガネ(幅0.15mm)」には手を出せないため、これまで100円ショップ大創の「精密ケガキ針」やハイキューパーツ「ラインスクライバーCS 0.15mm」で行ってきましたが、今回ハセガワ「モデリングスクライバー けがき針」を購入してスジ彫りのスキルアップを目指したいと思います。
- モールドのデザインを感覚的にシャーペンで描きます。
- スジ彫りのガイドとしてハイキューパーツ「スジボリ用ガイドテープ 3mm (30m巻)」を使用してモールドを彫り込みます。
- パーツに応じてサーフェイサー(グレイ)を吹いて納得するまで埋もれたモールドを彫り込む作業を繰り返します。
6.パーツの合わせ目消し2

第一弾のディテールアップとスジ彫りが完了したら、パーツの合わせ目消しに取り掛かります。
- タミヤセメントをパーツの合わせ目にたっぷり付けてむぎゅっとなったら、大型クリップで挟み込んで3日程硬化を待ちます。
- 硬化後フィニッシングペーパーで400番→600番→1000番の順に磨き、最後にスポンジ研磨材で仕上げます。
- 足部かかとは先にレーシンググリーンで塗装しマスキング塗装します。
- サーフェイサー(グレイ)を吹きます。
- それでもデコボコが気になる場合はタミヤ「タミヤパテ(ベーシックタイプ)」を硬化させて、平面になるようにヤスって整えます。
7.塗装

パーツの合わせ目消しが完了したら、装甲色を塗装する前処理を行って塗装に進みます。
- リアスカートのロゴのモールドとつま先のモールドはサーフェイサー(ホワイト)+イエローで塗装し、発色を上げる前処理をし、マスキングして装甲の塗装に備えます。
- 肩部、スカート、脚部の装甲裏も装甲色塗装前にセミグロスブラックで塗装し、マスキングして装甲の塗装に備えます。
- 前処理が完了したら装甲色の塗装に進みます。
・装甲色1→レーシンググリーン
・装甲色2→ルマングリーン(黄緑)
・基軸パーツ・足首関節(筆塗り)→ジャーマングレイ
・関節パーツ・ビームライフル→ジャーマングレー
・プロペラントタンク→フラットブラック
8.ディテールアップ2

ここでは第二弾として一部重複してディテールアップをまとめます。
- ブレードアンテナをシャープ化します。
- モノアイが接着しやすいようにモノアイレールを平面に削っておきます。
モノアイはウェーブ オプションシステム「H・アイズ」のピンク3.5mmの裏面にセメダインのラピーミニ キラキラテープ(シルバー)を貼り付けて輝きを増します。 - モノアイシールドは仕上がり直前に取り付けます。
- 頭部各ダクトをガンメタルで、バルカン砲をガンダムマーカーEX<シャインシルバー>で塗装します。
- 胸部ダクトをガンダムマーカーEX<ヘビーガンメタリック>で塗装します。
- 左肩のスパイクアーマーはパーツの合わせ目消しを行った上でスパイクアーマーの先端を数ミリカットしコトブキヤ「M.S.G モデリングサポートグッズ プラユニット スパイク」を接着し、パーツの合わせ目消しと同じ要領で整えます。
右肩にモールド追加のスジ彫りを加えます。 - オプションラックの予備のビームサーベルはレーシンググリーン、クラッカーはガンメタル、支柱とオプションラックシールド内側はフラットブラックで塗装します。
- スカート前部のレッドとブラックのモールドはマーキング時ジャンクシールで補います。
- スカート後部のロゴのモールドはサーフェイサー(ホワイト)+イエローでマスキング塗装します。
- つま先のモールドはサーフェイサー(ホワイト)+イエローでマスキング塗装します。
- 動力パイプはガンメタルで塗装します。
- バーニアの外輪はガンメタル、内輪はイタリアンレッドとします。
- バーニア基軸部をガンメタルで、パイプ部をガンダムマーカーEX<シャインシルバー>で塗装します。
- ビームライフルのフォアグリップが両手持ちにするために設定よりかなり長いために両端を切り落として短縮します。
- リアスカートおよびハイドボンプレイヤー等の各部ダクトはサーフェイサー(ホワイト)+レッドで塗装し、マスキング後に装甲色を塗装します。
- バーニアとプロペラントタンク周辺はガンメタルで塗装します。
- ビームサーベルはグリップを切断し、バンダイ「ビルダパーツHD 1/144 MSエフェクト01」のビームエフェクト[A]をクリヤーイエローで塗装し、ピンバイスで穴を開けて取り付けます。
9.スミ入れ&マーキング

ほぼ全塗装のためにクラックの心配はありませんので、Mr.ウェザリングカラーをメインにスミ入れします。必要に応じてガンダムマーカーやコピック マルチライナー、シャーペンで補完します。
マーキングはパーツの合わせ目消しの補完も考慮して適切に配置します。
- 「Mr.ウェザリングカラー マルチブラック」でスミ入れし、うすめ液を使って綿棒で拭き取ります。
さらにガンダムマーカーやコピック マルチライナー<ブラック>0.03mm、シャーペンやを併用して補完します。 - ガンダムデカール「機動戦士Zガンダムシリーズ用」と「機動戦士Zガンダム/機動戦士ガンダムZZ汎用①」に手持ちの水転写式のジャンクデカールを使ってRG風にマーキングをしていきます。
ジオンのエンブレムマークを効果的に貼ります。 - 左肩下部のダクトにブラックを、スカート前部下部ビームキャノンのレッド+ブラックのジャンクデカールを貼り付けます。
- 動力パイプやバーニアなどメタリック系のパーツやホイルシールは輝きを保つためにつや消しから除外します。
- 「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」を吹いてコーティングします。
装甲で隠れる箇所が多いため、敢えて組み上げずにつや消しを吹きます。
10.組み立て

仮組み以来の組み立てです。久しぶりに組み上げ直前の感動を味わえます。
パーツの組み付けがきつい箇所がいくつかあり、ダボ処理が必要です。
- モノアイシールドとして、ランナーが入っている透明の袋を切り取り、両面テープで頭部内側の両サイドから貼り付けます。
- つや消しから除外したモノアイレンズパーツ付きのモノアイレールを取り付け、後ハメ加工した頭部前部を取り付けます。
- つや消しから除外した動力パイプやバーニアなどメタリック系のパーツを取り付けます。
- つや消しから除外した頭部やビームライフルのモールドにセメダインのラピーミニ キラキラテープ(レッド)貼り付けます。
- ビームサーベルのグリップにクリアパーツを取り付けます。
- ここまで塗装漏れやはがれの再塗装など補修作業に結構な時間を費やしました。
また、ディテールアップポイントとしていたビームライフルのフォアグリップが何度も折れるために、この段階でザクマシンガンのジャンクパーツを移植して接着しました。
さらにGallery用に劇中画像を検証してみるとディテールアップ塗装漏れを発見し、追加塗装しました。
・腕部の丸モールド→ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>
・バックパック側面ダクト→サーフェイサー(ホワイト)+イタリアンレッド+ガンメタルのジャンクシール
・後部スカート下部ダクト→サーフェイサー(ホワイト)+イタリアンレッド+ブラックのジャンクシール
11.仕上がり

組み上げてみるとHGとMGの中間のサイズ感です。素晴らしいスタイルなのですが、最新キットと比べると可動域は狭く、大胆なポーズはとれません。製作当初はビネット風ジオラマを考えていましたが、仁王立ちが似合うディスプレイベースを採用することにします。
- 本キットのハンドパーツはビームライフルとビームサーベルを左右どちらでも持てる仕様になっているため、二刀流も可能です。
- 股間部にピンバイスで穴を開けてアクションベース用のマウント穴を彫りましたが、結果的にストックしていた「1/48 バンダイ RX-78F00 ガンダム[BUST MODEL]」のディスプレイベースに乗せることにします。
- このキットはバックパックの荷重により自立が困難なため、コクヨ「プリットひっつき虫」で足裏を固定します。
- すべてのパーツを組み上げ、武装を持たせたら、いよいよ完成!
製作後記
これまでお気に入りのザクはサイコ・ザクや高機動型ザクなどでしたが、”ザクⅢ改”は新たなお気に入りザクとなりました。
入手困難なキットがようやく手に入って早速製作しましたが、期待どおり、イメージどおりの仕上がりになりました。繰り返すパーツの合わせ目消し、塗装もれ、パーツの破損・・・と時間を掛けて苦労した分、喜びもひとしおです。
鬼のようなパーツの合わせ目消しはあるものの、頭部の三分割のようにパーツの合わせ目消しが出にくい箇所もあり、ビームキャノン、伸長されたリアスカート、ヒールクロー、オプションラックシールドなど独特のデザインとギミックもあり、迫力あるサイズのキットです。
全てのパーツの合わせ目を消してしまうとつるんつるんの装甲になってしまうために、適度に段落ちモールドで対応しました。今回新しいツールとしてスジ彫り用ハセガワ「モデリングスクライバー けがき針」を購入しましたが、100円ショップ大創の「精密ケガキ針」を大きく超えるパフォーマンスは感じませんでした。私のスジ彫りのスキルはまだまだですが、今回はやり過ぎない程度にスジ彫り箇所を抑制しました。
RG風マーキングを目指してマーキングにも時間を掛けました。これは情報量のアップだけでなく、パーツの合わせ目消しの穴埋めにも貢献しました。これまでストックしたおいたジオンエンブレムも一気に放出しました。
残念ポイントとしてはモノアイシールドのスペースを確保するためにモノアイレールを後退させることになりました。これによってモノアイ裏にホイルシールを貼っても光が届かず、モノアイの輝きが沈んでしまったことです。
しかし、総合評価としては製作前のイメージと製作ポイントをしっかり実践したために満足度は高く、HGナンバー003の古いキットとは思えない、購入価格1,650円(税込)以上の価値あるキットだと思います。










ボックスアートはあまり古さを感じませんが、「機動戦士ガンダムZZ」はシリーズ三作目なのにHGナンバーはなんと003です。取扱説明書の製作ページはわずか3ページで、組み立てはシンプルですが、可動域はあまり期待出来ないかもしれません。
今回はハイザックの製作ノウハウを応用して、基本的な工作からディテールアップ、マーキングまでこだわり強めで進めていきたいと思います。
そして気になるのが、基軸パーツがグレー系ではなく、ブルー系になっている点です。