1/144 バンダイ HG RMS-099 リックディアス(クワトロ・バジーナ機)

クワトロ「好きなことを・・・。やる・・・。そこだ!」
2020.9 製作
お気に入りランク:★★★★☆  レア度:★★★★★

このキットはクワトロ・バジーナ大尉が搭乗した2002年8月発売の「1/144  HG RMS-099 リックディアス(クワトロカラー)」 をベースに、赤い外装部分をより設定画に合わせた形状にリニューアされるなど大部分が新規パーツで再現されています。また、腕、足、股部関節に多重関節パーツを採用することにより劇中シーンに合わせたダイナミックなポージングを可能にした広い可動域でアップデートされています。
さらに頭部もシャープな印象になるように新規パーツを採用されています。

とは言え、実際のところこのキットは2020年1月「1/144 HGBD ビルドガンマガンダム」のパーツを流用しており、プレミアムバンダイから限定商品として発売されました。

Photo Gallery


製作過程

前作の「1/144  HG RMS-099 リックディアス(クワトロカラー)」製作から1年も経たないうちにアップデート版での再製作に挑戦です。
「Realistic Model Series 1/144スケール HGUCシリーズ用 アーガマ カタパルトデッキ」発売にあたり、「機動戦士Zガンダム」の中では名脇役MSとして外せないリックディアスが今回の再製作の経緯です。
バンダイもアーガマ発売に合わせて「1/144 HGBD ビルドガンマガンダム」からのパーツ流用でアップデート版を販売したものと思われます。
可動域は無いに等しく、仁王立ちしか出来なかった前キットからどの程度改善されたか楽しみです。そして、前回の反省点だったパーツの合わせ目消しの克服が今回の製作の最大の課題となります。

1.イメージ
リックディアス
プレミアムバンダイ限定商品のこのキットはクワトロカラー版からのパーツに関節パーツを中心に差し替えられていますが、その他にもシャープにリファインされたパーツもあります。
  1. 課題は今更ですが、パーツの合わせ目消しのスキル習得です。
  2. RG風のマーキングで情報量をアップさせてMSの巨大感を強調します。
  3. HGのおもちゃっぽさを打ち消すディテールアップを追加します。
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2.組み立て1
リックディアス

ゲート跡の除去とフィニッシングペーパーで丁寧に処理を行い、ウエットティッシュで拭いて組み立てます。

ただしクレイ・バズーカとビーム・ピストルなどパーツの合わせ目消しが必要なため、しっかり接着剤を付け、ペーパー掛け後、サーフェイサーを吹いて塗装します。
ここでは私がこれまで行っていた手法のパーツの合わせ目消しで作業を進めます。

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3.塗装
リックディアス

HGならではイロプラ漏れの補正が必要で、そのほかに金属感や重量感をもたせる塗装を加えていきます。
本編の画像やネット上の作例を検証して、塗装箇所をチェックします。

なお、前回ガンメタルで塗装した動力パイプは基軸パーツと同色のままとし、前回見落とした腕部のレッドも塗装します。

  • ポリキャップ→ジャーマングレイ
  • リアアーマー裏側→ガンメタル
  • クレイ・バズーカ、バインダー一部、外装部内側→マットブラック
  • 薄いパープルのパーツ・ビーム・ピストル→ニュートラルグレイ
  • 腕部→ブライトレッド
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4.組み立て2&パーツの合わせ目消し1
リックディアス

組み立てを再開しますが、後ハメ加工を行わないために肩部、腕部は組み合立て中にパーツの合わせ目消しを行います。
この工程でのパーツの合わせ目消しにあたってはYouTubeチャンネルのモデラーの作業を参考に進めました。これまで恥ずかしながらフィニッシングペーパーを手に持ちラフに削っていましたが、空箱に両面テープで貼り付けて平面で丁寧に磨くとこれまで得られなかった精度でパーツの合わせ目を消すことが出来ました。

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5.パーツの合わせ目消し2
リックディアス

それでもパーツの合わせ目にムラが出来たために、これまでの接着剤をたっぷり付けたパーツの合わせ目消しに加えて2度目の”ランナーパテ”に挑戦します。

  1. ランナーを3mmくらいにカットします。
  2. カットしたランナーをガラス瓶に入れ、タミヤセメント(流し込みタイプ)を注いで2日程放置します。
  3. 余ったランナーでかき混ぜ、とろけ具合いを確認します。
  4. ランナーと同色の接着剤が出来たら、筆でパーツに塗布して3日程放置します。
  5. 完全に硬化したら、フィニッシングペーパーの400番→600番→1000番の順で磨き、さらにスポンジやすりで仕上げます。
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6.スミ入れ&マーキング
リックディアス

デカールが全く付属しないこのキットには今回もMSの巨大感を魅せるためにもジャンクのリアリスティックデカールで仕上げたいと思います。

  1. 「ガンダムマーカースミいれ用<ブラック>」、「ガンダムマーカースミいれ用<グレー>」、「コピック マルチライナー【ブラック】0.03mm」、そしてシャーペンの4種でスミ入れを行い、シンナーで拭き取ります。
  2. 手持ちのジャンクのリアリスティックデカールを貼り付け、RG風の密度とMSの巨大感を強調します。注力したパーツの合わせ目消しですが、それでも消しきれなかった箇所にデカールで隠ぺいします。
  3. 仕上げに「GSIクレオス Mr.トップコート水性プレミアムトップコートつや消しスプレー」を吹きましたが・・・。快晴の日を狙って吹いたにも関わらず、白化が発生しました。大創の「オイルライター専用オイル」を使って綿棒で修復しました。
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7.ディテールアップ
リックディアス
  • モノアイはいつものHIQ PARTSは使用せず、十字の入った付属のクリアーパーツを活用し、裏面にホイルシールを貼って輝きを増します。
    クレイ・バズーカにもジャンクホイルシールを貼ります。
  • 肩、スカート・足元の装甲の裏面・バインダー一部→マットブラック
  • バルカン・ファランクス砲身、ビーム・ピストルの一部と先端、各ダクト
    →ガンメタル
  • コトブキヤ「プラユニット P-109 バーニアノズルⅡ」を外輪はシルバーリーフ、内輪はブライトレッドに塗装します。
  • 腕部、脚部の各所に配置するウェーブ「U・バーニア フラット[1]」をシルバーリーフで塗装します。
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8.仕上がり
リックディアス
  1. モノアイやシルバーリーフで塗装したディテールアップパーツは輝きを失わないためにつや消し塗装後に接着することにしました。
    最終工程として各パーツを接着します。
  2. 各パーツと武器を組み上げたら、いよいよ完成!
    前作の「クワトロカラー」版との2ショットをご覧ください。
製作後記

今回の製作はパーツの合わせ目消しやトップコート失敗からのリカバリーなど、モデラーのYouTubeチャンネルを参考にし、今後の模型製作に役立つ2つの貴重な収穫が得られました。

第一に2度目となる”ランナーパテ”によるパーツの合わせ目消しでは、流し込みタイプの接着剤の分量や乾燥日数の目安がつかめたことは大きな収穫でした。

第二に「GSIクレオス Mr.トップコート水性プレミアムトップコートつや消しスプレー」による白化です。これは「1/144 バンダイ HG AMS-123X バルギル 」に続いてのアクシデントです。いずれも快晴の日に塗布したにもかかわらず白化が起こりました。
ここでやってはいけないことはエナメル溶剤での拭き取りです。過去何度もクラックを起こしたからです。大創の「オイルライター専用オイル」を使って綿棒で吹き上げてなんとか白化を鎮めることが出来ました。考えられる原因としてはスプレーが近過ぎた、もしくは吹き過ぎたことが考えられますが、高価な”プレミアムトップコート”は事故率が高過ぎます。最新の”スムースクリアー”では安定したつや消し効果が得られることから、今後のつや消しは「GSIクレオス Mr.スーパースムースクリアー つや消しスプレー」 に一本化したいと思います。
外装や多重関節などがアップデートされたリックディアスですが、クレイ・バズーカを右手に持たせるとポーズは限られ、さほど改善効果は感じられません。そこをやるならパーツの合わせ目消しを解消して欲しいというのが正直な感想です。

前作の「クワトロカラー」版製作後、パーツの合わせ目消しでは成型色を捨て、サーフェイサー+全塗装までやるべきだったと反省しましたが、今回のような白化からのリカバリーなどを考えると赤い成型色は生かして”ランナーパテ”に挑んだことは正解だったと思います。
そして、ここから「HG MSZ-006 ゼータガンダム〔U.C.0088〕」→「Realistic Model Series 1/144スケール HGUCシリーズ用 アーガマ カタパルトデッキ」へとジオラマ完成に向けた製作が続きます。

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